俺の一族がレアモンスターなんだが。   作:鰹ふりかけ

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第三勢力ローマ

第二特異点千年狂気帝国セプテム

 

ざっくりいえば新しきローマが神祖からローマとはなんぞや?と試練を受けるシナリオ

 

出てくる敵サーヴァントもほぼローマよりであり。

親玉であるロムルスも同じくローマの滅びを望んでいないというレフも驚くような状態である。

 

はっきり言って楽チン

 

前回のオルレアンとは違い

明確な味方勢力(ネロローマ)が存在している上に、聖杯の抑止力である味方サーヴァントも勢揃い

 

士気も高く地理にも明るいさらに補給線の心配もない

 

問題としてはレフは当然ぶちのめすとして、そのあとに出てくるアルテラさんである。

 

もしも彼女がローマに到達すれば人理修復失敗

 

ローマは灰となる

 

要するに彼女をローマに行かせなければこちらの勝利なので………万が一アルテラさんが召喚された時に時間稼ぎを行えばいいだけなのだ(時間稼ぎができるとは言ってない

さらにアルテラさんは道に沿って移動するため進行進路を予想しやすいので対策はたてやすい。

 

また、レフをアルテラさんを召喚する前に塵も残さず消し飛ばせばアルテラさんがそもそも召喚されない可能性がある。

 

で、ここまでが原作を通りのシナリオが進む場合の対策と目標であるのだが………ロムルス召喚してるんだよな

 

敵さんのボスが別の存在になっていた場合は全ての道筋が崩壊してしまう

ロムルスだからこそローマとは別のローマをつくって本来の歴史を歪めるなんぞというめんどくさいことをしている訳で……初手アルテラとかヤバい詰む

 

あれ?不味くね?

 

と思いつつ情報を収集するために部隊を小分けにして出立させた直後にマシュに捕獲された。

 

その時に近衛も伝令も全員逃げやがった

 

ある程度の指示もしているので不利になるような行動をするとは思えないが………いくらなんも酷いと思う

 

まあ、わかるよ。マシュ怖いもん

 

笑顔でふらふらと首輪持ってこっちくるんだもん

 

逃げようとしたらマシュ盾が飛んできて目の前に刺さるし

 

後はマシュと一緒にローマに向かってネロに遭遇してローマ入りとなった訳だ。

 

ロムルス?どっかいったぞ。

彼に行ったっては何をしようとしているかはわからないが何かを感じた風の台詞を言って竜牙兵引き連れて旅立った。

まあ、非常時になればいつでも呼び出せるしローマの不利になるような事もしないだろうからほっといてる。

 

 

 

日中ローマを観光し終えて夜になった

 

「じゃあおやすがっ!」

そう言って足早に事前に聞いていた寝室へ向かおうとするがマシュに鎖を引かれ阻止される。

「何しようとしてるんですか?」

「えっいや、そのね………はいわかりました」

さすがに一緒はまずいっしょと一生懸命訴えるがマシュの眼光に怯んで従う

グダ男に一瞬援護を求めて視線を移すがグダ男自身がキヨヒーに巻き巻きされて拉致されかけていた

 

見なかった事にしよう

 

マシュの監視の中で寝床に転がりこみ早く寝ようと瞳を閉じると猛烈な眠気に襲われた

昼間に興奮しすぎて疲れているのかな?と眠気に身を任せようとするが

 

「ようやく効いてきたみたいですね………」

とマシュが意味深な言葉を発したのだ。そのあとにも化学合成されたとか耐性がどうとかの呟きが続く、よく聞こえない

 

悲報、なんか盛られた模様

 

なんとか抵抗を試みるも眠りに落ちてしまった。

 

数刻

やっとこ目覚めたのだが、背中にやわこいものが当たっている感触がする。

しかも暖かい、さらに花の香りを彷彿とさせるような柔らかくい香りがする。

 

ふりかえるとマシュが寝床にいた。

 

自らの身体を丸めるようにして寄り添って眠っている。

 

普段の凛とした雰囲気はなく、年相応の少女の姿がそこにあった。

 

マシュのてが自分の袖をぎゅっと掴んでいるのに気がつく、そしてその手と肩が震えているのがわかった。

 

怯えているのだ

 

気づいてしまう

 

彼女が抱える恐れの正体に。

自らが消えてしまう恐怖そして人類そのものの運命がこの小さな少女の肩に重圧としてのし掛かる

 

普段の姿は作り物、強気でまるで戦乙女のような姿は自分と周囲を守るための鎧で、その内側は今にも潰れそうに感じる。

 

