お久しぶりの従属人間です。
いや~相変わらず更新が遅くて本当に申し訳ないです。
鶫が難しいんじゃ~
それに楽のセリフ使っっちまった…
途中、作者が拾った電波が八幡にも影響を及ぼしていますが…許してヒヤシンス!
話は変わって
アンケートを取りたいなと思っているのですが、正直わからんのです。
なんで、やり方若しくはどこを参照すれば良いのか教えて下さると大変ありがたいなぁとか…
まぁこんな作者の作品を楽しんで貰って本当にありがとうございます。
これからも頑張るんだZE!
転校生の鶫が来てから、早数日。
転校初日の時は、桐崎との関係についてだったり、一条との決闘だのなんだのとクラス中を賑わしたが、今ではすっかりクラスの連中に受け入れられ馴染んでいるようだった。
……受け入れられているし、回りの連中も疑問に思ってないみたいだし、今更突っ込むのも野暮な気がして突っ込んでいないのだが……
「比企谷さん、おはようございます」
なんでリボン付けてんの?
「お、おう」
初日の時はどんな面倒事に巻き込まれるのかとヒヤヒヤしていたが、特にこれといった出来事も無く、挨拶をする程度の間柄になっていた。(決闘の件は巻き込まれてないので良しとしておく)
仲良くお話をするような間柄でもないし、気付いたらリボン装備の状態がデフォルトになっていたので、どうしてこうなったのか分からずじまいなのだ。
別に人の趣味にあれこれ言うつもりなんてさらさらないし、なんだったら似合ってるし、違和感仕事しろ状態なんだが、周りも本人も気にしてないようだしいいのか…?
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放課後
何時も通りだらっと学校を終え、本屋へ行き目ぼしい新作本が無いかを確認し、ついでにかまくらの餌を買い足しておこうと、ペットショップに足を向ける。
ペットショップ内をぶらぶらしていたら、大量の荷物を抱える一条を見つけた。
「お、比企谷じゃん。こんなとこで奇遇だな」
「おう…。一条こそ、なんだその量は?」
「いやなに、学校で飼ってるペットの餌だよ。ウチは珍しい動物が多いからこうして近場まで自分で買いに来なきゃ行けないんだよ」
ほ~ん。ご苦労な事で。てか、自分らで買いに来なきゃならんほど珍しい動物って何飼ってんだよ、ウチの学校は…
「それにしても一人でそれだけ持って帰んの大変なんじゃないのか?」
「いや、一応もう一人一緒に来てるし、それにお店から台車も貸してくれるから問題ないぞ」
「ん、そうか」
会話も一区切り付いたし、俺も自分の用事を済ませようと一条と別れ、再び店内をぶらつく。何気なくペットの展示コーナーを見てみると一人の男子?がいた。
何故に疑問系なのかって?
「ひ、比企谷さん…!?」
クラスメイトの美男子君が完全無欠の女装姿なのを見れば誰だって男子だなんて断言出来ないと思うんだ、俺。
「お、おう…、いや、なんだ、その…邪魔したな」
そう言って踵を返し、足早に立ち去ろうとすると腕を掴まれる。
「ちょ、ちょっと待って下さい!今物凄く酷い誤解をされている気がします!!!」
男だと分かっていても、見た目は完璧女子なので、そんな涙目で見られるとちょっとドキドキしちゃうじゃん。
「うんうん、大丈夫分かってる。分かってるから取り合えず、その手を離してくれ」
俺の出来る精一杯の慈しみの眼差しを向けると、更に焦った様子の変tもとい鶫。
「絶対分かってないです!一先ず説明をさせて頂きたく思うので、その可哀想な物を見る目をやめてください!!!……痛っ…!」
ひと悶着繰り広げると、足を痛そうにしているので近場の座れそうな所に場所を移す。
***
外に場所を移し適当に座れる場所に座らせ、履いていたヒールを脱がせ、足の様子を見てみると酷い靴擦れを起こしている様だった。
「あ~、こりゃ酷いな…。ちょっと大人しくしとけよ」
そう言ってカバンの中を漁り、目的の物を探す。
「あの…一体なにを?」
「ん~…っと。あったあった。ちょい染みるかもしれんが我慢してくれ」
目的の応急手当セットを取り出し、傷を消毒し、絆創膏を取り合えず貼っておく。
「簡単にしか治療してないから、後は家帰ってからちゃんとやってくれ」
使い終わった物を再びカバンにしまい、立ち上がる。
「あ、ありがとうございます。
そ、その…比企谷さんは、なぜそんなに準備が良いのでしょうか?」
「これはまぁ、準備が良いと言うよりは昔からの癖だな」
「癖…ですか?」
「おう。今ではそんなに無いが、小・中学生の時は色々と生傷が絶えなくてな。
まぁ、そん時からついつい持ち歩くようにしてるってだけだ」
なんとなく周りの景色を眺めながら、少し昔の事を思い出す。
……あの頃は、小・中学生でありがちな(高校生でもたまにあるけど)気に入らない奴には何をしてもいい、という世にも奇妙なルールが成り立っていて、そんな気に入らない奴にされるのは何時もどんな時も、俺の役回りで、決まってサンドバッグ役になっていた。
サンドバッグにされた後、家に帰ると決まって小町に泣きながら心配されて、そんな小町の泣き顔を見たくないが為にせめてもの対策として、傷を目立たなくするという技術を身に着けたものだ。
いかんいかんと頭を掻く。
改めて、どうしたもんかと考えていると、ペットショップから一条が台車を押しながら出てきた。
……どんだけ買い込んでんだよ。
「店ん中に居ないと思ったら、こんな所にいたのか。ちょっと探しちまったぞ」
あぁ、そういえば一緒に誰か来てると言っていたが、鶫の事だったのか。
一人納得していると2人はあっと言う間に言い争いを始めている。
…言い争いと言うか、鶫が突っかかって一条は流しているだけの様だが。
「お~い、比企谷。悪いけどコイツ家まで送ってってくれないか?
