デート・ア・ライブ 邪霊と漆黒のファンアジア Remake   作:燐2

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夏の暑さに完全にダウンしてたり、そういえばいつか凛緒リンカーネイション買おうと思って買ってなかったなぁとなんとなくTUTAYAで購入。そういえな七罪チェンジから原作買ってなかったなぁと思ったらまさかの財布が空(ガッデム!)とりあえず、凛緒リンカーネイションプレイしようと、凛祢ユートピアの全部エンディング回収したら、気がづけば書き始めていた。そんなノリの小説です。……期待はしないでくださいね。


代わりの執行者

「XXXX年!世界は精霊と邪霊が闊歩する時代、海は枯れ、地は裂け、全ての生物は死滅したかのように見せた――――しかし、人類は今日もゴキブリ並の生命力と繁殖力で死滅していなかった!!!」

『地は裂けるっていうか抉り取られているけど、海は枯れてないし、人類も数億人の犠牲者あるものの普通に生きてるんだけど、あとそこまで追い詰められてないよ?』

「こういうのはノリだよ。ノリ、ホラ見ているだろ。この惨状、またクトゥグアおっさんが召喚されたわけでもなければクトゥルフのBBAが目覚めて発狂者多数って訳でもなく、狂信者達が狂気の中で邪神を召喚してダイナミック自殺しようとしている訳でもない、強烈な力による暴虐的な破壊の残痕、意志を持った災害と言えば正にその通りだが、まぁ軽く見て街一個分ってところだ。お前が普段相手にしなきゃいけないものと比べると天と地以上の差があるぞ?」

『うーん、そうなんだけどさ。正確にはちょっと違うって言うかな?あくまでこの惨状の原因である空間の地震、この世界では空間震っていうんだけど、これは彼女達にもどうしようもないものらしいし』

「まぁ、それはともかくさ、元を辿れば人間が全ての元凶なんだろう?精霊も邪霊も」

『い つ も の こ と さ』

 今にも枯れて吹き飛びそうなやつれた声で空は机に倒れ込んだような音を立てた。俺からすれば人が死んでまた生まれる様に、世界もまたそういう風に出来ている。故に人間が何かやらかして、滅びの要因を作り、その結果世界が終ったとしても、どこかで新しい世界がまた生まれるだけで、自然の摂理って奴だ。まぁ、巻き込まれた側は堪ったもんじゃないだろうがな。

「まぁ、いつものことなのは仕方がないとして、どうして俺達がそれに介入しないといけないんだ?人間がしたことなら、尚更人間がケリを付けるのが道理って奴だろ?」

『人間が対処できる程度と判断すればね。下手すれば、この世界だけじゃない他の幾つもの世界まで影響を及ぼしかねない割と大きい出来事なんだよ。……まぁ、ボク自身が忙しすぎて碌に調べきれない部分が多すぎるから、だから旧神の隷属であるボクの家に敵である筈の邪神連れ込んで宣戦布告かと毎日ビクビクしながら、あいつ等用に料理作らされ、君は酒飲み飯食い踊り面白くない漫才の毎日で、一切働かない穀潰し野郎に仕事(チャンス)を上げようとね。……うん、ときには厳しくしないとね』

「今更だけど、空……キレてる?」

『ふははははっはははあ?想像にお任せするよ。あ、空亡ちゃんそんな青ざめた顔でどうしたの?怖い?いつものように笑っているだけどなぁー?』

 自身より上位存在がいない弊害なのか、好き勝手に死んでいる命を掬い上げ異なる世界に送り込んで、その人生を視聴して楽しんだり、又は気に入らない陣営に放り込んだり、人権無視パラダイス。せっかく現地人が作り出した世界秩序をぶっ壊しやがるのは、外形は誰もが崇めたくなるほどの神々しさを放つ存在、しかし中身は子供と大差ない、はた迷惑な我儘神様の相手をしなければならない空の疲労はこの頃、酷さを増している。更に、神々のちょっとしたお茶目に、その技術や権能に触れた結果、本来ではありえない人間(もしくは近いレベルの知的生命体)の歯止めがぶっ壊れて本来ならあり得ない程の文化と技術の進歩と同時に、新たな物を求めて他世界まで侵入して、争いが起きて、地獄が幾つも生まれたり……少なくとも数万はいるだろう『分霊』を行使しても、全く手が回らない状態で、そろそろ空の『本体』がブチ切れる寸前だとか。……これは正直に頷いておかないと、後がヤバイな。あれ、その場にいるだけでビックバン並のエネルギー放出するからなぁ、あれが大暴れしたら目も当てられん次元単位での大災害が引き起こるな。うん。

