真かみさま転生200X(未完)   作:tbc

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俺の仲間がこんなに低レベルなわけがない

 

>ヤマオロシゲーの日

 

 俺の攻撃!【ヤマオロシ】!魔獣カブソに67のダメージ!カブソを倒した!

 

 俺の攻撃!【ヤマオロシ】!幽鬼ガキに70のダメージ!ガキを倒した!

  俺は4レベルに上がった。力が1上昇。

 

 俺の攻撃!【ヤマオロシ】!地霊ブラウニーAに63のダメージ!ブラウニーを倒した!

  ブラウニーBは命乞いをした!地霊ブラウニーBは仲間になった!コンゴトモヨロシク・・・

 

 

 悪魔と遭遇し、殴り倒しては回復の泉に戻って手に入れた僅かな金でHPを癒やしてもらう繰り返しを続け、はや4レベル。悪魔が2体出てきた時はどうなるかとも思ったが1体殴り倒した時に命ばかりはと降参してきたのでここぞとばかりに仲間にした。

 お目当ての悪魔ではないが、【スクカジャ】【スクンダ】を持つブラウニーは補助に壁にと何かと役立つ存在だ。攻撃能力はろくにないが、縁の下の力持ちである……それだけだとも言えるけど。敵で出てもなんとも言えないが、味方にすると頼もしいタイプである。

 ついでにこの病院にいる悪魔について聞きこみをした結果、今まで出会った悪魔以外にも地霊カハクと、それからなんと妖精ピクシーもこの病院にいることが分かった。原作の病院内ではイベント限定でしか仲間にならない悪魔だったが、近くの代々木公園で何かあって移住したんだろうか。人修羅の動向のことも気になって、このブラウニーに外のことやら何やらを聞いたけど、こいつらはイソラが怖くて外に出ず、病院内に同族で固まり引きこもっていた臆病者なので世の中のことは全然知らなかった。

 俺は病院脱出するつもりだから、同族なんだしカハクも誘ってこいよと言うが

「シャイなボーイのおいらはキュートなガールにはとてもトークできないのよ……恥ずかしッ」

なんてことを抜かしたので、結局交渉は俺任せである。交渉は運の能力値に依存するものだが、脳筋の剣士は初期値が1なのでお察しくださいだ。ああ、早く運特化サマナーになってハーレムとか築きたーい。

 

 

>さすがメイン盾は格が違った日

 このブラウニー、意外と便利だ。強いとか弱いとかじゃなくてヘイト稼ぎに。

 あいつが横にぶらぶらしてるだけでガキとかおつむの弱い悪魔連中は50%の確率であいつに攻撃が飛んでいくし、弱いけど俺より頑丈だからひっかかれても噛まれても平気である。

 なんとかしてくれよーと泣きついてくるけど、お前スクカジャ以外にできることないんだから盾役で我慢しなさい。

 おかげで戦闘のリスクは楽になったが、経験点も分散されてるのでレベリングのペースは下がった。

 

 こんな関係なのに何故だか妙に尊敬されつつあり、好感度が溜まっている。お前それでいいのか。

 好意を向けられるのはいいんだが、変に媚びた目つきが混じってるのは気のせいだろうか。

 俺にショタコンの趣味はねえぞ。

 

 

>逆ナン曜日

 回復の泉と1階廊下周辺をうろつく繰り返しでレベリングを続ける日々だったが、やっと5レベルに達したこともあって2階へ進出、遠出する。そしてついにカハクと遭遇!

