レナの兄貴に転生しました【完結】   作:でってゆー

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投稿が遅れて申し訳ありません。
これからちょくちょく再開したいと思います。

また読んでくだされば嬉しいです。


部活動1

桜の花びらが舞う通路を礼奈と二人で歩く。

昭和56年4月。

運命の年である58年まで残り2年。

今年から俺は小学生から中学生へと変わり、両親からもらった学生服に身を包んでの登校となる。

ちなみに両親の手作りらしい。

いや、それもうただのコスプレじゃねぇか!っと思いはしたが両親の嬉しそうな笑みを見て、着ないとはとても言えず、無言で受け取ることになった。

 

「えへへ!いつもと同じ道なのに、着てる服が違うだけですごく新鮮だね!」

 

俺の横を歩いていた礼奈がくるくるとその場で回転しながら嬉しそうに話す。

礼奈も今まで通りの私服ではなく、俺とお揃いのデザインが施されたセーラー服に身を包んでいる。

礼奈は俺の一つ下なので本来はまだ小学6年生なのだが、礼奈の強い要望によって両親が用意してくれたのだ。

 

俺としても礼奈の可愛い姿が見れるので最高である。

ちなみに俺たちと同じデザインの服を着た人達がまだ他にもいる。

 

「あ!2人とも遅いよー!」

 

噂をすれば何とやら、声のしたほうへと目を向ける。

目を向けた先にはこちらへと大きく手を振る2人の少女の姿が見えた。

 

「みぃちゃん!しぃちゃん!」

 

俺と同じく声がしたほうへと目を向けていた礼奈が彼女たちの名前を呼びながら駆け出していく。

 

「はうぅ!セーラー服を着たみぃちゃんとしぃちゃんとってもかぁいいよう!お持ち帰りぃ!!」

 

「あはは!言うと思ったよ!おはよ礼奈!」

 

興奮したように飛びかかってきた礼奈を受け止めながら笑う魅音。

魅音も礼奈と同じデザインのセーラー服を着ている。

違うのはスカートの長さ。

平均的な長さのスカートの礼奈と違い、魅音は丈の長いものを好んで使っている。

礼奈と話す魅音のセーラー服姿は非常に似合っていて可愛らしい。

俺が存在している影響からか、今の魅音は俺の知ってる原作の魅音よりも女の子らしい振る舞いが多く感じる。

この変化が魅音の未来にどう影響するかはわからないが、俺は今の魅音のほうが好ましく思う。

 

「おはよお兄ちゃん。どう?けっこう似合ってるでしょ!」

 

礼奈との話を終えた魅音がそう問いかけてくるので勿論と答える。

それを聞いた魅音は少し照れくさそうに頬を染めて笑う。

 

「・・・・」

 

「お前もよく似合ってるぞ詩音」

 

先ほどから黙っている詩音に声をかける。

詩音も俺たちと同じく両親が作った制服に身を包んでいる。

母が独立した店は園崎が関わっている関係からか、気が付いたら彼女達の制服を両親が作ることになっていた。

ここまできたらと悟史の分も一緒に作ってもらった。

ちなみに詩音のスカートは魅音とは逆で短い。

普通なら確実に校則違反だろう。

ていうかパンツが見えそうなので兄貴分としてはやめてほしいのだが。

 

「・・・・ありがとうお兄ちゃん」

 

詩音を薄く微笑みながらそう答える。

本来詩音は今年から雛見沢から離れて聖ルチアーノ学園だったか、寮生のお嬢様学校に行く予定だった。

しかし本人の強い希望と魅音の協力によって中学生の間のみだが、ここに通うことが許された。

 

これで詩音は少なくても3年間はみんなと一緒にいることができる。

高校の話は言わば原作終了後の話になる。

あとあと詩音の問題はなんとかしないといけないが、今は原作を乗り越えることに集中するべきだ。

 

