教官   作:takoyaki

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外伝20です


今日から新年度、新社会人の皆さん心折れぬよう過ごしてください。


てなわけで、どうぞ


切り裂きジャック
「………あの突然出てくるのやめてもらっていいですか?」


「さてと、荷物はまとめてっと………」

ルイーズは、最後の荷物をまとめてカバンに放り込む。

それから机の上にある書類に目を止める。

そこにはありとあらゆる訓練生のデータがまとめられていた。

ルイーズは、その中から一部だけ書類を抜き取り、その他の書類はすべてシュレッダーにかけた。

手元に残った書類、ベイカーのデータを見る。

左には最初の頃の記録。

そして、右は最後に計った記録。

右の記録は左の記録を遥かに上回っている。

「この子は本当にずっとやっていたんだねぇ…………」

ルイーズは、ベイカーの名前を撫でる。

「私に勝ちたかったらこれぐらいやりたまえとは言ったけど………」

こなしさえすれば、確かに今までより強くなるようにメニューは、組んだ。

だが、本当にこなすとは思っていなかった。

「よっぽど私に勝ちたかったのか、それとも………」

「ルイーズ!!そろそろ行くですよ!!」

物思いに耽るルイーズを荷造りを終えたクイーンの声が引き戻す。

「はいはい」

ルイーズは、おざなりに返事をして抜き出した書類をカバンに入れ、蓋を閉める。

「それじゃあ、いってきます」

そう言うとルイーズは、部屋の扉を閉めた。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「おぉ〜駅だ。久々だねぇ」

ルイーズは、そんな駅を見上げながら呑気な感想を零す。

訓練生、教官問わず、駅を使っての移動は事前に申請しなければならない。

有事の際に何処にいるか把握するためだ。

それが面倒なので基本的に寮近辺の外出に限られてくる。

「アホなこと言ってないで切符買ってください」

クイーンに言われると不満そうな顔のままベイカーの方を向く。

「ベイカーだってそう思うだろう?どうせ電車を使ってまで会いたい恋人とかいないだろう?」

「ええ。教官に恋人がいないのと同じように」

二人はそう罵り合いながらお互いに深く傷付いた顔をする。

「二人とも傷付くならお互い言わなければいいだろ………」

エラリィは、隣で呆れたようにため息を吐く。

「だ・か・ら!切符買ってください!!」

「「いだだだだだだだだだだ」」

余計な口を叩く二人の耳を引っ張るクイーン。

エラリィは、呆れながら自分の切符を買っていた。

しばらくして解放された二人も券売機に向かう。

「えーっと、ドヴォール行きは………」

「あ、ボタン間違えた」

「は?」

思わず隣のルイーズを見るとドヴォール行きの切符が3枚、券売機から吐き出された。

ベイカーは、ジトッとした目を向ける。

「教官元技師ですよね?何で機械操作ミスるんですか?」

「うるさいなぁ………河童だって溺死するんだ。珍しくないだろう?」

「流れてただけのような………」

ベイカーの頬が引きつる。

「ま、手間も省けたし、一枚君にあげるよ」

ルイーズが三枚のうち一枚をベイカーに渡す。

ベイカーは、ため息をつきながら受け取ると代わりに自分の財布から切符代を取り出しルイーズに渡す。

「それで、一枚は教官が受け取るとして、残り一枚は、どうするんですか?」

「払い戻してもらうといいですよ」

そう言ってクイーンが指差す先には、駅員のいる窓口があった。

「よし!分かった!」

ルイーズは、そう言ってベイカーの腕を掴んでそこに向かう。

「ちょっ!何で俺まで連れてくんですか!!」

ベイカーの言葉にルイーズは、掴んでいた手を離して俯きがちもじもじする。

「………言わせたいの?」

その普段からは、考えられない態度にベイカーは、ギジリと固まる。

(何を考えている………)

