なんかまた他の宇宙と戦うことになったらしい。グズロットがやらかしたとかなんとか。
ビルス様の八つ当たりで死ねる。その前に全王様の無邪気さで死ねる。おのれグズロット……。
「いいかパセリ、出し惜しみは許さない。お前も、ボクの命までもが危険に晒されてるんだ」
「流石に反論はしないっスけど、その……、御前試合? それには出なくても良いっスかね」
「前覧試合だ。お前も出ろ」
「えぇ……」
ビルス様の話ではクズロットと、あと二人必要らしいので改心させたザマスを引っ張ってく。
王子でも良いけど忠実な部下の方が楽だからね。死なないし。
で、全王様が増えてるんですが……。
「ああ、オラが未来で会った時に連れてきた!」
全力で殴った。
人がザマスの調教をしている最中に会ったらしい。ふざけんな。
相手は第9宇宙のわんこらしい。
ザマス投入しようとしたら第10宇宙の出身だってバレた。やべぇ。
先発で出ることになりました。その間に悟空と界王神で悟飯迎えに行くらしいです。
「試合を出来るだけ引き延ばせ。悟空が戻ってきたら……分かったな?」
「了解っス」
相手は足癖の悪いわんこだった。
攻撃なんて当たらんよ。こっちが普段誰を相手にしてると思ってる。
ビルス様曰く、派手にやれとのこと。
こう、気を何本もの鞭のように操ってですね……。完全に触手。
全力でもふもふしてやんよ!
光速で流動させてるから触れると消し飛ぶけどな!
「あれなにー?」
「うねうねしてるねー」
完全に触手。
武舞台が蜂の巣みたいになってるけど仕方ないね。次の選手の用意が出来るまではギリギリ避けられそうな攻撃しかできないんだ……。
決して楽しくなってきたとかそういうことではないんだ……。
ここで大神官様からストップ。必要以上に舞台を壊す攻撃は控えろとのこと。舞台が直される。
仕方ないから小型繰気弾で追い詰めることにした。
毎秒ひとつずつ数を増やしていく。追尾だけでなく動きを先読みして色々な軌道からわんこを狙ってやった。
数が40を超えたところでわんこが被弾。動きが止まれば他の繰気弾も全て直撃する。
ひとつの大きさが拳大程度といっても、込めた気はヤムチャが消し飛ぶレベル。
爆煙の中から満身創痍のわんこが出てくる。
やべーよ、まだ悟空戻ってきてねーよ……。
そこで向こうの界王神が餌をわんこに与えてドーピング。やったね、もう1回遊べるドン!
イライラ棒しようぜ、お前棒な!
気で作り出したジャングルジム的な立体迷路。外に向かって流動してるから触れると弾き出される。
で、後ろから気円斬が追ってくる。たーのしー。
わんこが涙目で迷路を進むけど大丈夫かね。一本道だけどわんこがギリギリ通れる広さしかないんだ。
そして迷路から抜けてきたところで気弾をわんこの顔面にシュゥウウウ! 超エキサイティン!
気円斬で尻尾切れたけど許してね。
まだこっちは余裕があるけど、わんこは戦意喪失の満身創痍になってしまった。
どうしようかと思って控え席を見ると悟空が戻って来ていた。悟飯がこっち見てドン引きしてる。
「終わらせますかネ」
「やっ、やめろォ! 来るなバケモノ!」
せっかくなので派手にエネルギー派でぶっぱ。相手は死ぬ。
死んでなかった。
後は悟飯がなまった戦いして、悟空がいつもの舐めプです。孫親子は本当に戦闘民族なんですかね……。
「え、力の大会のリーダー悟飯がやるんスか」
「悟空の奴がそう言ってる。お前がいれば勝てる戦いだし、マトモな頭をしていれば誰でも構わない」
それカカロットをディスってないですか。違いますか。
メンバー集めは完全に蚊帳の外だったから誰になったのか全く知らない。とりあえず悟飯に聞きに行く。
悟空、悟飯、ベジータ……、この辺りは順当。
自分の名前があって、クリリン、18号、17号、天津飯、ピッコロ、亀仙人。……半分オワコンな件。
「勝てますかね……」
「なんだ、勝てないとでも言うつもりか」
「エネルギーを無限に吸い取る敵やら、無効化してくる敵がいると詰むかもしれないっス」
「おい、ボクとウィスで格闘技も鍛えてやっただろうが」
「でもカカロットやベジータと比べるとイマイチなんスよねー」
「……チッ、何か考えがあるんだろうな?」
