うちのカルデアに星5の鯖がようやく来たんだけど、全クラス揃えるとか夢物語だよね?   作:四季燦々

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遅くなりましたが、あけましておめでとうございます!(遅刻)

まさかまさか、ついに投稿間隔1ヶ月の壁を越えてしまいました。何と怠惰なのでしょう……。申し訳ありません。
で、ですが今回は2話投稿なので許してください……!というか、1話があまりにも長かったので2つに分けたという感じです。

今回のお話はセイレムやらクリスマスやらを飛ばして正月ピックアップとなっております。何故かって?色々あって早く先に書きたくなったからさ!(ドヤッ
クリスマスは良い結果とは言えなかったので分かりませんが、セイレムは必ず書きますのでもう少々お待ちを!

今回のお話を読むにあたっていくつか注意事項があります。

・第二部(序)のストーリーバレ
・ピックアップの混合(ただし、福袋は除く)
・オリジナル設定(今更)
・ご都合空間と時間軸(ほかに思い浮かばなかった)
・新規以外の星4サーヴァント及び星3サーヴァント召喚の省略(文の長さがえらいことになるため)

となっております。それでも構わんっ!という方は本編へどうぞ!



今年もお正月召喚に挑戦してきたんだけど、新年だし大盤振る舞いで大丈夫だよね?(前編)

――目が覚めると知らない天井でした。いや、正確には天井じゃなくて真っ白な空(?)がずっと続いているようなそんな感じ。

 

「OK、なるほど。まるで意味が分からん」

 

おかしい。オレは先程まで夢の中で新年恒例の巻き込まれ系イベントに挑んでいたはず。そこで妙に色っぽい絵師に出会って、何か外的な邪神の力を目覚めさせた彼女と共に真っ黒なノッブと戦い、そして別れを惜しみつつ現実世界に戻ってきたはずだ。そのはずなのに何故また謎空間?

 

「やあ、――君。起きたかい?」

 

「おはようございます、先輩」

 

もはやこういう謎空間に引きずり込まれることに関して定評のあるオレ。寧ろ先程までそんな感じだったのだが、立て続けに放り込まれることは流石になかったので状況理解に頭を悩ませていると、聞きなれた声が背後から聞こえた。

 

「ダヴィンチちゃん、それにマシュまで。2人がいるってことはここはカルデアなのか?」

 

「それが私も分からないんです。私もベッドで眠っていたらいつの間にかここにいました。ダヴィンチちゃんとはついさっき出会って、そして今先輩を発見したんです」

 

ふむ、マシュもこの状況はよく分かっていないと。ということはその傍らに立つ天才様が何か知っているのだろうか。

 

「じゃあ、ダヴィンチちゃん」

 

「なんだい、――君?」

 

「全然動じていないことから察するに、ダヴィンチちゃんはこの状況を把握していると思うんだけどこれってどういうこと?」

 

「ふっふっふっ。天才として答えを求められた以上答えないわけにはいかないな。ここはズバリ――お正月召喚の特殊空間さ!」

 

ドヤァ!と笑顔で答える万能さん。うん、意☆味☆不☆明。

 

「いや、いきなり何でそんなメタチックな感じになってんの?色々すっ飛ばし過ぎな上に超展開過ぎてマスターついていけないんだけど。」

 

「そうです。納得のいく説明を要求します」

 

「うーん、もっと深く説明してもいいんだけど出来ればさせないでほしいかな。きっと()()君達が知るのはまだ早いと思うから」

 

「なにそれ本気で怖い」

 

というか、結局一切説明になってない。そのことを指摘するとふんわりと説明をしてくれた。その内容を要約すると、なんか時間軸のズレた不思議空間に飛ばされたとらしいということ。その不思議空間はお正月の召喚に適した場所であること、とにかく召喚しようぜっ!ということらしい。うん、本当にそれだけの説明だったんだすまない。

 

「じゃあ、一応新年は迎えているということでいいのか?」

 

「ああ、それに関しては確実だよ。時間的に言えば今は2018年だ」

 

「じゃあ、明けましておめでとう……ってことでいいのか?」

 

「えっと、先輩?明けましておめでとうございます……?」

 

「明けましておめでとう、――君」

 

「ああ、うん」

 

全くそんな気分になれねえぞ、おい。

 

