俺の青春がスポコンになるなんて間違っている。   作:nowson

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お待たせしました。


今年のスポーツは波乱が多く、サッカーでは青森山田、バレーでは駿台が負けるという、見てる側もビックリする展開でしたね。





理性の化物 ~後編~

総武高校 13―16 海浜高校

 

 

(今日は本当に予想外すぎるな)

海浜の監督は、ため息をつくと総武高ベンチを見る。

 

(選手たちは確かに粒ぞろい、全員ウチに来ても余裕で通じる……総武高が進学校で良かった♪あのメンツに清川とか想像しただけで恐ろしい)

なかなか正直な男である。

 

(て言っても経験と技量、総合力はウチが上だ。相手がいくら未知の相手でも、それを体験しちまえば経験に変わり今までの経験と合わせ対応出来る、そのはずだったが)

 

(あいつら後いくつ引き出し持ってんだ?)

3セット目になって総武高はまだ新しい飛び道具を出してきている。

 

 

(まあ、大方その場しのぎの組み合わせなんだが、こう上手く使われちゃ敵わん)

 

 

(それより問題は、比企谷がウチのセッターの癖を読んでる事だ)

このままでは負けが現実になる。

 

海浜の監督は一つの決断をする。

 

 

「愛甲!石田!」

 

名前を呼ばれた二人の選手、1セット目の最初にコートに立っていたミドルブロッカーとセッターの二人の名前を呼ぶ。

 

 

「「は、はい!」」

 

「お前ら比企谷と同じ中学だったな。コートの外から見て今の奴をどう思う?」

 

「「……」」

 

 

 

-3年前 地区大会決勝-

 

「あんなマネしてまで勝ちたいのかよ」

中学時代、勝つ度に聞こえた陰口。

 

(俺は、それが嫌だった)

自分たちの力なら正々堂々やってもやっていける、その為のバレーをしても勝てるのに!そう思ってた。

 

そして迎えた、地区大会決勝

 

自分の思い描くバレーを展開していた相手チーム。

 

清川と七沢の二人のエースの力が八幡の技を打ち破った試合。

 

 

 

(負けたのは、同じようなバレーをやってこず、小細工ばかりしていたあいつのせい俺はそう思ってた)

 

 

 

(けど、それは違った)

 

 

 

「あいつ自身は中学と変わってません、ただ周りのメンバーが違う」

 

「……」

 

「あいつのプレーは相手の裏をかいたり、嫌がる所や弱みを見つけて空気読まず、イヤらしいプレーばかりやってくる」

 

「けど、本当に凄いところは味方の実力の上限ギリギリに引き出してるところです。一見奇策や嫌がらせに近いプレーに騙されがちですが……スタイル自体はシンプルに味方の上限を上げて、強くした手札を使って最大限に駆け引きをすることです。」

 

「敵になって、それもコート外から見て初めて分かりました。比企谷は強いです」

 

「愛甲……」

彼の言葉が意外だったのかキャプテンの山北がつぶやく。

 

 

「そうか……。昔コンビを組んだお前が最適だ。比企谷を止めてもらう、出来るか?」

 

「っ!?」

 

「出来るよな」

「山北さん」

愛甲の頭に手を乗せる。

 

 

「出来なきゃ――」

 

「――やります!」

出来なきゃ外す!愛読書のスラムダ○クのじぃのセリフを言ってみたかった彼はすぐさま使おうと行動したが、山北を遮るように愛甲が答える。

 

 

 

「頑張れよ愛甲!」

気を入れるように愛甲の肩をバシッとたたく石田。

 

「何を言ってるんだ石田!愛甲が出るんだ、一番コンビ練習してるお前も出るに決まってるだろうが!」

 

「ぇ?」

 

「やれるよな?」

 

「いや、流石にむ――イダダダダ!!」

空気読め石田!そういわんばかりに得意のアイアンクローを山北は思いっきりかました。

 

 

 

(現状これが打てる最善の手だ)

総武高のプレーにより海浜に走っている動揺、特にひたすらブロックを振られ冷静さに欠いたミドルと、モーションを読まれたセッターを一旦下げるなりしなければならない。

 

だが、このまま単純にメンバーを変えればチームの動揺が継続する危険性があるばかりか、レギュラーのプライドも大きく傷ついてしまう。そうなれば春高予選にも影響を及ぼすかもしれない。

 

そこで海浜の監督は、あえて愛甲に八幡の事を聞き、メンバーに適任だと思わせ、さらにコンビの練習をよくしている控えセッターの石田を違和感なく出す。

 

それが監督の狙いだった。

 

 

(とは言え愛甲だ。もしかしたら、この試合とんでもない拾い物になるかもな)

彼の発言を思い出し、笑みをこぼした。

 

 

 

―総武高ベンチ―

 

 

 

