ストライクウィッチーズ-1ッ目巨人の優しい嘘吐き-   作:Thunder2Eila

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今回は出会いの回の為ストライクウィッチーズ視点が中心です
バーニィ目線ではバーニィの口調に合わせてます
戦闘描写もありますが今後もこのような感じになります
ご指摘ありましたらどうぞ


本編
第1話 魔法人形


俺は戦った。ガンダムと、自分自身と。

 

俺は戦った。何も知らないコロニーの為に、小さな親友の為に、死んでいった部隊の為に。

 

ガンダムなんて楽勝さ、なんてよく言ったよ。

 

俺は見栄っ張りな嘘吐きで、ひよっこで。

 

アル...コロニーはどうなった?お前は生きてるか?

 

ソウマトウなんて言葉を聞いたけどそんなの見える暇もなかったさ。

 

向かってくるアイツのビームサーベルが眼前のモニターを貫いてくるところまで覚えている。

 

一瞬で目の前が真っ暗になって気付いたら今みたいに何処かを漂っているように考えを巡らせていた。

 

あぁ、また意識が落ちそうだ。

 

アル、約束を守ってくれよ。俺とは違って真っ正直に生きてくれよ。

 

アル...クリス...

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

1944年 7月某日

-ブリタニア ストライクウィッチーズ基地-

 

ウゥーー!!

空襲警報のようなけたたましいサイレン音が基地中に響く。

続いて隊長から事態説明の放送が流れる。

 

「先程、扶桑の遣欧艦隊からネウロイ発見の通信が届きました。予報、レーダーの反応から他のネウロイは確認されなかったので全員で出撃します。ストライクウィッチーズ、発進準備!」

 

休息中の者、訓練中の者、基地中の兵士達が事態対応に駆け回る。

放送から1分弱、格納庫には魔法の箒(ストライカーユニット)を履きそれぞれの武器を持った隊員達が発進装置に着いていた。

出撃前の訓示も無く、隊長の合図と同時に滑走路、大空へ。

魔女達は狩るべき怪異の下へ飛び立った。

 

-同時刻 ブリタニア近海・扶桑遣欧艦隊-

 

「クソ、まるで近付けない...!」

 

坂本美緒は目の前敵に悪態をつく。

どうにかネウロイの弱点、コアの位置をつかんだがビーム攻撃は扶桑刀の射程距離リーチに入れてくれない。

遠距離から攻撃したくても弾詰まり(ジャム)を起こした13mm機関銃はとうに海中だ。

一進一退、いやむしろ防戦一方になりかけていた時、美緒のインカムに空母赤城艦橋ブリッジのざわめきが伝わってきた。

なんと先程まで艦内を駆け回り救護活動(わたしにできること)をしていた宮藤芳佳がストライカーを履いてふらふらとこっちに上がってくるのだ。

 

「坂本さん、銃を、持ってきました!」

「宮藤、それはお前が使え」

「えーっ!?」

「見ろ、あの辺りにネウロイのコアがある。私が攻撃を引きつけるからお前がコアを破壊するんだ、出来るか?」

「...はい、やってみます!」

「よし!」

 

美緒は一気にネウロイとの距離を詰め攻撃を引きつける。

芳佳はおぼつかない足元で教えてもらったコアの位置を狙い銃を構える。

引き金を引く、着弾。

だが装甲すらめくれない。

その攻撃で芳佳に気付いたネウロイの攻撃が飛ぶ。

芳佳は体制を立て直すも直撃コース。

芳佳は無我夢中で気付かないうちにシールドを張っていた、美緒の倍ほどのシールドを、だ。

慌てて美緒は芳佳に近付き様子を確認する。

まだ大丈夫、もう一度と言う彼女の体力はほとんど無いだろう。

だが士気だけはまだある。

励ましの言葉をかけまた囮となる。

芳佳はまた銃を構える。

そして気付いた。

近付けば当てるも楽だと。

美緒もびっくりな急接近、度胸だけは大したものだ。

コアに近づきながら引き金を引く、当たった。

剥がれた装甲の奥に、過ぎていく視界に大きな赤い結晶体、コアがはっきりと見えた。

あれを壊さなきゃ、そう思った芳佳に振り絞れるほどの体力は無かった。

しかし、目の前のネウロイは突然光となって弾けた。

キラキラと光るネウロイの破片は日に反射し少し眩しかった。

芳佳は美緒に受け止められたあと意識を失った。

 