今年は原作通りでいけば梨花ちゃんの両親が殺される。

綿流しの日、つまり今から2か月半後。

雛見沢症候群の女王感染者である梨花ちゃんの研究協力を中止させると鷹野さんに宣言した両親は、それを阻止するためにオヤシロ様の祟りとして鷹野さん達に殺された。

 

原作通りならば今頃のタイミングでそう言った話が出ているだろう。

しかし、この世界ではそうはならない。

喜ぶべきことではないが、悟史達の母親が雛見沢症候群の末期症状を発症したことで運命は大きく変わっている。

彼女を助けるために梨花ちゃんの両親は雛見沢症候群の研究に進んで協力をしているからだ。

原作では末期症状を発症したのは沙都子で、沙都子を救うために梨花ちゃんが入江さんに頭を解剖してもらってワクチンを作り上げる。

それで沙都子は末期症状を脱することはできたが、その後に梨花ちゃんはそれが原因かはわからないが体調を崩してしまう。

それが梨花ちゃんの母親の限界を超える最後のきっかけになった。

 

だが、この世界では梨花ちゃんは頭の解剖を行っていない。

それを行ったのは梨花ちゃんの母親で、今も梨花ちゃんとともに雛見沢症候群の研究に協力をしている。

そのおかげでもあって悟史達の母親は順調に末期症状から脱しつつある。

退院する日もそう遠くはないだろう。

 

これによって鷹野さんが梨花ちゃんの両親を殺す理由はない。

いや、むしろ最優先で守るべき対象とすら考えているはずだ。

雛見沢症候群の研究に大いに貢献できるのが彼女達以外に現状いないのだから。

しかし、似たような考えをして去年痛い目にあっていることも事実。

 

警戒はしなくてはいけない。

雛見沢症候群の末期症状の発症の恐れがある人物がいないか。

現状確実に怪しい人物はいない。

 

しいて言うなら今目の前にいる彼女達だが、これは雛見沢症候群とかそういう問題なのか?

あの園崎家での宴以降、俺に対する態度が全員明らかに変わっている。

今までも懐いてくれているとは十分感じてはいたが、最近はそれが激しい。

 

詩音に至っては明らかに狙って俺を誘惑してきてる。

胸をわざと当てたり、人気のないところへ連れ込もうとしたり。

俺は彼女のことを妹として見ているから何とか耐えているが、他の女の子にされたらコロッと落ちる自信がある。

 

魅音も礼奈も今までとは態度が違うと感じる場面が多々ある。

俺としては今の関係が一番心地いいと感じている。

彼女達の兄であることが誇らしく、嬉しいから。

 

でも、彼女たちはそうじゃないのだとしたら。

あの時、俺のことを兄として好きな感情と恋愛感情を勘違いしていると思い、よく考えてくれと言った。

俺の言葉を聞いて考えた結果、それでも俺のことを一人の異性として好きなのだとしたら。

 

「・・・・」

 

「お兄ちゃん顔が暗いよ?どうしたのかな?かな?」

 

礼奈が俺の様子に気付いてこちらを覗き込んでくる。

礼奈に心配させないように笑みを浮かべて通学路を進む。

 

・・・・やっぱりは俺は彼女達のことを恋愛対象として見れていない。

礼奈は血のつながった妹だし、魅音も詩音も同じく何年も妹として接している。

それのせいで彼女達と付き合う自分がまったく想像できない。

 

・・・・やっぱり一度はっきりと彼女達に自分の気持ちを伝えないとダメか。

俺はみんなのことを妹としか見れない、付き合うことはできないと。

 

園崎家や古手家の問題もあるけれど、やはり最初は彼女達に伝えなくてはいけないだろう。

もちろんこれから先ずっと彼女達のこと好きにならない保証はないし、この選択に俺が後悔する日が訪れるかもしれない。

 

それでも大事な彼女達のためにも中途半端な気持ちで誰かを選んで付き合うなんてことはやりたくない。

今回の綿流しの日に彼女達に今の俺の気持ちをしっかりと伝えよう。

 

俺はそう心に決めてみんなと一緒に学校へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ!みんなまだ帰らないで!」

 

