今回ルークがドラゴンを拾います。
名前はヴェジュライ
名前の由来はヴァジュラ
天空を支配し、雨と雷(ヴァジュラ)を操るインドラ神が有名。ヴァジュラは武器とされる。の雷が由来。
後々雷を使わせようと思っているので………
そして中級魔法を教えてもらいました。
ルークの習得スキルで解説していますがここでも簡単に解説します。
ブレード・オブ・ウインド
風魔法。手から風の刃を出す技
フリーズガスト
氷魔法。霧の中に閉じ込め凍らせる技
アクアレイズ
オリジナル水魔法。高温の水球を相手にぶつける技。物や相手に当たると飛び散る
ダグネスがドM変態から変な方向にいってます
お気をつけください
sideカズマ
「クリエイトウォーター!」
今俺は初級魔法を習得し、その一つである水の生成を行っていた。普通にあるコップをいっぱいに注ぐ。勿体無いから飲んじゃおう。ぷはー、旨いなぁ
「ま、初級魔法じゃあ、この程度だろう。スキルも覚えて、俺も冒険者らしくなってきたな」
するとダグネスが俺を見つけたのかこちらに寄ってくる
「カズマ、キャベツの報酬で壊れた鎧を直したのだが、ピカピカになった。どうだろうか」
「なんか、成金主義のボンボンが着けてる鎧みたい」
「私も素直に誉めて貰いたいときもあるのだが……カズマはどんなときでも容赦ないんだな」
俺は思ったことを素のまま口に出してるだけなんだけどな。しかし………
「今はそんなことしてる場合じゃないぞ。あっちにお前を越えそうな変態がいるんだからな」
「魔力溢れるこのマナタイト製の杖のこの色、艶………あぁ!」
くねくねしながら杖に頬擦りしている。本当に変態にしか見えない……俺のパーティーってなんでこんなんなんだろ
「なんですって!!どういうことよ!」
あーこっちも問題が起きたか。なんで面倒臭いことが次々と……
「それがアクア様の捕まえたのはほとんどがレタスでして……」
「なんでレタスが混じってんのよ!」
「確かにレタスの換金率は低いが………」
レタスが混じってるにしては取りすぎじゃないか?ほとんどってどのくらい取ったかはしらないけど
「よくわからんが………あ、こっち来る。やだなぁー」
ルークは今、どうしてるかなぁ。早く帰って来い、来て何とかしてくれ。ルークは他の冒険者に呼び出されていないんだよ。あ、よくあるいじめじゃ無いからな?
「カーズーマーさん!今回の報酬はおいくら万円?」
「100万ちょい」
そう、俺はこの前の突発クエストで小金持ちになりました。俺の捕まえたキャベツは経験値が豊富に詰まっていたものが多かったそうだ。だから普通のキャベツよりも高く買い取ってもらえた。これも幸運度の差というやつだな。
sideルーク
「あの!これ、受け取ってください!」
カズマと一緒にいたときに冒険者の男の人(鎧を着ているのでナイトみたいな前衛職)に呼び出され、一応ついてきたのだが、そこにはいろいろな人が集まっていた。アーチャー、ウィザード、ナイト、盗賊等(多分そんな感じだと思う)の数人ずつが集まっているのだが……これはなんなんだろう。いじめじゃない…よな?だって他の冒険者もいるギルドのなかだし
差し出されている袋の中身が音からしてお金だと推察し、それに思い当たって焦った。
「そんな!受け取れないです!」
「ルークさんがキャベツを撃ち落とさなかったら私達はキャベツをこんなには捕まえられなかったんです。だからルークさんの手柄を取ってしまった分の半分だけでも受け取ってください!」
