うちのカルデアに星5の鯖がようやく来たんだけど、全クラス揃えるとか夢物語だよね? 作:四季燦々
今回土佐弁が多く出てきますが、僕は全然知らないので調べながら書きましたがまちがっていたらごめんなさい!
そして水着イベお疲れ様でした!今回は久々に全力で取り組みポイント、素材共に制覇しました!やったね!でも林檎がものすごい勢いで減りました……。
というか、配布で邪ンヌってヤバ過ぎないか?
ではでは本編をどうぞ!今回は時系列的にカルデアがまだ健在の時の話しになります。
あっ、ちなみに星5出てます(ドヤァ
――ある日のこと。カルデアの召喚部屋では1人の剣士が大層大騒ぎをしておったそうな。
「――龍馬ァァァァ!!今日という今日はおまんを斬り殺しちゃるけ覚悟するぜよ!」
「まあまあ以蔵さん。せっかくこのカルデアで再会できたんだからそういう血生臭いことは止めよう。マスターや他の職員の人達の迷惑になるからね」
「そうだぞクソ雑魚ナメクジ。龍馬はお前の相手をするほど暇じゃないからな」
「誰が雑魚じゃ女ァ!わしゃあ天才じゃあ!」
「そうだね、以蔵さんの剣の腕前はピカ一だ。僕も今までたくさんの剣士を見てきたけどそう思うよ」
「まあ、龍馬の1番はお竜さんだけどな」
「そりゃ、僕達は2人で1人の英霊だからね」
「そうかそうか。ならお竜さんの頭を撫でろ」
「はいはい、お安い御用だよ」
「なに惚気とるんじゃおまんらぁぁぁ!!!」
マスターです。帝都の特異点を解決して早速召喚にチャレンジしているマスターです。たった今召喚された『岡田以蔵』さんが護衛役の坂本龍馬さんとお竜さんに絡んでいて非常にやかましいとです。
帝都で起こった特異点――否、新たなぐだぐだイベントを突破してきたオレは早速召喚にチャレンジしていた。目当てのサーヴァントが誰かというのはもはや語るまでもないだろう。あの純粋で抑止力なんて大層なものを背負わされて消えていった彼女。帝都の平和は魔神さんが守ること『沖田オルタ』の召喚だ。
今回用意してきた石の数は40連分。そのうちの20連分が今終了したところであの帝都でも斬り結んだ『岡田以蔵』さんが召喚されたのである。というか、この人星3のサーヴァントだよね?普通の星4サーヴァントよりもずっと召喚しづらかったんだけど確率どうなってんの?
寧ろ最初の10連で金色回転が来て、『キタ!コレキタ!!』って感動してたらエミヤさんが来たことにびっくりだよ。本人も突然のことにあんぐり口開けてたし。
ちなみにその時にワンシーンが次のとおりである。そ~れ回想シーン行くよぉ~(ホワンホワンホワ~ン
金色の回転より出現した弓兵のクラスカード。そこから現れたのは沖田オルタと同様に抑止力としての役割を持つ赤い弓兵だった。彼の姿を見た瞬間、沖田オルタではなかったことに少しばかり肩を落としたオレだったがあることに気が付いてエミヤさんに提案した。
「ねえ、沖t――エミヤさん」
「どうしたマスター。というか、今何か間違った人物を呼ぼうとしなかったか?」
「気にしない気にしない。ちょっと頼み事あるんだけど、小次郎さんのあの長い刀を投影できる?」
「彼の刀をか?確かにあの刀は業物ではあるが妖刀や魔剣といったものではないから可能だが、何故だ?」
「いいからいいから」
「ふむ、君が何を考えているのか分からないがいいだろう。
突然の提案に困惑していたバトラー――失礼。エミヤさんは短い詠唱を紡ぐ。すると投影の光と共に彼の手の中に小次郎さんの刀を同じものが出現した。刀としては異様に長いことが特徴の小次郎さんの刀。うん、装飾云々は置いといて『長い刀』ではあるな!
