ストライクウィッチーズ-1ッ目巨人の優しい嘘吐き- 作:Thunder2Eila
番外編 宇宙からの巨人、魔女達の前に降り立たん
番外編 宇宙からの巨人、魔女達の前に降り立たん
-1944年 7月11日 ストライクウィッチーズ基地・滑走路-
シャーリーさんを乗せ、海岸より基地・滑走路へ機体を移動させた俺は、ひとまずコクピットから降ろしたシャーリーさんからの質問責めに遭っていた。
その為にもこいつがどれだけの戦力かを測るため、これから武器の試射を行う。
なんならゆっくり移動すれば良かった。
シャーリーさんの質問を受け流しながらも部隊の皆の到着を待った。
およそ10分程で皆が滑走路に揃った。
装備されている武器の確認と試射の準備が丁度終わった頃だった。
隊長の指示の下、観測班も準備され基地から出てきた基地隊員らはそれぞれの感想を口にしていた。
装備が確認出来たのは通称ザクマシンガン"MMP-80 50mmマシンガン"、見たことのない"ビームマシンガン"、"シュツルムファウスト"、"ハンドグレネード"、"ヒートホーク"。
実弾系武装はどれも装備弾数が表記されているのにビームマシンガンとシュツルムファウストには無い。
その理由は
ほぼ同じと言ったのは、一般にいう魔弾は実弾に魔力による威力強化を施すものだが、こいつの魔弾はその弾自体を生成(魔力なら投影?)し発射するというものだった。
通常の投影魔法は高等な技術が必要だが、こいつの場合、弾薬という形を持たせるのではなくビームの様なエネルギー体の放出、マシンガンの様に微小なものを連続発射される事で技術的にも魔力的にも簡易な武装となった、と書いてある。
だが、シュツルムファウストに関してはそれに爆発を加える為、そう簡単に扱えるものではない、と書いてあった。
こちらに関してはエネルギー体の放出ではなく弾頭を実体化させる必要があるのだ。
つまり技術もそうだが大量の魔力消費をする事になる。
諸々他にも書いてあったが問題なのはこの魔弾兵器くらいだろう。
補給面を心配したけど、実弾兵器じゃなく魔弾兵器を上手く使えるようになれば理論上弾数は無限だ。
自分の中でデータを纏めつつ隊長に一通り説明後、試射が始まった。
まず、貴重ではあるが威力の見込めるザクマシンガン。
急造の1m×1mの木造的が500m先の海上に浮いている。
それを、ロックオン、トリガーオン、発射。
ドドドッ、と低い連射音が響き3発の弾丸が的へ向かって飛ぶ。
見事3発とも命中。
だが驚かれたのは命中率より威力の方だった。
50mmという口径自体が破格であること、そもそもザクマシンガンが対MS用の威力を持っていることを考えるとあの的などただの欠片を弾き飛ばした程度だが機関銃がメインのこの部隊では想像以上の破壊力だったらしい。
そして、次に懸念事項であるビームマシンガン。
だがこちらはいくらトリガーを押しても弾が発射されない。
見兼ねた坂本さんがバルクホルン大尉を寄越す。
仕方なく代わりに試射をしてもらう。
交代(コクピットを離れる訳にはいかないので席を開けるだけ)作業が終わると新たな的もセッティングが完了していた。
大尉の方の準備も完了し手順を伝え試射をしてもらう。
2秒間の連射。
音はほぼなく、ビームよって焼かれる空気がいかにも熱そうな音を発していただけだった。
的の方を見ると命中率は悪くない。
そしてさっきよりも多い弾を受け、更にはその弾がビームだった的は蒸発し海上から消えた。
そして的の周りに着弾したビームによって複数の水柱が立ち上がる。
撃った本人すら驚きのものだった。
そして、シュツルムファウスト。
ハルトマンさんがシュツルムだって〜、と笑っていたのはなんでだろうか。
だがこちらはあまり笑える状況では無かった。
弾頭を生成する、大尉にもどうするかが分からないとの事だった。
とりあえずモノを想像して魔力を流し込んでは、とシャーリーさんからのアドバイスでやってみた。
するとただの筒のような先にザクの拳より1回り大きな弾頭が完成した。
これはパンツァーファウストじゃないか、と大尉は言っていた。
そしてまた的へ向け発射する。
今度は少しそれてしまった。
だが確実に的を粉々にしその爆発威力を見せつけた。
これだけの火力があれば充分戦力になれるだろう、そう思った時だった。
大尉がふらついた。
慌てて支えに入るが、原因はこの弾頭生成らしい。
初めてでコツが掴めていないと言うのもあるが魔力消費量が多すぎるとの事。
やはりこの世界で俺みたいに男が使える代物では無さそうだ...。
こうしてひとまず武器の試射は終了となった。
隊長からは即戦力として扱いたいのでできる限り早く操縦・攻撃面において習熟するようにと指示を受ける。
魔法力の大量消費で少しふらつく大尉と的の用意や観測でお世話になった方に礼を言いザクを格納庫へと向かわせる。
これから俺はコイツと生き抜いていかなきゃならない。
なんでこんなとこに来たかは分からないけど、戦いを止めるためには誰かが戦わなきゃダメなんだ。
いくらウィッチって言ったってみんな女の子なんだ...。
俺は少し自信なさげに自室としてあてがわれた部屋へ向かった。
前話告知の通り番外編です
もう無茶苦茶ですね..
それでもだいぶマシだとは思うんですが(設定的に
次話が早く書けるよう努力します