俺は買った餌、学校まで運ばなきゃなんねぇし」
後ろでなにやら抗議している鶫の姿を見て一瞬、俺が送っていく必要など微塵もないんじゃ…と思ったが、足を怪我して歩きにくそうだし、何かあっても後味が悪いし、しょうがないかと承諾する。
「へいへい」
「助かる。流石に、怪我した『女子』を一人で帰らせるのもどうかと思うしな」
…………ん?
今、物凄く聞き捨てならない単語が聞こえた気がするぞぉ?
「ちょ、ちょっと待ってくれ。
……怪我した…なんだって?」
「ん?だから怪我した『女子』を一人で…ってどうした?」
改めて鶫の方を見る。
「あ、あの比企谷さん。私は大丈夫なので、気にせずご帰宅なさって下さい」
なにやら恥ずかしがっているようで、改めて見ると声も仕草も女にしか見えない。
背もそこそこあるが、体つきはとても細く見える。
だが、男…だ。
ミニスカートのワンピースが似合っている。見た目だけなら女より女らしい美少女。
だが、男だ。
だが、男…だ
男…だ、男…のはずだ
「はぁ、やはり勘違いをされていたのですね…
改めまして、鶫 誠志郎。正真正銘の『女』です」
女だああああああああ!
はっ!いかん!!!何か変な電波を受信してしまったようだ。
しかし、女子だという事を意識すると、さっきまでの行動が途端に恥ずかしくなってきた。
なに、女子の足触っちゃってんの!
いや、なんか柔らかいなぁとか、ちょっといい匂いするなぁ…とか、思ったけども、これ傍から見たら唯の変態行動じゃねぇかっっ!!!いや、男相手にそんな事考えてる時点で駄目じゃねぇか!!!!!!
「あ、あの…大丈夫でしょうか?」
「あ、あぁ。気にすんな。ちょっと自分の行動を振り返って自己嫌悪に陥ってるだけだから」
「まぁ、なんか良くわかんねぇけど、そいつの事頼んだぞ、比企谷」
ちょ、待って!この状況で2人にされるのはマズい!特に俺の精神が!!今の俺の精神状態だとソウルジェムすぐに穢れが溜まっちゃうって!災いと絶望と撒き散らすだけの存在になっちゃうから!え?穢れるの目だけにしとけって?うるせぃ…ってヤバイ。頭がこんがらがって考えが可笑しな事になってる!!!
だが、現実とは非情な物で気が付けば、一条の背中はあっと言う間に見えなくなってしまっていた。
残ったのは、項垂れている俺と鶫だけとなった。
***
少し時間をおいたおかげで多少、冷静になった。
今更グダグダ言ってもしょうがないと腹を括る。
「おい、鶫。取り合えず歩けそうか?」
「え、えぇ。歩く程度であれば問題は…!!」
立ち上がる事は出来た様だが、歩く事は難しそうだ。
仕方が無いか……
「はぁ……。ほれ」
「え…?」
今、俺は鶫に背中を向けて、しゃがんでいる状態だ。
「いいから……乗れよ」
「い、いえ。そんな事して頂かなくても私は一人で…」
「碌に歩けもしないのにどうやってこっから帰るってんだよ…。
それに一条にも頼まれちったし、俺としてもなんていうかこう、後味が悪いんだよ」
「……では、失礼します」
そういって、恐る恐るといった様子で俺の背中に体を預けてくる。
これは……大変な事になってしまった!!!