「一人で行くと子どものいたずらと勘違いされるからですよ」

そんなベイカーの後ろでクイーンが、冷めた口調で正解を告げる。

「バレたか〜……」

ルイーズは、悔しそうにため息を吐く。

「ちぇ〜せっかく、ベイカーをからかってやろうと思ったのに」

「前にもやってましたよね。てか、心臓に悪いのでやめてください」

「ドキドキした?」

「不整脈かと思いました」

ベイカーの言葉にルイーズは肩をすくめるとそのままベイカーの手を引いて窓口へと歩いて行った。

クイーンは、そんな二人を微笑ましく見守ると背を向けて歩き出そうとする。

すると、ガクンと動きが止まる。

見るとクイーンの袖の裾をベイカーが掴んでいた。

「何、俺に任せて自分だけのうのうと逃げようしているんですか」

「いや………」

「隊長で唯一の友人ですよね?逃がしませんよ」

ルイーズに引っ張られるベイカーにクイーンは、引っ張られる。

「嫌です!!そういう手続きでルイーズがもめなかった試しがないんですから〜〜…………」

語尾にビブラートがかかりながらクイーンも窓口へと消えていった。

「…………他人のフリしよ」

エラリィは、小さく呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

「疲れたです…………」

窓口から出てきたクイーンは、大きくため息を吐く。

気のせいでなければ白髪が増えた気がする。

隣でベイカーもぐったりとしている。

「何で切符一枚払い戻しするのにこんなに疲れるんですか………」

「まず、私の事をお嬢ちゃんとか言わなければ良かったと思うんだ」

「いちいち食ってかからなければよかったんですよ!!」

ルイーズの言葉にクイーンがツッコむ。

ルイーズは、うるさそうに耳を押さえるを

「わかったよ。駅弁奢ってあげるから機嫌直したまえ」

「…………それじゃあ、私、卵とじカツ重で」

「そこで容赦なく900ガルド近いものを奢らせる君も相当だよね」

ルイーズは、そう言いながらベイカーの肩を叩く。

「君の分も買ってあげるから、一緒に来たまえ」

ベイカーは、一瞬嫌そうな顔をした後ルイーズと一緒に駅弁屋に並ぶ。

「ついでにエラリィの分も買ってあげよう。ベイカー、選んであげて」

「………教官、お金大丈夫ですか?」

「まあね。今まで特に使う当てもなかったし」

ルイーズは、そう言いながら自分の分を選ぶ。

「じゃあ、このシュウマイ弁当にしよ」

「どうして、匂いの強いものを選ぶんですか………」

呆れるベイカーを他所にルイーズは、更にハムカツサンドとミックスサンドを買う。

「結構食べますね………」

そう言ってこじんまりとしたルイーズを見ながら首をかしげる。

(胸にも身長にも行ってないように見えるけどそのカロリーはどこに行ってるんだろ……)

「何か失礼な事を考えているね?」

「よく太らないなって思っただけです」

「…………やっぱ君だけ自腹だ」

「何ですか!別に思っていても言ってないですよ!!」

「思っていてもとか言いやがった!!君、私に対して失礼三割増しじゃあないか!!」

「教官に言われたくないです!!」

ギャアギャアと言い合う音量が上がっていく。

そんな二人を遠目から見るエラリィ。

クイーンも止めに行きたいが、さっきので疲れたのでもう動きたくない。

ルイーズは、ベイカーと言い合いながらも会計だけはスムーズに済ませて、戻ってきた。

「駅弁買うだけでどうしてそんなにもめられるんですか………」

戻ってきたルイーズとベイカーにクイーンは、呆れ果てていた。

「私としては、普通におごるつもりだったんだけどなぁ………」

「はいはい、わるかったですよ」

ジトッとした目を向けるルイーズにエラリィは、不満そうに適当に謝る。

「どうでもいいが、電車が後少しで来るぞ」

エラリィの言葉にベイカーが、慌てて時計を見る。

「教官!!」

「はいはい、分かってるって」

ルイーズは、大して焦らずに立ち上がるとベイカーに先ほど買った駅弁を目の前に突き出す。

「………何ですか?」

「半分持ちたまえ」

「………何でですか?」

「私を傷付けたから」

「………そうですか……」

ベイカーは、ため息をつきながら了承して、袋の持ち手を片方持つ。

(半分持つってそういうこと………?)