「まあまあ、細かいことを気にしすぎているとストレスばかり溜まってしまって福が逃げてしまうよ。せっかくの正月なのに。ここは思い切って召喚と洒落こもうじゃないか。マシュ、召喚用に盾をセッティングしてもらえるかい?ここでいいから」

 

「えっ?あっ、はい」

 

ダヴィンチちゃんに言われるままに謎空間に盾を置くマシュ。本来であれば霊脈やらなんやらの集まっている場所を選ぶはずなんだが、どうやら今回に限っては構わないらしい。

 

「よし、じゃあ召喚してくれたまえ――君。君自身、この正月の召喚は楽しみにしていたのだろう?」

 

「そりゃあ、もちろん」

 

正月ってのは福が高まるせいか、限定的なサーヴァント達の召喚にチャレンジすることができる。その中にオレが召喚したい()()も含まれているのだ。福袋もあるし、今こそねらい目。これに備えずして何とする、ということで石を貯めに貯めたり事前にダヴィンチちゃんから石も買っておいて万全の準備をしていた。

 

「星5確定召喚用に有償石が30個、それ以外に10連召喚約10回分に呼符も相当集まっている。君にしてはよくここまで貯めたものだね」

 

「どうしても召喚したい奴がいたからな」

 

感心するダヴィンチちゃんの言葉を聞きながら、オレは集めた石の山と呼符の山を見る。ダヴィンチちゃんではないが本当にここまでよく集められたもんだと思う。ぶっちぎりで過去最高である。

 

「そういえばどなたなのでしょうか、その先輩の召喚したいサーヴァントとは。私は存じ上げていないのですが」

 

誰かってそりゃあ――

 

「ツンツンしてて素直じゃない白鳥だよ」

 

「……??」

 

「ほう、いったい誰のことだろうね。私も知らないし興味があるね」

 

「説明すると長くなるんだけど、メルトリリスっていうアルターエゴクラスのサーヴァントだよ。前にすげえ世話になったんだ」

 

「メルトリリスさん、ですか……?私は聞き覚えがないのですが……」

 

むむむ……と頭を悩ませるマシュ(可愛い)とは裏腹に、ダヴィンチちゃんは目をキラキラさせながら早く召喚してみせてくれ!と無言の期待を込めてきていた。まあ、アルターエゴのクラスは珍しいからね。

 

さて、まず挑戦するのは福袋召喚、俗にいう星5確定召喚のことだ。これは10連1回しかできない代わりに必ず星5を呼ぶことができるという破格の召喚である。以前は同じように召喚してアーサー王を呼べたことはいまだに鮮明に覚えている。

 

「今回の召喚は全クラスを2つに分かれていてね、3騎士+ルーラーとアヴェンジャ―の召喚と4騎士+バーサーカー+その他のエクストラクラスの召喚がある。――君はどちらを選ぶかい?」

 

「勿論、後者で」

 

アルターエゴを狙うんだ、当然の選択である。それに今のところうちは4騎士とバーサーカー、他のエクストラクラスの星5と言えば酒呑ちゃんしかいないからな。仮にアルターエゴの彼女が来なくても他のクラスのサーヴァントが来てくれれば十分な戦力になってくれるだろう。

 

「これで酒呑童子をもう1度召喚したりしたら面白いね」

 

「ダヴィンチちゃん、流石にそれはないんじゃないでしょうか。何故なら先輩の選んだ方の召喚だと星5のサーヴァントの方は30人。その中から酒呑童子さんをピンポイントで召喚するような運は先輩にはありませんよ」

 

「あははっ!それもそうだよね!ごめんごめんマシュ。いくら――君でもそんな確立引き当てないだろうね」

 

「はい、いくら先輩でも無理です」

 

楽し気に話す2人の会話のせいでフラグが立ちそうで恐ろしいのはオレだけですか……?(恐怖)

いやうん。ないない、いくらなんでもそりゃないって。だって確率的に3%ぐらい……あれ?意外と高い?(星4引くのと同じぐらい)

 

「……あ、あっははは。ふ、2人ともそんなギャグみたいなこと起きるわけないだろ……!」

 

「あの、先輩。大丈夫ですか?すごい汗ですが」

 

「気にしないでいいからっ!」

 

大丈夫、大丈夫……。この際アルターエゴの彼女じゃなくてもいいからダブりは……!ダブりだけは勘弁してくれ……!宝具レベルが上がるのは嬉しいんだけどせっかく他の星5を召喚できるチャンスなんだから……!

