やはり俺の福引旅行はまちがっている。   作:EPIPHANEIA

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俺ガイル二次小説第9話です。

今回から、1日目の夜の部の物語になります。

宜しかったら、是非閲覧のほう、お願い致します。

いつも、閲覧して下さる皆様、感想を書いて下さる皆様、お気にいり登録して下さった皆様、ありがとうございます。


第9話

~ホテル・501の部屋~

 

八幡「つ、疲れた……。」バタン

 

いろいろあった1日めの札幌市街観光を終えて、ようやくホテルの部屋に戻ってきた途端、俺は大の字になってベッドに倒れこんだ。

 

『もう疲れたよ、パトラッシュ……』――――今の気分を例えると、本当にこんな感じである。衛○士○さんやイ○ヤ達に会えたという嬉しい奇跡があったものの、全体的には荷物持ちばっかりやらされて、疲労感が半端ない。

 

川崎と手を繋いでいる所を他のメンツに見られ、あれから俺と川崎は、必死に釈明をしていた。

 

奈呼さんと璃夢さんはすぐ信じてくれたが、その2人以外には一向に信じてもらえず、最終的には川崎のカメラで撮影した写真+璃夢さんの証言で、ようやく信じてもらえたのだ。(イ○ヤ達ヒロイン4人娘と一緒に写った写真や彼女達との2ショット写真、川崎との2ショット写真の事では、いろいろ言われたが。)

 

しかし、信じてもらえる事は出来たものの、納得させる事はまた別の話で、俺はまたもやアイツらが商店街で買った荷物を持たされる羽目になった。

 

その件に関しては、川崎も『アタシにも責任があるから』と言って引き受けようとしていたが、俺はそれを断った。だって、女の子に優しい正義の味方の士○さんにあった直後で、そんな事をやらせてしまったら、士○さんやイ○ヤ達に申し訳が立たないじゃないか。(それで、何故かまた、川崎が顔を赤くしていたり、雪ノ下姉妹・由比ヶ浜・一色・留美辺りが頬を膨らませていたが。)

 

そして、マイクロバスでホテルに戻り、アイツらの買った荷物を部屋まで運び終えた俺は、自分の部屋のベッドに倒れこんだという訳だ。

 

八幡「やっべ………すげぇ眠くなってきた………。」

 

倒れこんだ直後、もの凄い睡魔が襲い掛かってくる。やっぱり、相当疲れたんだろうな………。

 

八幡「まぁ、いいか……。今日は、もう何処かに行くなんてないだろうから………。」

 

俺は、その睡魔に身を任せて、深い眠りに入り今日の疲れを癒やそうととした。しかし、

 

プルルルルルルルルル!!!

 

八幡「………あん?」

 

突然、ホテルの部屋に置いてある電話の着信音が鳴り響き、眠気が少し吹き飛んでしまう。

 

八幡「何だよ、まったく……。」ガチャ

 

気だるいものの、俺はその電話に出る事にする。

 

八幡「はい。」

 

結衣『あっ、ヒッキー!?今からみんなで……』ガチャン

 

……では、寝るとするか……。

 

プルルルルルルルル!プルルルルルルルルルルル!!ガチャ!

 

八幡「何だよ!?」

 

結衣『それはこっちのセリフだし!!何で電話切っちゃうの!?』

 

八幡「悪いけど、ホテルの中で遊ぶならパスだ。お前らだけで楽しんでこい。」

 

結衣『違うよ!ビュッフェだよ!今からみんなで、晩御飯食べようって事!!』

 

八幡「はぁっ?そっちかよ?それだったら、悪いけどお前らだけで先に行ってくれ。俺は後でぼっち飯を堪能するから。」

 

結衣『何で旅行に来てまでぼっち飯だし!?もういいよ!そんな事言うんだったら、こっちにも考えがあるんだから!』

 

八幡「あん?何だよ、考えって?」

 

俺の質問に電話の向こうの由比ヶ浜は答えなかった。代わり、別の人物が電話に出る。

 

小町『……おにいちゃん。』

 

八幡「へっ?小町……?」

 

