俺ガイル×ニセコイ   作:従属人間

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どうも従属人間です。

いつもこれ位で更新すればいいのに(他人事)

今回で一応林間学校編が終わりとなります。

ただまぁなんか書きたい事書いてたら散らかっちゃった感がありますわ。

あと、千棘書くのがなんかむずかった。

だからキャラ崩壊だったらすまぬ。

あと多分今回肝試しのお話ですけど、皆様が期待しているような展開ではないと思いまする。

なんか言いたいすら事も纏まらないけどいっか。

じゃ本編どうぞ。



18

 

 

 

林間学校2日目

 

マイマイに誘われ、一条と三人で朝食を食ってる。

飯を食っている間は特に他愛も無い会話をしていた。

・・・・・・主に一条とマイマイが。

いやだって俺は話すことないし、大体「あぁ」とか「そうだな」位しか言う事ないし・・・

 

「・・・・・・ところでお前らさ。

今夜のイベントって知ってっか?」

 

「あ?」

 

「今日、山から帰って来たらよ

毎年恒例の肝試しをやるんだよ」

 

「肝試し~?

高校生にもなって・・・」

 

「だが、ただの肝試しじゃないぜ?

なんとクジを使って男女でペアが組まれるのだ。

そして更に重要なルールがもう一つ・・・

ペアになった男女は必ず手を繋がなければならない!!!

なんと素晴らしい伝統!!拒否は許されない!!

どうだ!!燃えてきただろう!!」

 

「・・・あぁ、なるほど。

そうやってお互い簡単に逃げられない様にした状態で、

先に逃げ出した方が後にチクチクと言われ続けるんだな。

もしくはそうならない為に、目の前の恐怖を我慢出来るかどうか・・・

流石、高校生になると肝の試し方が一味変わってくるな」

 

「いや、それ絶対間違ってるから」

 

む、そうだろうか?

ていうか、そもそも俺と組む事になってしまった女子からすれば肝試しどころではない罰ゲームになってしまうだろう。それに俺の方にもダメージが入る事はもはや確定的だ。

やはり、ここは俺や他の奴の為にも参加しなくて良いだろう。ダメ?

 

「誰が買うか!!

2000円でどうだ!!?」

 

「手を打とう」

 

一条は、マイマイと小野寺とのペア券をやり取りしている。

張り切るのは構わないが、実際難しいと言わざるを得ないだろう。

俺達の学年の全体人数は207人。男女比が1:1ではないがそれでも男子だけで約100人。

マイマイが協力するにしたって単純に確率は1/50だ。

 

「・・・一条よ、5000円でどうだ?」

 

だが、もう一人いれば確率は更に上がる。

 

「高ぇよ!!!」

 

 

 

 

 

結局、3000円で手を打った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お・・・おはよう

比企谷君

昨日は眠れた?」

 

朝食の片付けを終え、給茶機でお茶を飲もうとしている時に声をかけられた。

 

「・・・っ!

な、なんだ小野寺か」

 

急に話かけられるとビクッとするからやめてほしい。

ほらそこ、笑うんじゃありません。

 

「ふふっ

あっ、ご、ごめん

見かけたからつい・・・」

 

「いや別にいい。

で、眠れたかって?

もし、あの状況でぐっすり眠れた奴がいたなら尊敬しちゃう位には眠れたわ」

 

「あ、あはは・・・

ごめんね?るりちゃんがあんな事しちゃって」

 

「いやいや、それこそ小野寺が謝るようなことじゃない。

巻き込まれた事は大いに不満があるが、原因は舞子にあるしな。

それに止めなかった俺らにも多少なりとも責任があるんだろ」

 

「そ、そうかな・・・?

・・・・・・そういえば知ってる?

今日の肝試しの事・・・」

 

「あぁ、男女カップルでやるんだろ?さっき聞いたわ。

・・・部屋割りといい、肝試しといいホント何考えてるんだかな、この学校。

俺と一緒になった奴に申し訳なさすぎるわ」

 

「そうだよね。

で、でも、私は、比企谷君と一緒だと

う、う、嬉しいけどな・・・・・・」

 

・・・っ!