「じゃあ、それを逆手にも持って。あっ、鞘はそのままでいいから」
「マスター、一体何を考えて――はっ!まさかっ!?」
「オラァア!!褐色!白い髪!逆手に持った刀ッ!なんか赤っぽい!そして同じく抑止力!完璧な沖田オルタじゃああ!!」
「やはりそういうことか!!待ちたまえマスター!私は弓兵であってアルターエゴではないぞ!」
「ようこそ沖田オルタ!カルデアは君を待っていた!」
「流石に正気に戻れマスター!性別やらクラスやら武器やらそもそも間違いだらけでしかないぞ!!」
「無穹三段!無穹三段!無穹三段!」
「飲み会みたいなテンションで言うのはやめたまえ!!」
いいんだよ!諸々に目を瞑ればほとんど沖田オルタ(の要素)に被ってるからそれでいいんだよっ!(錯乱
それから護衛を務めてくれていた龍馬さんが止めに入ることで同時にオレ達は一時休戦をすることになりました。
ええ、エミヤさん完全に巻き込まれただけだけどまあ大丈夫だろ。宝具レベルも上がったしね。
ということで回想シーン終了~(ホワンホワンホワ~ン
そして続けて20連目に挑戦すると1発目から彼がやってきた。幕末の畏怖の存在として恐れられ、対人型に対して絶大な力を発揮する天才剣士だがどこかポンコツ臭も漂う弄り甲斐のある人物。自称人斬りクラスの『岡田以蔵』さんだ。
さて件の人斬りさんだが、召喚された時の様子は冒頭の通り。龍馬さんの姿を見た瞬間ヒートアップしお竜さんの煽りという油が注ぎ込まれ斬らせろだのなんだの騒ぎ立てているのだ。ギャーギャーギャーギャーやかましいんですよ、発情期ですかコノヤロー。
「以蔵さん、ステイ」
「誰が始末犬じゃあ!?」
「言ってねえよっ!?」
なに?今なんの電波キャッチしたの?つか始末犬って……始末犬……あれ?なんかピッタリ?(失礼
「ほら以蔵さん。マスターだってまだ召喚の途中なんだから静かに待っていよう」
「おまんの指図は受けんがじゃ!!いいからさっさと斬らせんかッ!」
「困ったね、完全に頭に血が上ってる。どうしようかマスター」
「この際殴っちゃっていいんじゃないかな?」
「ふんっ!(腹パン」
「ごふおぉっ!!」
「「あっ」」
冗談で言ったのにお竜さんが本当に腹パンしちゃった。女性の姿をしているとはいえその正体は竜であり、今は英霊でもあるお竜さんのパンチは十分強力だ。完全に不意を突かれた以蔵さんはそのパンチをもろに受け白目を向いて気絶してしまった。一応クラス相性的に優位だったからか消滅は免れたらしいが致命傷ギリギリである。
「……ごめん、以蔵さん。オレが不用意に発言したばっかりに」
「お竜さん!いくらなんでも駄目でしょ!!」
「うっ、すまん龍馬……」
このまま放置というのはあまりにもアレだったのでとりあえず彼が目を覚ますまで休憩することにした。なお、目を覚ました以蔵さんが刀を振り回し暴れだしたので再びお竜さんに殴られるという事態が発生したのはまた別の話。
「頼みますからジッとしていてくださいね。また騒ぎ立てるようならその口にニンニク突っ込みます」
「おまん、わしが匂いのキツイ野菜ちゃ嫌っちょること知っとろうが……」
「お竜さんも喧嘩吹っ掛けたりしないでね」
「仕方ないな」
ようやく共々落ち着いたところで30連目の召喚へ挑む。石を投げ入れてその反応に期待を込めるが召喚されるものは礼装がほとんど。召喚されるのもすでに宝具レベルMAXの帝都でお世話になったサーヴァントばかりだった。余談だが召喚されたメドゥーサさんを見た瞬間以蔵さんがいらん事言って腹に飛び蹴り食らっていた。何でこの人自分から地雷を踏み抜いていくの?