-ブリタニア近海 扶桑遣欧艦隊付近-

 

ルッキーニの正確な射撃は露出したコアを貫いた。

ネウロイ撃破の確認を報告したバルクホルンの声にストライクウィッチーズの面々は沸く。

ミーナは美緒が芳佳を抱き眼下の赤城に手を振っているのを見る。

九死に一生を得た赤城艦長を初め救われた艦隊の船員らが海上で、甲板で、艦橋で手を振る。

救えた命にホッと一安心していると基地から通信が入る。

 

「ミーナ中佐、先程レーダーが基地付近で反応を捉えました。しかし、直後に反応消滅。少し奇妙なので一応報告しておきました。」

「なんですって!?」

「ネウロイの可能性は低いと思われます。監視網を強化しましたが特に報告はありません。もし反応がネウロイだったら私はネウロイのビームに焼かれているでしょうね」

「軽口はそれくらいにして。分かりました。帰投の前に確認しておきます。座標を教えてください」

 

隊長の空気に浮かれた気分も収まった面々は美緒と芳佳が艦隊に合流するのを確認してからその座標へと向かった。

 

-ブリタニア ストライクウィッチーズ基地・基地付近の海岸-

 

ネウロイでは無いがレーダーに突如現れ忽然と消えた反応。

それを目の前にしたストライクウィッチーズの面々はそれぞれの反応を取っていた。

ミーナが隊長としてそれに近付くが特に反応は無い。

ミーナは無駄を承知で投降を呼び掛ける。

すると、それの腹部辺りの赤い部分がモーター音と共に重々しく開いた。

中から出てきたのは宇宙服のような格好をした金髪の青年だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

-??? ??? side バーニィ-

気が付けば俺はまたザクのコックピットだった。

でも、俺は五体満足、ザクもエラーが表示されている所は無い。

夢なのか、それともまた戦えと言う宣告なのか。

深呼吸をして落ち着けば、そんな暗い思考じゃなくとりあえず生きている、ザクも無事だと前向きになれた。

だが、ザクのモニターに表示されているザクが知っているザクと少々変わっていた。

連邦のジムとか言うのが持っていたようなマシンガン、シュツルムファウストの弾頭がなくなったような棒、シールドの位置にあるなにかの発生装置のようなものが埋まった肩。

そして何よりも足元だ。

推進剤やバーニアを調節するペダルでは無く足をすっぽりはめる筒が二本あった。

よく分からないけど調べて見るか、そう腰をあげようとした時、テレビやネットの動画でしか聞いたことの無いような古いエンジンの、プロペラの飛行機の音がする?

ザクのカメラをつける。

起動音と共にモニターには人が足にプロペラをつけて飛んで来ているのが映る。

あぁ、やっぱりここはあっちの世界だったんだな。

カメラを点けたことでわかったが、どうやらザクは海辺に座っているらしい。

時間は夕刻だろうか、まるで本で見た地球の夕時みたいだ。

飛んできた人影の1人が近付いて来て何かいっている。

降参して降りてこい?

この人達は軍隊なのか?

まあいい、どうにかなるさ。

死んだなら2度も死なないだろうし、戦争は終わったはずだ。

大人しく捕虜になってやろうじゃないか。

 

これがこの世界での俺のスタートだった

 




如何だったでしょう?
ザク2改には魔法力で動くMSになってもらいました。
ここが説明文にもある各作品のファンからヘイトを集めるかもと思ったところです。
それにしたがって武器をマシンガンからビームマシンガンに、シュツルムファウストの追加、としました。
これで弾薬補充問題を解決、という事にしました(シュツルムファウストは弾頭を魔弾として精製する。
12話分、ストライクウィッチーズに沿ってお話を書いていこうと思います。
完結できるよう頑張っていきますのでよろしくお願いします。

-追記-(4/2)-
一部修正いたしました。(セリフ前のキャラ名の削除等

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