奇跡のなく頃に   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回から『祭囃し編』が始まります。
時系列は第14話の『新しい風』からです。
執筆する内容からだと、どうしても大幅に
飛んでしまいますので・・・
こんな事もあるかと思いますが、
よろしくお願いします。

それではどうぞ。



祭囃し編
第1話 目覚めと再会


目が覚めると

そこは病室だった・・・

 

「最後に起きたのは・・・」

 

やめておこう。

思い出したらきりがないよ

僕は溜息を吐いて鏡を見てみると・・・

 

「背丈は変わらないんだなぁ・・・」

 

それはそうだ。

何せ僕の身長は、

そこら辺にいる小学6年生と変わらない。

とりあえず看護師さんを呼んで

起きたと伝えるか・・・

 

 

 

ーー1時間後ーー

 

 

 

「目覚めた瞬間、退院していいって・・・」

 

お世話になった先生に挨拶を

した後、僕は病院の外に出て

これからの行動について考えていた。

 

「僕が現実に目覚めたって事は、最後の・・・」

 

そう・・・

僕は何度も死んでいる。

100回くらいかな・・・

あとで詳しく説明するよ・・・

って僕は誰に向かって話してるんだろ・・・

 

「とりあえず、お魎お婆ちゃんに電話しなきゃ・・・」

 

僕は公衆電話がある場所に行き、

受話器を取り、お金を入れる。

手慣れた手つきでダイヤルを回す。

すると・・・

 

『はいはーい、どちら様?』

「もしかして魅ぃ姉?」

『へっ?、もしかして穹?』

「うん・・・」

『い、いつ退院したの!?』

「たった今・・・」

 

今、僕と会話してるのは

園崎魅音。

僕は魅ぃ姉って呼んでる。

魅ぃ姉は園崎家の次期頭首なんだ。

更に双子の妹もいる・・・

 

『ちょっと待ってな、婆っちゃに代わるから』

「うん・・・」

 

すると受話器の向こうから

バタバタと音がしたけど気にしない。

長電話になりそうな為、

僕は公衆電話に10円を2枚入れた・・・

すると・・・

 

『もしもし・・・』

「あ、お婆ちゃん。穹です」

『お前の声を聞くのも何年振りになるんじゃろうのう。魅音から聞いたが、退院したばかりじゃって?』

「うん、それで今から雛見沢に帰ろうかなって・・・」

『迎えを行かした方がええかのう?』

「大丈夫、行く道は分かるから・・・」

『そうかい、来る時は気を付けるんじゃぞ』

「分かった。あと近々、引っ越して来る人は?」

『都会から来るらしいのぅ・・・』

 

お魎お婆ちゃんの声は柔らかかった。

話を聞くと、雛見沢の一角に分譲地が売りに

出されたとの事。

お婆ちゃんは都会から来る人は嫌いな筈なのに

と僕は考えたが、理由はすぐ浮かんだ。

 

()()()の事で何かあったの?」

『お前は本当に聡いところがあるのぅ、そんなところじゃ』

「そっか、じゃあ今から行くね?」

『お前の家の場所は昔と変わっておらんからな?』

「うん、ありがとう・・・」

『ほっほ。お前が来るのを楽しみに待っておるよ』

「うん!」

 

そう言うと僕は受話器を戻し

雛見沢に向かいながら考えた。

多分これから圭一兄が雛見沢に引っ越して来る。

その前に、おじさんが分譲地の下見に来る筈だ。

 

「ここから歩いて1時間半くらいかな・・・」

 

歩きながら故郷に帰るのも

悪くないなと思いながらも

僕は、これから起こる運命に

絶対に打ち勝とうと決意した・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side梨花

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私と羽入は

分譲地で圭一の父親が下見に来たので

話しかけてみる事にした・・・

 

「ここは、いい村なのですよ」

「きっと都会になかったものがあるのです」

「・・・そして、この村にないものを都会の

あなたが持ってきてくれるのです。」

 

この村で何百年もこうしている・・・

誰も訪れず何も起こらない。

そして何も変えられないことも・・・

 

「・・・あなた達が教えてくれるのよ。

堰は破れるものだ、破るものだってね」

 

そして圭一の父は、

自分達がここに来たら、

息子の友達になってくれないかと言った。

 

「引っ越してくるのを待っていますですよ。前原・・・」

 

私達の答えに満足そうに

圭一の父は帰って行った・・・

姿が見えなくなるのを確認すると・・・

 

「これで圭一も来るのね」

「そうですね。あとは・・・」

 

羽入の言いたい事、

考えていた事が私には分かった。

それは・・・

 

「穹の事、考えていたんでしょ?」

「あ、あぅあぅ・・・///」

 

羽入は顔を赤くしながら

俯いてしまった。

すると羽入はジト目になりながら

私を見てきた・・・

 

「な、何よ・・・」

「梨花こそ、さっきまで穹の事を考えてた癖に何を言うのですか。昨夜、寝言で穹の事を何度も言ってたのです」

「あ///、あんた寝てたんじゃなかったの!?」

「・・・あれだけ聞けば嫌でも起きるのです」

 

一体、私は何を言ったのよ!?

た、確かに穹が夢に出てきたのは事実だけど・・・///

 

 

 

 

 

 

ーースタスタ・・・ーー

 

 

 

 

 

 

 

誰かが、こっちに来る音が

したので私達は音がした方を見る・・・

すると、人影が見えた。

 

「梨花、一体誰なんでしょう・・・?」

「夕日でよく見えないわ・・・」

 

遠目で分かりにくいが、

身長は私と羽入と同じくらい・・・

だとすると地元の子供なのだろうか・・・?

 

「り、梨花・・・」

 

羽入が震えながら

人影の方を指さすと

姿が段々ハッキリしてきた・・・

 

「う、嘘。まさか・・・」

 

これは夢なのだろうか・・・

だって、こんな早く・・・

 

「「そ、穹・・・?」」

 

それは紛れもない・・・

 

「あ、梨花ちゃん、羽入ちゃん」

 

柚深月穹、本人だった・・・

 

「ほ、本当に穹なのですか?」

「あの、羽入ちゃん?、なんで泣いてるの?」

「うぅ、うぅ・・・」

「ど、どうしたの!?、どこか痛いの!?」

 

穹は突然泣き出した羽入を

慰めていた・・・

もぅ、本当に・・・

 

「穹っ!!!」

「り、梨花ちゃん!?」

「わ、私達ずっと、待って、たのよ・・・」

「えと、ゴメンね・・・?」

 

私と羽入は穹の

胸の中で泣き続けた・・・

 

「「穹、お帰り!!」」

 

そして穹は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま、梨花ちゃん、羽入ちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

 

笑顔だった。

私達は、大切な幼馴染みと

100年振りに再会をした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




こんな感じですがよろしくお願いします。
主人公の簡単なプロフィールです。

柚深月穹(ゆみつきそら)プロフィール

容姿イメージ:『涼宮ハルヒの憂鬱』の長門有希

誕生日:12月2日、いて座

血液型:A型

一人称:僕

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