「おいマスター。またあの反応が来てるぞ」
「えっ?おおっ!また金色来てる!今回調子がいいな!」
な、なんじゃあああ……と蹴られた箇所を押さえてうずくまる以蔵さんに意識が向いているとお竜さんがポンポンとオレの肩を叩いて召喚サークルへと意識を向けさせる。召喚光は金色へと輝きその中心からは光と同色のカードが現れる。刻まれる刻印は――『バーサーカー』だ
「これはもしかして鬼の副長殿かな?」
「分かりません。ただバーサーカーのサーヴァントの中には突然暴れだす人もいるので一応警戒をお願いします。まあ、その際はすぐに令呪を切りますけど」
「任されたよマスター。ということでお竜さんも警戒態勢でお願いね」
「まかせろー、お竜さんがどんな奴でも丸呑みにしてやろう」
「サーヴァントだから食べちゃダメだよ」
2人の和むやり取りに癒されつつ、オレもどんなサーヴァントが来てもいいように身構える。部屋の隅でピクピクしていた以蔵さんもいつの間にかオレの達の下へと戻ってきており、腰に携えた刀に手を添えていた。
やがて大気中に溶け込むようにクラスカードが霧散し、光の中心から召喚されたサーヴァントが現れる。
彼のことを一言でいうのなら『黒い騎士』だろう。『負傷したケイ卿に代わり彼の武具を身に着け馬上試合に赴いた』、『負傷したパロミデス卿を見かね、彼の衣装を纏い代わりにトリスタン卿と決闘した』という他の騎士のふりをしたという逸話から宝具化した『
「Shrrrrrr……」
円卓最強と名高く、しかし栄光の円卓を崩壊させた裏切りの騎士。『ランスロット』がそこにいた。
「ランスロットさん……」
「えっ?ランスロットて、あの円卓最強にして最高と言われる騎士ランスロットかい?」
「そうです。セイバーのランスロットさんにも会ったことがあるんですけど、こちらは、その、色々と狂ってしまったランスロットさんです」
「英霊召喚では自身とは別側面も召喚されるとは聞いていたけどこういうことか。しかし、バーサーカーという割には随分物静かだね」
「ええ、バーサーカーのランスロットさんは確かに狂化が入ってますけど、ぶっちゃけセイバーのランスロットさんより(女性に対して)理性的です」
「素の方に問題があるって大丈夫なのかい円卓」
いや、まあ大丈夫じゃなかったから崩壊したんですけどね。
「なんじゃああのごつぅて真っ黒なやちゃあ。わしがいっちょ斬り合いでもして確かめちゃろうか」
「龍馬、あいつ変な煙出してるな。食べていいか?」
「2人共どうしてそうすぐ事を構えることを選んじゃうんだい?どちらにせよ駄目だよ」
「ちっ!つまらん奴じゃのう」
「うむ、龍馬がそう言うなら分かった」
実は仲良いだろ貴方達。っと、いかんいかんランスロットさんをほったらかしにしてしまってた。相変わらず唸るだけで何もアクションを起こさない湖の騎士だったが、暴れたりしないってことは少なくとも会話はしてもらえる余地はあるということだ。
えっ?会話できるのかって?ふっふっふっ!オレを舐めてもらっちゃ困る。以前ヘラクレスさんを召喚した時に会話できずに困ったからな。こんなこともあろうかとバーサーカー語(仮名)はばっちり勉強済みだ!
