おっぱいドラゴンに柱間ァ……!大好きクレイジーサイコホモがinしました(休載中) 作:ふくちか
「何だ、その姿は…………!?」
ロキは此方を見て驚きを隠せないでいた。
そして、辺りを見渡す。
「空間にすら作用している……このままではっ」
「あぁ、この場の空間は消え去る」
俺はロキの言葉を肯定する。
だからこそ、この力を使うのを躊躇していた。
前世の六道仙術+輪廻眼の状態よりは幾分劣るが、それでも目の前の神を滅ぼすのは容易い。
だが、懸念材料はもう一つある。
「ミナト。リアス達を飛雷神で連れていけ」
そう、リアス達だ。
まだ制御の効かんこの力の側にいさせたら、奴等にも影響を与えかねん。
「何を言ってるの?!あなた一人でも流石にっ」
「……リアスちゃん。今この場に私達がいてもご主人様の足手纏いにしかならないにゃん。ここは……ご主人様に任せるしかっ」
「……それは」
気持ちは分からんでもない。
何も出来ない己に歯痒い思いをしているのだろう。
――――だが
「……分かったわ。ミナト、お願い」
「…はい」
そう、それが今お前が下すべき判断。
だがそれは間違いではない、お前が気に病む事はない。
「……イッセー、ちゃんと帰って来なさい」
「無論だ」
俺はここで果てる事は許されん。
俺が出来る償いは――――生き続ける事だけだからな。
「飛雷神の術!」
ミナトのチャクラに触れた全員が、マーキングを施していた家の地下へと跳躍していった。
……さぁて。
「これで二人きりだな」
「……誰が二人だと?」
そう語る俺の前に立ちはだかるのは、ロキの娘ヘルと子犬。
……勘違いしているな。
――――自分達がまだ死んでいない事に。
「自分の状態を見てほざくんだな」
「何を――――ッ!?」
そう言ってヘルは自分の姿を見て、言葉を失った。
何故なら、自分の足が消えていっているからだ。
そしてそれは、犬二匹も同じだった。
「お、お父様――――」
ロキへと求めた助けは、崩壊していく空間へと消えていった。
……自分の存在と共に。
「……貴様のオーラだけで、我が子達を!?」
「…………」
戦くロキに構わず、俺は魔力の剣を抜刀して、ロキの背後へと移動する。
刹那――――ロキの体から鮮血が迸った。
そして遅れて響く斬撃音。
「ぐ、おぉおぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」
苦悶の声を漏らすロキ。
だが直ぐ様俺の攻撃へと移った。
「消え去れぇぇぇぇ!!!」
夥しい数の魔術攻撃を、俺は棒立ちで構える。
まぁ、タダで受けるつもりもない。
背部の後輪に連なる勾玉が3つ分離すると、俺を中止に三角形を形成する。
その中央部に魔力のバリアが生まれ、ロキの攻撃を全て防いだ。
「なっ…」
「まだ耐えれるだろう?でなければ、試し甲斐がない」
再び勾玉が分離し、それぞれの鋭角部からレーザー状の攻撃が放たれる。
ロキはそれを防いでいくが、レーザーを放っていない勾玉が直接ロキを切り裂いていく。
「がああ!!」
「――――八坂ノ勾玉」
手裏剣状に形成した勾玉を放るが、流石にロキはそれらを全て相殺する。
「ちぃ、出鱈目な力を!!人間の分際で!!!」
「……フン」
俺はロキへと一瞬で踏み込むと、刀を突き出す。
ロキは防御用の魔方陣を展開する。
が――――
《Penetrate!!》
その音声と共に、刀の刀身はあっさりとロキの肉体を貫いた。
「な、にっ………………!?」
目の前の事実を飲み込めないのか、ロキを自身を貫く刀を睨み付ける。
「倍加・譲渡――――そして、透過。ドライグが持っていた力の一つだ」