自分の眼にはそのようにしか見えなかった

 

ゆっくりと頭を撫でる

なぜそうしたのかはわからなかった。ただ、手が自然に伸びたのだ、彼女が心地よさそうに眠っているのを確認して安堵する。

同時にうっわ今の自分きめえええええと自己嫌悪に陥り頭を抱えて唸り周囲に目撃者がいないか確認する。

 

だれもいないことを確認しているとマシュが寝相でもぞもぞと動きこちらにさらに密着してくる

 

「マシュ………いい夢を」

せめて彼女が休めるように………少しでも安心感を得られるならばこれくらいはいくらでも許そう

 

 

 

「………!」

マシュを見守っていると自分の通信機が鳴る。側にいる彼女を起こさないように応答する。

 

「ドクター?」

「その様子だと邪魔したかい?」

腕の通信機からモニターが出現しロマニの姿が映る。同時にこちらの様子が向こう側に見えたのだろうロマニがばつの悪そうな表情で顔を掻いている。

 

「いいや、問題ない。何か問題が?」

「特にはないよ。基本方針は先ほど決めた通りネロ皇帝に同行するのは変わらない………ただ、少し話したかっただけだよ」

よく考えてみればロマニとの通信はこれが初めてである上に普段から二人で話す機会がなかった事に気が付く

 

「別に何もしてないぞ!」

「そこは大丈夫だよ。マシュがそこまで安心して身を任せているんだから」

言葉に対して少し驚き照れ隠しに頭を掻く

 

「ああ、それと………入って来ていいぞ」

「?」

寝室のバルコニーに声をかける

 

するとバルコニーの手すりを筋肉質の腕がつかみ音をたてずに竜牙兵が登って来て室内へと侵入する。

 

「マスター報告「しーーー」………了解しました」

自分に声をかけようとする竜牙兵に対してマシュが寝ていることを指で差し声を低くするように示唆する。

竜牙兵はそれを理解して足音を立てないように近付き小声で話し、そして何処か(想像したくない)から羊皮紙の束を取り出し自分に渡す。

 

「それは?」

「各地に散った竜牙兵の報告書………問題ないな。ありがとう」

「ローマ!」

受け取った書類を確認して緊急性の高いものがないかを確認して問題がないと結論づけて竜牙兵にお礼を言う

竜牙兵は少し嬉しそうな表情を見せ小声で当然だと返事をする。

 

「そちらに送れるか?」

「大丈夫だけど………これって」

羊皮紙をモニターに向けるとスキャンが始まり向こう側にも情報が表情されロマニが驚きの声をあげる。

そこにはローマ周囲の敵対しうる部族の様子や戦力と各地の都市の状態や噂が書かれていた。

 

ローマ帝国の周囲には敵対する部族が複数存在する。

 

ローマの北東に位置する現代のドイツの土地を支配しているゲルマン系部族

ブリテン島の北部には未だ復讐に燃えるケルト系部族

ローマ近郊でさえもサムニウム人の残党が、さらに東に向けばローマと何度も争っている大国パルティアが存在している。

 

これ以外にもローマ国内でのゴタゴタに乗じて反乱を画策するような人々は無数にいるし、属州となっているガリアの地に住むガリア人達だって征服されてから幾ばくが経過してるけどカエサルによるガリアへの侵攻への怨みはいまだ忘れていない

 

 

ガリア人は推定8~9万人。

それほどの人口の反乱が起きればひとたまりもなくローマは崩壊する。

 

レフだけでなくそれらへの警戒をしなくてはならないのだ

 

ローマは現在混乱の最中、各地の州軍とは連絡がつかず兵の召集も困難な上にそれに加え明日にはネロを含めた軍勢がローマを出発する。

 

多少の守備兵力を残すとは言えどもほぼ空に等しい、そこを他勢力になんぞ侵攻されたら確実に死ぬ

 

badendまっ逆さまである。

 

「ありがたい!ここからだとそちらの詳しい情報はわからないからね。これからもお願いできるかい?」

「もちろん、気になる事があればいつでも言ってね」

こちらとしても情報を集めるのはいいのだが集計してデータ化を行うのは苦手であるため当然である。

 

一通りローマの状況について話し終えると竜牙兵はベランダから飛び降り去っていく

 

「彼等はそのまま自由にさせておくのかい?」

「えっなんで?」

「頭が痛いよ………」

 

何を言ってるんだお前はともいうかのように真顔で即答する彼に対してロマニは頭を抱える

 