ごめん嘘ついた。完全にフィーリングだわ。ブルース・リー理論だわ。つまり『考えるな、感じろ』。
「つーことでランスロットさん、オレの言葉分かります?」
「Arrrrrrrrr」
「頷きがあるってことは理解はしてるってことか。じゃあ早速なんですけどオレと契約してくれますか?」
「Arrrthurrrrrrr!!」
「あー、ご期待に沿えず申し訳ないんですがうちのカルデアには普通のアルトリアさんはいないんですよ。オルタ化してたりオルタ化して大人になってたり逆にリリィになったりしているアルトリアさんはいますけど」
「Arrrthurrr……」
「あっ、やっぱりその彼女達じゃダメなんですね。なるべく召喚できるように頑張りますから気長に待ってください」
「Oaaaaaaa……」
「ありがとうございます」
オレの言葉にバーサーカーとは思えないほどしっかりと受け答えしてくれるランスロットさん。やっぱりこっちのランスロットさんは紳士的だ。いや、セイバーのランスロットさんも紳士的(女性限定)ではあるんだけども、彼の紳士的行為はマシュがプンプンしちゃうのでノーカン。
「おい、龍馬。マスターはどうしてあの真っ黒なやちゃあの言うてることが分かるんじゃ?」
「僕も驚いてるよ。流石は人理修復を成したマスターということかな。意思疎通の難しいバーサーカー相手でも恐れることなくコミュニケーションを取れるのはすごいよ」
ふっ、伊達に今まで多くのバーサーカーと共に戦場を駆け抜けておらぬわ!!ヘラクレスさんを筆頭に呂布さん、ダレイオス王、カリギュラさん、スパさんといった会話困難なサーヴァントがうちには多過ぎるんだ。フィーリングだって鍛えられるってもんよ!
ということでランスロットさんと無事契約完了。彼は以蔵さんとは違ってこの場に残らないこと選択したのでせっかくだからマシュをカルデア案内役に任命。ランスロット(狂)さんを召喚したと連絡を取ったらニコニコ顔で引き受けてくれた。
……これがセイバーのランスロットさんだったら渋ってたんだろうなあ。
さて、微笑ましい2人を見送ったところで最後の召喚に挑戦である。今のところ帝都の特異点に関連したサーヴァントは以蔵さんだけ。安定の召喚運である。いや、エミヤさんにランスロットさんが来てるんだから寧ろ良い方か。
「ということでラスト10連召喚行くけど準備はいい?」
「僕は問題ないよ。お竜さんも大丈夫だよね?」
「もちろんだ。お竜さんはいつでも準備万端だぞ」
「わしもじゃ。変なやちゃあ来たらすぐに叩き斬ってやるだけじゃけぇ」
うんうん、気合十分なようでOKだ。でも以蔵さんはだ霊基が脆すぎるから戦闘は禁止な。その鯉口をチャキチャキ切るのやめなさい。
何だかんだで息の合った3人をから視線を移し、召喚サークルへと30個の石を投げ入れる。そろそろ魔神さんに来てほしい。そしてすでにいる沖田さんと並べてダブル沖田してほしい。無明三段突きでエネミーを突き刻んだ後に絶剱・無穹三段で丸ごと消し飛ばすような合体宝具が見たい(願望
サークル内へと吸い込まれていく聖晶石。ぐるぐると回転するそれはいくつかの礼装を吐き出した後に唐突に金色に回転を始めた。
「やばい、今日マジで召喚運が良すぎる……。いつかに反動がありそうで怖い」
「おい、龍馬。マスターのやつ急にガタガタ震えだしたぞ」
「彼は聞くと所によると随分と召喚に苦しめられたみたいだからね」
「けっ!軟弱なやっちゃなあ!!」
うっさい!本当に怖いんだよ!この世の中うまくバランスがとれるようになってんの!召喚には本当に気を遣うの!