いや、高望みしていいなら白鳥の彼女がいいんだけど!

 

「……おし、いくぞ」

 

「なんだか先輩に静かな闘志(オーラ)が見えます……」

 

「気合十分だね。これは期待してもいいかもしれない」

 

ダヴィンチちゃんの工房から買い取った聖晶石を召喚サークルとなっているマシュの盾に投げ入れる。盾の表面にぶつかる直前に空間に溶け込むように石は消え、やがてお馴染みの光の回転が発生した。最初は白い光、しかしそれも虹色の色へと変化して高密度の魔力が漏れ出し始めた。

 

「星5サーヴァント召喚の兆しです!」

 

「早速来たかっ!さあて、誰の登場だろうね!」

 

「クラスは……アサシン、でしょうか?」

 

現れたクラスカードに刻まれていたのは暗殺者の刻印。色はもちろん金色。つまりアサシンの星5サーヴァントが召喚されたということになる。

 

「あの、先輩これは……」

 

「いやいやいやいや!まだ大丈夫っ!ワンチャンジャックちゃんかもしれないし、ファラオとかじいじとか謎のヒロインとかニート姫かもしれないじゃんっ!?まだ分かんないじゃんっ!?」

 

「アサシン、酒呑童子。またまた登場やぁ」

 

「いやあぁぁぁぁっ!なんか恒例のレアサーヴァント召喚直前のタメ(行間)も無しで普通に出てきたぁぁぁぁ!!」

 

なんということでしょう……(絶望)

かなり際どい服装、手には果物と酒。小柄な体から発せられているとは思えないほどの鬼気。召喚されたのはこの短期間で2人目となる鬼の頂点の一角、酒呑童子その人(?)だった。

 

「あらあら、旦那はん。またうちを呼んでくれるなんて嬉しぃわぁ。そんなにうちが欲しかったと?」

 

事故です、とは言えない。何か言ったら食い殺されるような気がする。性的に。

 

「あっはっはっはっ!!ひぃー!ひぃー!くっ、くふふふ……!お、お腹痛い……!さ、流石だよ――君!君は本当に私の期待を裏切らないね!」

 

「そこで大爆笑してる万能っ!だまらっしゃい!!」

 

「確率にして約97%を外してくるとは……今年も絶好調ですね先輩!」

 

「後輩のフォローがフォローじゃなくてトドメになってる!!」

 

なんでだよっ!逆に外す方が圧倒的に難しいだろうがよっ!相変わらず意味不明な召喚運だなおいっ!?

 

「旦那はんはそんなに求めてくれるなら、うちもまんざらではないし今晩美味しくいただかせてもらうわぁ」

 

「新年早々死んでしまうので勘弁してください」

 

その前にすでにカルデアにいる酒呑ちゃんの所へ行ってくださいお願いします(必死)

 

「なんや、うちら二人で攻め立てて欲しいんかぁ?旦那はん、可愛らしい顔してなかなか『まにあっく』やなぁ」

 

「ええい!このエロ鬼ッ!マシュの教育に悪いからやめなさい!」

 

「2人で攻め立てるとはどういうことでしょう……?」

 

「なんや小娘知らんのかぁ。ええか、それは3「――本当にやめんかっ!!」――ふふふっ。まあ真っ赤な顔の旦那はんが見られたから行幸とするわぁ」

 

その後散々オレをからかい倒した後(やっぱり鬼だ)、酒呑ちゃんは姿を消した。ダヴィンチちゃん曰く、ちゃんとカルデアのもう1人の彼女の下へ行ったらしい。

うん、まあこういうこともあるさ。宝具強化ができたと考えよう。寧ろ考えなきゃ心が折れそうだから(自己暗示)

 

「あの、先輩。結局先程酒呑さんが言っていたのはどういうことでしょう」

 

「うん、知らなくていいんだ。マシュ、お願いだからそのまま真っ白でいてくれ」

 

「は、はぁ……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さあ、次はとうとう彼女の召喚にチャレンジだ!前回は失敗したが今回はそうはいかないぞ!何故なら今回は石が大量にある。これならいけるはずだからな!

