おっぱいドラゴンに柱間ァ……!大好きクレイジーサイコホモがinしました(休載中)   作:ふくちか

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板尾創路の………ブラックジャック!


第三章:月光校庭のガシャコンソード
第十二話「騒動の予感より妹」


「お兄ちゃん、ここの計算ってどうやるの?」

「ん?ここはな……」

 

久しぶりだな、イッセーだ。

今日は久しぶりの妹とのスキンシップを楽しんでいる。

 

と言ってもそんなやらしい話ではない。

今度のテストのために勉強を見てやってるのだ。

 

 

「この公式をキチンと押さえておけば、大したことはないぞ」

「うん!ありがとっ、お兄ちゃん!」

 

はぁ、癒されるなぁ………なぜこうもイズナは可愛いのか。

俺が無我の境地に至っている時、空気を読まずに電話が鳴り響いた。

 

「お兄ちゃん、電話だよ?」

「……もしもし」

 

僅かに殺意を湧き立たせながら電話に出ると――――

 

 

『あ、イッセー?実はちょっと――――』

「お掛けになった電話は、ただいま使われておりません。死ね」

『ちょっ』

 

俺は声で誰なのかを察した瞬間、光の速さで電話を切った。

 

「お兄ちゃん、良かったの?」

「あぁ、大丈夫。さ、勉強の続きをするぞ」

「…うん!」

 

そのとき見せてくれたイズナの笑顔は、額縁に入れて永遠に飾りたいほどの検案だった。

 

 

 

 

ーーーー

 

 

「どうして電話を切ったのよ!?」

 

次の日、リアスから電話を秒速で切ったことを問い詰められる。

 

「あぁ、すまん。丁度携帯が砂漠に埋もれてな」

「嘘おっしゃい!留守番電話サービスが死ねなんて無慈悲に吐き捨てないでしょう!?」

「ちっ」

「舌打ち!?」

 

リアスは暫く肩で息をしていたが、息を整えると、改まって口を開いた。

 

「……実は今度、ここに教会の関係者が来るの」

「……教会?」

 

教会といえば天使陣営の者共だろう?

何故悪魔の領域に?

 

「お前、何か問題でも起こしたのか?」

「……一々突っ込まないわよ。何でも教会の保管物が何者かに盗まれたらしいの」

「それが何かは?」

「お兄様に聞いたけど何も教えてくれなかったわ。」

「だが教会の関係者が出向くと言う事は、余程の物が盗まれたと言う訳か」

 

そう言うと、リアスは頷いた。

 

「で、それを何故俺に話した?」

「貴方にもその場に参加してほしいの。祐斗のストッパーとして」

 

……何故木場が?

 

「…実はあの子、教会の関係者を憎んでいるの。下手にあの子が暴れて、今の状態を悪化させる訳にはいかないから、協力してほしいの」

「……分かった」

 

………正直関係ないんだが、一応俺はこいつ等と関わって、非公式だが悪魔のゲームにも参加した。

まぁ悪魔陣営と捉えられるのが普通か。

 

「で、その日付はいつだ?」

「――――明日よ」

 

 

―――――ほぅ。

 

 

 

「そう言うのはもっと早めにいえ」

「あ、あぁーーーーーーーーーっ!!!!????」

 

 

俺は目の前の馬鹿にアイアンクローを仕掛けるのだった。

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

次の日――――オカルト研究部の部室には何時もの面々の他に、客人が二人いた。

青髪に緑のメッシュが入った女と、栗色のツインテールとかいう髪形をした女二人だ。

 

そう、この二人こそ、教会から遣わされた剣士らしい。

……それと、気づかない振りをしているが、先程から栗色の女がチラチラと此方に送る視線が鬱陶しい。

 

「――――実は、この前に教会で保管されていた聖剣が盗まれた」

 

……思っていたより話が重いな。

教会が保管している聖剣となれば………エクスカリバー、が妥当な所か?

 

「私たち教会は3つの派閥に分かれていてね、所在が不明のエクスカリバーを除いて6本の剣を2つずつ所有していた。それが少し前、堕天使によって3本が奪われた」

「エクスカリバー………」

 

やはりか。

そして、その名を確かめるかのように呟く木場。

 

 

……………姫島といい、塔城といい、此奴といい、問題を抱えた眷属だな。

 

 

此奴の今の声音――――恐らくは復讐か。

 

 

「我々がこの地に来たのはエクスカリバーを奪った堕天使がこの町に潜伏したからだ。我々はそれを奪取、もしくは破壊するためにここにきた」

「堕天使に奪われるくらいなら、壊した方がマシだもの」

「…貴方達の聖剣を奪った堕天使のことを教えて貰えるかしら?」

 

そんなの簡単に教えてもらえる訳が――――

 

 

 

 

「堕天使、コカビエル」

 

あった。

 

 

そのコカインだかコカ・コーラとかいう堕天使が何を考えてエクスカリバーを盗んだのかは知らんが、ロクな考えの持ち主ではないな。

 

「これは大物ね…………それで?貴女達の要求は?」

「なに、簡単だ。今回の件に、悪魔の介入を許さない。それが我々、教会側の総意だ。つまり、今回の事件で悪魔側は関わるなということだ」

 