小町『……おにいちゃんが一緒にいかないんだったら、小町も晩御飯食べない。結衣さんや他のみんなは勿論だけど、おにいちゃんと一緒に楽しくご飯食べたいから…………。』

 

八幡「い、いや、ちょっと待て!別に俺が一緒に行かないからって、小町が食べない理由には……。」

 

留美『……私も八幡が行かないんだったら、行かない。八幡と一緒に美味しいご飯食べたい……。』

 

八幡「る、留美!?お前もかよ!?」

 

留美『……でも、食べたかったな……。北海道の海の幸や山の幸のビュッフェ……。ウウ……グス……』

 

小町『……そんなビュッフェ、この先食べられるかどうか分からないのに……。ヒッグ……エッグ……』

 

八幡「だーっ!!分かった、分かった!!俺も一緒に晩御飯行くから!だから、泣かないでくれよ!!晩御飯食べないなんて、悲しい事言わないでくれ!!」

 

そういう事かよ……!確かに小町と留美の最年少コンビにそんな事言われ泣かれてしまっては、俺に断る事なんて出来ない。というより、俺以外の奴がこの2人を泣かせたと聞いたら、ソイツは間違いなく万死に値する。

 

八幡「やってくれたな、由比ヶ浜め……!アホの子の癖に……!!」

 

結衣『誰がアホの子だし!?』

 

あっ、ヤベェ。思わず心の声を口に出してたか。っていうか、いつの間に由比ヶ浜と代わってたんだよ。

 

結衣『とにかく、ヒッキーも早く来てよ!みんな準備して、あたしと沙希の部屋にいるから!』

 

八幡「……分かったよ、少し準備してから行くから、待ってろ。」ガチャン

 

こうして、俺は眠気覚まし代わりと疲れをとるためのシャワーを浴びて、着替えてから隣の502の部屋で他のメンツと合流して、全員でビュッフェのやっている会場に向かったのだった。

 

せっかく、寝ようとしてたのに……。ホテルの時ぐらい好きにさせてくれよ…………。最も、今の電話で眠気なんてなくなっちまったけどな…………。

 

 

 

 

 

~ホテル・ビュッフェ会場~

 

めぐり「うわあ~!凄いね~!まるで、結婚式の会場みた~い!」

 

陽乃「めぐり、『みたい』じゃなくて、むしろそうだから。この会場、結婚式でも結構使われているみたいよ。」

 

沙希「へぇ、そうなんですね。大志やけーちゃん達も連れていきたいな……。」

 

小町「大丈夫ですよ、沙希さん。おにいちゃんとここで結婚式をあげればいいじゃないですか♪」

 

留美「ちょっと待って、小町さん。何で八幡と沙希さんの結婚式なの?私と八幡の結婚式でしょ?」

 

いろは「そ、それも違いますよ、留美ちゃん!むしろ、私と先輩の結婚式でみんなを招待しますから!!」

 

結衣「いろはちゃん?どさくさに紛れて、何言ってるのかな?あ、あたしとヒッキーのけ、結婚式に……」モジモジ

 

雪乃「由比ヶ浜さんも一色さんも川崎さんも鶴見さんもやめておきなさい。比企谷君とここで結婚式をあげたら、破産しかねないわよ。そ、それなら、私が……」ゴニョゴニョ

 

ビュッフェの会場に来た俺以外のメンツは、その会場の凄さに感嘆している。確かに、内装も広く隅々まで綺麗で、ここで結婚式をあげたいと思えるのも、納得出来るくらいの会場だ。

 

しかし、『女3人寄ればかしましい』って言うけど、本当にコイツらの為にあるような言葉だよな。8人いるから、それも倍以上になっているが。あと、何人からかは俺が勘違いしそうな事を言っているが、敢えて聞かなかった事にする。

 

そうして、係の人に席に案内されて、俺達は並んでいる料理を見て、またもや感嘆とする。

 

海の幸では、ウニやイクラ、蟹や鮭を使った料理といった定番のものをはじめ、いろんな魚介類の料理が豪華に並んでいる。

 

山の幸でも、ふきやたけのこの煮物、舞茸やタラの芽の天ぷら等、北海道ならではの山の幸の料理が美味しそうに並んでいた。

 