 

「では、早速やってみたまえ――君。君に幸運があらんことを」

 

「ありがとうダヴィンチちゃん!よーし!記念すべき新年最初の10連だっ!」

 

あっ、福袋はノーカンで。あれは星5確定だから。

グルグルと光を放つ召喚サークル。今年もおそらく見飽きるほど見るのだろう景色を眺めていると、バリバリと金色の光を放ち始める。

 

「高レアサーヴァント召喚反応!これは……!キャスタークラスです!」

 

「おおっ!いきなり星4以上とは幸先いいじゃねえかっ!さあ、誰だっ?」

 

金色のキャスタークラスのカードが現れ、大きな光を発する。眩い光の中から何者かが歩いてくると気配を感じた。白い光のキャンパスに黒シルエットが現れ、その形から召喚されたのが女性だということが分かった。

 

 

 

 

 

ピンと立ったウサギのような耳の形の被り物を頭に身に着け、手にはキャスターらしい杖。彼女が歩くたびに足元まで伸びた髪が別の生き物のように揺れる。どう考えても布面積が足りていな服と、その褐色の肌の色から彼女がどこの英霊なのか理解することは難しくないだろう。

 

「サーヴァント・キャスター。天空の神ホルスの化身、ニトクリス、召喚に応じました。このようにファラオではありますが、私はあまりに未熟の身。故に、今回だけ特別に貴方を「同盟」の相手と認めましょう。……ですがその前に、言うべき事は言っておきます。コホン、頭を垂れなさい。不敬ですよ!」

 

皆大好き『全体即死させるウーマン』『出ませい!』『メジェド様ごっこ』等々の愛称で知られるエジプトのファラオ。ニトクリスだった。

 

「ニトちゃんだぁぁぁぁ!!出ませいしたぁ!」

 

「なっ!?いきなりなんですか貴方はっ!不敬ですよっ!そのような名で呼ぶことを許した覚えはありません!」

 

「あっ!ごめんっ!でもやっぱりニトちゃんって呼び方の方がしっくりくるからさ!」

 

「ふ、ふふふ不敬ですっ!不敬です不敬です!貴方、そこになおりなさい!サーヴァントである以前に私はファラオです!きちんとした立場を分からせてあげます!」

 

「やりましたね先輩っ!」

 

「おおっ!これで周回がグッと楽になるぞっ!」

 

「そこぉ!話を聞きなさいッ!」

 

褐色の肌を赤に染め上げニトちゃんが大声で怒鳴る。もちろん彼女の声は聞こえていたがここは弄り倒すべきだと思ったんだ(使命感)

ほら、彼女すごく良い人なんだけどちょっとポンコツなところあるじゃん?あまりにも可愛らしくてつい、な。決して先程の憂さ晴らしとかではない(確信犯)

 

「ごめんごめん。でも来てくれて本当に嬉しいよニトちゃん」

 

「ですからっ!そのニトちゃんって呼び方はやめなさいと言っているでしょう!鏡取り出しますよ!」

 

「それは死ぬからマジ勘弁」

 

一般人にニトクリスの鏡とかオーバーキルどころじゃないから。

 

「まったく、貴方は相変わらず不敬です。不敬の塊です。もっと私のように気品のある行動をしてほしいものですね」

 

「そうか、気品のある行動をするとメジェド様ごっこし始めるのか」

 

「あっ、あああれはそういうイベントだったからです!楽しいイベントなのに堅物のような態度をとる方がかえって失礼に当たるでしょう!?」

 

羞恥心にさらに顔を真っ赤に染め上げるニトちゃん。うん、流石にこれ以上は可哀想だ。臍を曲げられて契約を無しにされても嫌だからここらへんでやめておこう。

そう考えたオレはその場に跪き、ニトクリスに頭を垂れた。突然の畏まった姿勢に「えっ?ええっ?」と彼女が動揺しているのが分かる。

 

「偉大なるファラオ、ニトクリス様。先程までの無礼な言動、大変申し訳ありませんでした。しかし、そのナイルの川のような寛大なお心を信じお願いがございます。ぜひ、私めに貴方様のお力をお貸しください。天空、冥界の神と名高き貴方様にこのような申し出は不敬以外の何物でもないとは重々存じております。ですが、貴方様のお力が必要なのです」

 

「あ、あの……いきなりそんな畏まられても困ると言いますか、調子が狂うと言いますか……」

 

「お願いします、ファラオニトクリス!偉大なるホルス神っ!どうぞ、この小さき人間にお力を!」

 

