アラガミ転生記〜ザイゴートからの成り上がり〜   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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体調不良で休んだ作者です。
しかし、暇なので手を進めていきます。


第2話 雑魚なりの生活

あれから20日経った。

 

俺は壁のコンクリートを食べて生活している。

 

味は無い。

 

......虚しい。

 

そして、たまに大型種等の自分以外のアラガミの死体が落ちていたりしている時は、食らいつくように食べている。

 

それしか許されないのだ。

 

身に余ることをした瞬間死ぬ。それが小型アラガミだ。

 

ザイゴートの攻撃手段は、空気砲の様な物を飛ばすかタックルだけだ。

 

今はまだゴッドイーターは来てないが、もし見つかれば逃げるのは限りなく難しい。

 

しかし、鍛えるとは言ってもザイゴートの身では空気砲のスピードを上げるくらいだ。

 

それでも、やるだけましだと思ってずっと訓練している。

 

1日の半分は訓練だ。

 

なんでこんなめに俺が遭わなければならないんだ。

 

そう思ったりもしたが、生きているだけマシだと思うことにした。

 

そして俺は今、オウガテイルに囲まれている。

 

たまには別の物を食べたりしたら強くなれるかも。そう思ったのが間違いだった。

 

自惚れでは無いが、ザイゴートは数少ない空を飛ぶアラガミだ。

 

浮けるだけまだ良いが、オウガテイルも遠距離技は持っている。

 

尻尾から針を飛ばしてくるあれだ。

 

今はそれを避けている。

 

何発か食らってしまった。

 

なのでこちらも空気砲を放った。

 

すると、とんでもないスピードで一体のオウガテイルが吹き飛んだ。

 

......え?

 

周りのオウガテイルは、恐れたのか、そそくさ逃げていった。

 

吹き飛んだオウガテイルは、絶命していた。

 

綺麗に食べた。ごちそうさまでした。

 

やっぱりアラガミは旨い。

 

体に染み渡る。

 

ふと、嫌な予感がした。

 

アラガミになって耳も多少良くなり、勘も冴えるようになった。

 

そんな俺の勘が警告を出す。

 

大きな音がした。

 

壁を壊して、何か大きな物が煙の向こうに影を作る。

 

それ以外に足音が多く聞こえる。

 

「ヴァジュラは活性化しています。隊長、どうしますか?」

 

聞き覚えのある綺麗な声。

 

『スタングレネードを投げろ!!それで隙を作るんだ!!』

 

通信機からの声も聞き覚えがある。

 

「了解しました」

 

煙が晴れると、銀色に輝く髪を持つ美少女が立っていた。

 

「隊長達が来るまで、足止めをします」

 

シエル、俺が一番好きなキャラだ。

 

しかし

 

「キェァァァェェェェァァァァァァァァァァ!!!」(タイミングが最悪なんだよぉぉぉ!!!)

 

もっと遠くから、安全な場所から見たかった!!

 

「!?ザイゴートですか.....邪魔ですね、倒しておきましょう」

 

やばい、さっきの声でバレた様だ。

 

スナイパーがこちらに向けられる。

 

どうする!?どうすればいい!?

 

恐らく今のダメージであれを喰らえば昇天間違い無しだ!!

 

......ん?

 

喰らう?

 

そこで俺は無茶な計画を思いついた

 

引き金が引かれ、弾丸が猛スピードでこちらに向かってくる。

 

ええい!!こうなればヤケだ!!

 

俺はスナイパーの玉を防ぐため、空気砲を放った。

 

スピードが幾分が下がった。

 

これくらいなら食らっても死にはしないくらいになった筈だ。

 

そして、強くなるためには喰らうしかない。

 

だから俺は、その弾丸を喰らうことにした。

 

(痛いと思うが、死にはしない!!)

 

俺は口を開け、弾丸を待つ。

 

その直後、激痛が走った。

 

「キィァァァァァァアアアァァァ!!!!」(いってぇぇぇぇぇぇぇっぇぇ!!!!!!)

 

やばい、口を貫通して後ろの卵に入って止まった様だ。

 

後頭部(?)がメチャクチャ痛い。

 

「ば、バレットを食べた!?」

 

その時、ヴァジュラが驚いていたシエルに襲いかかった。

 

「おっと、油断していました」

 

ヴァジュラの攻撃を躱し、バレットをヴァジュラの顔面に撃つシエル。

 

その隙を突いて俺は逃げた。

 

体が重いし、体の中から溶けるようだ。

 

.....これって状態異常の毒か?

 

その夜は、とてつもなく寝にくかった。




シエル登場速いですね。
ザイゴート君はちゃくちゃくと強くなっていってます。

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