い、いかんいかん。

ここで惑わされちゃだめだ。小野寺は言ってくれた。こんな俺とでも仲良くしたいと。

そう、これはそういったもので、別に俺の事が好きだとかそういう事じゃない。唯のありふれた日常会話の一つでしかない。

落ち着け俺。クールに、そうCOOLにだ。

 

「そうだな。俺も小野寺と一緒なのは、その、い、嫌じゃない・・・かもしれない・・・」

 

あ、ダメだ。全くクールじゃないわ。

つい、照れくさくてそっぽ向いてしまう。

そして気付く。めっちゃ見られてますやん・・・

他人からの目線に気付かないほどに動揺していたかっ!

それもそうだ。今は朝食の時間。場所は皆集まる食堂だ。

しかし、これにより多少なりとも冷静さを取り戻すことが出来た。

 

「あ、あ~、今言った事は忘れて貰って構わない。

・・・・・・もう暫くしたら集合時間だなぁ。

お、俺はもう行くから、小野寺も集合遅れんなよ」

 

「あ、う、うん」

 

そう言って逃げるようにその場から離れていった。

 

 

 

 

 

 

3000円なぁ・・・

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「・・・よーし、全員注目!

これより恒例の肝試し大会を開始する!!

準備はいいか野朗共ーーー!!」

 

「「「「「おおーーーーーーーー!!!」」」」」

 

 

 

ハイキングや、飯などの諸々が終わり、肝試しの時間が始まろうとしていた。

俺としてはハイキングで体力で使い切ってしまった感があるので、是非とも辞退させて頂きたかったのだが、るりるり&マイマイに引き摺られる様に運ばれて参加させられている。

ていうか教師共よ、呑気に酒盛りを始めると羨ましいですな。

自主性を重んじて?責任逃れの常套句じゃないですかやだー。

なら俺の自主性も重んじて貰って部屋に戻って良いですか?だめ?あぁそう。

 

 

「では、続いて男子~」

 

 

おっと、グダグダ考え事している間に男子のクジ引きが始まる様だ。

基本的にこういった時は最後の方に引くようにしているので暫くは眺めているつもりだ。

 

「ゴホンゲホン。

あーーー、ゴホン!

へ~、小咲は12番だったんだ~

小咲は~12番~」

 

るりるりが周りに聞こえる様な大きな声で言う。

するとどうだろう。周りの男子共が俄然張り切りだした。

誰もが引く時に祈るように引くではないか。だが、お目当ての番号ではないのであろう。

ショックを受けて項垂れる者、元々期待してなかったのであろう笑いながら番号を披露する者、逆に顔は笑っているがショックの色を隠しきれていない者。様々な反応が窺える。

なるほど。それを見て楽しもうという魂胆か。流石るりるり性格が悪い。

 

そんな風に思い、ふとるりるりに目を向ければ、目が合ってしまった。

え?なに?え?なんでこっちくんの?怖い怖い!性格悪いって思ったのがダメだった?

うそです!めっちゃ気が利く良い奴!メガネめっちゃ似合ってるから!可愛いから!!」

 