春休み明けの授業ということもあり通常よりも短い時間で終わった学校。

学校から帰ろうとしている悟史達を魅音が呼び止める。

 

「みんなこのあと暇?」

 

「特に用事はございませんが、何かされるのですか?」

 

魅音の言葉に沙都子が首を傾げながら答える。

俺は事前に魅音から聞いていたので話の内容は知っている。

そもそもこの件は俺が魅音に提案したようなものだった。

 

「私と詩音にお兄ちゃんに悟史君は今年から晴れて中学生になった!」

 

「ええそうですわね。まぁだからといって何が変わるわけではないと思いますが」

 

「そう!私が言いたいのがそういうことだよ!!」

 

沙都子の言葉に魅音は彼女に指をさしながら大きな声で返答する。

魅音はそう言った後に自身の手を机の上にたたきつける。

彼女の机の上に広げられたノートには大きな文字でこう書かれていた。

 

『部活開催!!血沸き肉躍る狂乱の宴に相応しい強者よ来たれ!』

 

『会則!』

 

1. 狙うのは1位のみ。

2. そのためにはあらゆる努力することが義務付けられる。

3. ゲームは絶対に楽しく参加しなければならない。

4. 罰ゲームの内容に逆らわない。

 

「・・・・なんですのこれは?」

 

みんなが思ったことを代表して沙都子は答える。

これを見て笑みを浮かべているのはこれを書いた魅音、そして俺と梨花ちゃん。

梨花ちゃんもノートを見て察したようで楽しそうに笑みを浮かべている。

 

「まぁ書いてる通り部活だね。前にお兄ちゃんと一応中学生になったし何かしたいって相談した時に部活動をしてたらいいって話になってさ!うちにはボードゲームとか色々あるし、それらを使って放課後みんなで遊べないかなって思ったわけ!」

 

魅音は部活設立の経緯を楽しそうに話す。

魅音の相談を受けた時、俺の頭にすぐに部活という単語が浮かんだのだ。

原作ではこの部活は叔母に虐待を受けていた悟史達の安らぎの場になればと魅音が作ったものだった。

しかしこの世界では悟史達の虐待はない。

ゆえに魅音が部活を作る理由もないのだが、原作を知っている者としてはみんなが楽しく遊んでいる部活は作りたい。

だから魅音の提案は俺にとってちょうどいいタイミングだった。

 

「みぃ、僕は賛成なのですよ!とっても楽しみなのです!」

 

魅音の説明を聞いた梨花ちゃんが嬉しそうに笑みを浮かべながら賛同する。

梨花ちゃんの言葉を聞いたみんな全員が部活への参加を口にした。

全員入ってくれると確信してはいたが、こうしてみんなで一緒に部活ができると思うと不思議と心が弾むのがわかった。

 

「よし!じゃあここに雛見沢分校最強の部活設立をここに宣言するよ!みんな会則はちゃんと読んでおいてよね!この会則は絶対だから!」

 

魅音は全員が参加することを伝えた後にまたもや大きな声でそう宣言する。

魅音の言葉を聞いたみんながノートに書かれてる内容を確認して顔をしかめる。

 

全員が罰ゲームという言葉に嫌な予感を覚えたのだろう。

そんなみんなをニヤニヤと笑みを浮かべながら魅音はポケットから何かを取り出す。

 

「みんなちゃんと読んだね!じゃあ記念すべき最初のゲームを発表するよ!」

 

そう言ってポケットから取り出したものをみんなが見えるように机の上に置く。

確認すれば、よく見るカードゲームであるトランプだった。

 

「少し古いけど、遊ぶ分には問題ないでしょ」

 

カードケースから取り出してみてみれば、確かにカードの数か所に傷があったり、折れていたしている。

何気なく魅音は言ったが、原作ではカードそれぞれの傷を覚えてどのカードか全員わかった状態でやってたんだよな。

 

もしこのカードが原作で使われていた物だった場合はカードの中身がわかる魅音と梨花ちゃんが無双することになるわけで。

 