少しでも気を抜けば背中に意識が集中してしまいそうだ。
ここは俺の精神安寧の為にもさっさと済ましてしまうに限る。
「で、お前ん家ってどっち?」
「は、はい。まずはこの道を…………」
鶫ナビの指示を聞きながら、黙って歩っていると急に質問された。
「そういえば、比企谷さんは私が女だと気付いていなかったのですね」
「あぁ、まぁ正直、全然気付かなかった。なんかすまん」
そこまで興味がなかったんです…
「いえ、名前や普段の服装の所為で、勘違いされる事は多々ありますので」
「ぶっちゃけ、今の格好だっててっきり、ギャングっていう男社会の中で育ってきて、
何かしら拗らせて女装趣味に目覚めたっていう変t…苦労人なのかと思ってたし」
「それはまた、酷い勘違いをされていたものです」
声の雰囲気からして苦笑いしているのだろうか、若干呆れられている気がする。
話題を逸らそうと、何かコイツの興味を引きそうな話は…
「そういや、鶫と桐崎って一緒に育ったんだよな。
いつから一緒にいるんだ?」
「…そうですね。
私達が5~6歳の頃でしたので、もう10年程も前になりますね。
当時のお嬢は初コイをしていたようで、よくその相手の男の子の事を嬉しそうに話してくれたものです」
普段であれば、鼻で嗤い子供の頃の事なんて~と言うところだし、鶫の表情も見えなくて俺の勘違いなのかもしれない。ただ、聞いているとなんとく、コイツにとってこの想い出は、桐崎との大切な物のような気がして、嗤ってしまうのは悪い気がした。ただちょっと羨ましく、そしてそれを誤魔化すように出た言葉は、考えなしの適当なものだった。
「んで、そんなお前さんの初コイはどんなもんだったんだ?」
「は!?わっ…私のですか…!?
そんなものあるわけないないじゃないですか…!」
そうか?ギャングなんて男だらけの環境であれば、イケメンからマッチョまで多種多様な男性陣が揃っていそうな気がするんだがな。
「…ありませんよ。そんなものは。
今までも…そしてこれからも。
私はお嬢にお仕えする事が使命だし、それが私の幸せです。
それに私は女を捨てた身なんです…
私はお嬢が幸せなら、それで…」
「……でも、そんだけ誰かの為に一生懸命になれる奴なら
お前の事、好きな奴はいると思うぞ?」
なんだかんだコイツは10年間、桐崎の為に頑張ってきた。
素直に凄いと思えるし、俺には到底無理な事だと思う。
誰にでも簡単には出来ない事だろうし、それ即ち鶫の魅力なんだと思う。
で、あればそういった処に心惹かれる奴はいるんじゃねーかと俺は思う。
「…………?」
なぜか、だんまりを決め込んでしまった鶫。
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あの後、時折聞こえるナビゲーションに従いながら、無事鶫を家まで送り届けた。
そして、俺も只今帰宅。
「たで~ま~」
「にゃ~お」
やっべ餌買ってくるの忘れた。
以下、没
「…ありませんよ。そんなものは。
今までも…そしてこれからも。
私はお嬢にお仕えする事が使命だし、それが私の幸せです。
それに私は女を捨てた身なんです…
私はお嬢が幸せなら、それで…」
「それは多分、違うと思うぞ」
「え…?」
「そりゃ、お前の使命やら幸せなんかは、お前がそれで良いってんならそれはそれで構わないと思う。
けど、お前が桐崎の幸せの為を思っての行動が、桐崎から見て不幸に見えたなら、桐崎は喜ばない…。俺はそう思うんだがな。いやまぁわからんけど」
「…もし、そうだとするならば、私はどうしたらいいのでしょうね」
「それこそ俺が分かるわけないだろ。それに簡単に全員が幸せになれる方法があるってんなら、警察なんかは必要なくなるんだろうけど。
……けどまぁ、お前にみたいに誰かの為に一生懸命になれるってのは、今時珍しいからな。
そんなお前の事を好きになる奴はいるんじゃねーの?」
若干、話のスケールが大きくなってしまった気がするが、俺達はまだ高校生だ。
高校生なんて、誰か好きな人と付き合うってだけでも幸せを感じてしまう思春期真っ只中なのだ。だから、難しく考えずに取り合えず恋人を作るなんて事でも、きっと桐崎は喜ぶんじゃねぇか?
「…………?」
なぜか、だんまりを決め込んでしまった鶫。
ちょっと怖いが、まぁきっと考えているのかもしれない。
自分の幸せについて、桐崎の幸せについて、そして2人にとっての幸せについて。
それにしても……俺の幸せってのは何時頃やってくるんですかぇ
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あの後、時折聞こえるナビゲーションに従いながら、無事鶫を家まで送り届けた。
そして、俺も只今帰宅。
「たで~ま~」
「にゃ~お」
やっべ餌買ってくるの忘れた。
珍しく没ルートをのっけてみました。
書いてて思った。「お前が言うなよ…」
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