「召喚されたクラスは――これはライダークラスだね」
「ライダー?そんなやつ龍馬以外に帝都のおったか?」
「茶屋の女性――メドゥーサさんは確かにライダーだったけど星3。ということはこれは……」
つまりはすり抜けということだと言外に龍馬さんは語る。さて、こんな時に来てくれたライダーさんは一体誰なのやら。
赤い海賊衣装を身に纏いその女性は現れた。女性として恵まれたプロポーションを持っているが、その美しい顔にはそぐわない大きな傷跡。ワイルドな表情を浮かべ堂々とした足並みでオレの下へと歩み寄ってくる。人類史で初めて生きたままでの世界一周を達成し、そして当時無敵と誉れ高かったスペイン艦隊の悉くをドーバー海峡に沈め、スペイン人から「エル・ドラゴ」の仇名で恐れられた英国海軍提督。
「アンタが新しい雇い主かい?アタシはフランシス・ドレイク。まぁ仲良くやろうじゃないか」
かつてオケアノスの海で死闘を共にしたサーヴァント。見事なまでの船長としての器っぷりを発揮し、特異点修復の為に戦ってくれた偉大な海賊、フランシス・ドレイク船長だった。
「せ、船長ぉぉぉぉぉ!!会いたかったよぉぉぉぉぉ!!」
「おうさ!ようやく私を呼んだねマスター!随分と待たせたじゃないさ!」
「すんません!呼びたくても呼べませんでした!運的な意味で!」
「あっはっはっは!正直なところも相変わらずじゃない!いいねいいねぇ。やっぱりあんたはそうじゃなくちゃ」
がしっと力強く握手を交わす。ライダーで非常に優秀なドレイク船長が来てくれたのは大変ありがたい。宝具の連発も可能だしクリティカルも狙いやすい。そして火力も申し分なくバランスの良い能力を持っているためこれから頼りにさせていただこう。
「ほっほう!こりゃ見事な美女じゃな!!顔に傷があるのがちと残念じゃが、良い身体つきをしちょる」
「以蔵さん、それはセクハラだよ。しかし、彼女がフランシス・ドレイク?あの有名なマゼランですら成し遂げられなかった当人での世界一周を達成した?あれ、僕の記憶では彼は男だったはずだけど……」
「だが龍馬。あれはどう見ても女だぞ。胸にでっかい餅を持ってる」
「そういえば他にも性別が史実とは異なるサーヴァントがいたね。うーん、これはどういうことなのかな」
龍馬さん!龍馬さん!たぶんそれ考えても答え出ないよ!沖田さんとかノッブとか色々いるけどたぶん分かんないよ!
「ところでマスター。あの嬢ちゃん――マシュは元気かい?」
「マシュ、ですか?ええ、今頃は他の新参サーヴァントにカルデアの案内をしていると思います」
「そうかいそうかい。2人共元気でやってるようで安心したよ」
ニカリと男勝りの豪快な笑みを浮かべる船長。そうそうこれだよ。このどんな障害だろうと笑って乗り越えていきそうな頼もしい笑顔。流石は星の開拓者のスキルを授けられるほどの人物だ。
「それにしても、まだまだ青二才だと思っていたあんた達がいつの間にか随分と大きくなったもんだ」
「船長のおかげでもあるんですよ?あの時の啖呵。オレは忘れていませんよ」
思い出されるのはオケアノスでの戦い。再び目の前に立ち塞がった魔神柱を前に竦んでしまっていたオレ達の中で、船長は誰よりも早くそのおぞましい巨体に銃弾をぶち込み吼えた。彼女に胸の内に秘めていた思いを吐き出したマシュへの鼓舞として。
『――マシュ、これが正真正銘最後の戦いだ!ほらほら、しっかりしな!コイツをぶっ倒すためにやってきたんだろう!?ならシャンと胸を張りな!こいつはアンタのための大一番だ!不敵に笑ってこう返してやんな!"化け物なんかに用はありません!いいから素敵な王冠を渡してちょうだい!"ってな!』