「ドラゴンボールでフリーザを生き返らせましょう。そんでもって、天津飯を置いていきましょう」
ぶっちゃけ、サイヤ人に対する嫌悪感がなかったら理想の上司だったんだよなぁ……。フリーザ。
地上げ屋するのもそこまで苦じゃなかったし。
直属の上司だった王子のせいでブラックな職場だったけど。
「フリーザか、なるほどね……」
ビルス様は納得いったように頷くが、地球人組と王子が猛反対。当て身で黙らせる。
「セルも選択肢のひとつだとは思うんスけど、ちょっと地力を上げるのが手間なんで……。あー、でもセルも蘇らせて亀仙人を外して、クリリンの代わりにアレ連れていきたいっス」
「アレ?」
「ブロリーって、サイヤ人の生き残りがいるんでそいつを。居場所は分からないんでそっちもドラゴンボール頼みになるっス」
この場にいる全員が、聞き覚えのない名前に首を傾げる。
「そいつ、どれくらい強いんだ」
「んー、1対1なら悟飯でも倒し切れないくらいじゃないっスかね」
実は1度会ってるんだ。すまないがその時に調教して魔改造した。
悟空がテンション上げてるけど無視無視。
「自分も消えたくはないんで、とりあえずベストメンバーでいきましょ。出来ることならブウにピッコロを吸収させて連れていきたいくらいなんスけど、流石にそれは可哀想なんで」
ピッコロさん凄い顔でこっち見てくる。他のヤツらやビルス様までマジかこいつみたいな目で見てくる。
自分でもどうかと思ったけど、その方が戦力向上になるのは間違いないからなぁ……。
その後地球組に猛反対されて自分の案はフリーザ以外軒並み却下された。帰りたい。
不安要素が多過ぎるとかで、ひとりに絞らされた。だったらフリーザ選ぶよ、3人の中で現状1番強いし。
で、試合始まるって無の界とやらに来ました。
ッベーわ、あのジレンとかいうグレイ。まともにやったら辛そう。
ビルス様と打ち合わせして、3回くらい死に掛けてから仙豆食べる。試合前のドーピングみたいだけど許して、そういう種族なの。
他の宇宙になんだあのヤベー奴、みたいな目で見られた。仲間からも見られた。
ビルス様からはノルマ20人以上とのお達しが。オーケー、やってやりますよ。
試合が開始された。なんか、あのグレイが目の前に来た。悟空が戦いたがってるんでそっち行ってくれないですかね。
「お前は危険だ。悪いが、真っ先に排除させてもらう」
そんなー、自分ほど平和主義者な奴はこの場にいないっていうのに。
顔が怖いので近づかないでください。割と本気で連続デスビーム、相手はハチの巣になる。
めっちゃ避けられる。あいつ速過ぎィ! ゴキブリかよ。
点でダメなら面で勝負しましょう。全方位に向かって高密度でエネルギーを放出。相手は死ぬ。
や り ま し た 。
なんか、武舞台の上に自分だけになった。死人が出たらしい、失格です。
しかも、全王様がおこ。一瞬で終わって詰まらないとのことで仕切り直し。自分、出禁いいっスか。
これにはビルス様もしょんぼり。他の宇宙の人達も割と死んでしまったらしいので自分もしょんぼり。どうして皆死んでしまうん? 宇宙の命運がかかってるんだからもっと鍛えて。
他の宇宙がこんなぽこぽこ死ぬとは思わなかった。もっと強い人を連れてくるべきでしょうと反論。大神官様が同意してくれてニッコリ。出禁になった。
けど、自分だけ第7宇宙が滅んでも他の宇宙で生きていいってお許しを貰ったよ。スマンねビルス様。
「馬鹿野郎! もうちょっとやり方ってもんがあるだろうが!」
「まぁまぁビルス様。パセリさんのおかげで他の宇宙の選手はボロボロ。仙豆で全回復できる我々第7宇宙が有利ですし、頭ごなしに怒るものではありませんよ」
「……むぅ、確かにな。よくやったパセリ」
「試合再開は30分後、それまでに皆さん十分に休憩して頂きましょう」
悲報、悟空とベジータが仙豆を拒否。
流石フリーザ様、躊躇することなく仙豆を食う。
そして、自分の代打で天津飯を投入。勝ったな()
なんかまた悟空が変な変身した。
身勝手の極意って何ですかね、ビルス様。え、自分が通り過ぎた?
……知らなかった。
パセリの目はハイライトないよ。死んだ魚のような目だよ。