それこそ運というものだから受け取れないとおもうのだが………
「なら、1/4だけでもいいので」
なかなかむこうは折れてくれないようだ。
しょうがなく受けとると皆ホッとして他の冒険者(仲間だと思う)のところに散っていった。
「ど、どのくらいあるんだ……?」
よくよく数えると40万くらいあった。1/4でこれだけなので、半分もらっていたらやばかったとぶるぶるしながら思うのだった。ちなみに俺の報酬は50万くらい
sideカズマ
「カズマ様~前から思ってたんだけど…そのぉ~……そこはかとなくいい感じよね」
「特に誉めることが思い付かないなら無理すんな」
なんかこの展開、アクアが何を望んでるのかわかった気がする
「カズマのいいところはいくらでもあるぞ?」
お!ルークが戻ってきた!そしてルークって優しいよな
「まず、俺がレプ「わー!」なのを知ってるのに優しいところだろ?それからオリ「わーわー!」のアッシュと比べないでいてくれるとこ。あとは俺が常識を知らないのに軽蔑しないで教えてくれるとこ。カズマ、どうしたんだ?」
「どうしたんだ?じゃ無いだろ!なんでそんなに後ろ向きなんだ。だいたいアッシュとルークは別人だし比べる必要なんかない。それと、今後は遮った2つを言わないこと。いいな!」
ビシッと指をさせばルークはしゅんとなって可愛かった。犬の耳としっぽが見えた気がする
せっかく明るく振る舞えるようになったり感情を抑えなくなったってのに………根本が治ってないか。長期間だとは思ってたけどここまでひどいとは思ってなかったな。アクアやめぐみん、ダグネスもティア達みたいなことは言わないとは思ってるんだが、こればっかりはルークの気持ち次第だし……オールドラントからこちらにこれるようになってしまったらすぐに連れ出されるよな今の戦力じゃ……こうなったら魔王とかよりもそっちの対策と戦力アップを進めるか。ルークは俺が守ってやる!
こんなことを誓っているうちにも話は進んでいて何故かアクアに泣き付かれていた。話を聞いてなかったのでちらりとルークを見る
「………」
「大金が入ると踏んで所持金を注ぎ込んで、10万近い借金があるんだって」
俺の視線に気づいてくれ、アクアの話を要点だけ言ってくれるのはありがたい。
「ルーク、さんきゅ。っていうか今回の報酬はそれぞれのものにって言いだしたのはお前だろ!」
「だって私だけ大儲けできると思ったんだもん!」
最低だな。最初のうちに貯めとかないといい防具が後々買えないんだよ馬鹿!
「お願いよ、お金貸してよ。ツケ払いでいいから!」
「うるさい駄目神、この金で馬小屋生活を脱出するんだよ!」
そしてルークの気持ちを落ち着かせるんだよ。やっぱり野宿に近い環境だからか無意識に気を張っているみたいだしな。雨風が凌げて快適だと口では言っているが
「そりゃカズマも男の子だし?夜中に隣でごそごそやってるのを知ってるから早くプライベートな空間を作りたいのはわかるけど……」
な、なんでその事知ってんだよ!あーもう!
「よーしわかった!買ってやるから黙ろうか!」
ルークの目の前でこんなことを多いよな……格好いいとこ見せたいのに!
「カズマ、仲間って良いわね!最高のパーティーだわ」
このやろう………ルークのパーティーよりはいいとおもうけどルークが俺たちのせいで人間不振になったらどうしてくれんだ!