彼の使役する創造物達ははっきり言って異常の領域を突破しているのだ

 

特にあの筋肉達

 

力は強く数人で木製の城門なら素手壊すし、防御もサーヴァントの攻撃を受けて致命傷の状態で耐える。

しかも、集団での行動が得意で対サーヴァントや攻城戦では組織的な作戦を元に戦闘を行う。

 

しかも、彼謹製の武具を装備しているため、あらゆる状況に対応できる。

 

だが、これよりも厄介な点が存在する、機動力と経戦能力の高さである。

 

彼等は魔法生物の一種

 

そのため、マスターの魔力が持つ限り活動が可能なのだ………つまり、彼等は食事も睡眠も休息も酸素さえも必要としない。

 

戦闘での負傷というものもない(コアが壊れない限り牙に戻ってまた新しく身体を構成するため)

確実に倒さない限りすぐさま戦線に復帰してくる。

 

これらの性質のため昼夜問わず歩き周り複雑な地形でも難なく越え、川や浅い海や湖も水中を歩行して相手を地の果てまで追いかける筋肉の軍勢が誕生した。

 

 

さらに前回の特異点はマスターに代わり全体の指揮を取る将校のような個体も確認された上に作戦レベルではなく戦略を持って行動してるし

 

そして新型(重装型)の出現………

 

確実に言える。

 

こいつらが現代に解き放たれたら国が滅ぶ

 

いや、世界が無茶苦茶になる。

 

それなのに彼は竜牙兵を好き勝手させているのだ、いつか取り返しのつかないような事にならなければよいのだがと危惧するが

同時に彼等は優秀な戦力であるためこの非常時においてはありがたい存在でもあるのだ

 

特異点では予測不可能な事が起きるため無理を言って撤収させる訳にもいかないし、彼の機嫌を損ねるのも避けたい

なのでやんわりとマシュを通して彼に常識を叩き込もうとしているのだが………彼の異常性が斜め方向にぶっ飛んでいるために対応が追い付いていないのが現状である。

 

ダヴィンチちゃんの案でマシュと所長というストッパーをつける事には成功したが……本当に頭が痛いよ

 

「何でもないよ。それじゃあ、明日に備えてしっかりと休んでね」

少し強引だが通信を終了する。

さて、これから忙しくなるぞと気合いを入れ直して資料を見直しにかかる

 

 

 

同刻

ローマ皇宮ではこれから出陣する皇帝とその軍のために式典の準備が進められていた

 

そのような熱気にとは関係ないとばかりに城壁の上で見張りの兵があくびをする。

 

彼等はお留守番役を引いてしまったもの達

 

盛り上がる中心部をうらやましそうに時々横目に見ながらぼんやりと城壁の外を見ているとローマに向かう街道を一騎の馬がこちらに向かっているのが見えた。

 

「ありゃなんだ?」

「ん?おかしいな……この時間に連絡はないはずだが」

横にいた同僚と共に城壁の櫓に上り同時に周囲に警戒を呼び掛ける

 

「おい!ありゃローマ兵だぞ!」

「様子が変だ!誰か見てこい!」

ローマまであともう少しというところで騎馬から人が力なく落っこちたのだ。

これは大変とあわてて城壁から人が送られて救助されたのだが、落馬した人物が治療を拒みうわごとのように同じ事を繰り返す

 

ベルギガ(フランス北東部)の城塞が陥落したと

 

まさか………とそこにいた誰もが思った。

ガリア人の反乱だと!しかも短期間で要塞が陥落するなどあり得ない。

それにガリアには数個の軍団が駐留しているはずである彼等はどうしたんだ?と

 

しかし、それを伝えにきた者の様子がおかしい

 

一応司令部に一報を入れておこうと防衛部隊の百人隊長は伝令を出す

 

この時誰も事態を深刻に考えてはいなかった

 

 

「まただ!しっかりしろ!」

「医者をよんでこい!」

「どうなっているんだ…こりゃ」

駆け込んできた騎馬は増え続けていた。

アクティニカ(フランス南西部)ルグドゥネンシス(フランス北西部)等の主要な属州に加えて各地の関や砦からも早馬がやってくる。

 

どれも口を揃えて砦が都市が落ちたと言うのだ。

ただ、不可解な事があった。

 

「身長2メートル近い全裸の筋肉と骨が攻めてきただと、ふざけるな!」

軍団の指揮所で司令官が机を叩きつけて部下にどなる……どの報告者もまるで白昼夢を見たと言わんばかりの情報を伝えてくる

 