「なっ!?

~~~さっさと12番引いて来いっ!」

 

「いってぇ!!」

 

何故か思いっきり蹴飛ばされた。解せぬ。

てか、12番引いて来いって言われてもなぁ。こればっかりはどうしようもないだろうに。

仮に引けたとしても売り払う約束しちまったし・・・。

いや、それを知ってるからか。恐らくマイマイ辺りにでも聞いたんだろう。

なんだかんだ友達思いなんだよな。本人は認めようとしないだろうけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

で、結局。

 

「う~・・・

肝試しかぁ・・・」

 

「なんだ、桐崎はこういった類のは苦手なのか?」

 

「・・・苦手なのよ。

昔から暗い場所とか狭い場所。

昔、洗濯機にハマって5時間動けなくなったあの日以来・・・」

 

「どうしてそうなった・・・」

 

都合良く狙った番号が引けるわけも無かった。だが、一条と小野寺がペアになる事は出来たようだ。なんだアイツ、主人公かなんかかよ。そして、俺は桐崎とペアになった。

まぁ、知らない奴とペアになって変な空気になるよりもマシだし、これはこれで悪くない結果なのだろうか?一条に悪いから~とか何とか言えば手を繋がなくても良いだろ。

 

「しかしまぁ、苦手なら無理して参加する必要もないんじゃないか?

俺としても参加しなくていいなら、参加したくないし」

 

そもそも参加しなければあれこれ考えなくて済むし、苦手なのに無理してやる必要もないだろ。

 

「イヤよ。折角のイベントだもの。

暗いのさえどうにかなれば、問題は無いわ

それに、アンタとペアなら最初っからオバケが隣にいるようなものだし」

 

「そうだな。

普段から影は薄いし、初対面の奴は大体俺見てビビるし。

このままでオバケ役をやってもなんの遜色も無いレベルだろ」

 

「あ~、確かに・・・

私も最初、アンタ見た時はビビッったもんね。

今でこそ見慣れたけど」

 

「そーですか・・・

始まるまでもう少し掛かりそうだし、ちょっとマッカン補給してくるわ」

 

「マッカン~?

あぁ、アンタがいつも飲んでる体に悪そうなやつね・・・

取り合えず・・・は、早く戻って来なさいよ・・・!!」

 

「はぁ?・・・あぁ、別に今はまだそんなにビビる事ないだろ。

なんなら戻ってくるまで一条の傍にいればいいじゃねぇか」

 

「べ、別にビビってなんかないわよ!!

なんでそこでもやしの名前が出てクンのよ!」

 

「なんでって、一応彼氏だろ・・・

じゃぁ、あれだ。戻って来た時ある程度見つけ易いように、一緒にいてくれると助かる」

 

「そ、そう?・・・そうよね!

アンタが見つけ易いように、ダーリンと一緒にいるわ!

アンタが見つけ易いようにね!」

 

大事な事だからね。繰り返し確認しなきゃね。

そんな事よりマッカンマッカン。

 

このままフェードアウトしてもいいかな?いや、それはそれで色々と後が怖いな。

 

 

 

 

 

~~~

 

 

 

 

「なぁ、一条」

 

「・・・なんだよ

比企谷・・・」

 

おぉう。悪いな小野寺との2人きりを邪魔して。

しかし、それだとおかしいのだ。

 

「桐崎知らんか?」

 

「千棘ちゃん?」

 

「あぁ。少し離れるから、一条と一緒に居てくれって言ったんだが・・・」

 

「あー。桐崎さんならさっき森ん中入ってくの見たよ?

オバケのカッコして。

さっき聞いたんだけど、オバケ役の人がお腹壊したみたいで代打頼んだんだって」

 

暗い場所が苦手って言ったそばから何やってんのあの子?

 

「あ、いた!一条く~ん!」

 

「あれ?安達?

オバケの人がこんなとこいたらダメじゃ・・・」

 

「もしかして桐崎さん戻って来てない・・・?」

 

「へ?」

 

「いや実はさー、桐崎さんにオバケ役お願いしたんだけど、

懐中電灯に電池入れ忘れちゃって・・・。

もし、気付いて戻ってたら渡そうと思って・・・」

 

「明かり無いと森ん中真っ暗だもんね~」

 

「でも別に大丈夫でしょ。

あの桐崎さんだし」

 

「むしろ桐崎さんのオバケ役見てみたくね?」

 

「桐崎さん美人だし、どんなカッコでも似合いそーだもんな」

 

「どーする?めっちゃ怖かったら」

 

「オレ、驚かされたら逆にオバケに抱きついちゃおっかな~」

 

「アホ、殴られっぞ」

 

 

 

そこまでは聞いていたが、桐崎のいるであろう場所を聞き立ち去った。

 

 

 