並の英霊ですら圧倒されてしまいそうな敵を目の前にして、この女性は誰よりも強かった。まだ神秘の力を宿していなかったにも拘わらず彼女は恐れてなどいなかった。どんな強大な敵だろうと決して臆するな、ただ笑って打ち負かせと。
そしてその意志の強さは、今も尚オレ達にとっての道標の1つになっている。
「な、なんだい覚えていたのかい。あの時忘れろって言ったじゃないか」
「あれを忘れるなんてとんでもないっ!ってことです」
「まったく。仕方のないマスターだよ」
再び豪快な笑い声をあげるドレイク船長。だがその耳元はほんのりと赤くなっていたことから本気で忘れていてほしかったらしい。生憎ですがこんなに大切な言葉忘れたりしませんから。
「ところでさっきから獲物を狙う海鳥みたいにこっちを見てる3人は誰なんだい?」
「ああ、紹介します。白い軍服の人が坂本龍馬さんです。今回の召喚の護衛を引き受けてくれました。そしてその隣にいるフヨフヨ浮いている女性がお竜さん。龍馬さんの相棒ですね。アンさんとメアリーさんの様な感じだと思ってください」
「これからよろしく頼みます、ドレイク船長」
「お竜さんのことはお竜さんと呼ぶがいい」
「リョーマにオリョーサンだね。よろしくだ」
「そして最後に―」
「おうっ!わしゃあ岡田以蔵ちゅうもんじゃ。見りゃ分かると思うが剣士ぜよ。それもただの剣士じゃなか、幕末最強の剣士じゃ!」
「最強とはこれまた大層な発言じゃないか。あいつの言っていることは本当かいマスター?」
「最強かどうかは置いといて、以蔵さんは幕末に世間で人斬りと恐れられたほどの剣士です。少なくとも実力に関してはトップクラスですよ。――書文先生曰く惜しいらしいですが」
「人斬りとはこれまた物騒な奴だねぇ。まっ、大砲ぶっ放して数えきれない船を沈めてきた私が言うのもなんだけど」
片や京の人々を震え上がらせた人斬り、片やスペイン人を震え上がらせた『
「おおっ!意外と合うな女ァ。どうじゃ、一緒に酒でも飲まんか?」
「女じゃなくて船長と呼びな!でも酒盛りと聞いたら断れないね。いいさ、いっちょ付き合ってやるよ」
じゃあ、マスター。あとでまたマシュに会わせてくれよと言い残し、ドレイク船長は意気投合してしまった以蔵さんと共にはそのまま召喚ルームを後にした。あとに残されたのはオレと龍馬お竜さんペアと礼装の山。てかあの2人、片付け一切手伝わずに行きやがった……。
「――以蔵さん、どこでお酒が飲めるのかとか一切聞かずに出て行っちゃったね」
「やっぱりあいつアホだな」
「まあまあ、そんなこと言わないでさ。せっかくだから後で僕達も同伴させてもらえないか聞いてこよう。世界一周を成し遂げた人物の話、正直かなり興味があるんだ」
「龍馬も仕方がない奴だな。アホだな。だがそんなところも気に入ってるぞ」
「ありがとね、お竜さん。さてマスター、礼装の片づけ手伝うよ。それが終わったら僕達のあの2人のところへ行っても大丈夫かい?」
「ありがとうございます。ええ、大丈夫ですよ。じゃあ、お願いしますね」
その後、3人で手早く礼装を回収し龍馬さんお竜さんは2人の下へと向かって行った。あとで聞いた話だと以蔵さんはドレイク船長の思わぬ酒豪具合に敗北しデロデロになったらしい。何やってんだあの人斬り……。
―ボイラー室にて―
「マスタアアァァァァァァァ!!あの娘の召喚に挑戦したというのは本当ですかっ!?どういうことですか!すでに私という沖田がいるのに!純粋さですかっ!純粋さが負けてるんですか!?それともビームですか!?普通剣からビームは出ませんからね!それで結果は!?」
「おうおうおう、見りゃ分かんでしょうが。傷口抉ろうとすんなや」