「城門がパンチで吹き飛んだ!」

「上から筋肉が降ってきたんです」

「海から筋肉が攻めてきた!」

「骨が!骨が徒党を組んで城壁をよじ登ってきたんです」

 

これをどうやって皇帝陛下に報告しろと言うのだ………

 

「たたたたっ大変です!」

「今度はなんだ!」

再び部下が飛び込んでくるが、今までの様子とは違い血相を変えて礼儀などお構いなしな様子をみてこれ以上の事態が起こりうるのかと危惧する。

 

そして

「敵軍の詳細報告が届きました!」

「なんだと!」

「そ、それが・・」

「もったいぶらずに早くしろ」

 

「敵軍が王政ローマを名乗っています!」

 

 

 

 

 

おまけ

 

君たちはウェスタ神という神を知っているかい?

 

ローマにおける竈を守護する一柱なのだが………ぶっちゃけ竈ってwと思っている方も多いと思う

 

だが、竈なめちゃいかんよ

 

古代において竈は生活の中心であり、家庭の中心であった。そのため、家庭の守護神とされることも多かった

 

また、ギリシャにおけるポリスという概念はそれぞれの家庭の集合体という側面が多くその守護神である竈神は人々に深く信仰され同時に一番近い神であった。

 

もちろん、ギリシャの流れをくむローマにおいても同様である

 

そして都市が成熟するにしたがって新たな側面での信仰も生まれていく。

当時の古代世界においては儀式、契約は炎の前で交わされ炎は神聖なものとしての側面が多く

そのため、火の守護神は徐々に儀式の神と呼ばれるようになる

 

ローマ帝国における儀式………皇帝の戴冠式や先勝宿願などのあらゆる面で関わるようになりローマ帝国での重要度が高まっていき

ついにはフォロ・ロマーノ(カエサルによって計画された都市計画。政治と経済・神殿の中心地、ぶっちゃけ霞ヶ浦と銀座とかを混ぜ混ぜしたもの)が建設された時に一番最初に建築されたのがウェスタ神殿であった。

 

 

ちなみにこの神様処女神である。

そして神につかえる巫女も純潔が義務付けられた

 

そのため、権力闘争に敗れた権力者の娘が放り込まれる事が多かった。

ウェスタ神の巫女………主な業務内容(神殿の火を絶やさないように360日ずっと薪をくべる。神殿の清掃あと塩パン)

 

ちなみに、男との関係を持った場合は刑罰が生き埋めなのでご注意下さい

 

………ロムルスのお母さんここの巫女さんなんだよね

 

まあ、妊娠がばれたら生き埋めにされるので方便としてアレスに襲われたということにしたという説もあります

 

 

さて、ここまで竈神とはなんぞやといってきましたが……ウェスタ神もう一つ呼び名がありまして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昔はヘスティア神って呼ばれてました。

 

 

 




もしも、のお話

もし、筋肉達があの世界に迷い込んだら

「ベルくん今日もじゃがまるくん貰ってきたよ!」
「わあ、こんなに!ありがとうございます神様!」
「ごめんね、こんなものしか食べさせてあげれなくて」
「そんなことありません!僕はこれだけでも十分です」
「君はいい子だねナデナデして上げよう」
「ちょっ神様止めてください!」
「照れない照れない」
壊れた教会の地下でささやかな晩餐が開かれる。
けして豪華とは言えない食事だが一人と一神は笑顔で笑いながら幸せそうに団らんしていた。

その様子を近くの建物の上から見守るもの達がいた
「「「「「「「ローマ」」」」」」」」

翌日二人が目を覚ますと
「神様!大変です!」
「どうしたのベルくん?」
「教会の前に大量の魔石が落ちてるんです」
「何だって!」
二人が階段を上がり表を確認するとそこには人の膝まで積み上げられた魔石の山がいくつもあった。

「こ、これって………」
「誰の落とし物………ですかね?」
「違うと思うよベルくん」
「でも、誰か困っているかもしれません!僕一度ギルドにいってきます!」
「あっベルくん、行っちゃった………でも何でこんなものが」

その日から二人の間に不思議な事が起こり始める

朝起きれば山のように魔石が積まれており

気がつけば教会が修復され

時折積み上げられる塩パン

闇討ちされるウェアウルフ

やがて少年は出会う………本物の英雄に

この夏
ダンジョンにローマが殴り込む

「ダンジョンにローマがいるのは間違っている」



まで想像できた

ウェスタ神の名前で登場してたら一発でわかったと思うの………ぶっちゃけあの衣装からアニメ最後まで水か何かの神様だと思ってました。




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