奇跡のなく頃に   作:ゆるポメラ

7 / 10
ゆるポメラです。
今回から、第16話『終末への誘い』の回です。
前回と同様、オリジナルになってます。
視点は梨花ちゃんになります。

それではどうぞ。




第6話 穹と梨花

私は境内付近を歩いてる。

何故かって?

それは…

 

「ここにもいない……」

 

いつもより早い時間、

明朝に目が覚めてしまったから

散歩でもしようかなって思った。

というのは建前……

本当は穹に会いたかったからなのよね…

 

「…釣りにでも行ったのかしら?」

 

穹は考え事をしたい時は、

近くの川辺で釣りをする…

もし私の考えが当たってるなら……

 

「あそこしかないわよね…」

 

私は穹が行ったであろうと

思われる川辺に向かう事にした。

 

 

 

 

ーー近くの川辺ーー

 

 

 

 

 

「ここに来るのも……」

 

何百年振りになるだろう。

風景は相変わらずだった……

この場所は人があまり来ないが

景色が良く、穴場としては有名だった。

 

「あ、やっぱりいた……」

 

案の定、穹は釣りをしていた。

でもなんか浮かない顔をしていた。

私は気づかれないように

穹の背後に回り込み……

 

「だーれだ?」

 

と言いながら

両手で穹の目を隠してみる。

 

「梨花ちゃん?」

「当たり♪、なんで分かったの?」

「昔、同じ事してきたじゃない……」

 

そういえば小さい頃も

穹に会いに行く時はこんな感じだったわね。

思い出したら恥ずかしくなってきたわ……///

 

「と、隣、座ってもいい?」

「いいよ~」

 

私は穹の隣に座る。

 

「「……」」

 

き、気まずい……

穹と2人きりになったのって

数える程度だった気がするわ。

いつもは羽入も一緒だったしね……

 

「何か釣れた?」

「全然。まぁ釣れなくてもいいけどね」

「どうして?」

「こうして梨花ちゃんと一緒にいられるからかな」

「えっ、えっと……///」

 

どうして穹は、そういう恥ずかしい事を

サラッと言うのよ……///

私は言われて嬉しいけど……

 

「…ねぇ、穹」

「なに?」

「仮に、仮の話よ。もしこの世界でも失敗したら……」

 

今から私が聞く事は

嫌な事かもしれない……

でも聞かずにはいられなかった。

 

「穹は、どうなるの……?」

 

ずっと思っていた。

私達が皆殺しされた前の世界では

これまでの惨劇が回避で出来た。

けど、最終的には私達は殺されてしまった。

だけど今は穹がいる…

嬉しい反面、不安な自分がいた。

もしも、この世界でも勝てなかった場合、

彼はどうなってしまうのか……

私はそれが不安だった……

 

「もう2()()()()()()()()と思う。断言してもいいよ」

 

その言葉を聞いた瞬間、

私は鈍器で殴られた感覚に陥った。

じゃあ失敗してしまったら、

穹とは2度と……

 

「そんな顔しないで」

「えっ…」

「勝って昭和58年の6月を越えるんでしょ?」

「そ、それはそうだけど…」

「自信ない?、それとも不安なの…?」

「私は両方…」

「そりゃそうだよ、不安にならない方がおかしいもの…」

 

そう言いながら穹は釣り竿を戻した。

よく見たら餌がついてなかった…

 

「餌、付けてないの…?」

「これ?、わざとだよ。何%の確率で釣れるかなって…」

「そんな事して釣れたら苦労しないんじゃないの?」

「よし、今度はルアーだけ付けてやってみる!」

 

すると穹は腰に付けているポーチから

手作りと思われるルアーを取り出し

竿の先端に取り付け始めた。

ねぇ私の話、聞いてた?

 

「お昼頃になったら営林署に行こうよ」

「私達の学校に…?」

「うん、多分その時間帯に……」

 

穹は竿を再び川に投げる……

 

「圭一(にぃ)が転校して来るよ」

「…圭一が?」

「と言っても、転校の手続きだと思うけどね?」

 

川の流れを見ながら

穹は笑っていた…

 

「少しは僕を頼ってもいいから……」

 

私を安心させるような笑顔で

そう言ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、頼りにさせてもらうわね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから起こる戦いに

不安で仕方なかったけど穹の一言で

安心した私がいた……

 

 

 

 

 

 

 




梨花ちゃんの口調が難しいです…
もう少し更新速度を上げれるように
頑張らないと……(謎の使命感)
次回は羽入ちゃん視点になります。
これからもよろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。