ゴミ箱   作:ファベーラ@幽霊
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書けたから投げた。特に意味は無い


IS 試作品 その2?

 トルコ、アンカラ郊外のオープンカフェは観光客や地元民達で賑わっていた。
 そんなカフェの席でサングラスを掛け、頭には麦わら帽子を被って白のサファリジャケットにジーンズと言う姿の綾が静かにトルココーヒーを飲み、本を読んで居た。すると、前の席に白の帽子に女物の薄い水色のワンピースを着た少女が座る。

 「久し振りね」

 その少女は「三ヶ月ぶり」 書かれた扇子で口許を隠し、声を掛けて来た。綾は本から視線を外さず生返事の如く返す。

 「仕事なら断った筈よ」

 「でも、今の綾ちゃんに仕事はあるのかしら?」

 本を捲る音が止まる。周りは人々で賑わっていると言うのに何故か、静寂が場を支配する。
 そんな静寂を破るかの様に少女もとい更識楯無は話を更に続けた。

 「聴いたわよ? 政府軍が負けて、綾ちゃんに指名手配が掛かった事……」

 中東某国での内戦はロシア軍の働きもあり、政府軍の敗北で幕を閉じていた。それ故、政府軍側で戦って居た綾を初めとした傭兵達は罪を着せられ、テロリストの烙印を押され大半が処刑された。
 幸い、あの中佐は逃げろと言って皆を解雇。其々の戦闘機に乗って傭兵達は逃走を図ったが、大半がロシアと反政府合同の空軍戦力に撃墜された。
 この時、綾もISで多数の戦闘機を叩き落とし、ロシア軍のISにも追跡され死闘を繰り広げた。そして、何とか生き延びてトルコに潜伏していたのであった。

 「私に雇われるなら、ロシアからの指名手配は無くせる」

 そんな綾へ見返りを並べ始めた。
 更識の言う雇用された際の見返りは、ロシア軍から奪った件やテロリストとしての指名手配を消す。他にも、関与した武器密輸に虐殺の件を司法取引と言う形で減刑すると言う話であった。

 「無論、雇用期間の間は給料を支払うし、衣食住の保障もするわよ?」

 「断ったら?」

 「私は何もしないわ。ただ、恐いオジサン達が貴女を大使館に連れ込んで乱暴するでしょうね」

 チラッと後ろを見れば黒塗りのベンツが路上に停まっていた。
 ベンツのウィンドウが開く。中から刈り上げた金髪にサングラスのスーツを纏った男が此方を見て来た。

 「…………FSB?」

 「ご想像にお任せするわ」

 断れば、スペツナズ上がりの紳士達がロシア大使館へ招待し、治外法権の大使館で丁重かつ熱烈な()()をしてくれるのは明らかであった。
 溜め息を吐くと、綾は胸ポケットに入れていた銀色のシガレットホルダーを出し、テーブルに置いた。中に詰まってたマルボロのメンソールを手に取り、くわえると火を点して紫煙を吐き出す。
 更識がメンソール混じりの煙にウンザリしてるが、綾は何処吹く風と言わんばかりに紫煙を燻らせ、コーヒーを飲む。

 「で、どうするのかしら?」

 この時の更識の表情は、殴りたくなる程の笑顔であった。




 清潔感よりも無味乾燥。未来的だが、人間味の感じられないIS整備用のハンガーでツナギ姿の綾は脚立に乗って目の前に佇む愛機アバローナの点検を行っていた。
 アバローナは普段の様な重装甲は全て取り外されており、綾は頭に付けたヘッドランプでアクチュエーターを照らしながら工具と測定機材を手に作業をする。
 そんな綾の様子を見ると、更識は呆れ気味に声を掛けて来た。

 「うちのスタッフを信用してないのね」

 「命預けてるからね、点検は大事よ」

 顔はアクチュエーターに向けたまま、作業を続けながら返す。幾つもの戦場をアバローナと共に潜り抜けて来た綾にすれば、これは日課みたいなものだ。
 幾ら、絶対防御でパイロットの命が守られてる。絶対に壊れないと言われるISであっても、整備不良は起こるのだ。
 実際、綾も整備不良で命を落とし掛けた事がある。それ以来、綾は整備が行われる時は可能な限り立ち会うし、こうして点検する様にしてるのだ。

 「右側は良し」

 右側の上腕、前腕、それにゴツゴツとした手の点検を終わらせると、綾は機材一式をダンプバッグに納め、脚立から降りた。
 それから、脚立を持ち上げると左側へと赴く。そして、先程までと同じように点検を続ける。

 「ねぇ」

 「何かしら?」

 「何だって、私みたいな一山幾らの傭兵を雇おうとしたの?」

 それは初めて出会った時からの疑問でもあった。
 わざわざ、日本から遠く離れた中東までやって来て雇いたい。
 待遇もそれなりに良くする。
 たかが傭兵を雇うには破格過ぎる条件を揃える更識を綾は怪しんでいた。

 「言っちゃなんだけど、私は超絶厄ネタよ? 国際指名手配も喰らってるし」

 「だから、良いのよ……人殺しをしても平気な程度に暴力に長けて、裏にもそれなりに明るい。何より、死んでも気にせずに済むじゃない」

 更識は『使い捨て』 と、書かれた扇子を広げて見せて笑顔で告げる。それを見ると、綾は苦笑いを浮かべてしまった。
 だが、基本的に傭兵は使い捨てが当然なのをよく理解してるからか、綾は気にしなかった。