エラリィは、首をかしげる。

「それじゃあ、まとまったところで行くですよ」

クイーンの掛け声と共に四人は、列車に向かっていく。

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「やあ、無事乗れたねぇ」

「何で列車に乗るだけでこんなに疲れるんでしょう………」

「隊長、全てはどっかの誰かさんのせいだと思います」

「お前も半分くらい原因だけどな」

ボックス席に着いた四人は、そんなことを言いながら座っていた。

「それで?クイーン?私達の住むところってどんなところなんだい?」

ルイーズの質問にクイーンは、首を横に振る。

「私もよく知らないんです。知ってるのはせいぜい住所だけ」

「ふうん」

ルイーズは、つまらなそうに呟く。

「まあ、汚ければ掃除をすればいいだけの話です。住んで都にするしかないんですから」

ベイカーが首を傾げる。

「住めば都じゃなくて?」

「努力なしで都にしようなんて甘えですよ」

クイーンは、そう言った後悪戯っぽく笑う。

「ま、おじいちゃんの受け売りですけど」

「君のおじいちゃんが言うと説得力が違うよね」

何せ、多額の遺産を残せる人物だ。

そこに至るまでの努力は、きっと並大抵の物ではなかったのだろう。

「まあ、あの家がおじいちゃんにとって都だったかどうかは微妙でしたけどね」

「??」

ベイカーが首を傾げる。

それを見たクイーンは、少し迷った後ため息を吐く。

「私は、ルイーズと違うので話してあげるです」

「その前置きいる?」

不満そうなルイーズを無視してクイーンは、続ける。

「私のおじいちゃん、変わり者で親族から結構煙たがられていたんですよ」

「変わり者?」

首を傾げるベイカーにクイーンは、続ける。

「アイフリードの航海日記が大好きで、後編は、おれが見つけるんだってのが口癖でした」

懐かしそうに話すクイーンの言葉に少しベイカーは、胸を打たれた。

「ちなみにルイーズは、そこで張り合って私が見つけるんだ!って言っていつも喧嘩でした」

「………あの突然出てくるのやめてもらっていいですか?」

「そんな理不尽な言い方ある?」

不満そうなルイーズだが、ベイカーとしては先ほどのしんみりとした空気を返して欲しいと言ったところだ。

「教官、隊長の祖父と面識あったんですか?」

横で聞いていたエラリィが、尋ねると頷く。

「まあね。クイーンと友達になって直ぐに会ったかな」

ルイーズは、そう言いながら風景を見る。

「いい人だったよ。話していても喧嘩しても楽しい人だった」

「でも、親戚から嫌われていたんですか?」

エラリィがルイーズに尋ねるとクイーンが頷く。

「そこまで社交的じゃありませんでしたし、何より、おじいちゃん自体が親戚のことが嫌いでしたから」

「何でですか?」

今度は、ベイカーがクイーンに尋ねる。

「特許をとって大儲けしましたからね。誰も彼もがおじいちゃんの遺産を狙っていたんです」

「そんな中でよく隊長達だけは、受け入れてもらえましたね」