一人森の中を歩く。

恐らく、一条は桐崎が暗い場所が苦手なのを知らない。

桐崎の性格からしても、自分からは中々言い出せないであろう。今回俺が知ったのは状況的に、隠し通せるものではないとの判断だったのだろう。

そもそも他人の本当に苦手な物ってのは知ろうと思わなければ知れるものではないと思う。

今回の様に状況に追い込まれ白状するか、こちらから掘り下げない限りは。

自分から「オバケ怖い~」とかいう奴は誰かしらの気を惹く一種の手段であり、オバケが怖いと言って怖がってる自分可愛いというアピールでしかないのだ。

本気で人の苦手な物を知ろうとする奴は、そいつの事が嫌いか、ストーカー、ドSな人間、後は、テレビ番組のスタッフくらいだろう。・・・最後のはちょっと違うか。

だから、クラスの連中は桐崎が暗い場所を苦手だという事を知らない。

知らないから、自分達の勝手な理想を押し付けられる。例え、桐崎がどれだけ不安に思おうとも「知らなかった、ごめん」で済まされてしまうであろう。

俺はそれが気に入らない。

リア充はリア充としての行動を求められ、ぼっちはぼっちであることを義務づけられ、

オタクはオタクらしく振る舞うことを強要される。

勝手に人に役割を押し付け、その役に沿った行動を取らなければならない。

そして、押し付けられた役から逸脱した行動を起こせば、落胆する。又は、攻撃開始の合図となる。

そして、桐崎は今「皆が思う桐崎千棘」としての役が押し付けられている。

それが本人の意思に沿うものではないとしても。

そしてそれが俺は気に入らない。

まぁ、今回の事でクラスの連中が桐崎が暗い場所が苦手だと知った所で多少の軌道修正を図るくらいで済むかもしれない。

「知らないことは罪」と言う。今回の事なんかでも確かにそうだと思える。

しかし同時に思う。本当に知らないことは罪なのだろうか?と。

確かに法などの観点から見れば、間違いではない。だが、人間関係の観点から見るとどうだろうか。知りたいが故に、踏み込みすぎて弾かれる事だってある。

本当、人間関係とは面倒くさいものだ。

だから俺は思う。ぼっち最高・・・と。

 

 

~~~

 

 

 

さて、うだうだと考え事して歩いてきたが、そろそろ桐崎がいるであろう場所だ。

 

「だーーーもうダメだダメだ!!

やっぱ怖いもんは怖ーーーい!!」

 

「全く、怖いなら無理すんなっての」

 

「ひぃぃぃぃ!!」

 

「人の顔見てビビるとは失礼な奴だな。

見慣れたとか言ってた割には全然じゃねぇか」

 

「・・・・・・!!

アンタ・・・!?」

 

 

懐中電灯に電池が入っていなくて、動くに動けずにいた桐崎を連れ、戻る事になった。

怖いからという理由から俺のジャージの裾を摘みながら着いてくる。

正直ドキドキしちゃうから辞めて頂きたいのだが、そうも言えずにいる。

 

「・・・大丈夫か?」

 

「・・・なんとか。

なに、心配してくれんの?」

 

「そりゃ心配すんだろ。

お前になにかあったかと思うとどうなる事かと」

 

主にクロードさんとかクロードさんとか、あとクロードさんとか。

 

「なっ・・・!!

そ、それって・・・」

 

「ん・・・?」

 

「っ・・・はぁ。

まぁいいわ。ちょっと聞きたいんだけど」

 

「そうか。俺は聞きたくない」

 

「いいから聞け!

・・・カップルが名字で呼び合ってるのって変かしら?」

 

「そんな事俺が分かるわけないじゃん・・・」

 

「それもそっか。

アンタだし」

 

俺だからという理由で納得されてしまった。

いやまぁ、なにも言い返せないんだけどね?

 

「しかしなんでまた急にそんな事を?」

 

「昨日、お風呂で言われたのよ。

結構付き合ってるのに名字で呼び合ってるんだねって」

 

「それって気にするもんなの?

別に付き合ってない男女が名前で呼び合う事があるんだ。

付き合ってるからといって無理に名前で呼び合う必要もないと思うが・・・

それこそ、アメリカだとその辺フランクにやってんじゃねぇの?

・・・・・・まぁ、呼びたい様に呼ぶんでいいじゃね?

友達いないから知らんけど」

 

「呼びたい様に・・・ね。

うん、そうするわ」

 

 

 

 

 

 

その後、急に桐崎が俺の事を「ハチ」などと呼び始め、その事で一悶着あったりして、結局呼び方を変える事無く決着してしまった。

これを機に、他の奴らの呼び方を変えていくんだと。

それで部屋に戻ってからもワイワイ騒いでいたが、俺はさっさと寝てしまった。

翌日は帰るのみで特に何も騒ぎは無かった。

桐崎が俺の事をハチなどと呼び、周りがザワッとしたこと位だろうか。

 

 

 

 

 

こうして、俺の林間学校は終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱハチはねぇわ。犬かよ。

 

 

 

 

 





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