「グチュグチュ(ほらよドリンクだ)」

BCAAを口にバサッと入れビルダー飲みをしながら八幡にドリンクを渡す飯山。

 

※ビルダー飲み

プロテインやBCAA等の粉末のサプリメントを飲む際、水に溶かさず直接口に含んでドリンクと一緒に流し込む飲み方。

これをやってる最中の人には話しかけたり、ちょっかい出したりしてはいけません。

 

 

「お、おうサンキュ」

 

 

 

「点差は3点、イケるな!」

 

「うん、追いつける」

テンションが高まった温水の言葉に長谷が同意する。

 

「おいおい、追いつく!じゃなくて追い越す!だろう?長谷」

 

「あ、すんません」

長谷の言葉をさらにポジティブにする稲村。

 

 

 

(タイムアウトで疲れはある程度取れるけど比企谷はブロックと攻撃に参加してる状態で、まだ3セット目の中盤。下手しなくても終盤まで持たない……でも現状は頼るしかない)

 

「不安が顔に出てんぞ、キャプテンがそんな顔すんな」

 

「飯山」

 

「次ローテ回ったら、比企谷は後衛だ。そんなに不安なら、あいつが下がってる間、俺らで点稼いで楽させりゃあ良い」

 

「ああ、勿論だ」

 

 

 

 

タイムアウトが終わり、両チームが再びコートへ戻る。

 

 

「ふぅ」

八幡はアンダーやオーバー、スパイクなどのプレーによってジンジンと響く赤くなった手と前腕を見る。

 

 

(初めてコートに立った時はピンチサーバーだった。でも、ベンチ以外からのコートの景色が嬉しかった)

 

 

(そんで、ピンチサーバーからレギュラーになってコートに立った時、コートの中から見える景色が誇らしくて)

 

 

(試合に勝った時は、自分もチームの一員になってる気分になれた)

 

(けど、あの日……もうコートに戻ることはない、そう思ってたけど)

八幡は顔を上げネットを見る

 

 

(ネット越しに見る相手、声、ドクドクと胸から全身に回る血液の感覚、笛の音、緊張感……俺は今、コートにいる)

 

 

 

『バレー、楽しいよな』

『そ、その』

『わ、悪くはないと思います』

ふと過る清川とのやり取り。

 

あの時は捻くれた答えだったが今なら言える。

 

 

「バレー……楽しいっす」

八幡は周りに聞こえないように、笑みを浮かべながらつぶやいた。

 

 

 

 

「なんかバレーしてる時のヒッキーって不思議だよね」

 

「え?」

突然の結衣の声に反応する雪乃。

 

 

「ヒッキーってさ猫背になって、こう……いっつも下向いてやる気無さげにしてるじゃん」

けだるそうな猫背、ポケットに手を入れ、ぼさっとした仕草をマネする。

 

 

「でも今のヒッキーはこう背筋がピンとしてて、上を向いて自信ある顔をしてる」

猫背の状態から背筋を伸ばし、胸を揺らす。

 

「そうね」

雪乃は胸の事を視界から外し同意する。

 

「バ---」

 

「---バレーは上を向くスポーツ、アレがバレーボーラーとしての彼の姿なんだろうね」

陽乃に続き小町のセリフまでを奪う葉山。

 

(イケメンさんにセリフ取られた!まさか、お兄ちゃん男の人ともフラグ立ててないよね?)

 

 

 

 

「あれ?海浜はセッターとミドルを2年に変えてきたな」

 

「そりゃあ比企谷にブロック振られまくってトス読まれまくってんだ。頭冷やさねぇとヤバイからな」

 

「比企谷か、あいつ海浜行ってたらどうなってたんだろうな」

 

「「「……」」」

肩を震わせ、3人でガクブルするOB1,2,3

 

 

「お前ら……仮にも飯山と稲村を抑えて実力でレギュラーとったんだから、もう少し自信持てよ!」

恩納があきれ顔で突っ込みを入れた。

 

 

 

 

-ところ変わって再びコート-

 

(セッターとミドル変えてきたか)

八幡は相手コートをじっと見る。

 

 

 

(愛甲はインハイ予選で出てねぇし1セット目もすぐ変えられたから未知数。石田は中学の時は味方が打ちやすい質の高いトスを上げる反面、癖もない。ただトスワークは教科書通りだった……けどあれから3年以上たってる、仮にも海浜で背番号勝ち取ってんだ油断できねぇ)

 

(データがない意味では3年のレギュラーよりタチわりぃな)

相手のコートを見渡せるようにネットから半歩下がり、サーブ後のポジションチェンジに備える。

 

 

 

「よしイイとこ行った」

タイムアウト明けのサーブ、海浜の後衛はセッターの石田を抜いた二人。長谷の打った打球はその場合ジャッジが難しくなる後衛と後衛の間。

 

 

「オーライ!(この場合は俺)」

だが、それは何度も確認し経験した場面、リベロの小菅が意思表示し素早く回り込みボールを正面で捉えるとAパスを上げる。

 

 

 

(落ち着け……このローテを回せば次はキャプテンが前衛、レフトに任すか?いや、比企谷は昔の俺を知ってる。なら今回に限っては俺が選択した物を逆張りすれば)

 

(メンバー変えてすぐに速攻!?)