クイーンは、大きく頷く。

「そうなんですよ。ルイーズは、まだ分かるんですけど、何で私は追っ払われなかったのか、本当に謎なんですよ」

そう言いながらクイーンは、ルイーズの方を見る。

「ルイーズ、分かるですか?」

その期待に満ちた顔を見るとルイーズは、うんざりしたようにため息を吐く。

「知らないよ。分かるわけないだろう?」

そう答えながらシュウマイ弁当を開けようとする。

「えぇー………」

クイーンは、そんなルイーズの返答に不満そうに口を尖らせる。

それを見たルイーズは、迷った後シュウマイ弁当から手を離して向き直る。

「なら、聞くけど、君、彼が持っているもので欲しいものは何かあった?」

「まあ、幾つか」

「それで、君はどうした?」

「お金貯めて買ったですよ。そして、自慢したはずです」

「そういうところ」

ルイーズは、人差し指を突きつける。

「君のおじいちゃんは、君のそういうところが気に入っていたんだよ」

「??」

首を更に傾げるクイーンにルイーズは、呆れたようにため息を吐く。

「自分の大切にしてるものに興味を持ってくれる、自分も欲しいと思ってくれる。でも、それをくれとは言わず、自分で手に入れ、更にそれを報告してくれる」

ルイーズは、そこで言葉を区切る。

「きっと、君が現れるまで、寄越せというような奴しか来なかったんだろうね」

自分の好きなものを共有してくれる、そんな相手が孫のクイーンだったということだ。

「なるほど、ようやく謎が解けたです」

「そっ、良かったね」

「出来れば病気で亡くなる前に一言言って欲しかったです……」

クイーンは不服そうだ。

ルイーズは、そんなクイーンに構わずこれでおしまいと言わんばかりにシュウマイ弁当を開ける。

充満するシュウマイの匂い。

「どうして、そんなもの買うんですか……」

ベイカーは、顔をしかめる。

「いや、私じゃシュウマイ作れないし」

「嘘はいけないですよ。ルイーズが作れないのはシュウマイに限った話ではないですよね?」

クイーンに速攻で否定される。

「そんなことないよ。他にも色々作れるよ」

「お菓子限定ですけどね」

冷たく言い放つクイーンにルイーズは、心底傷付いた顔をする。

「そんな言い方ないだろう………君、私の作った料理に何か恨みでもあるのかい?」

「なんで、逆にないと思えるんですか。私忘れてないですからね、ルイーズの創作料理の数々」

隣で聞いていたベイカーも暗い顔をしている。

そんなベイカーを不思議に思ったエラリィが首をかしげる。

「どうした?」

「俺も食べたことあるんだよね………正直思い出したくない」

「そんな酷くないだろう!!ね、エラリィだってそう思うだろう!?」

シュウマイの匂いを発しながら詰め寄るルイーズにエラリィは顔をしかめる。

「まだ、食べたことないんで分からないです」

「じゃあ、せめて一回食べてみておくれよ」

「………………まあ、一回なら」

「よっしゃあ!!忘れるんじゃあないよ!!」

((哀れな……………))

