12階層
目の前にリザードが3体。パーティーなら苦労もないがあいにく俺はソロだ。防御も攻撃も一人でやらなくてはならない。だが、俺をそこら辺のソロと比べないで欲しい。
今まで生きてきたほとんどをソロで過ごしてきたんだ。今さら動揺なんてしない。
「そらよっ!」
リザードの攻撃を紙一重でかわし、カウンター気味に切りつける。2体目3体目のリザードも攻撃してくるがそれもかわし斬る。
すべての敵を倒した後、システムの音がなる。
レベルアップ22→23
「はぁ、疲れた・・・・・・帰るか」
俺は来た道を戻った。
町についた俺は宿に入ろうとしたが、そこに2人の陰が。
「ちょっと、そこの目つきの悪いハチマン君。」
「ハチマン話がある。」
そこにいたのはオレンジ色の髪の美少女アスナと黒衣装に身を纏ったキリトがいた。
1階層のボス戦で事件を起こしてからというものこの二人はしつこく俺に近寄ってきた。
俺は1階層でまた悪い癖をだしてしまった。他のプレイヤーに嫌われてはこの世界では生きづらくなってしまう。
俺と一緒にいるだけでこいつらにも被害がでるかもしれないから、何度も引き離そうとしているが、そのたびにまた俺のもとへ来る。
もう、いい加減あきらめたわ
まぁこの2人ならねらわれても無事にすみそうだけどな。むしろ、相手の方が被害を受けるまである。
この2人は何回も攻略戦でパーティーを組んでいるが、未だに底が見えない。今はステータスのせいで思った動きが
できていないだけなんだろうと勝手に思っていたりもする。
まぁそんな2人だからこそ、話だけなら聞こうと思ったりするわけだが・・・・・・
「どうした?二人とも」
「どうした?じゃないでしょ!なんでいつもボス戦には参加するのに攻略会議には出席しないのよ!」
「いや、いつも出席してるから。君らが気づいてないだけだから。」
「いやいや、その良いわけは無理があると思うぞ。」
「いや、ほんとにいるからね。」
「「えっ、ほんとに?」」
ダブルで言われるとつらいなぁ。まぁ雪ノ下みたいに気づいているのに、毒舌であら、いたのね、ヒキガエル君?と言われるのよりはましだがな。
「で、本当になんだ?次の攻略戦のことか?」
「いや、違うんだハチマン。ただパーティーを組んでもらいたいんだ。」
「え?やだよ。俺は休みたいんだよ。」
やれやれと首をふるキリトの横には怖い顔をしたアスナがいた。
「いい?ハチマン君。君は今この世界で一番悪い意味で注目を集めてるのよ。そんな人をいつまでも攻略戦に参加させるなって言う声も多くなっているの。だから君の実力を知る必要があるのよ。」
「断ればどうなる?」
ニコッとかわいい笑顔になったアスナの口から
「断れば、当分攻略戦に参加させません。」
なんてこった・・・・・・
「というわけだハチマン。よろしく! 」
「よろしくね! ハチマン君。」
はぁ、また面倒くさいことになったな・・・・・・