石田の選択はCクイック。手堅いトスワークが特徴の石田らしくないセットアップに虚を突かれる。

 

 

(クッソ!もうレフトが詰めてる!)

虚を突いたはずが、飯山と稲村の二枚ブロック。

 

 

(今の俺じゃ、こいつらに真っ向はキツイ!けど、この1本決めれば)

愛甲は体を捻り、クロスに向ける。

 

(ターン打ち!?)

クロスに来る、そう読んだブロッカーをかわすように愛甲が反対方向に無理やり打つ。

 

(よし!悪い流れ切った!けど比企谷は、こういう時に仕掛けてくる。頭切り替えねぇと)

 

 

 

 

総武高校 13―17 海浜高校

 

ローテが回り海浜は山北が前衛に上がり、対角を組む石田がサーブ。

 

 

 

(相手の前衛は比企谷に2番と3番、後衛に七沢と4番、ツーを打たせない考えなら相手のバックレフトに打ちたいけど、下手にウィークポイントを狙って対応されるなら七沢を封じた方がいい)

石田は無回転のフローターで七沢を狙いサーブを打つ。

 

「チッ!」

エンドラインに向けインかアウトかジャッジが微妙なライン、だが変化が読めない以上取るしかない、七沢はオーバーでカットする。

 

(七沢が出遅れた……けど高いAパス!ツー来る!)

愛甲はネットの上からかぶさるようなブロックでツーアタックを打つべく八幡ジャンプした八幡にプレッシャーを掛ける

 

(掛かった!)

 

(なっ!)

 

 

 

ピィィィ!

 

総武高校 14―17 海浜高校

 

 

「えっ!今の何?ウチの得点なの?」

 

「多分、海浜のミドルがオーバーネット取られました」

小町が審判の腕を水平にしたジェスチャーを見ながら、結衣の疑問に答える。

 

 

「おーばーねっと?」

 

「ネットを超えて相手のボールを触ってはいけないルールの事よ」

「相手ブロックが被せてきた所にツーに見せかけて、相手を誘い咄嗟にギリギリでトスに切り替え反則にさせる、やるねぇ」

ユキペディア発動が発動し、陽乃が続く。

 

 

(ヒキタニ君はヘタレ受けじゃなくて誘い受けだった……と)

何やらネタ帳らしき物を取り出し、メモする海老名。

 

どうやら今年の冬コミのネタは八幡主体で行くらしい。

 

 

 

 

(よし、ペース乱せたか?)

直情型の愛甲にとっては最もいやなパターンの失点、八幡は早速そこを狙った。

 

 

「ドンマイ愛甲」

山北が声をかける。

 

「うす、次からヤバいサーブが連続で来る。一本切りましょう」

 

(動じてねぇ?こいつ直情型じゃなかったのか?)

 

 

 

「比企谷、サーブ」

 

「お、おう」

 

「あんま無理すんなよ」

そう言いながら後衛にいる七沢が八幡にボールを渡す。

 

 

「当たり前だ、俺は安全運転が基本の男だ」

小町と二人乗りしてる時限定だけど。そう心の中で付け加え、八幡がサーブを打つべくいつもの定位置に向かう。

 

 

(海浜のフォーメーションはメンバー変えてもレギュラーの時と変わってねぇ。今の状態でジャンプサーブはぶっちゃけキツイ、だったら狙いは一つ)

床にボールを叩き付けながら相手コートを眺め、自分のやることを決め、笛を待ちルーティンに入る。

 

 

(両手のトス、ジャンフロ!)

 

(狙いはお前らだ!)

いつもの振りぬくサーブではない、ボールにミートした瞬間勢いよく手を引く。

 

その行先は後衛のセッターが前衛に上がる、フォーメーションの難しいポイント。

 

メンバーが変わり、レギュラーほどフォーメーションの練習をしてないであろう場所を適格に狙う。

 

 

 

 

(そこを狙うと思ってた!)

愛甲がセッターの通り道のあたりを注意しレシーブに備える。

 

(畜生、落ちた!)

インパクトの瞬間引いたサーブが想定していた場所より前で落ちる。

 

「カバー!」

崩れたと判断し、すぐにカバーを呼び何とか拾う。

 

(連携封じる!)

ラストを託された石田が低く、八幡へ向けてボールを返す。

 

 

「バカ!」

そのプレーに海浜の監督が思わず声を荒げる。

 

 

「それは悪手だね」

あ~あ、やっちゃた。そういわんばかりの態度で陽乃があざ笑う。

 

 

 

(やれ温水!)