 普段はお茶目にふざける俺も、流石に空気を読んで慎重に言葉を選びながら、映像越しで確認できるだけで何十本も二本の指だけでペンを折っていく音に冷や汗掻きながら、数年は寝ていないであろう空の『分霊』に仕事の確認をする。

「えーと、空?基本精霊にはノータッチでいいだよな?」

『オーケーだよ。抑止力は無事に今も生きているし、もしもの時の<システムケルブ>、他にも予備としていくつかのシステムが、そちらの世界には対処できるように配備されている。……だけど、邪霊だけは完全に未知の世界線だったらしくってね。そちらの世界には邪霊に対する抑止力が全く用意されてなかったし、システムもない。そんなものを生み出す要因を発生させるなんて凄いね人間、滅ぼしてやろうか人間』

「は、はは、落ち着け、な?」

『……ともかく、君の仕事は簡潔に邪霊の処理。殺すなり、肉奴隷にするなり、手懐けるなり、どうぞ君のご自由に、あくまで目的は邪霊が好き勝手に暴れなくようにするだけ、情を抱いて放って置けない時は……君がこれ以降ちゃんと就職して真面目に仕事するっていうのなら、……まぁ、こっちで面倒ぐらい見てもいいよ』

「要は無力化すればいいんだなオーケー、了解した。……こちら側の住民、又は組織と接触はどこまで許可されているんだ?」

『君の場合は邪神の叡智を振りまかない事、既にこっちの世界で放している邪悪龍も使用不可、邪神召喚も影含めて全面禁止、憑依は限定的な場合のみ許可。一応そこは邪神皇の夢の外で、邪神の影響下でないけれど、余計に仕事が増えるから自重すること、現地人との接触は無制限で、但し後でデータを送るけど精霊に対する抑止力である『五河士道』に対する生命危機に陥るような行動は絶対に禁止』

「ほむほむ、そいつの守りは?」

『精霊に殺されるようなら、それは世界線の一つとして処理されるのでイレギュラーを回避する為に出来るなら手を出さないで。ただ、例外として邪霊が目的を持って『五河士道』と接触、その能力又は生命を危機に陥れる行動を取った又は予兆を見せた場合は<ティシフォネ>の召喚、<神魔獄装・反天(ハーヴィエハーイ・イナドア)>並びに<魔廻剣(レデュラ)>抜刀を許可する』

 ふぅと俺はそこまで許可される事態の重さにため息を一つして、頭を抱えた。

「……なぁ、そのレベルって」

『下手に滅び、その種が他の世界に飛び散って事態が深刻化するぐらいなら―――一切合財、因果律さえ残さず虚無に還せ……それが旧神の、上の決定だよ』

「汚い仕事、だな。俺向きだ」

『……ごめん、本当ならボクがやるべき仕事なのに……』

 しゅんと申し訳なさそうに空は沈黙した。こんな仕事より、一つの種を幾度もまだ何もしていなのに危険と判断されるだけで、滅ぼしてきた。俺よりずっと汚い最低な仕事を出来るだけ苦しまないように四苦八苦しながら、百を助けるために一を滅ぼしてきた。その罪悪感からの苦しみ、正当化されてはいけない正義を実行してきた空に俺は、いつものように答えた。

「そう思うなら、仕事が終わったあとで、温かいベットの中で濃密なR-18禁のデートしようぜ」

『――――このバカ!!変態!!ティシフォネに殺されるから却下!!』

「なるほど、ティシフォネを説得したら抱かれてもいいと、うしやる気で出来た」

『~~~~~~ッ!!!』

 もうちょっとで、いい感じに約束を取り付けるかと思ったが乱暴に連絡が切りやがった。まぁ、あっちは今頃顔真っ赤でどうしようと頭抱えているだろうが、そんな可愛い所を想像できるだけのネタが得られただけでも、今日は安眠して寝られるぜ。……あと、元気が多少戻ったから良し。

 さてさて、周囲を確認しよう。前後ろ左右、あらゆる建造物が崩壊した災害が通り過ぎた後、その奥で爆炎と轟音の中で響く悲鳴と笑い声。なるほど、この先にお目当ての邪霊がいるかな?腕に装着している次元跳躍連絡端末にはまだインストール中という文字を確認して、鼻歌交じりに幾度戦場を共にした双銃を手にする。

 

 

 

「いくぜ、『イォマグヌット』、『アフーム=ザー』、初めての世界で楽しいパーティー、始めようぜ!」

 

 

 

 

  

 


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