翌日
「カズマがちゃんとした冒険者に見えるのです」
そう、俺はキャベツの報酬で装備を買ったのだ。
「ジャージのままじゃファンタジー感ぶち壊しだものね」
俺もそれは思った。だが、それは言ったらダメなやつだ
「「ファンタジー感?」」
ルークとダグネスの二人で首かしげて可愛いな。主にルークが…だけどな
「初級とはいえ魔法スキルを習得したからな。盾は持たずに魔法剣士みたいなスタイルにしてみた」
なんというか………服がリオンみたいだよな。みんなが知っているのかはわからないけど……。長袖シャツに黒っぽいズボンとブーツ、緑色のマントでいかにもRPGだ。それも良心的な。腹出しなんて男だと似合う人が限られてくる。やっぱりルークって何でも着こなせる人だよなぁ、どんな服でも似合ってしまいそうで怖い………
「言うことだけは一丁前よね」
「では討伐に行きましょう。それも雑魚モンスターがいっぱいいるやつです。新しく新丁した杖の威力を試すのです」
「いや、一撃が重くて気持ちいい凄く強いモンスターを!」
「いいえ、お金になるクエストをやりましょう。ツケを払ったから今日のご飯代もないの!」
すっげーばらばらだな。このパーティーなんとかなんないかなぁ。まとめるこっちの身にもなってくれよ
「まとまりがねー。じゃあルークはどうだ?」
「あの、言えてなかったんだけど……最近魔王軍の幹部らしきものが街の近くに住み着いたらしくて、弱いモンスターが隠れちゃったみたいでさ。仕事が激減してるってルナさん(ギルドカウンターにいる人)が言ってた…んだけど……」
…………………え?何それ聞いてない。普通こういうのって主人公補正がかかるんじゃないの?まあ、神器を持ってたら誰でも主人公になんてしてたらさすがに補正が追い付かないか。えーとこういう場合は………
「つまり、腕利きの冒険者や騎士が王都から派遣されるまではまともな仕事ができないってことか」
これは俺の金もいつ尽きるかわからないな
「まったく、幹部だかなんだかしらないけどもしアンデッドならみてなさいよ。こっちは生活がかかってるのよ」
「とりあえず自由行動にするか」
そうして………
ダグネスはしばらく実家に帰って筋トレをしてくるといっていた。
能無しのアクアは毎日アルバイトに励んでいる。
そして俺はめぐみんの魔法の訓練に付き合うことになった。一発撃つと倒れるのでおぶって帰る人が欲しかったみたいだ……しかも守衛さんにうるさいと怒られたようで街から離れたところで行わなければならない。そうして廃城を見つけそこに爆裂魔法を撃つこととなった
毎日の日課となったこの行動で俺はめぐみんの爆裂魔法の出来がわかるようになった。
そしてルークは…………何をしてるのだろうか
いつの間にかいなくなってたし(置き手紙は書いていきました。ただしフォニック語だったのでカズマが意味を理解するにはもう少し時間がかかりそうである)
ようやく解読したその紙には………
『アクセル街周辺の探索してくる。探さないでください』
おぉい!ちょっと買い物行ってくる的なのりで遠出するなよ!というか最後の家出じゃないんだから書くな!
数日かけて読んだ直後のカズマの叫びであった
sideルーク
自由行動となったので少し遠出をしてみようと思います!弱いモンスターは出てこないので本当に散歩のようだが、いつ敵が出てくるとも限らないので気配を探りながら…だ。
「この前のキャベツ狩りがあったのが良かったな。食料には困らなそうだし」
あ、カズマと共に初級魔法を習得したんだ。ついでにその人が俺のファンってやつだったみたいで中級魔法を教えてもらった。まだ習得してないから使えないけどな
えーっと、ブレード・オブ・ウインドっていう風の魔法とフリーズガストっていう氷の魔法。それからアクアレイズっていう水の魔法。
「しっかし、ほんとになにもいないや結構歩いてきたんだけど……」
適当に進んでいたのだがその方向はまさしく廃城がある方向でして………
「うわぁーでっけー!あれ目指そ!」
アンデットが犇めくデュラハンが住む城へと目指すのであった。
木のお陰?で周りが全く見えない状況の中、ルークは着々と城へと近づいていた。しかし、生まれて間もないモンスターの赤ちゃんを発見し、休憩をとることにした(ルークは強行軍ばかりだったのでゆっくり進む分にはどこまでも行けてしまったりする)。
「ぴーぴー」
「よしよし、これ何て言う名前なんだろ………あ、これ食べるか?」
アニス特製のシチューを作りながら(嫌いなものが大量に入っているくせにこれだけは食べれるようになった。多分アニスの腕がよかったからだろう)、赤ちゃんを甲斐甲斐しく世話をするルーク。すると何故かなつかれてしまったようで離れようとするとイヤイヤされる。ミュウにも凄くなつかれていたし……
「参ったなー……あ!スキルを覚えればいいのか!」
六神将幼獣のアリエッタが魔物の言葉を話していたことに気づいたのかすぐさまスキルを習得する。
『ボクはにぃちゃについてくの!ついてくのー!』
「俺は街に住んでるんだぞ?無理だって………」
『おとなしくしてるもん!』
「言っても聞かないやつか………問題起こしたら経験値の足しにするからな。っと俺はルークだ」
『うん!ルゥにぃちゃ!ボク、ヴェジュライでしゅ!』
ということで旅の仲間にドラゴンの赤ちゃんのヴェジュライ(長いのでライ)が加わった。大きさはミュウ位で四つ足の羽がついてるドラゴンである。そして俺の頭の上が気に入ったようでそこから離れない。活発じゃないのがせめてもの救いか……。ギルドに申請したら許可でるかなぁ
頭の上でぴーぴー鳴くドラゴンのライに癒されながら歩いていると鎧の男が現れた。しかも頭を手に持って……
「…………」
「………………」
「……こういうのをアンデッドって言うんだっけ?」
「そうだな」
「最近魔王軍の幹部が住み着いたってギルドで聞いた…な?」
「……そうだな」
あれ?なんかおかしい。何がおかしいって………っ!!
ぴょんとバックステップをし、鎧の男から素早く離れる。頭にミュウを乗せながら戦っていたこともあるお陰か落とさずにすんだけど
「魔王軍の幹部!!こ、こんなところで会っちまうなんて」
「その……なんだ。なにもするつもりは……」
そ、そうだよな。敵だったら会ってすぐ殺しにかかるだろうし。よし
「俺はルーク。最近アクセルに来て冒険者になった駆け出しだ」
「魔王軍の幹部だと知っていながら名前を名乗るやつは初めて見たぞ」
「戦う気も無い癖に……」
拗ねたように言うとそれはそれで驚かれたのだが
「俺はデュラハンのベルディアだ」
素直に名前を言われたのでむしろこっちが驚いたよ
アッシュももう少し素直だったら……いやいや、あれは俺が悪かったんだ。そうだ、そうに決まってる。俺にだけあんな態度だったんだから
「ベル…ディア……ベルディア…うん!覚えた!」
「ルークは面白いな。普通冒険者なら仲良くしようとなんて思わないぞ」
「そしたら赤ちゃんとはいえドラゴンを頭になんか乗せてないって」
ミュウやアリエッタのお陰かモンスターとも仲良くなれるということを知ったルーク。そう考えるのも無理なかった。まだ七歳だし
こうしてデュラハン……ベルディアとの遭遇を終えたのだった。そして案外仲良くなってしまうのも時間の問題かもしれない。
「ルーク、外にずっといるのもあれだし、俺の城で話でもしていかないか」
「あ、したい!それでな?ミュウっていう………」
デュラ…ベルディアの案内のもと廃城へと進んでいくうちに夜が明け、ついた頃には朝だった。ベルディアはテレポート的なもので移動できるのだが、ルークがいるために使えないのだ(アンデッドのみという設定、ただのテレポートは別)。しかも歩きである。まぁ、普通の人ならこんなに短時間ではつけない距離なのだが………
「ルークは駆け出しなのだろう?体力が有りすぎではないか?」
「そうかなぁ、俺よりも体力ある女の人知ってるぞ?」
ルークはアニスとかアリエッタ、リグレットのことを言っている。この人たちは軍人だったからという理由だし、ルークも本当は凄く体力があるのだが比較した人物が悪かったと言わざるおえないだろう。しかも駆け出しで比べる人ではない。
そんな話をしていると急に辺りに魔力が溜まり始めた
「な、なんだ!?」
「これは連日の………爆裂魔法か!」
「爆裂魔法!?まずい、譜歌の詠唱じゃ時間が足りない……っ!粋護陣!」
とっさの判断でコンタミネーションでしまってあった剣をとりだし、防御を行う。そのときに一人だけ防御体制に入ってしまったのは悔やまれるが………
結果的にその判断が賢明だったのはいうまでもない。ベルディアは魔王軍の幹部なので倒れるほどではなかったのだが、さすがに生身であるルークが防御せずに爆裂魔法をくらったら一溜りもないだろう。現にパーティー一番の防御力を誇るダグネスが直撃でかろうじて(なのか?)生き残ったのだから……直撃というのもどうかと思うのだが
粋護陣はすべての攻撃を75%軽減させる技であるが、FS(フォンスロット)チャンパーであるカーマインチャンパーのお陰で効果20%上昇、つまり95%も攻撃を軽減できるのだ。ありがたい
