今回から、第16話『終末への誘い』の回です。
前回と同様、オリジナルになってます。
視点は梨花ちゃんになります。
それではどうぞ。
私は境内付近を歩いてる。
何故かって?
それは…
「ここにもいない……」
いつもより早い時間、
明朝に目が覚めてしまったから
散歩でもしようかなって思った。
というのは建前……
本当は穹に会いたかったからなのよね…
「…釣りにでも行ったのかしら?」
穹は考え事をしたい時は、
近くの川辺で釣りをする…
もし私の考えが当たってるなら……
「あそこしかないわよね…」
私は穹が行ったであろうと
思われる川辺に向かう事にした。
ーー近くの川辺ーー
「ここに来るのも……」
何百年振りになるだろう。
風景は相変わらずだった……
この場所は人があまり来ないが
景色が良く、穴場としては有名だった。
「あ、やっぱりいた……」
案の定、穹は釣りをしていた。
でもなんか浮かない顔をしていた。
私は気づかれないように
穹の背後に回り込み……
「だーれだ?」
と言いながら
両手で穹の目を隠してみる。
「梨花ちゃん?」
「当たり♪、なんで分かったの?」
「昔、同じ事してきたじゃない……」
そういえば小さい頃も
穹に会いに行く時はこんな感じだったわね。
思い出したら恥ずかしくなってきたわ……///
「と、隣、座ってもいい?」
「いいよ~」
私は穹の隣に座る。
「「……」」
き、気まずい……
穹と2人きりになったのって
数える程度だった気がするわ。
いつもは羽入も一緒だったしね……
「何か釣れた?」
「全然。まぁ釣れなくてもいいけどね」
「どうして?」
「こうして梨花ちゃんと一緒にいられるからかな」
「えっ、えっと……///」
どうして穹は、そういう恥ずかしい事を
サラッと言うのよ……///
私は言われて嬉しいけど……
「…ねぇ、穹」
「なに?」
「仮に、仮の話よ。もしこの世界でも失敗したら……」
今から私が聞く事は
嫌な事かもしれない……
でも聞かずにはいられなかった。
「穹は、どうなるの……?」
ずっと思っていた。
私達が皆殺しされた前の世界では
これまでの惨劇が回避で出来た。
けど、最終的には私達は殺されてしまった。
だけど今は穹がいる…
嬉しい反面、不安な自分がいた。
もしも、この世界でも勝てなかった場合、
彼はどうなってしまうのか……
私はそれが不安だった……
「もう
その言葉を聞いた瞬間、
私は鈍器で殴られた感覚に陥った。
じゃあ失敗してしまったら、
穹とは2度と……
「そんな顔しないで」
「えっ…」
「勝って昭和58年の6月を越えるんでしょ?」
「そ、それはそうだけど…」
「自信ない?、それとも不安なの…?」
「私は両方…」
「そりゃそうだよ、不安にならない方がおかしいもの…」
そう言いながら穹は釣り竿を戻した。
よく見たら餌がついてなかった…
「餌、付けてないの…?」
「これ?、わざとだよ。何%の確率で釣れるかなって…」
「そんな事して釣れたら苦労しないんじゃないの?」
「よし、今度はルアーだけ付けてやってみる!」
すると穹は腰に付けているポーチから
手作りと思われるルアーを取り出し
竿の先端に取り付け始めた。
ねぇ私の話、聞いてた?
「お昼頃になったら営林署に行こうよ」
「私達の学校に…?」
「うん、多分その時間帯に……」
穹は竿を再び川に投げる……
「圭一
「…圭一が?」
「と言っても、転校の手続きだと思うけどね?」
川の流れを見ながら
穹は笑っていた…
「少しは僕を頼ってもいいから……」
私を安心させるような笑顔で
そう言ってくれた。
「うん、頼りにさせてもらうわね……」
これから起こる戦いに
不安で仕方なかったけど穹の一言で
安心した私がいた……
梨花ちゃんの口調が難しいです…
もう少し更新速度を上げれるように
頑張らないと……(謎の使命感)
次回は羽入ちゃん視点になります。
これからもよろしくお願いします。