随分と横暴な連中なのだな、教会関係者というのは。

と、他人事のように考えていると、

 

「…そろそろ帰らせてもらおう。お茶などの気遣いは無用だ………っと、君は確か…アーシア・アルジェントだったな」

「は、はい……」

 

青髪は近くにいたアーシアに気づき、声をかけた。

 

「……まさかこんな地であの『魔女』と会うことになるとはな」

「ッ!」

 

"魔女"、その言葉にアーシアは体を震えさせた。

 

「あなたは確か、一部で噂になっていた元聖女……。悪魔をも治癒してしまう力のせいで教会から追放された少女…」

 

冷たい目の青髪とは違いツインテールは憐れみを込めた目線で見ていた。

 

「まさか悪魔になっているとはな……安心しろ、このことは上には報告しない。…だが、堕ちれば堕ちるものだな。聖女と崇められた者が、今では本物の魔女になっているとは…」

 

 

 

―――――魔女、か。

 

 

随分と自分勝手な奴らだな。

 

『相棒、あの女を止めんのか?』

 

俺には関係がない。

こう言うのは主人公がやるべきだからな。

 

「だが君はもしかして、まだ神を信じているのか? 君からは罪の意識を感じながらも神を信じる信仰心がまだ匂う。抽象的だが私はそう言うのに敏感でね」

「捨てきれない、だけです…ずっと、信じてきたものですから……ッ!」

 

 

だが、まぁ――――

 

 

 

「そうか。ならば私達に斬られるといい。我々の神は罪深い君でも、それでも救いの手を差し伸べてくれるだろうからな……せめて私が断罪しよう。神の名に――――」

「もうその辺りにしたらどうだ?程度の低さがありありと見えてくるぞ」

 

 

言いたい事は言わせてもらうがな。

 

 

「………何だ君は?見た所、悪魔ではないようだが」

「兵藤一誠。一応悪魔陣営の人間だ」

「そうか。ならば邪魔はしないでもらおうか?いくら悪魔陣営といえど、人間を斬る事はタブーだからね」

「……………ふっ」

「何が可笑しい?」

 

成程な………大体分かった。教会と言うのがどんな所なのかが。

 

「いや、失敬。教会と言うのは剣士に全うな義務教育を受けさせていないのだなと思うと、哀れでな。いや――――自分達が勝手に求めた存在が違う物だったらと分かったら即座に掌を返すような連中の巣窟が、真面なワケがないな」

「……今のは、教会への挑発か?」

「だったらどうするというんだ?お決まりの神の名のもとに断罪、か?はっ………馬鹿馬鹿し過ぎて挑発する気も失せた」

「ッ!!」

 

青髪が激昂したように、布に包まれていた得物を俺に向けて振りかぶった。

 

 

 

 

 

「ゼノヴィアッ!!イッセー君、逃げて!!」

 

私、紫藤イリナは同僚のゼノヴィアに向けて叫んだ。

確かにいくら幼馴染だからって今のは腹が立つけど、ただの人間にエクスカリバーを振りかぶっちゃ………!!!

 

だがそんな私の心配とは裏腹に、イッセー君はゼノヴィアが持つエクスカリバーの刀身を掴んだ。

しかも、素手で。

 

これには私も、ゼノヴィアも、そしてリアス・グレモリー達も驚きを隠せないでいた。

 

「ッ!」

「……僅かな挑発でこの様か。信者の貴様等がこんなんだったら、貴様等が敬う神というのも随分矮小な存在なのだな」

「何ィ……!!」

 

ゼノヴィアったら完全に怒っちゃってる……!

……でも、今の発言は私だって容認できる物ではなかった。

 

「……イッセー君、今の言葉、撤回して」

 

怒りを押し殺しながらイッセー君にそう言うと、イッセー君は怪訝な顔でこっちを向いた。

 

「……さっきから誰と勘違いしている?」

「……?」

「俺はお前の様な奴、知らん」

 

 

 

 

 

 

………………………え?

 

 

そう吐き捨てるように返された言葉の意味を理解するのに、私は数秒掛かった。

 

 

そんな私を無視して、イッセー君はゼノヴィアに向けて話し始めた。

 

「矮小だろう?アーシアは例え悪魔であろうと傷を負っている奴を放っておけないほどに優しい。神と言うのは、どんな存在にも慈悲を与える物だと俺は認識しているんだが?お前達の中の神は、自分が望んだ存在でないから簡単に見放す――――ククッ、これを矮小と言わずして何と呼ぶんだ?いや、自分勝手、器の小さい神気取りの三下――――とも言えるな」

「――――ッ!!!」

 

教会関係者からすれば最大の侮辱に、ゼノヴィアの顔が大きく歪む。

だけどさっきから握られているエクスカリバーはゼノヴィアがどれだけ動こうが全く動かない。

 

 

「――――そうだね。やっぱり教会は滅びるべきだ」

 

そんな彼に賛同するかのようにゆらりと此方に近づいてきたのは、金髪の美男子。

 

「貴方は………?」

「君達の先輩さ………失敗作のね」

 

 

そう言った途端、部室内に剣が咲いた。

 

 

 

 

 

 

 




最近幽奈さんが面白い

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