幸せになるために   作:MYA

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杏薇島へ 1話

ウインターカップが終わり1週間後のこと……。

 

「……暇だなぁ」

 

とある一軒家に1人の少年がいた……名前は桜庭柚希 14歳の少年で帝光中学校のバスケ部主将だ。

 

今日はバスケ部の練習がないため家にいた。

 

テレビを見ているとメールの着信音が鳴った。

 

「ん?誰だろう?」

 

メールを見ると赤司からだった。

 

「征兄だ なんだろう?えーと……『やぁ 柚希 ウインターカップ見てくれてありがとう そして全中優勝おめでとう 流石柚希だね それで本題だが……3日後合宿をすることになった 来るよね?あぁ…部活のことは気にしなくていいよ』……征兄 脅しみたいで怖いよ」

 

すると携帯の着信音が鳴った。

 

「わっ……征兄だ」

 

電話を出ると……。

 

『やぁ 柚希』

 

「征兄」

 

『メール見てくれたかい?』

 

「うん 見たよ 僕行っていいの?参加校は?」

 

『いいよ 来年は受験だからね 参加校は誠凛 桐皇 海常 秀徳 陽泉 洛山 霧崎第一 福田総合だよ 学校決めにはいいだろう?』

 

「そうだね どこに集まればいいの?」

 

『8時半に港においで 1週間分の荷物持って来るんだよ?』

 

「わかったよ 征兄 楽しみにしてる」

 

『じゃあ3日後にね』

 

「うん」

 

話が終わると電話を切りソファーに寝転んだ。

 

それから3日後……。

 

「柚希 これを持って行きなさい」

 

渡されたのはTウイルスと解毒剤数百本が入った頑丈なアタッシュケースだった。

 

「ありがとう お母さん」

 

「柚希のためだからよ まだ完治してないから絶対打つのよ?」

 

「うん わかってるよ 今日は本部に行くんでしょ?」

 

「えぇ」

 

「気をつけてね?」

 

「もちろんよ 何かあったら電話するか真に頼りなさいよ」

 

「うん じゃあ行ってきまーす」

 

「行ってらっしゃい」

 

家を出ると船が出る港に向かった。

 

港では……。

 

8時だがすでに何校か集まっていた。

 

「黒子っち〜」

 

「おはようございます 黄瀬くん 苦しいです」

 

いつものように黒子に抱きついた黄瀬は頰ずりをしては犬耳や物凄く振っている犬の尻尾が見えた。

 

「離れてください 黄瀬くん」

 

「いやっス」

 

「イグナイトされたいんですか?」

 

黄瀬はすぐさま離れた。

 

「相変わらずだな 黄瀬」

 

「火神っち あっ…そうだ 黒子っち 赤司っちがもう一人呼んでるみたいっすよ?」

 

「もう一人ですか?」

 

「そうっす」

 

「気になりますね 灰崎くんは知っていますから誰でしょうね?」

 

「そうっすね」

 

時間が過ぎていくにつれて港には合宿に参加する者たちが集まってきた。

 

8時25分には赤司が率いる洛山と紫原がいる陽泉がやってきた。

 

28分には青峰と桃井がやってきた。

 

そして8時半……。

 

「赤司っち 誰が来るんっすか?」

 

「それはね……あっ 来たようだね」

 

赤司がそう言うと赤司が見ている方に全員が振り返った。

 

「征兄 お待たせ〜」

 

「「「「「柚希(っち)(ちん)(くん)!?」」」」

 

((((柚希って誰!?))))

 

「時間通りだね」

 

「だって征兄がギリギリに来るようにって言ったからギリギリに来たんだよ」

 

「そうだね」

 

キセキと無冠以外の全員が柚希をみて驚いていたが一人は違っていた。

 

「久しぶりだなぁ 柚希」

 

そう霧崎第一の主将兼監督の花宮真だ。

 

「あっ まこ兄 久しぶり〜」

 

柚希は荷物を置いては花宮に抱きついた。

 

「元気にしてたか?」

 

「うん 2人とも元気だよ〜」

 

花宮は柚希の頭を撫でた。

 

「柚希 悪童との関係は何だい?」

 

「血の繋がった兄弟だよ〜」

 

「「「「兄弟!?」」」」

 

無冠の五将以外全員が驚いた。

 

((((全然似てない!!))))

 

「似てないよなぁ〜」

 

「うるせぇ 木吉 鼻と口は似てんだよ 後は母親似だ」

 

柚希は花宮の服の裾をつかんで引っ張った。

 

「どうした?」

 

「……抱っこして疲れた」

 

「ふはっ……しょうがねぇな ザキ 柚希の荷物を持て」

 

「なんでおれ?」

 

「早くしろ ザキ」

 

「はいはい ってか重っ」

 

花宮は柚希を抱き上げた。

 

「軽いな 減ったか?」

 

「へっ……減ってないっ ……少し減ったかも」

 

最後の方はボソッと呟いたけど2人は聞き逃さなかった。

 

「へぇ……柚希 今なんて言ったかな?」

 

「柚希 減ったって言ったよな?」

 

そう…赤司と花宮だ。

 

「「食育トレーニングだな」」

 

「えっ……それは……」

 

「嫌とは言わせないよ もちろんテツヤと一緒にね」

 

「「うっ……」」

 

「そっ…そう言えば赤司っち どこで合宿するんっすか?」

 

「杏薇島だ 聞いたことがあるだろう?」

 

「別名スポーツ島 島民は5000人くらいなのだよ」

 