八幡は高くAパスを上げ稲村と飯山がスイッチ、ブロードの連携に入る。

 

海浜もそれに対応するように、ポジショニングをする。

 

 

(ここ、いまだ!)

ライトを向き八幡と同じツーを、今度はフェイントで愛甲の近くへ落とす。

 

 

意表を突かれた海浜は、反応できずツーが決まる。

 

 

 

 

 

総武高校 15―17 海浜高校

 

 

 

「上手いな、今の」

 

「ああ、海浜は温水を比企谷がセットアップ入れない時フォローに入る、ある意味ツーセッターと思っていた節があったからな。上手く突いたな」

恩納の言葉に、清川が解説付きで答えた。

 

 

 

 

(今のプレーで、少なからず動揺してるだろ、なら同じとこ打ってさっきの連想させてやる)

八幡はさっきと同じサーブを同じところに打つ。

 

 

「オーライ(あいつ、また同じとこに)!!」

 

「オーライ!」

リベロの小菅がすばやくカバーに入る。

 

「キャプテン!」

二段トスが上がった先、ライトにいる山北へのトス。

 

3枚付いたブロックを躱しインナーに打ち切り決める。

 

 

「こっちの点だってちゃんと入るんだ。一本一本しっかりやるぞ!」

スパイクを決めた山北が激を飛ばし、チームメイトも各自力強く答えた。

 

 

 

総武高校 15―18 海浜高校

 

 

(今、山北のプレーで総武高の流れがウチに傾きかけてる、ここは勝負所の一つだ)

海浜は切り札であるピンチサーバーをここで出す。

 

 

「比企谷、稲村が前衛だ。お前もカット回って温水セットアップで行こう」

 

「ああ、それでいい。つーかそうしねぇとやべぇ」

 

 

 

(2セット目に俺のサーブに突っ込んでオーバーで取った3番は前衛、なら今回どこ狙う?)

海浜のピンチサーバーがボールを床に打ち付けながら総武高のコートをじっと眺める。

 

 

(セッターを狙っても、あの4番がセットアップできる上にブロードが来るかもしれない。さっきのツーもまだ頭にあるだろうけど、4番のツーと七沢のバックアタックなら……)

 

(狙うならエースだ)

エースを崩しバックアタックを封じるだけでブロッカー、特にミドルブロッカーはかなり楽になる。海浜のピンチサーバーは七沢に狙いを定めジャンプサーブを打つ。

 

 

 

(よし崩した!)

 

「すまん短い!」

七沢がレシーブするものの崩れてしまう。

 

 

(乱れた?なら速攻があるとすればB、定位置で構える)

何より総武高はレフトとセンターがスイッチしておらず、稲村のブロードの危険は無い、そう判断した海浜はリードブロックに切り替える。

 

 

 

(全員の動きが的確、さすが海浜ってとこか)

八幡がすぐに落下点に入る。

 

「来い!」

「ライト!」

前衛の稲村と温水が、それぞれトスを呼ぶ。

 

 

 

 

(読まれてるのは分かってる、ならここはコレで)

八幡の選択は、3セット目の中盤から調子を上げている飯山へのセンターオープン。

 

 

(はぁ!?何でまた……)

崩れはしたものの、もっと有効な手はいくらでもある。八幡の意図が読めない愛甲だが、現状オープンが上がってることに間違いない、ブロッカーが集まりやすいセンターへ、きっちり3枚着く。

 

 

(問題なーし!)

(重っ!)

飯山のスパイクをブロックしたものの、想定外のパワーに弾かれ決められる。

 

 

 

総武高校 16―18 海浜高校

 

 

 

「大丈夫か愛甲」

 

「あ、ああ大丈夫だ(やっぱ、こいつらやべぇ。比企谷ばかりに注目してたら足元すくわれる)」

石田の問いに愛甲が、じんじん響く手をプラプラさせ強がりながら答える。

 

 

 

(……狙いは俺か?)

明らかに感じる自分への集中狙い、それは愛甲にも十二分に感じ取れた。

 

 

そして何より先ほどの定石を敢えて外したセットアップ。

 

 

1セット目の最初、総武高に飲まれるきっかけとなった時と同じセンターオープン。

 

1回目はブロックの上から、2回目は真っ向勝負でのこじ開け。

 

 

飲まれるきっかけとなった攻撃を敢えてこの場面で選び、変わったばかりの愛甲を分かりやすいくらい狙っていた。

 

 

 

(俺が穴だって言いたいのかよ!……ダメだ!怒ればあいつの思惑に乗っちまう)

頭に上りかけた血を何とか沈め、冷静になるよう努める。

 

 

(飲まれない、自分のやるべき事をこなす)

それが出来て初めて同じ土俵に立てる、それを頭に入れ気を入れなおす。

 

 

(総武高、そして比企谷お前らは強い……けど)

 

「負けねぇ」

 

 