 遭遇、したのはいいが……イソラ討伐に勧誘する前に、ブラウニーの奴が勧誘されやがった。何してんだてめぇ。

 【スクンダ】をかけてこちらの命中力を下げてくるブラウニー。ええい、ただでさえカハクのアギは高火力で危険な相手だというに。しかし、殺られる前に殺ればいいだけのこと。ヤマオロシで撃たれる前に倒してしまえば怖くはない。

 

 とはいえ倒してしまえば元も子もないということで、瀕死で寸止めし、威圧交渉。ビビらせてイソラ打倒に協力させることに成功した。

 俺にロリコンの趣味はないんだが、ブラウニーの野郎が怯えたカハクに抱きつかれて恥じらうどころか鼻の下を伸ばしているのを見ると嫉妬……というかイラッと来る。シャイボーイの設定はどこに行った。ともあれ、あとは回復役のケットシーなりピクシーなりを拉致ればメンバーを揃えてイソラを倒しに向かえる。弱い相手ではないが、まあなんとかなるだろう……

 

 

「ねえ、あなたが今噂のイソラを倒す人間って奴ー?私も一口乗せてよー」

 回復の泉への帰り道になれなれしい口調で話すピクシーが飛んできた。即採用。

 

 

 

>決戦の日

 良いか、ピクシー。我々はインペリアルクロスという陣形で戦う。

 防御力の高いブラウニーが前衛、両脇を俺とカハクが固める。

 お前は俺の後ろに立つ。お前のポジションが一番安全だ。

 安心して戦え。

 

 一人足りない気もするが、【ラクカジャ】のカハクに【ディア】のピクシー、おまけで壁役のブラウニー、そして俺の4人PTが完成した。レベルは心配だが、所詮相手もLv11のイソラ。平均レベル5もあれば倒せない相手ではない。

 行くぞオラァ!!

 

 新たなこの建物の主を名乗るイソラは、フォルネウスほどのレベルではないがそれでも破格の強敵だった。

 攻撃力の高い【かみつき】攻撃に加え、【マハジオ】【ジオンガ】を筆頭とする範囲および単体への電撃相性魔法攻撃。そして、本来フォルネウスが使う【死門の流氷】と並ぶボス悪魔にしか使えない超強力な隠し玉、電撃相性でも最上位の魔法攻撃に並ぶ威力を持つ【震天大雷】が飛び交った。まあ、その盛大な隠し玉は命中せずに外れてたんだけど。

 しかしレベル不足とはいえ、俺には強力な仲間がいた。カハクの【ラクカジャ】の重ねがけにより敵の攻撃を5割以上カットし、受けたダメージもピクシーの【ディア】で即座に回復。防御が万全の布陣で、アタッカーとして【気合】からの【ヤマオロシ】により一撃で3割を削る俺の攻撃。ブラウニー?ああ、あいつは必死に囮役をこなしてたよ。

 一つのミスが壊滅に繋がりかねない危ういバランスだが、俺らはそれを乗り切った。危うく【マハジオ】のクリティカルで落ちかけたけど(TRPGでは攻撃なら全てがクリティカルしうるのだ)、文字通り命運を使い果たしてでも紙一重で耐え切った。ピクシーのディアを受けて常に全快の俺を削り切るには一手足りず、イソラはそのまま俺の筋力に任せて振り落とされる日本刀、【ヤマオロシ】の圧力の前に散った。

 イソラを倒し、ついに初めてのボス討伐完了となる。決して強敵とは言えないが、ボスの格を備えたかなりの難敵だった……

 感慨にふける俺に、共にイソラを倒した仲間たちは、俺に向かって

 

 

 

 【ジオ】【アギ】の連続で焼き殺されました^q^

 

 





【震天大雷】は、原作真女神転生3でフォルネウスが使う【死門の流氷】の電撃相性版のようなものです。
そもそもTRPG版の【死門の流氷】は、威力は【マハブフーラ】並の中威力でそれなりだけど、条件付きでスクンダ(命中・回避率低下)の副効果が発生するなどかなり強化されています。
一方で電撃相性である【震天大雷】は、特筆すべき副効果はありませんがダメージがマハジオダイン並に高く、また感電(SHOCK)の発生率も若干高くなっています。また条件次第で更にSHOCK率は上昇します。……ただし今回の戦闘ではその条件を満たすのは難しかったので、単に強力な範囲魔法攻撃でした。

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