「ああもうっ!分かりました!分かりましたからっ!ちゃんと力をお貸ししますっ!だからその妙に畏敬を持った態度はやめなさい!私がやりにくいったらありゃしません!」

 

「……よろしいのですか?」

 

「ファラオが許しますっ!だから頭を上げて普通にしなさい普通に!」

 

ちょろい(確信)

ここらへんでやめておこうといったな。アレは嘘だ。

 

「じゃあ、これからよろしくなニトちゃんっ!そのうちなんとかオジマンとかクレオパトラとかも呼んでみるから!」

 

「急に変わり過ぎでしょうっ!?あとそのニトちゃんはやめなさいっ!私と貴方はあくまで同盟者っ!ファラオとしてそこは譲れません!」

 

「えー、可愛いにー」

 

「やーめーなーさーい!」

 

ギャーギャーと騒ぐこと約5分。結局ニトクリスが折れることでこの契約は終了し、恨み言を吐きながら彼女は姿を消した。酒呑ちゃんと同様にカルデアへと行ったようだ。

相変わらず押しに弱いというか、人の好さが滲み出ているというか。本当に良い女王様なんだけどなぁ。

 

「先輩、ニトクリスさんに失礼ですよ」

 

「すまんすまん、つい嬉しくてやりすぎちまった」

 

「あれがファラオニトクリスの本性、というか素なのかもね。史実では冷酷な復讐の女王だったみたいけどこうしてみると普通の少女じゃないか」

 

「できればカルデアにいる時ぐらい、本当のニトクリスさんでいて欲しいですね」

 

「ああ、そうだな」

 

「先輩はやり過ぎないようにしてくださいね。ニトクリスさんも人類史に名を刻んだ立派な英霊のお1人ですから」

 

「うっ、反省します……」

 

マシュにメッと怒られる。はい、すみません。次に会った時にちゃんと謝ります。

 

さあて、じゃあニトちゃんへの謝罪の言葉を考えつつ次の召喚にいってみようか!今回は結構いい流れが来てるみたいだし、次の10連もワクワクしながら回すぞー!!

――と、意気込んではみたものの。

 

「まあ、そううまくはいかねえよな」

 

「恒常星4礼装が1枚にお正月のマーリンさんとアルトリアさんの礼装が1枚。あとは通常の星3サーヴァントの方だけですね」

 

「さっきまで妙に良い引きだったから落差を大きく感じるのはしょうがないと思う」

 

「もしかして先程の召喚で先輩の今年の運気を使い果たしてしまった可能性が……」

 

「頑張れオレの運気!今年はまだ始まったばかりだぞ!!」

 

こんなところでくたばってたまるかっ!うおぉぉぉぉ燃え上がれオレの中の運気ぃぃぃぃ!!

ということでせいっ!!と次の石を投球。バラバラに召喚サークルに突っ込まれていく魔力が込められた石の力により光の帯が力強く輝いて金色の輪を生み出した。

 

「おやっ?これは良い反応が来たみたいだね」

 

「おっしゃあぁぁぁ!!」

 

「これは今までにない頻度の高レアサーヴァント召喚回数ですね!先輩、ちなみに育成用の素材の貯蔵は大丈夫ですか?」

 

「大量に確保してあるぞっ!何故なら常日頃から新規サーヴァント引かないからなっ!育成素材には困らない!」

 

「ものすごく高いテンションでものすごく悲しいことを言うね、君……」」

 

ただしQP、お前だけはダメだ。最初のうちは『全然余るわぁw』とか思ってたのに気が付いたら底を尽きかけてて宝物庫周回をすることになったんだぞ。誰でもいいから5000兆QPくれないかなぁ。

 

新年早々しょうもないことをいるかも分からない神に祈っているとやがて光の中からクラスカードが現れる。刻まれていたのは騎兵の刻印。つまりライダークラスだ。召喚サークルを中心に放たれていた光が靄が晴れるようにその濃度を薄めていく。

 

「一体誰……ああ、いや。もう分かったな」

 

「はい、はっきりと姿が見えなくてもあの特徴を持つのサーヴァントは御一人、いえ()()()しか知りませんから」

 

現れた影は2つ。本来の召喚であれば同時に2人の英霊が召喚されるということはあり得ない。10連召喚はあくまでそれぞれが1度の召喚として扱われ、召喚されるのも1人だ。