と、まぁ死なずに爆裂魔法を耐え抜きまた話に花をさかせるのであった
「あーそろそろお腹すいたな」
「もうそんな時間か……確かキッチンがあったはずたぞ」
「ちょっと借りるー」
食材は自前のものでルークお得意のエビチャーハンだ。パッと作れて美味しい皆にも好評の一品。
「お待たせー」
「随分早いな!」
ものの数分で作ってしまったルークにベルディアは疑問がわく。 まぁ、テイルズ人たちにそれを言っては駄目だろうが………だってフィールドのどこに敵がいるかもわからない状態で料理を作っているんだし、茹でる時間が必要そうなパスタとか一瞬で作ってしまう人たちだからね
「お腹いっぱいだーもう食えねー」
「ルークはこのまま帰るのか?」
「それでもいいんだけど……また話し相手になってくれるか?ベルディア」
「こちらこそだ。ルークといるのは凄く楽しい」
種族を越えた友情というか、ルークだからこその友情。それは昔のルークに無かったものであり自然と笑顔が溢れる。
「よければベルと呼んでくれないか。友達という繋がりを言葉にしたい」
「うん!じゃあ俺はルゥって呼んでくれ!」
「ではルゥ、また今度な」
「また来るから!」
とりあえずアクセルの街に帰るのであった。自由行動にはなったけどカズマたちに見捨てられたくなかったから
(俺は絶対見捨てないぞルーク。大事な仲間なんだからな!)byカズマ
数日後にまたベルの所に遊びに行き、爆裂魔法を防ぎながらも楽しく話したり、数日泊まってみたりと有意義な時間を過ごしたのである。
ちなみに、ドラゴンの赤ちゃんを街に持ち込む許可はとれたのだった。ルークが近くにいるという条件付きで
sideカズマ
季節がひとつふたつと進んでいったある日……
「私の存在意義を奪わないでよ~!私がいるんだからいいじゃない!うわぁぁん!」
前日の夜、アクアに俺が思っていることを話し、アクアの回復魔法を教えろと迫った。そしてこの状況である。
「カズマは結構えげつないですからね。遠慮なく本音をぶちまけると大抵の女性は泣きますよ」
「まあ、回復手はいくらいてもいいけどな」
どこかで拾って来たドラゴンと戯れながらルークは話す。見ていて微笑ましいな
「ルークも結構ひどいことを言うものだな……カズマもストレスがたまっているのなら代わりに私を罵ってくれてかまわないぞ」
実家から数日前に帰ってきたダグネスが喋っている間に泣き声が聞こえなくなったからアクアを見たらまたひどいよ~と泣き始めた。こいつ嘘泣きか!
「緊急、緊急!冒険者の皆さんは直ちに武装し、戦闘体勢で正門に集まってください!」
「ライ!寝床に戻っといてくれ!」
『にぃちゃ!頑張って』
寝床である馬小屋の篭の中(ルーク作)に帰っていった
雷雲が辺りを覆うなか、一筋の雷が落とされる。そこには馬に乗った鎧の男?がいた。
「ただ事じゃねぇ……」
「なになに?」
「おい、なんだ!めちゃくちゃ強そうだぞ!」
ルークはただ事じゃないとつく前に感じ取ったのか、何かの準備をするために別れ他の人は正門に集まったのだが、見るからに強そうなボスが……
「俺はつい先日、この近くの城に越してきた魔王軍の幹部のものだが………」
本当にボスかよ!む、無理だって!