確認のために無言で梨花ちゃんへと視線を向ける。

俺の視線に気づいた梨花ちゃんは同じように無言のままこちらを見つめ。

 

「・・・・にぱーーーー☆」

 

満面の笑みを浮かべていた。

それを見て俺はこのゲームで魅音と梨花ちゃんが勝つことが決定していることを悟った。

しまったな、俺も事前に魅音にトランプを貸してもらって覚えておけばよかった。

 

まぁ種を知っているだけ有利には違いない。

ゲームをこなしながら覚えていけばいい話だ。

カードの傷を増やして魅音と梨花ちゃんを混乱させてもいいわけだし。

 

「んじゃあ最初はじじ抜きから始めようか!あ!その前に罰ゲームを考えなくちゃね!」

 

そういいながら魅音は白紙の小さな紙を俺たちに数枚手渡していく。

俺たちに渡し終えた後に彼女はこれに自分が考えた罰ゲームを書くように指示を出した。

 

「みんなが書いた罰ゲームをこの箱の中に入れて最下位の人が箱から紙を出して書かれていた内容を実行すること!そして書いている罰ゲームには絶対に逆らわないこと!いいね!」

 

魅音はどこからか取り出した箱を指さしながらそう告げる。

さて罰ゲームか。

原作では教室でスクール水着に着替えるやメイド口調で話す、校長の禿げ頭をなでるとか割とえげつないのがあったな。

それなら俺もそれらに負けず劣らずのドギツイ罰ゲームを用意するべきところだが、今回は初日だ。

いきなりそんなぶっ飛んだ罰ゲームをするのか?最初はやっぱり軽い罰ゲームにしたほうがいい気がする。

 

『隣の人からデコピンを十回うける』

『恥ずかしかった思い出を話す』

 

適当に思いついた似たような軽めのものを別々の紙に書き込んでいく。

初めだし、これくらいのほうがいいだろう。

書き終わった物を箱の中に入れる。

それから少しして全員の紙が箱の中に入った時点でゲームの開始となった。

 

 

 

そして勝負の結果。

 

 

「わ、私の負けですわ・・・・」

 

ビリになった沙都子が無念そうに顔を俯かせる。

ちなみにトップは魅音、次点で梨花ちゃん、そして俺である。

何回かやらないと確定は出来ないが、やはり魅音と梨花ちゃんはどれがどのカードかわかっていた。

何回かわざと間違えてた風に演じていたが、俺の目はそう簡単には誤魔化せんぞ!

 

「記念すべき最初の犠牲者は沙都子だ!さぁさぁ!箱から罰ゲームが書かれて紙を引いて読み上げて!」

 

「うぅ、いやですわ。まさか自分が一番最初に罰ゲームを受けることになるなんて・・・・自分で書いたのだけは引かないようにしませんと」

 

おい、今最後にボソッとなんていいやがった。

 

どうやら沙都子が早速やらかしてるようだな。

これでこの箱は可愛い罰ゲームが書かれた箱からパンドラの箱へと豹変してしまった。

これは少なくとも沙都子の罰ゲームの内容がわかるまでは負けるわけにはいかなくなった。

 

「・・・・これですわ!」

 

箱の中に手を突っ込んでいた沙都子が勢いよく手を箱から引き抜く。

そして恐る恐るといったようで紙を開いて中身を確認する。

 

「えーと妹なら兄にキス、兄なら妹にキスする・・・・なんですのこれはーーーー!!?」

 

紙の内容を理解した沙都子の絶叫が教室に響き渡る。

どうやら沙都子の他にもぶっ飛んでいるやつがこの中にいるようだ。

 

ていうか罰ゲームの内容がピンポイントすぎるだろ。

梨花ちゃんが引いたらどうするつもりだったんだ。

 

沙都子が紙を持った手を震わせながら兄である悟史へと顔を向ける。

悟史は困ったように苦笑いを浮かべていた。

 

「こんなハレンチなことを書いたのは誰ですの!?私は絶対にやりませんわよ!」

 

「「「・・・・」」」

 