その他にも、じゃがいも料理やジンギスカン等、北海道の定番料理がいろいろと取り揃えており、まさに北海道料理の展覧会かと言わんばかりの品揃えであった。

 

めぐり「うわぁ~。こういう料理見ると、改めて北海道に来たんだって感じがするね~。」

 

留美「本当に美味しそう……。全部食べちゃいたいぐらい……。」

 

小町「る、留美ちゃん。それは流石に無理だと思うよ。確かに小町も同じ気持ちだけど……。」

 

沙希「大志やけーちゃん達に食べさせてあげたいな……。」

 

結衣「さ、沙希……。大志君やけーちゃんばっかりになってるよ……。」

 

雪乃「でも、鶴見さん達の気持ちも分からなくはないわね。確かに美味しそうですもの。帰ったら、作ってみたいぐらいだわ。」

 

いろは「あー!いいですね、それ!雪ノ下先輩の料理って美味しいって聞きますから、是非作ってみてくださいよ!私も作ってみようかな♪」

 

陽乃「いいね~♪帰ったら、奉仕部主催でみんなでやってみたら?北海道料理コンテスト。勿論、私も行くからね♪」

 

おい……美味しそうなのは分かるし、事実美味しいとは思うけれど、それで奉仕部主催で北海道料理コンテストやるっていうのは、マジで勘弁してくれ。

 

雪ノ下や川崎辺りならまだしも、由比ヶ浜のも食べるなんて、罰ゲーム以外の何物でもないじゃないか。ましてや、魚介類の生物なんて使った日には、俺、マジで食中毒で入院する自信まであるぞ。

 

そして魔王、アンタもちゃっかり参加しようとしてんじゃない。

 

八幡「まっ、まあ、見るだけっていうのもなんだし、とにかく食べようぜ。」

 

俺がそう言うと、全員がそれぞれ料理や飲み物を適当に取り出して、テーブルに運ぶ。そして、全員が席についた時に陽乃さんに促され、俺が『いただきます』と言おうとした時だった。

 

ピリリリリ……

 

陽乃「あれ?静ちゃんだ?みんな、ちょっとゴメンね。」

 

陽乃さんの携帯に、平塚先生からの着信があった。俺達に謝りつつ、陽乃さんは電話に出る。

 

陽乃「ひゃっはろー!静ちゃん、久しぶりだね!どうしたの?」

 

静『久しぶりだな、陽乃。たまには、お前を飲みに誘おうと思ったんだが、どうだ?』

 

陽乃「あっ、ごめーん。誘ってくれたのは嬉しいんだけど、今、旅行中なんだ。」

 

どうやら、平塚先生は陽乃さんを飲みに誘おうとしていたらしい。それは何の問題も無いはずだった。しかし、その刹那、陽乃さんは俺の方を見てほくそ笑みながら―――――

 

静『旅行……?珍しいな、お前が旅行だなんて。まさか、1人旅か?』

 

陽乃「違うよー。比企谷君と北海道に行ってるんだよ。婚前旅行でね♪」ドンガラガッシャーン‼

 

静『………………………………………………はっ?』

 

――――まさに、核爆発級の爆弾を、この場にいる全員に投げつけてきたのだ。陽乃さんの言葉に、俺達全員が盛大にコケてしまう、料理の皿をひっくり返す等のギャグ漫画やコントのような反応をしてしまう。

 

静『ひ、ひ、ひ、ひ、比企谷と、こ、こ、こ、婚前旅行だと!?』

 

陽乃「そーだよー。私、比企谷君と結婚を前提にしたお付き合いを……」

 

て、て、て、て、ていうか、なんば言いよっとかいな、この魔王様は!?

 

思わずニセ福岡弁を心の声で叫んでしまいそうな位の言葉を、陽乃さんは平塚先生に話していた。

 

おい、マジでやめてください、魔王様!そんな事言ったら、今度平塚先生に遭った時に、『ここで会ったが百年目だな!!』とか言って、殺されちゃいます!!