『……まさかこの力の発動と共に覚醒しようとはな』
これは俺もドライグも計算外だった。
今のは無意識に発動したからな。
「これでお前は俺が繰り出す攻撃は何一つ防げん。惨めに滅べ。それに――――」
もう飽きた。
俺はそう吐き捨てると、肩から須佐能乎の腕を形成し、胸へと全魔力を集約させる。
本当に自身を消すのを漸く悟ったのか、ロキは激しく狼狽し始めた。
「貴殿は……貴様はっ!下等な人間の分際で、侵されざる神々の領域をも侵し!!尚且つ神をも滅ぼそうと言うのか!!?」
……惨めな神だ。
「神の領域……悪いが一度は踏み荒らした場所だ。何ら問題はあるまい」
「!」
魔力は龍の頭蓋と成り、口部には槍が形成されていく。
青ざめていくロキへの興味は、完全に失せていた。
「お前が滅びるべき理由は――――俺の仲間に、家族に手を上げんとした。それだけで充分だ」
既に殆どが崩壊したこの空間で、エネルギーが激しく嘶く。
目の前の神を滅ぼさんと、猛き龍は唸りを上げる。
「滅べ――――龍槍・神滅ノ咆哮」
そうして放たれた龍の槍は、ロキの悲鳴をも喰らいながら、派手に爆音を轟かせた。
「…………ふっ」
俺は覇龍須佐能乎を解除すると――――その場に倒れた。
『急げ相棒!早く脱出せねばこの空間毎消えてしまうぞ!!』
……分かっている。
だが、体が全く動かん。
『なっ……!!』
絶句するドライグ。
……どうやら少しはしゃぎ過ぎたらしい。
もう……死に時か…………。
『何を言っている?!お前は帰るべき場所があるだろう!お前の仲間も、お前の家族も!!皆、お前の帰りを待っているのだぞ!!』
仲間、家族……………………それらは全て、この少年、本来の兵藤一誠が得る筈だった物だ。
家族からの親愛も、リアス達からの好意も、アザゼルやサーゼクスからの信頼も…………俺は、それを横から奪い取った様なものだ。
本来なら、俺はあのまま死ぬ筈だったのだ…………。
『だがお前は、本来の兵藤一誠に託されたではないか!生きることを!!』
……もう充分生きた。
心残りがあるとすれば、奴等の成長を見届けれない事と――――
『――――お兄ちゃん!』
…………イズナ。
「俺だって、叶うなら帰りたい。だがな、もう既に体が動かん身だ」
『相棒……!』
「付き合ってくれて礼を言うぞ、ドライグ」
『今際の様な事を言うな!!お前の口からは聞きたくもない!!』
「フン……随分センチメンタルな奴だ」
崩壊していく空間を眺めながら他人事の様に言う。
脳裏に浮かぶのは、やはりイズナの笑顔。
リアス達も確かに大切な存在ではあるが、俺にとってイズナは特別なのだと自覚させられる。
「…………すまないな、イズナ」
俺は届かぬ詫びを口にし――――そっと眼を閉じた。
そしてその空間と共に、兵藤一誠は姿を消した。
えー、突然ですが「おっぱいドライグに柱間ァ……!大好きクレイジーサイコホモがinしました」は一旦連載を止めます。
と言っても、これが完結とはしません。
ぶっちゃけ次の話をどうしようか全くプランがないからです。
だからこんな終わり方に致しました。
もしかしたら次の日にまた何食わぬ顔で投稿してるかもしれません。
まだお爺ちゃんとしては暴れ足りないでしょうから。
それに曹操君やらリゼ公と戦わせたいと言う欲求もありますから。(爺は兎も角、曹操君は戦いになるか分かりませんが)
ではまたお会いしましょう。まぁ他の作品は細々と連載をしているので、永遠の別れではありませんが(笑)
まぁだらだら長く書きましたが、ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました。