新しい世界で俺は忍者になる！ 作：ルーニー
図書館で生物と化学を勉強し始めてはや1ヶ月。医療忍術のために勉強を始めたはいいけど、これをどうやって医療忍術に応用していくのかまだ掴めずにいるが、とりあえず勉強は続けることにしている。
確か、原作だと解毒するために肝臓部分の働きを強くしていた描写があったはずだし、創造再生も細胞の働きを活発にすることで回復速度を異常に上げることができた術だったはずだ。つまり生物の勉強、ないし人体の研究は医療忍術を使うことができるための第一歩として正しいはずなんだ。
なんだろうけど、医療忍術をどうやって修行していくのかがわからん。さすがに人体実験みたいに辻斬りめいた医療忍術の使用は避けるべきだし、1人でやるにしても何をどう始めたらいいのかわからないんだよなぁ。
とりあえず自分がケガしたらチャクラを集めて早く治すようにはしてるんだけど、治りが早いのかわからないからやっててもちゃんとできているのかわからないんだよなぁ。白豪の術も額にチャクラを貯め続けているのに全然出てくる気配もないし。どうすればいいのかねぇ。
「なんだ、最近大人しいじゃないか」
風船を片手に道場の縁側で座りながら医療忍術のことを考えていると後ろから声を掛けられる。そこには胴着を着て木刀を持った先生が珍しいものを見るような表情でいた。
あ、せんせー。いやね、どうも最近修行が身に入らないというか、なんかコレジャナイ感というか、そんな違和感があるんですよ。
「……まぁ、そういうときもある。そういう時は修行じゃなくてやったことのないことをやるべきだと思うぞ」
なんか、先生の話し方がまるで諭しているみたいに感じる。なんだろうか。俺そこまで修行にバリエーションがないと思われてるんだろうか。
いや、先生？確かに最近修行とかモチベーション低くなってはいるんですけどね、こう見えてちゃんといろんな修行とか勉強してますからね。今だって生物と化学の勉強してましてね。やっぱ基礎的な部分でも人体のこととなると中々難しいですね。覚えることがいっぱいですし。
「いや、そういうことじゃなくてだな」
俺の反論にあきれたような表情を浮かべて深くため息を吐く先生。何が違うんだろうか。そういう話じゃなかったんだろうか。
あ、そうそう聞いてくださいよ。最近螺旋丸が影分身無しでも作れるようになってきたんですよ。まだ成功率は1割いっているかわからない程度なんですけどね。これだけがテンション上がって力を入れられてる修行なんですよ。
「……そうか」
なんですかそのテンション。影分身を使えばきれいな状態にできるようにはなってたけど、片手だけで螺旋丸をきれいに出すのめちゃくちゃ難しいんですからね。どうしてもどこかしらに綻びが出てきてきれいな球にできないんですよ。風船使って修行してるんですけどいまだに割ってしまうんですよこれ！
「最近風船が割れる音が多いと思ってたらそんなことやってたのか」
あ、うるさいとかありました？そこまで大きい音は出てないと思ってるんですけど。そういうことじゃない。え、じゃあなんでそんな頭痛そうにしてるんですか。
俺の疑問に答えることなく先生は自分の修行に戻っていった。俺はまだ休憩しててもいい時間だし、最近師範代から組手とか木刀の振り方以外では特に自由に修行してもいいといわれているから最近は螺旋丸の修行をすることが多い。組手の方は俺が熱意をもってやれなくなって以来先生にも相談してあまり行わないようにしてもらっている。先生もやる気がないときに組手をやったところでケガしかしないということでやらないと言っていたからやめておくという判断は間違っていなかったんだろう。
けど、ホントどうしようかねぇ。前までは影分身5人以上とかそんなこと考えてたけど、前に影分身2人出せるようになってから熱心に修行するようになってないせいで出せる数増やせてないんだよなぁ。火遁の術も豪火球の術出せるところまでで終わってるからそれ以上はないし、本当にどうしたもんかなぁ。
まぁ、あまり深く考えてもわからないものはわからないか。とりあえず今はまだ熱をもってできる螺旋丸の修行と医療忍術の修行を集中するようにしようかな。
あ、そういや先生生物の教科書とか持ってるのかな。使わないのならもらうことってできるかな。後で確認しよっと。あ、風船割れた。
修行に熱がはいらないと言いつつ、プロと呼ばれる運動選手以上の筋トレをしている主人公である。（裏設定