沙都子の言葉に魅音、詩音、礼奈の3人が無言で目をそらす。

おいまさか、3人とも同じことを書いたんじゃないだろうな。

だとしたらこの中に同じ罰ゲームが書かれた紙が後二枚あるということになるぞ。

 

「みぃ、罰ゲームは絶対なのですよ沙都子」

 

「梨花!?」

 

まさかの梨花ちゃんの裏切りに焦りの表情を受かべる沙都子。

それに魅音は笑みを浮かべながら続く。

 

「会則4条!罰ゲームの内容に逆らわない!さぁ沙都子!覚悟を決めてるんだね!」

 

「・・・・ちっ私が引いてれば」

 

魅音の横で小さく舌打ちをする詩音。

残り2つも沙都子と悟史に引いてもらうとしよう。

嫌じゃないが、今の状況で妹とキスするのはいろいろヤバい。

そもそも単純に恥ずかしすぎる。

 

「うぅ!うぅぅぅぅ!!」

 

沙都子なんて目に涙を溜めながら顔を真っ赤にしてるし。

そんな沙都子を助けるためか悟史が口を開く。

 

「・・・・これって別に誰の兄とか妹とか書いてないよね?だったら別に僕じゃなくて灯火にキスしてもいいってことだよね」

 

「おいまて悟史」

 

助け船どころかさらなる混沌を作り出そうする悟史に思わず待ったをかける。

俺の言葉を聞いた悟史は不思議そうな顔で俺に応える。

 

「え?だって灯火も礼奈の兄なんだからこの罰ゲームの条件に当てはまるよね?だったら問題ないよ」

 

「問題ありまくりだから!!悟史と沙都子は兄妹なんだからまだセーフかもだが、俺と沙都子がキスしたら普通にアウトだろ!」

 

「と、灯火さんと私がキス・・・・」

 

悟史の言葉でただでさえ赤かった顔をさらに赤らめる沙都子。

これで沙都子とキスしたら気まずいなんてもんじゃねぇぞ!

 

「「「「・・・・」」」」

 

それとさっきから無言の4人が怖くてたまらない。

ていうか悟史!お前さてはここで前例を作らせて似たような罰ゲームが来た時に礼奈を狙うつもりだな!

俺の目が黒いうちはそう簡単に礼奈と付き合えると思うなよ!!

 

いやだが!ここで前例を作れば上手いこと悟史を犠牲にして罰ゲームを躱すことができるかもしれない。

悟史はなんやかんやで奥手で紳士だからな。直接礼奈にどうこうするなんてことはできないはず。

 

だったら俺のやることは一つ!

 

「・・・・沙都子、目を閉じろ」

 

「え、ええ!?と、灯火さん!?それはどういう意味でございますの!?」

 

「いいから黙って目を閉じろ」

 

沙都子に近づきながら目を閉じるように促す。

俺の言葉に沙都子は目を回しながらしどろもどろに口を開く。

 

「えっと、そのあの、は、はい・・・・・」

 

目を回しながら最終的に言われた通り目を閉じる沙都子。

てっきり抵抗されると思ってたから意外だ。

一瞬、以前に礼奈から聞いた沙都子が俺の好意があるという言葉が蘇ったがすぐに頭から追い出す。

そしてどんどん圧力が増していく詩音達のことも冷や汗を流しながらも無視する。

 

そして目を閉じる沙都子の唇に指を二本立てて押し当てた。

 

「っ!!!???」

 

俺が指を唇に当てた瞬間、沙都子がびくりと大きく体を震わせる。

俺が指を離した後、沙都子は震えながら目を開けた。

 

「・・・・ふにゅーーーー」

 

そしてそのまま真っ赤な顔のまま目を回して勢いよく地面にぶっ倒れた。

 

「・・・・」

 

「「「「・・・・」」」」

 

背後にいる詩音たちの視線が背中に突き刺さる。

・・・・どうやら初めの部活は原作よりもはるかに過激なものになってしまいそうだ。

 

 

 

 

 

 


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