 

 

 

「比企谷君は徹底的に海浜のミドルを狙う気かしら?」

 

「狙う気どころか、あからさまに狙ってるな。レギュラーのミドルブロッカーがやられ、後を引き継いだ彼が崩れたら海浜は流れを変える為の手札と冷静になってたブロッカーを失う、しかもあのミドルブロッカーは総武高の一番強いローテと当たるから崩して損は無い」

 

「だねぇ、それにあのミドルブロッカーの子を相手チーム全体にも分からせるくらい狙って、本人だけじゃなく全員にプレッシャーも掛けてるね。ここで彼が崩れたらベンチは次に打てる策が極端に減る。かと言って切り札のピンチサーバーは使ってしまって、タイムアウトは残り一個。点差はまだあるけど今後の展開を考えると使い辛い。それによって、もしここで崩れたら……ってプレッシャーがチーム全体に芽生える。相手の空気やベンチワークも考えるなんて、やることがえげつないね」

雪乃の疑問に答えるように葉山と陽乃が続く。

 

 

 

 

 

(あの野郎マジで勘弁しろよ、ここまで外堀埋めつつ、ベンチにまでプレッシャーかけてくる奴は初めてだぞ。それに問題は他にもだ。七沢の高速Bと稲村のブロード、飯山の高さとパワー、これを比企谷のセットアップで組み合わせてくるだけでも厄介なのに、総武高に最初見られていた、ぎこちなかった連携とポジショニングが粗削りながら臨機応変に対応した形になってきている)

総武高が先ほど見せたレセプションからの一連の動き、全員がそれぞれの役割を確実にこなしている。

 

 

(ウチは全力だ、相手をなめるなんてしていない。特に3セット目に入ってからは一度突き放してる。途中交代の愛甲と石田だって現状はレギュラーと同等にこなしてる。なのに何なんだ、こいつら)

 

 

「……こりゃあ、追いつかれるかもな」

海浜の監督は周りに聞こえないように呟くと、どうしたもんかと頭をポリポリ掻き現状を見守るしかいと割り切りコートを注視した。

 

 

 

 

 

「七沢が前衛に上がって来て稲村がサーブ、あの高速Bがハマれば、ここは点稼ぐチャンスだ」

 

「でも大丈夫かな?海浜のリベロ、乱回転のサーブに慣れだしてきてるぞ」

 

「確かに3セット目に入った時、正面回ってアンダーで拾った際に、回転に合わせてこう……クイッてやって上手くAパスと行かなくてもBパスに持っていってたな」

 

「じゃあリベロ狙わないで行くとか?」

 

「それが定石だけど、もし他の選手も対応してたらどうする?」

 

「えっと」

 

「ネガティブなことばかり言ってねぇで試合に集中しろよお前ら」

モブのような小物臭全開のOBたちに恩納が突っ込みを入れた。

 

 

 

 

 

「稲村、サーブイイの頼むよ!」

 

「おう!」

前衛に上がった七沢が、後衛に下がりさーぶを打つべくエンドライン付近にいる稲村にボールを渡す。

 

 

 

 

 

(海浜は俺のサーブに慣れだしてる。今の点差は2点で海浜は18点、次の俺のサーブが来るまで最低でも5点、ブレイク取られたらもっと、下手すりゃ順番来ないで負けて終わるパターンもある)

今、総武高は文字通り綱渡りのようなギリギリの状態、ここで自分のサーブが綺麗に返された時、流れは悪い方向に向く、稲村はそれを理解していた。

 

 

「なあ」

 

「何?」

 

「俺も本気出していいか?」

彼のした選択は、敢えて攻めに出るサーブ。

 

 

「は?」

 

「おう!やっちまえ!」

 

「全力でな!」

八幡は戸惑うものの、七沢と長谷がニヤリと笑い同意する。

 

(ちょっとマテ!まさか稲村、あのサーブは本気じゃ無かったの!?)

 

 

 

 

 

-回想-

 

 

練習の休憩中なのだろう、バレー部と八幡がボールを椅子替わりに使って座りながら雑談していた。

 

 

 

「サーブトスのコツ?」

 

「はい、自分はサーブトスいつも安定してなくて結果的にミートポイントもズレて狙ったところに行かなくて」

まだ経験の浅い長谷が、サーブの教えを乞う。

 

 

「フローターなら、こうホッて上げてバンってやれば大丈夫なんだけど」

 

「七沢はもう少し理論的な教え方を覚えような」

感覚型の七沢に筋肉限定理論派の飯山が突っ込む。

 

 

「稲村から聞いてみたらどうだ?同じフローターだろ」

八幡が、

 

「悪いが俺のはフォームも基本と違うし参考にならないかも……実際に見てみりゃわかるか」

 

 

「そういや稲村のサーブ改めて真近で見るの初めてかも」

 

「穴の空くほど見てやるよ」

 

「お前はゴールドジムでマッチョでも見てろ」

飯山に辛辣な言葉を返すが、彼はジムでは当たり前に見てるから大丈夫とすんなり笑って返す。

 

 

「……まあいいや、例えばだけどサーブトスがちょい右に逸れた時はこう打つ」

 

「そんで左に逸れたら、こう打つ」

 

「おお、まったく同じコース……けど打ち方同じだよね?」

 

「実は違う」

 

「あれ?今度は無回転」

 

(ちょっと待て今かなり変化したんだけど)

 

 

 

「今でこそサーブトスは自由自在だけど昔は苦手でさ、よくブレてたから手を固める力の入れ方とミートポイントの位置で調整してたんだ」

 

 

「お前、わざと乱回転かけてサーブ打ってんの?」

 

「基本ガン無視かよ」

飯山と八幡が各々に口を開く。

 

 

「まあな、この手……掌打みたいに固めて打つと勝手に無回転になるんだけど俺は無回転嫌いなんだよ。コーナー狙うと想定外の変化掛かってアウトなったりするし、かといって手の力抜くと威力落ちるし」

 

(とても真似できないんですが)

あまりにも参考にならない技術に長谷が心の中でツッコミを入れる。

 

 

「まあフローターの場合サーブトスの基本は“置く”こと。上にボールを放る、そんで頂点で上がる力と下がる力が均一になる時、そこに一瞬の間ができる、その間ができるタイミングと場所で打つことが重要。いずれにせよ自分の理想の打点とミートの技術は反復練習しかないよ」

 

「ちゃんと理論あんじゃねぇか」

いつも感覚だけでやってると思ってた八幡は関心する。

 

「キヨ先輩の受け売りだけどね、ちなみに俺の場合はルーティンで一定のリズムとって、そのまま流れに乗ってトス上げる感じ。そういや比企谷はリズム取るような動作ないけど、サーブトスどうやってる?」

 

「俺はルーティンに入る前にボールのメーカーのロゴをこっちに向けて見た後、ルーティンの動作でおでこに持ってきてロゴを当てる、そんで離して、もう一回ロゴを見て気持ちを切り替える」

 

「ジャンフロならそのままトス、ジャンプサーブは、こうやって毎回同じ位置で同じ縫い目に指が乗っかるようにしてトス上げる感じだな、ロゴを合わせるのはボールを同じ位置で手に乗せる、練習通りのトスを上げる自己暗示する意味合いもある。プレー中とか色々考えが頭に浮かぶだろ?そのままの状態でサーブに入ると余計なことを考えちまう。だからどのサーブを打つか?狙いはどこか?そこを選択したら余計な事を考えずと気持ちの切り替える。まあ、それ以外は願掛けみてぇなもんかもしれねぇが」

 

 

「「「「「……」」」」」

 

 

「な、何だよ?」

 

「お、お前、中学の時から、そう考えてプレーしてたの?」

 

「こわっ!」

七沢と稲村が大げさにアクションを取り、距離をとる。

 

 

「しょ、職人って感じでカッコいいっすよ」

温水はしっかり?フォロー。

 

 

 

「ちなみに俺のルーティンは筋弛緩法とボディービルのポージングからヒントを得ているんだが、論じていいかい?」

 

「「「「「……」」」」」

飯山が、その手の話をすると長くなるからイヤ、言葉にはしないものの皆は顔に出す。

 

 

「おねがいだから、せめて言葉で否定して!」

そのリアクションが一番ダメージでかい。飯山が懇願した。

 

 

 

 

 

 

(この位置だな)

稲村はいつものライト側の定位置ではなく、レフト側に行き、そこからさらに下がる。

 

 

 

((位置がさっきまでと違う、何をやる気だ?))

あいつのサーブは油断できない、後衛の選手が腰を深く下げ備え、注視する。

 

 

(いつもならコントロール重視で6割程度だけど、これは8割で)

ルーティンでリズムを取り、息をフッと強めに一息吐く。

 

 

(やってやる!)

レフトの深い位置からライト側のいつものサーブの定位置へダッシュ、真ん中を過ぎ数歩でジャンプ。頭上より高い程度の低いトス。

 

(ドンピシャ!)

ミートポイントをずらしもせず、しっかりとミート。空手でいう掌底を作るように手を固め、ゴンッという鈍い音を響かせ高い打点からのミート。

 

 

(ジャンフロ!?)

ボールの縫い目が一切動かないそのサーブは通常の無回転より速く、読めない変化。

 

 

(しかも速っ!)

右に変化し速い弾速、小菅が追いすがり取ろうとするが

 

 

(伸びた!?)

オーバーで引っ掻けてしまい、後ろに大きく弾く。

 

 

「よっしゃあ!!」

 

「ナイスサーブ!」

 

「よく決めた!」

サービスエースを決めガッツポーズをする、稲村を七沢と飯山の二人がたたえる。

 

 

 

 

(すげぇ変化する無回転と思ってたが、ジャンフロだとああなるのか)

 

「すげぇな……」

自分のジャンフロとは違うサーブに八幡は思わず呟いた。

 

 

 

 

総武高校 17―18 海浜高校

 

 

「小菅あれ取れるか?」

 

「取れますが、アレは上げるので精いっぱいです、カバーお願いします」

 

「了解、任せろ」

 

 

 

「ナイサー」

八幡は、海浜側から転がってきたボールを拾い、稲村に放る。

 

稲村は先ほどと同じレフト側の深い位置で構える。

 

 

 

(やっぱり、またジャンフロ来る)

海浜はジャンフロのシフトを組み、数歩前に出る。

 

 

 

(誰が無回転を打つって言った!)

同じ助走、同じ高さのトスから今度は乱回転のサーブ。

 

 

(無~理~!)

小菅はアンダーかオーバーで悩み、中途半端に弾きコートに落とす。

 

 

 

総武高校 18―18 海浜高校

 

 

 

「凄い!八幡達追いついた」

劣勢だった場面からの追い上げ、戸塚は興奮気味に喜ぶ。

 

「イケるっしょ、追い越せー」

戸部がノリノリで声出し。

 

 

 

「男子達ヤバくない?」

 

「うん!海浜相手に追いついたよ」

 

「ナイサー一本!!」

 

 

(女子の応援……だと)

あきらかに自分に向いた応援、稲村の目に炎が宿る。

 

 

 

「行くぞ!」

(あ、これダメなパターン)

明らかに力みが入った状態、八幡は何かを察する。

 

「アウト!」

いくら無回転とはいえ明らかなアウト、小菅は余裕のジャッジで見逃す。

 

 

総武高校 18―19 海浜高校

 

 

「……すまん」

 

「女子に気を取られるからだ、たわけ!」

うらやましい!その事を隠さず飯山が罵倒する。

 

「ドンマイ、サービス2つとれたんだから上出来だよ、切り替えよ」

実際この2点は大きい、七沢がキャプテンらしく声をかけた。

 

 

 

 

海浜にサーブ権が移り、サーバーは後衛に下がった愛甲。

 

リベロの小菅は入れ替わり下がる。

 

 

 

(俺はまだ、スパイクサーブを狙う技術はないけど、今なら真ん中行けば)

サーブカットで動揺している稲村とセッターの八幡、二人の間を突けるかもしれない。後衛に回った愛甲がサーブを打つ。

 

 

(サーブミスはレシーブで挽回してやる!)

稲村が相手から打たれたジャンプサーブをカットしAパスを上げる。

 

 

 

(上出来だ!)

八幡が直ぐにセッターポジションに入り込みジャンプ

 

 

「来い!」

七沢が高速Bの態勢に入る。

 

 

(ネットより下がった!ここ)

今度はフェイントの形のツーアタック。

 

(またツー?てか後衛だろてめぇ!)

後衛のツーは反則、そう頭にあった選手たちはボールを取ることなくボールを落とす。

 

 

 

ピィィィ!

笛が鳴り、審判の手が総武高に向き、総武高の得点を告げる。

 

 

総武高校 19―19 海浜高校

 

 

 

 

「……この野郎」

またせこい手を使いやがって、そう言わんばかりに前衛に上がった海浜のミドルがにらみつける。

 

 

(いや、勝手にプレー止めたお前らが悪ぃから)

しかし八幡、その視線を華麗にスルー。

 

 

※後衛の選手はアタックラインより前から、手がネットを越しての攻撃が禁じられています。

なので八幡はワザとネットより低い位置でフェイントを仕掛けました。

 

ちなみにリベロはオーバーでとる事さえ禁じられています。

 

 

 

 

(勘弁しろよマジで!)

同点に追いつかれて自チームの空気が悪い状態は不味い。海浜の監督は残り1個しかないタイムアウトを八幡にとらされる形になる。

 

 

(まさか、この局面でウチにタイムアウトを取らせる為にやったんじゃねぇだろうな)

 

 

(いや、比企谷の事だ、その為にやったな。そして同点な上、後1回ローテ回れば比企谷が前衛、何回も執拗にやられたツーに今のプレー。否応なしに選手たちは否応なしにあいつを注視してしまう。いるだけで囮みたいなもんだ、その状態で七沢達をしのぐしかない状況、タイムアウトを取るなら今しかねぇ……やられたな)

 

 

 

 

 

 

「すごいね君は。まるで理性の化け物だ」

 

 

「いや、自意識の化け物かな」

相手ベンチからみた自分までを想像し実行、相手にタイムアウトを使わせ意識を自分に向ける局面を作り上げた八幡を見て陽乃はニヤリと笑う。

 

 

 

 

 

 

総武高は長谷が前衛に上がり飯山が後衛

 

 

 

 

飯山はボールをエンドラインの真ん中から大きく6歩下がる

 

 

 

ボールを左腕に抱え、小胸筋を連動させ大胸筋を動かし三角筋や大円筋、僧帽筋など様々な筋肉を連動した動作ではなく意識的に動かす。

 

 

ボディビルのポージングで培った筋肉を意識し使う感覚であるマッスルコントロール、どの部位をどう動かせば筋肉は答えてくれるのか、彼にはそれが分かっている。

 

 

自分の動かしたい筋肉を軽く動かす。

 

 

 

(俺の神経系絶好調!)

 

 

胸を張り、大円筋を広げ緊張させたリラックスポーズの状態に持ってくる。そこからシュラッグの動作。

 

僧帽筋が収縮し効いた感覚になったら解すように力を抜き軽く動かし深呼吸。

 

 

筋弛緩法で緊張状態からほぐれた、彼にとっては理想的な状態。

 

 

 

 

 

※リラックスポーズ

ボディビルのポージング

ステージに上がった時やってるポージング。比較審査で声が掛かるまで待機してる時など、よく目にすると思います。とはいえ自然体という言葉に反して、全身に力入ってます。

 

 

※シュラッグ

僧帽筋を鍛えるエクササイズの動作の事。肩こり改善にも効果的。

 

 

※筋弛緩法

筋肉を緊張させてから解し、リラックスさせるやり方。スポーツ選手の間でも漸進的弛緩法として、よく取り入れられている方法。

 

 

 

(やれることはやった。答えてくれよ!俺の筋肉ちゃん!!)

高いトスからの助走、踏切、腕の振りとミート。

 

 

チームどころか、今この場で一番であろう身体能力で打たれたサーブが海浜のコートへ向かう。

 

 

 

(強っ!)

打った本人、どこに向かうか分からない強烈なサーブは海浜の後衛、バックレフトへと飛び、後衛の選手が

カットするが弾いてしまう。

 

 

 

「「ナイスサーブです!」」

 

「ナイサー!」

 

「さすが威力だけチーム一!」

 

「よっ!脳内筋肉男!」

 

 

 

「ありがとよ!あと七沢と稲村は後でトイレ来い」

 

 

 

 

 

 

総武高校 20―19 海浜高校

 

 

「総武高のサーブやべぇな」

 

「Aパスならなくてもいい、山北が前衛なんだ、ライト勝負で切るぞ」

 

 

 

 

 

(マジで俺絶好調!)

再び飯山のサーブが同じ位置、同じようなサーブで海浜のコートに向かう。

 

 

 

(やべっ!)

速い弾速のサーブに力を殺す事が出来ず、海浜の選手が一本で返してしまう。

 

 

「チャンス(セットアップいける!)!」

 

 

 

(比企谷が動いた!)

「来い!」

ボールが返って来た位置的にBが使える、七沢含め前衛が助走体制に入る。

 

 

 

(行くぞ)

八幡がボールに飛びつきセットアップに入る。

 

 

 

 

 

(本当に面白いなぁ君は)

 

(いろんな事諦めて、人の斜め下を行くような言動をしてるのに、心のどこかでは友情や信頼、人の心を諦めきれてない。そして今、あんなに声を上げて真剣な顔になって諦めたはずのバレーに夢中になってる……けど、残念だったね)

 

『お姉さん、勘のいいガキは嫌いよ』

かつて文化祭の際に陽乃が八幡に言ったセリフ。

 

 

(君は、自分の置かれてきた環境、性格、思想で周りが気づかないような事や、いろんな事に直ぐ気づく)

 

(でも君には弱点がある。そして、それは君だからこそ気づかない……いや、分かってても気付けない)

 

 

 

 

「っ!?」

八幡はBクイックを上げ着地するが、それと同時に崩れ落ちる。

 

 

 

(決める!)

七沢が二枚ブロックを躱し、打ち切り決める。

 

 

 

総武高校 21―19 海浜高校

 

 

 

 

スパイクを決めた七沢が異変に気づき振り向く

 

 

 

「比企谷!」

振り向いた先うずくまる八幡の姿、慌ててかけよる。

 

 

 

(痛ぇ!なんだよコレ……)

それは彼にとって未経験の痛み、何が起きたかわからない八幡はうずくまり、今起きている事を認識しようとするのが精いっぱいだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君は自分を世界から外しすぎだよ比企谷君」

 

 

 

 

 

 

 




筋弛緩法は自分も競技に入る前のルーティンにいれ取り入れています。

とはいえ競技によって掛けることのできる時間が違うため、それに合わせた物になります。
リフティング種目では時間ギリギリみっちりと行い、展開が早い種目では開始前、合間やサーブなどのに時に臨機応変でやります。



作品の方ですが練習試合編もクライマックスで残りわずか、後2~3話となりますので最後までお付き合い下さい。



次回の更新は未定です。

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