「あれはデュラハンか」
「毎日毎日毎日毎日!お、俺の城に毎日かかさず爆裂魔法を撃ち込んでくる、頭のおかしい大馬鹿者は誰だぁぁぁ!」
馬(といっていいのかわからない)が鳴いたときちょうどよく雷が落ちる。
そして魔王の幹部はそれはもうお怒りだった
爆裂魔法というとこの街ではめぐみんしか使えないはずだ。しかも城って言ったか?……毎日撃っているあの城って魔王の幹部が住んでたのかよ!少し考えたら分かりそうなことだったのに、何で考えなかったんだ
「爆裂魔法って言ったら……」
他の冒険者も同じことを思ったようでめぐみんを見た。しかし、気まずくなったのか他の魔術師に目を向けた。すると冒険者もその魔術師に目を向けた。
「え?何で私を見るの?私、爆裂魔法なんか使えないよ……小さい弟たちもいるのに……」
なんか可愛そうになってきた………めぐみんはガクガクと震えているがふぅと息を吐くとデュラハンの前に歩いていった。
「お前が……お前が俺の城に毎日毎日爆裂魔法を撃ち込んでいき、友達までも怪我させようとする大馬鹿者か!俺が?魔王軍の幹部だと知っていて喧嘩を売っているのなら堂々と城に攻めてくるがいい!その気がないなら街で震えているがいい!
ねぇ、何でこんな陰湿な嫌がらせをするの?
どうせ雑魚しかいない街だと思って放置していれば調子にのって毎日ポンポンポンポン撃ち込みにきよって!頭おかしいんじゃないのか、貴様!」
デュラハンはこの量をノンブレスで言い切った。
「我が名はめぐみん!アークウィザードにして爆裂魔法を操りし者!」
「……めぐみんってなんだ。馬鹿にしてんのか」
「ち、違うわい!我は紅魔族の者にしてこの街随一の魔法使い。我が爆裂魔法を放ち続けたのは魔王軍幹部の貴方ををおびき寄せるための作戦………こうして一人でこの街にやって来たのが運の尽きです。」
大声で話しているデュラハンとめぐみん。その内容について気になることがあったのを口に出していた
「いつの間に作戦になったんだ?」
「しかもさらっとこの街随一の魔法使いとか言い張っているしな」
「しー!黙っておいてあげなさいよ。今日はまだ爆裂魔法を使ってないし、後ろに冒険者がたくさん控えてるから強気なのよ。今いいところなんだからこのまま見守るのよ」
おいアクア。お前の声響いてるから向こうに聞こえてると思うぞ
「ふん、まぁいい。」
デュラハンが自己完結したような言葉を発したときだった
「ちょっとすいません、通して……って、ベル?何でこんな所にいるんだ?」
ようやくルークが正門に到着したのだ。しかし、ベルって誰だよ
「なっ!ルゥ!どうしてここに!」
デュラハン、お前かよ!というかなんでベル?
「!?………ルーク知り合いか?」
「うん。魔王軍の幹部だけど俺の友達だよ。それにここに住んでるって言ったじゃんか!」
あー、ルークなら敵相手でも友達になれる気がする……
「…………おっ、俺は雑魚にちょっかいをかけに、この地にきたわけじゃないぞぉ!…しばらくはあの城に滞在するとことになるだろうが、これからは爆裂魔法を使うな。いいな」
変な声が出たデュラハンは話のと中で落ち着き、めぐみんに釘を指しながら(とルークにまだあそこにいるから訪ねてもいいみたいな意味をのせて言った)、帰るためにくるりと後ろへ向いて歩きだした
「無理です。紅魔族は日に一度爆裂魔法を撃たないと死ぬんです」
「お、おい。聞いたことないぞ、そんなこと!適当な嘘をつくなよ!」
即答しためぐみんに対し、あわてて振り返るデュラハン………なんだろうこれは
「どうあっても爆裂魔法を撃つのをやめる気はないと」
めぐみんがすぐさま頷く。それもどうかと思うぞ、俺は
「俺は魔に身を落としたが、元は騎士だ。弱者を刈り取る趣味はない。だが………」
「ふっ!余裕ぶっているのも今のうちです。先生ー!お願いします!」
後ろに振り向きながら叫んだめぐみんに対し、えっ?と俺たち冒険者の声が揃う
「しょうがないわね!魔王軍の幹部だかなんだか知らないけど、私がいるときに来るとは運が悪かったわね!あんたのせいでまともなクエストを受けられないの!さあ!覚悟はいいかしら!?」
アクアは杖を持ったまま走っていき止まる直前にくるくると回しかっこよく決めた
おまえかー!しかもややこしくなるからやめろよ馬鹿!しかもクエストの恨みかい!