「なんでスポーツ島なんだ?」

 

「島の3分の1がスポーツする施設しかないのだよ 合宿するには予約が必要なのだが赤司よく取れたのだよ」

 

「大変だったよ?何せ1年は予約いっぱいだったからね ようやくだよ 他にも合宿する人たちがいるけど明日だから大丈夫だけど迷惑かけないように 特に大輝と涼太」

 

「なんで俺らなんすかっ!?」

 

「黄瀬はともかくなんで俺なんだよ!?」

 

「青峰っち ひどいっす」

 

「うるさいよ 涼太 大輝」

 

そう言うと2人は駄まった。

 

「征兄 船乗ろう?もう直ぐ出発だよ?」

 

「そうだね 行こうか」

 

柚希は花宮に抱っこされながら船に乗った。

 

船に乗ると花宮から降りた柚希はみんなの前で自己紹介をした。

 

「桜庭柚希です 来年受験なので今日から1週間で決めようと思いますのでよろしくお願いします」

 

「柚希 霧崎に来るんじゃなかったのかよ?」

 

「候補として入れてるよ? でも今はテツ兄の誠凛が1番強いかな」

 

「柚くん テツくん好きだね」

 

「好きだよ?テツ兄とさつき姉は同じくらい大好きだよ」

 

柚希はニコッと微笑むと周りは頬を赤くし桃井がガバッと抱きついてきた。

 

「可愛い〜 柚くん」

 

「かっ……可愛くないよ さつき姉」

 

「可愛いよっ ねっ テツくん」

 

「そうですね」

 

桃井が離れて黒子が近づき頭を撫でた。

 

柚希は頭を撫でられ嬉しいのかニコニコしていた。

 

「征兄 島までは何時間掛かるの?」

 

「3時間だよ」

 

「3時間かぁ 大兄 涼兄探検行こ?」

 

「おうっ」

 

「いいっすよ」

 

柚希は青峰と黄瀬と一緒に船の探検に行った。

 

「なぁ 花宮」

 

「なんだよ ザキ」

 

「これ重たすぎなんだけど」

 

山崎が持っているのは柚希が持ってきた頑丈なアタッシュケースだった。

 

「柚希のか 薬だろ 昔は体弱かったからな」

 

「そうなのか?」

 

「あぁ」

 

「へぇ……薬って飲み薬?」

 

「いや 柚希に前聞いたが注射だそうだ」

 

「注射!?」

 

「あぁ 詳しくは知らねぇけどな」

 

「ふぅん」

 

数十分後柚希だけが帰ってきた。

 

「あれ?柚希くん 青峰くんと黄瀬くんは?」

 

「甲板にバスケコートがあったからバスケしてるよ テツ兄」

 

「なんだと!?どこにある!?」

 

「わっ……」

 

「火神くん 落ち着いてください 柚希くんが驚きます」

 

「あっ……わりぃな」

 

「柚希くん この人が僕の相棒火神大我くんです」

 

「火神大我だ よろしくな」

 

「よろしくね 大我兄」

 

「柚希くん 案内してくれますか?」

 

「うん いいよ!」

 

柚希は火神と黒子を連れてバスケコートに向かった。

 

バスケコートに着くと2人が1on1していた。

 

「大兄 涼兄 一緒にバスケしよ? テツ兄やる?」

 

「やりますよ」

 

「じゃあ3on2だね 僕はテツ兄と一緒ね」

 

「いいですよ」

 

「俺も柚希っちと一緒がいいっす」

 

「やだ 3人と戦いたいから」

 

「そんな〜」

 

「久しぶりに柚希くんと一緒にやれるとは嬉しいですね」

 

「僕も〜」

 

柚希は黒子と楽しく話していた。

 

「なぁ 青峰 桜庭だっけ?強いのか?」

 

「あ?柚希か?やればわかる でもバスケをやると空気か?すげぇ変わる」

 

「へぇ……」

 

「やるよ〜 大兄 大我兄」

 

柚希 黒子対青峰 黄瀬 火神の試合が始まった。

 

「ボールはどっちから?」

 

「柚希からでいいぜ」

 

「わかった ついてこれるかな?大兄 涼兄 大我兄?」

 

「かかってきやがれ 柚希」

 

「一回も勝ったことないのに?」

 

「うるせぇ 昔とは違うんだよ!」

 

「ふぅん」

 

柚希は軽くドリブルをすれば青峰が向かってきては軽く交わして青峰以上の速さでゴールに向かいスリーポイントラインで放つと綺麗に入った。黄瀬と火神は手がでなかった。

 

「柚希くん またスピード上がりましたか?」

 

「うん 少しだけ上がったよ 大兄に勝った」

 

「すごいですね」

 

「テツ兄に褒められると嬉しい」

 

黒子は柚希の頭を撫でた。

 

「次は僕の番ですね」

 

ボールは青峰からで青峰は黄瀬にパスをしようとしたが黒子がミスディレクションをし取れば高く上げた。

 

柚希は高くジャンプしダンクを決めた。

 

「精度上げたな」

 

「大兄が教えてくれたからね」

 

「よく青峰くんの教えが分かりましたね」

 

「本当はテツ兄のところに行こうとしたんだけど桐皇が近いから大兄に教えて貰ったんだ 何となくだけどわかったよ?」

 

「偉いです」

 

黒子は柚希の頭を軽く撫でた。

 

5人はバスケをして時間を過ごした。

 

そして3時間後……杏薇島着いた。

 


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