 「正直に言うわねぇ……嫌いじゃないわ」

 「それは良かった。貴女、嫌いな奴を暗殺しそうだし」

 「そんな事しないわよ……嫌がらせ程度に、盗んだ車で轢き逃げする程度よ」

 そう返すと、更識は苦笑いしてしまった。それから、暫くすると、アバローナの点検が終わり、全身を鎧う戦車にも使われる複合装甲が取り付けられる。
 そして、メインアームである天井から伸びるウィンチに吊るされた30㎜ガンポッドを右腕に取り付けようとした所で、更識から声が掛けられた。

 「あ、それは無しよ」

 「……何で?」

 「一応、ここは学校だからね? 悪いけど、チャフやフレア、スモークも禁止よ」

 「なにそれ? 何のジョーク? 50口径オーバーの銃弾使うのに?」

 スポーツ用と名を打っているが、ISが使用する機関銃は今尚使用されるM2ブローニングやDshkと言った50口径よりも口径が大きく、対空機関銃であるZPUシリーズとも威力が遜色無い機関銃ばかりなのだ。人間に撃てばB級スプラッター映画の如くグチャグチャなグロテスクな死体拵える事が出来る。
 更に言うならば、小型とは言え、ミサイルや砲も使用する。同時にそれらは、戦場で使用される一部のISが人に向けて放たれている。同時にそうした兵器で人殺しをした綾だからこそ、雇い主からとは言え、そんな馬鹿げた命令を聞き入れる気は毛頭無かった。
 だからだろう……

 「グリンゴ、イワン、フロッギー、ボッシュにジョンブル、チノ、ジャップにジューが兵器転用しなくなったら考えるわ」

 侮蔑込めた物言いをにこやかな表情で告げると、そのままリモコンを操作し、吊り下げた30㎜ガンポッドの高さを合わせ、右腕に取り付ける。各ジョイント部分をレンチで締め、先程まで使ってたレンチと同じ径のソケットとエクステンションをキャスター式の大型工具箱から取ると、トラックの大きなボルト締めに使われる大型のエアインパクトレンチにセットした。

 「うん、良い感じ……」

 エアインパクトレンチのトリガーを引く度、コンプレッサーから送られる圧縮空気によってソケット部が目にも止まらぬ早さでギュンギュン回る。そんな工具に満面の笑みを浮かべると、ジョイント部のボルトに突っ込んでエアインパクトレンチのトリガーを引いた。
 ガンガン喧しく鳴る度、ジョイント部分のボルトが締まって行く。少しすると、エアインパクトレンチは停止する。
 だが、作業の手は止まらない。綾は慣れた手付きでボルトを締めると、エアインパクトレンチを作業台に置いた。

 「次はトルクレンチ?」

 「流石、一人でIS組み立てた生徒会長さん」

 にこやかに肯定すると、エアインパクトレンチに取り付けていたソケットとエクステンションをトルクレンチにセットし、グリップの底、ダイヤルになってる部分を回し始めた。
 規定のトルクで締め込んでると、暇をもて余したのか更識が問い掛けて来る。

 「ねぇ、自分の両親を調べようとは思わなかったの?」

 「思わなかった。と、言えば嘘になるわ……」

 ガチンとトルクレンチを鳴らし、ジョイントを締め込みながら綾は返す。

 「で、調べたけど私の名前自体偽名でさー、存在しねぇでやんの。指紋を検索したら中国のパスポート名で犯歴登録されてるし、その名前も偽名。手掛かりは何一つ無いからねー、両親が何者かすら解らんしねー」

 他人事にも似た笑い話の様に言ってるが、内容はブッ飛んでいた。
 記憶が無い故に両親の顔が思い出せない。そればかりか、自分の本当の名前さえ解らないのだ。

 「それでも、捜そうとは思わなかったの?」

 「そんな暇も金も無いわ……ポリに指名手配されて、戦場で毎度殺し合い。カネ稼いでも、コイツの整備や生活費、口止め料とかで飛
ぶからシカタナイネ」

 世知辛い生活を理由を答える。綾は嘘は吐いてなかったのは、更識でも理解出来た。
 だが、世知辛い理由とは裏腹の笑顔の裏に哀しい感情が少しだけ覗いているのを見逃さなかった。

 「契約期間終了した際のボーナスとして、貴女の本当の名前を捜してあげましょうか?」

 「……名前なんて無くても、幸せよ? 私は名前の無い怪物ですもの」

 チェコで読んだ古い絵本を思い出し、綾は引用して返すと整備に使用した工具を拭き清めて片付け、整備ハンガーを後にするのであった。
 



名前のない怪物。MONSTERから引用……
実際、偽名多数のジェイソン・ボーンみたいなスパイも基本的に"名前の無い怪物"だよな?え?違う?

まぁ、良い。

連載はしてる体裁だけど、書いては投げる程度だからね。しゃあないね……
本格的に書きたくなったら、此処じゃなくて新規に投稿するけん。

機体はボロボロだったけど、学園でレストア。ロシアはファングクェイクやラファール、中国軍のISや英国軍の機体、その他諸々の機体に各国通常兵器とやり合った時のデータ収集して貰ったも同然状態。
後、綾ちゃん的にコイツは死んでどうぞな犯罪者やテロリストのネタをゲット出来て諜報のテーブルでの取引材料も確保。
更識の交渉によって、学園で最新機のデータ収集出来るよの名目で貸し出し許可。持ち逃げしたら、埋め込んだマイクロチップなボムで殺される綾ちゃん。

まぁ、学園的には綺麗事抜きに荒事出来る暴力要員欲しかったのもあって、学園に。
ifで亡国に雇われるコースもスンゴクあり得る(笑)

あ、感想くださーい