「ほぉ?これはこれは……アークプリーストか。俺は仮にも魔王軍の幹部の一人。こんな街にいる低レベルのアークプリーストに浄化されるほど落ちぶれてはいない。そうだな……ここはひとつ紅魔の娘を苦しめるとしよう」
めぐみんは息を飲んだように驚いているようだ。
「私の祈りで浄化してやるわ」
デュラハンの手に黒い霧が現れる
「間に合わんよ………汝に死の宣告を……お前は一週間後に死ぬであろう」
「ぐぅぅっ!」
いつの間に飛び出していたのかダグネスとルークはめぐみんの前にいた。ルークのほうが速かったらしく、ダグネスよりもさらに前にいて死の宣告をくらっていたのだ
「ルーク!ダグネス!」
くそっ、やられた!死の宣告か!!RPGでボスがよく使うやばい魔法じゃないか!
出遅れていた俺は皆のところに走りよる
「ルーク、大丈夫か!しっかりしろ!」
ダグネスは膝をついてしまったルークを揺さぶる。
「ルーク!?」
「ダグネスは大丈夫なのか!?」
「あぁ、私はなんとも……しかしルークが」
「………変化は…無さそうだよ……」
随分と辛そうな声ではあるが今の状態はなんともないようだ
「る、ルゥ?!いやいや、違うだろう……ふぅ………仲間同士の結束が固い貴様ら冒険者にはこちらのほうが堪えそうだな。紅魔族の娘よ、ルゥは一週間後に死ぬ。お前の大切な仲間はそれまで死の恐怖に怯え、苦しむことになるのだ。そう、貴様のせいで!」
貴様のせいで!という言葉がやけに感情がこもっている気がするんだが………気のせいだろうか
「ぁ!」
「これより一週間、仲間の苦しむ様を見て、自らの行いを悔いるがいい。素直に俺の言うことを聞いておけば良かったのだ」
「いつ消えるかわからないよりは怯えは少ないと思うんだけどな……しかもこれなら俺として死ねるんだし」
「おい!空気読め!大爆発〈ビッグバン〉よりは…とか、考えんじゃねぇ!」
平然とした声色でルークが良い死に方だみたいなことを言うからつい怒鳴ってしまったじゃないか!ルークがアッシュ……?と小さい声で言ったのでしんとしていた雰囲気を壊しながら鮮血じゃねぇ!と被せてしまった……何をしてるんだろう俺は
「何てことだ……つまり貴様はルークに死の呪いをかけ、呪いを解いてほしくば俺の言うことを聞けと…つまりはそういうことなのか!」
「は?」
は?なに言ってんだ?ダグネスは……なんか理解したくないんだが…
「呪いくらいでルークが屈するとも思わないが……どうしようカズマ!見るが良い、あのデュラハンの兜の下の厭らしい目を!ルークに仲が良いと偽りの友情を持たせ城に連れ帰り、呪いを解いて欲しくば俺の言うことを聞けと、凄まじいハードコア変態プレイを要求する変質者の目だ!」
「え?」
まぁ、そうだろうな。そういう反応が普通だよ。あのルークとお前の反応からして本当にただのお友達なんだろうが……大衆の前で突然変質者呼ばわりなんてな。可哀想に………そして、ダグネスは何でそんなに興奮してんだよ当事者たちが覚めた目で見てるぞ
「い、偽りだったのか……なんで……」
「偶々、会ったというのにどうして偽りになる!」
「ルーク!ダグネスのいうことは絶対違うからな!」
あぁ、もう!偽りの友情はルークに禁句なんだよ!否定し続けないとな………
「普通はルークが行くのだろうが最期の一週間くらい自然に過ごしたいだろう!相手のことを友達だと思いこんでいる可愛い男の子を監禁したいほどの欲情を持つ騎士とか!抵抗らしい抵抗も出来ぬまま全てを無理矢理に…………。どうしよう、どうしようカズマ!予想外に燃えるシチュエーションだ!見てみたい!しかしそんなことルークにはさせたくない、ルークの代わりに私が行ってくりゅ!」
「ええっ!?」
「やめろ!行くな!デュラハンの人が困ってるだろ!