被害者二人は、心中で合掌した。

そんな二人に構わずルイーズは、楽しそうに弁当を食べていく。

目の前でそこまで食べられると自分達までお腹が空いてきてしまう。

「ルイーズ、お弁当取ってください」

「はいよ」

ルイーズは、手元にあった袋を渡す。

そして、クイーンは袋の中を見ながらしまったという顔をする。

「隊長?」

「………ベイカー、申し訳ないんですけど、飲み物買ってきてもらえませんか?」

ルイーズは、シュウマイを食べながら頷く。

「あ、そっか。飲み物買わなきゃだったねぇ。駅弁屋前で揉めてたからすっかり忘れてたよ」

ルイーズは、恨みがましく、ベイカーに視線を送る。

ベイカーは、嫌そうな顔をした後ため息を吐いた。

「………分かりましたよ。買ってきますよ」

「サンキュ。私、お茶二つ」

「私もそれで」

全部で四つ。自分の分も含めれば更に増える。

そう言った後ベイカーは、エラリィに目を向ける。

「エラリィも手伝ってよ」

「…………いいだろう。僕もちょうど喉が渇いたところだ」

「確か、自販機が一号車にあったはずだよ」

「遠いですね………」

そう言ってエラリィとベイカーは、その車両から出て行った。

二人が車両から出て行ったのを確認するとクイーンは、少し真剣な顔でルイーズを見る。

「それで、二人を遠ざけて私に何を言いたいんですか?」

ルイーズは、シュウマイを全て食べ終えると、カバンから書類を出す。

「これは、ベイカーの体力測定の記録ですか?」

「そ。左が入隊当初で、右が一番最近の記録」

クイーンは、それを見ながら感心したように頷く。

「たいしたものですね。ルイーズのメニューをしっかりやっていた結果じゃないですか」

「そう、それなんだよ」

ルイーズは、シュウマイの下にあるレタスに箸をつける。

「正直、どれかはサボるだろうと思って多めにつけておいたんだ。でも、結果を見れば分かるけど、彼はどの項目もさぼっていない」

クイーンは、ベイカーとルイーズの出会いを思い出す。

ベイカーは、出会い頭にルイーズに喧嘩を売って速攻で叩きのめされていた。

それからルイーズに勝とうと必死に不意打ちを仕掛けてきた。

「まあ、よっぽどルイーズに勝ちたかったんでしょうね」

ルイーズは、その言葉を聞くと渋い顔をする。

「どうしたんですか?」

「なんかね、彼は私に勝ちたいから強くなりたいってより、強くなりたい(ヽヽヽヽヽヽ)から私に勝ちたいって気がするんだよねぇ」

ベイカーの目標は強くなること。

ルイーズが訪ねた時ベイカーは、迷いなくそう答えた。

「なんで、そうまでして強くなりたいんだろうねぇ」

「本人に聞けばいいじゃないですか」

そういうクイーンの顔はいつに無く意地が悪かった。

「分かっててそういうこと言うのはタチが悪いよね」

ルイーズ自身話していないことがあるのにベイカーに話せというのは筋が通らない。

クイーンは、意地の悪い顔を引っ込めて真面目な顔に戻る。

「どちらにせよ、何処かで向かい合わないといけないですよ。ルイーズもベイカーも」

そこで言葉を区切って割り箸を割る。

「それがベイカーの教官であるルイーズの責任です」

「隊長にもあるけどね」

ルイーズは、そう答えながらハムカツサンドを食べ始める。

「教官、戻りました」

そんなことを話しているとベイカーとエラリィが戻ってきた。

「おかえり。ありがと」

ルイーズは、そう返しながらお茶代を渡して飲み物を受け取る。

ベイカーは、窓際にあるベイカーの記録用紙を見る。

その場に不釣り合いなその書類にベイカーは、首をかしげる。

「どうしてそんなものをこんなところで見ているんですか?」

「君も強くなったなぁって」

「教官が言うと嫌味にしか聞こえませんね」

ベイカーは、そう言って自分の弁当を食べ始めた。

「本気で言ってるのに………可愛げのない奴だなぁ」

「………勝てないですから」

ベイカーは、言い聞かせるように呟く。

「勝てない?」

「………勝ちたいんですよ、俺は」

「私に?」

「別に教官だけじゃないですよ」

「あと何?」

ベイカーは、そう問われると困ったように首をかしげる。

「………よく分からないです。でも、負けてちゃダメなんです。それだけは分かるんです」

隠しているというより、本当に何に負けてはいけないか分かっていないようだ。

「ふうん………」

ルイーズは、相槌を打ちながらハムカツサンドを食べ終えた。

そして、ミックスサンドを取り出す。

ベイカーも自分の分弁当を食べ始めた。

エラリィもそれに続く。

「『何に負けてはいけないのか』か………」

「教官は、分かりますか?」

「さてね。君のその話だけじゃあねぇ………」

でも、と言葉を続ける。

「わかる時が来れば君は今より更に強くなれると思うよ」

ルイーズは、そう言ってミックスサンドを食べ終えた。

「その根拠は?」

「私の勘」

ルイーズは、そう答えるとそのまま目を閉じて眠り始めた。

その寝付きの良さにポカンとしていると、クイーンがクスリと笑う。

「ついたら起こしてあげるですよ。それまでに私達もお弁当を食べるです」

 

 

 

 

 

 

四人を運ぶ列車は、ドヴォールへと走り続けた。





もりもり食べてますね。

てなわけで、電車で移動です。
当初は、車の予定でしたが、「いや、エクシリア2の世界にないよな?」と思いこのような形になりました。



では、また外伝21で( ´ ▽ ` )ノ

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