「しかし、沖田オルタとは別におっぱいの大きな奴が召喚されたんじゃろ?マスターも嬉しいんじゃないかの?」
「人をおっぱい星人みたいに言うのやめてくれません?んなわけねえでしょ」
「本音はどうなのマスター?」
「褐色おっぱいも欲しかったです。――ハッ!?」
「うわー。冗談で聞いたのにこれには茶々ドン引きー」
「ちっ、ちげえし!別に胸とか興味ねえし!」
「うっそだー!茶々知ってるもん!マスター時々マタ・ハリとかブーディカとか武蔵とか胸元開いてる系サーヴァントのおっぱいに目が行ってること!」
「おいいぃぃぃぃ!!茶々さん!あんた何言っちゃってんの!?」
「マスタアァァァァ!やっぱりあの娘の胸目当てだったんですね!言っときますけど胸のサイズは一緒のはずです!サラシで分からないだけです!なんなら確かめますか!?今っ!ここでっ!」
「沖田さんストップストップ!!なに服脱ごうとしてんの!落ちついて!」
「私はいつでもクーールです!!」
「バーキャロウ!叫ぶクールがどこの世界にあるんだコラっ!」
「沖田の奴いつもよりさらに暴走しとるんじゃが。発言を思い出して後で死ぬほど恥ずかしくなるやつじゃな。まあマスターも男ということで是非もないよねっ!あっ、あと胸はオルタの方がデカかったはずじゃぞ」
「そんな!?発育ですらあの子に負けると言うのですかっ!?マスタァァァァァァ!沖田は私一人ですゥゥゥゥ!!」
「マスターのエッチ!スケッチ!ワンタッチ!(死語」
「ええいっ!!お前らうるせえぇぇぇぇぇぇぇ!!」
はいっ!ということで新規鯖3人。宝具重ねが1人という結果になりました。
これは間違いなく優秀な結果と言えるでしょう。沖田オルタさんが召喚できなかったのは残念でしたが、まあうちのアルターエゴはすでにメルトリリスで予約済みなので(なお福袋
以蔵さんすっごく弄りやすいです。なんだあのイキリ剣士。面白いぞ!ただセリフの口調を考えるのがすっごく大変だったよ……。
性能としては優秀な以蔵さん。ゲッテルデメルングではワルキューレ相手にバッサバッサ斬りまくってくれました。人型特攻って便利!
そしてランスロットさん(狂)。今ではすっかり周回のお供です。周回以外でも宝具で星バラまいて次のターンにクリティカルでの追撃は強力です。スカディのおかげで最近再び注目を浴びましたね。
そしてみんな大好きライダードレイク船長。すり抜けではありましたが初ライダーの星5です!やっぱり非常に使いやすいですね。NP獲得量アップにNPチャージ。そして宝具と攻撃力バフと運用しやすいです。いまだに全体宝具ライダーときたらドレイク船長なんじゃないでしょうか?
さて、前書きでも言いましたが改めて水着イベお疲れさまでした。皆さん同人誌は集めましたか?素材は集めましたか?そして召喚は……?
僕の場合フレンド登録をしている方は既にご存知だと思いますので言っちゃいますが、弓ジャンヌが来ました。初弓星5が水着ジャンヌです。やはり聖女か。グレイトオーシャン!
今回のガチャ、自分でも明日の死を確信するほど良い結果になりました。そのもようはまた水着イベガチャの投稿の時にお教えしますね!
さて、次回の更新内容は第2部第2章『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』を予定しています。もしかしたらいつぞやの剣豪の時の様にガチャ要素少なめになるかも?そして十中八九シリアスになるでしょう。また気長にお待ちいただけると嬉しいです。
ではではっ!
PS 学生の諸君、夏休みの宿題はちゃんとやろうなっ!あと休み明けのテストも頑張ろうな!