」
俺がダグネスを羽交い締めにして動きを封じると、明らかにデュラハンはホッとした様子を見せ、ルークはおろおろとしながらダグネスの言葉の意味を理解しようと頭を捻っている。敵を助けるような真似をして良かったのだろうか……いや、こちらにも損害が出そうだから良いことにしよう
ダグネスが三角座りで止められたことに落ち込み、アクアはのほほんとこの茶番を見ている。何て自由なんだ……もうちょっと緊張感と言うものをだな。
「と、とにかく!俺の城に爆裂魔法を使うのはやめろ!そして紅魔族の娘よ、ルゥの呪いを解いて欲しくば俺の城に来るがいい。俺のところまで来ることができたのならその呪いを解いてやろう。だが、お前たちに果たしてたどり着くことが出来るかな?」
はっはっはっ!と笑いながら広がった闇の中へと消えた
雷雲がはれ少しずつ日が見えてきているが俺たちの雰囲気は暗いままだった
その雰囲気のままめぐみんは歩き出す
「おい、どこへ行く気だ」
「ちょっと城まで行って、あのデュラハンに直接爆裂魔法を撃ち込んで、ルークの呪いを解かせてきます」
そういうと振り返って笑みをこぼす。しょうがないと思いながらも、俺も同罪かと思いながら口を開く
「俺も行くに決まってるだろうが。お前一人じゃ雑魚相手に魔法を使ってそれで終わっちまうだろ?そもそも俺も毎回一緒に行きながら幹部の城だって気づかなかったマヌケだしな」
「私も行こう。二人だけでは心配だからな」
いつの間にか立ち直っていたダグネスも行く気満々だった。
「じゃあ二人も一緒に行きましょう。あ、でも城にはアンデッドが沢山いるらしいです。となると、武器は効きにくいですね。私の魔法のほうが効果的なはずです。なので………こんなときこそ私を頼りにしてくださいね」
「よせ三人とも……俺なんかのために」
「おいルーク、呪いは何とかしてやるからな。だから安心して」
なんか凄く良いシーンが行われているのだが、それはアクアの掛け声によってぶち壊された
「セイクリッド~ブレイクスペル~!」
ずっと手にしていた杖の蕾がパンと開きそこからビームがひょろひょろ~と出てルークを包み込んだ
「っ!?」
小さな二人の天使が髑髏の形をした霧を上へと運んでいく
「「「え?」」」
「あれ?えっと……」
「この私にかかればデュラハンの呪い解除くらい楽勝よ!どうどう?私だってたまにはプリーストっぽいでしょ♪」
たまにはって自分で言うのが駄目なんだと思う………
そして後ろで無言を貫いていた冒険者達がうぉぉおお!!という雄叫びをあげながら俺たち……いやアクアに向かって走ってきた
囲まれたアクアは照れながら(?)それほどでも~ありますけど~と言いながら誉められていた
勝手に盛り上がっていた俺達のやる気を返せ……
あのくらい雰囲気まで楽しんでいたのではないかとアクアを疑ってしまう……とりあえずルークが無事だから良いか!
「ぃよっ!勝利の花鳥風月♪」
「イェーイ!」
ほんとここの冒険者達、アクアに飼い慣らされてんな……
緊急任務
緊急クエスト
《デュラハン撃退!》
クエストクリア!!
次回予告
カズマ「一件落着だな」
アクア「ルークもどう?一緒に花鳥風月やらない?」
ミツルギ「おい、佐藤和真!アクア様を渡し…」
カズマ「こっちは忙しいんだよ、しっしっ」
ルーク「覚えたいスキルもあるしさ。ごめんなアクア」
ダグネス「(ミツルギを押し退けながら)カズマ!クエストをやらないか!」
カズマ「そうだな、よしみんな行くぞ(ミツルギを相手にせず立ち去る)」
ミツルギ「さ、佐藤和真?…………チッキショー」
書くの大変だった……
ルークはどこへ進んでいるのだろうか……書いてる自分が聞きたい
黒曜菫青香