だが、今召喚されたサーヴァントは1度の召喚で2()()召喚された。つまり2人で1人のサーヴァント。ここまで分かれば誰が来たのか推測するのは容易いもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1人は赤い装束を身に纏い、胸元を大胆に開いた背の高い女性。もう1人は黒い装束を口元まですっぽりと覆い、顔を二分するような大きな傷跡のある小柄な女性。世界にその名を轟かせた、間違いなく史実における最高レベルのコンビ。

 

「ビックリした? 僕達は二人でサーヴァントなんだ」

 

「彼女はメアリー・リード、私はアン・ボニー。宜しくお願い致しますね」

 

生きた時代では異例中の異例であった女海賊、アン・ボニーとメアリー・リードだった。

 

「おおおおおおっ!!ようやくうちに黒髭以外の海賊が来てくれたぞっ!!」

 

「ドレイク船長も我がカルデアにはいませんからね!」

 

これは嬉しいぞ!なんせオレだって男だ、海へのロマンとか憧れとかそういうのもある。あの大海原を駆け抜けた無法者にして冒険者達の話を直接聞きたいと思ってもしょうがないだろう。

だが、肝心の黒髭はあんまりそれ系の話をしてくれないんだ。大体が途中でモーレツなパイレーツやらひとつなぎの大秘宝とかの話になってしまい全然続かない。いや、その話はその話で楽しいんだけどよ、違うんだ。女子高生海賊とかゴムゴムの少年の話じゃなくて本当の冒険譚が聞きたいんだ。

 

「やあマスター。あの異質過ぎる特異点以来かな?元気にしてたかい?」

 

「ご機嫌麗しゅうマスター。ようやく出会えたこと嬉しく思いますわ」

 

「召喚に応じてくれてありがとう2人共。オレもまた会えてうれしいよ。もちろん絶好調だ」

 

「こんにちは、メアリーさん、アンさん」

 

「うんうん、マスターも盾の娘も元気そうで何よりだ。海賊は基本的に海の上にいるからね、調子を崩して船医にすら手に負えなくなったらイコール死だからね」

 

「そうですね。ましてや今は新年なのでしょう?このおめでたい時期に病気なんて面白くないですもの」

 

なんだろう。すごく平和な会話だ……。鬼にファラオと続いてネジがぶっ飛んだようなテンションだったけど、この親戚のお姉さんに久しぶりに会って新年のご挨拶をしているような気分はなんなんだ。

 

「ところでマスター。さっきのセリフから察するにここにはあの髭がいるのかい?いるのなら今すぐに細切れにして魚の餌にしないといけないんだけど。ああ、ごめん。それだと魚が可哀想だ。灰も残らず燃やした方がいいね」

 

「そうですわね。どうせ居たところで周りに悪影響しか与えないのですし、ここは思い切って風穴開けてあげるのはいかがでしょう。幼い子達に変なことしていませんか?ロリコンの魔の手にかかっていませんか?」

 

「嫌われすぎでしょ黒髭……」

 

いや、気持ちは分かるけどよ。でも、あれだよ。一応黒髭も最低限の決まりというかマナーは守ってるよ?Yesロリータ!Noタッチ!だから物理的な被害は出てないんだ、意外な事に。でも視線が気持ち悪いとかデュフデュフ言ってるのが気持ち悪いとかもう存在が気持ち悪いとかそういう報告は上がってる、主に某女神様から。アステリオス君がその度に『まもる……から……』と言ってるのを聞くと不謹慎ながらほっこりするんだよね。

 

「まあ、もしそういう場面に出くわしたら対応は任せるよ。ガッツ持ちとはいえあんまりやりすぎないでね」

 

数少ないオタトークができる相手だし、戦力としても星2とは思えない火力を叩き出してくれるからね。つか、スキルが回復に攻撃バフにガッツに宝具威力アップって割と万能なんだよ黒髭。

 

「分かりましたわ。では、風穴ということでよろしいですわね」

 

「うん。細切れからの消し炭ということでいいね」

 

「先輩先輩!御二人が全く答えを変えてくれてないんですが……!」

 

「もうそれでいいんじゃないかな……」

 

微塵も分かってくれてねえが、日頃の行いの悪さだ。成仏しろよ黒髭。生きていたらまたアニメDVD一緒に見よう(フラグ)

 




後編へ続く(CVキートン山田)

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