ハイスクールD×D 和平ってなんですか?   作:SINSOU

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鬱屈を発散するかのごとくカオスを書いてみる。
カオス世界はカオスが強い。


もしもこんなんだったら2

筋肉大好きの両親と、アレな妹とアレな恋人のバカップルに加え、

しばかれ大好きな女悪魔ローゼリアと、

筋肉バカの男悪魔オルスクートが家にいることに、

アーリィの精神は徐々にシバかれていった。

 

特にローゼリアの方は、シバいてしまえばご褒美であり、無視をするにもご褒美になる。

もはや無敵じゃないですかー!とアーリィが叫んだことは数知れず。

オルスクートの方も、筋肉の秘訣を探ろうと、事あるごとに裸を見に来ること数知れず。

彼の方は邪な感情など一切なく、ただ筋肉の秘密を知りたいだけなのだが。

そうしたことに対する報復を、ローゼリアが物欲しそうに見ていたのは、

もはや日課になりつつあるのである。

 

というより、彼女の町がもはやカオスと化していた。

隣の老夫婦に対しては、

おばあさんのスコーンを気に入った女悪魔が、老夫婦の養子になったり、

友人のクランには種族違いの妹が出来た。

クランを見つめるその妹の眼が、飢えた猛禽類のように見えたのは気のせいである。

ミーシャに関しては、翼を生やした恋人が出来たらしい。

ミーシャよ、あなたはそれでいいのですか?

 

結果、彼女の町は、人間と悪魔が住まう町となったのだ。

本当にどうしてこうなった!!

 

だがしかし、悪魔という存在を許さない存在がいた。

そう、教会である。

教会は悪魔に対して、病的なまでに憎んでいる。もはや憎悪と言ってもいい。

そうした教会にとってみれば、人間と悪魔が住まう町など、唾棄すべきものだ。

結果、教会は悪魔諸共、その町を消し去ることを決めたのは、至極当然である。

 

悪魔殲滅と街の浄化を命令され、悪魔殲滅者たちは、すぐさまその町に向かった。

先頭を率いるは、まだ幼い子供であった。

 

 

「スコーンを粗末にする奴は誰であろうと死ね!」

 

「お兄ちゃんを奪いに来たのね!お兄ちゃんは渡さないんだから!」

 

「ミーシャぁぁぁぁぁぁ!俺は君と添い遂げるぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

「こんな痛みなんて、お姉さまの方がもっと痛かったですわぁ!」

 

「この鍛え上げられた筋肉に、そんななまくらが通じると思ったか!」

 

「ちょっと!私の坊やが寝られないじゃない!安眠妨害はんたーい!」

 

飛ぶ、なんか黒い服を着た人たちが空を飛んでいく。

人って空を飛べるものなんだなー、と目の前の光景に私は呆けていた。

 

「見てクリス!皆が町を守ってくれているわ!」

「そうだねミーシャ!でも君を守るのは僕だよ!」

「ああ、やっぱり素敵よクリス!」

「おい黙れバカップル。この状況を理解しろ」

 

隣のバカップルは、目の前の状況に対して、独自の空間を作っていた。

お願いです、お姉ちゃんの胃が死にます。

 

ことの始まりは数時間前、私の町に突如修道服を着た方々が現れた。

そこには、青い髪の少女もいた。

どうやら彼女たちは教会から派遣された悪魔殲滅者たちであり、

この町を悪魔を信仰する邪教の町として、浄化しに来たらしい。

正直、邪教なんて生易しいものじゃないと気付いてください、と思ったのは秘密です。

 

まぁ話を省くが、先頭の少女が我慢の足りない子だったらしく、

目の前のを通りかかった子悪魔を斬りつけようとしたのだ。

いかんせん、偶々通りかかっていた私は、

その子を守る為に、斬りかかろうとしたその少女にミサイルキックをかましたのだ。

結果、こんなことになったのである。

 

はい、私が原因なんですね!いい加減にしてよ!

私がなにしたって「そこのお前!さっきはよくもやってくれたな!」

私が頭を抱えていると、不意に声をかけられた。

後を見ると、先ほど私がミサイルキックをかました少女だった。

違うところと言えば、

正直変態じゃないですか?と思うようなピッチリスーツを纏い、

その両手には不似合いな大剣を持っていたことだ。

 

「あのーなんですか?」

 

私の言葉に、少女の眼が更に険しくなる。

やめて、私の心はガラス製です。そんな視線には耐えられません。

 

「悪魔教祖め!先ほどは油断したが、もう不意はつかれないぞ。覚悟しろ」

 

そういって彼女は、私に向かって走ってきた。

教祖?教祖って何ですか?おい、お前。いい加減しろよこんちくしょうがぁぁ!

カオスにカオスを重ね、さらにストレスによるカオスの境界線を突破したことで、

私の精神はプッツンした。

 

 

 

 

「子供が!(ペチン!)、そんな危ないものを!(ベチン!)、

 振り回すものじゃ!(ビチン!)、ありません!(バチン!)」

「あ・・・う・・・あん・・・うん・・・く・・・」

 

私は彼女を折檻していた。やってること?想像にお任せします。

かれこれ数分か、数時間か不明だが、やっている内に、

彼女の顔がなんかヤバいことになってきた、ローゼリア的な意味で。

だが私は止めない、止めさせない。だって止めたら反撃来ると思うし!

そうしたことを考えても、私は必死に折檻した。

 

気が付けば、町の混乱も終わっていた。

町の広場には、黒焦げの修道服の方々が、山のように積み上げられていた。

私は考えるのを止めた。

 

 

 

 

 

「さあアーリィ姉さま、こんな町にいては穢れてしまいます。一緒に教会に行きましょう!」

「アーリィ様は私のご主人様です。教会などに連れていかせはしませんわ!」

 

痛い痛い痛い痛い痛い・・・!

今私は、二人の少女に両手を引っ張られている。

一方は黒いピッチリスーツを纏い、もう一方はドレスを纏っている。

 

ええ、なんか変なことになりましたよ!

なんというか、ローゼリア2号が誕生しちゃたんだよ!

ええ、止むに止まれず、ようやく折檻を止めたら、

青髪の子、もう乙女の尊厳がズタズタになるレベルの表情だったんだよね。

それで、開口一言「ああ///」って息を吐いたんだよね。

その時、私は気付いた。アカンと。

結果、こうなりました。

 

教会に連れて行きたいと言い張る少女と、それを拒絶する悪魔。

どっちも馬鹿力なのか、私の腕が千切れそうです。

 

「痛い!痛いから離して!腕ヤバいから!」

「す、すまない!」

「ああ、申し訳ありませんわ!」

 

私の叫びに二人とも手を離すが、なぜか二人とも何かを求めるような顔をする。

ああ、この二人はもう駄目だ。私は天を仰いだ。

 

そして私は、

 

「いい加減してくださいよー!私がなにしたんですかー!」

 

そう言ってその場から逃げだした。

 


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