 

雪乃「何、馬鹿な事を言ってるの!?姉さん!!」

 

結衣「そうですよ!!これは小町ちゃんと留美ちゃんと城廻先輩の卒業記念旅行じゃないですか!」

 

いろは「大体、何で先輩とはるさん先輩が、結婚を前提にしたお付き合いをしているんですか!?」

 

そんな時、雪ノ下・由比ヶ浜・一色の3人が、陽乃さんに対して声を大きくして抗議をしていた。周りのお客さんやホテルの従業員達から、『また、アイツらか……。』と言いたげな呆れた視線を感じるんだが……。

 

沙希「比企谷、どういう事!?」

 

留美「八幡、ちゃんと説明してほしいんだけど……。」

 

って、サキサキにルミルミ、お前らもか!?なんで、そんなに睨み付けながら怒ってるんだよ!?

 

八幡「い、いや、落ち着け、お前ら。どう考えても、陽乃さんの戯言じゃないか。」

 

めぐり「そ、そうだよ、みんな。比企谷君、私は信じてるからね。ちゃんと説明してくれたら。」

 

八幡「そ、それって、説明しない限りは信用しないって事ですか!?」

 

大天使・メグリエル先輩、貴女もですか!?ある意味、1番ショックですよ!?貴女が1番信じてくれそうなのに!!

 

小町「うーん。流石、陽乃さんですね。小町的にポイント高い♪」

 

いやいやいや!八幡的には、全然ポイント高くないからね、マイシスター!

 

静『……………………陽乃、電話を切るぞ。邪魔して悪かったな…………。』

 

陽乃「あっ、わかったよー。お土産買ってくるから、期待して待っててねー!」ピッ

 

雪乃「ちょっと、姉さん!どういうつもりなの!?」

 

陽乃「いやー、お昼は沙希ちゃんにしてやられちゃったからねー。ここら辺で、少し挽回しとかないとって思ってね。」

 

沙希「し、してやられた!?な、何を言って……!?」

 

陽乃「決まってるじゃない。迷子探しを兼ねた2人きりのデートよ。」

 

八幡「デ、デート!?違いますよ!あれは本当に迷子探しで、あの子やその家族の人達もいたし、俺と川崎がデートなんて……!」

 

沙希「…………」

 

あのー……川崎さん、川崎さんの為に弁護してるのに、なんでそんなに睨み付けてるんですか?それに、由比ヶ浜や一色や留美も頬を膨らまして怒ってるし、雪ノ下と陽乃さんも何時にも増した冷たい視線だし、小町と城廻先輩にも苦笑いだし……。

 

「ママー。あのおにーちゃんとおねーちゃん達、またケンカしてるよー。」

 

「しっ!見てはいけません!」

 

……近くで晩御飯食べてるお母さんにお嬢ちゃん。そんなママアレのテンプレのようなやり取りしないでください。マジで泣きそうなんですが。それに、『また』って事は、昼間のフロントの騒ぎも見ていたんですか?

 

そんな騒ぎの後、俺達は晩飯を食べたのであった。確かに、美味しかった事は美味しかったのだが、あんな騒ぎを起こした後じゃ、その美味しさも堪能出来ないですよ、マジで。そんな中でも、俺以外のメンツは、俺より食べていたけどな。コイツらの神経、図太いにも程があるだろ…………。

 

 

 

 

 

 

 

~ホテル・廊下~

 

八幡「はぁ……やっと、静かに過ごせるな……。」

 

俺は、ため息をつきながら1人ホテルの廊下を歩いていた。

 

食事が終わってから、女性陣は全員でプールと温泉に遊びにいった。

 

俺は即座に、「もう、荷物持ちで疲れてるし、眠いから寝る」と言って、断ったけどな。

 

八幡「流石に、今日はもう何も起こらねぇだろ……。マジで寝よう……。」

 

俺が自分の部屋の前に立ち、まさに部屋のカードキーで開けようとしたその時だった。

 

?「うおおおおいいいいいい!!ちょっと待ってくれーーーーー!!」

 

八幡「えっ!?」ビクッ

 

突然、スーツ姿の男が俺に向かって猛ダッシュしてきたのだ。

 

八幡「ど、どうしたんだよ?アンタ、いきなり……?」

 

?「ハァ……ハァ……!お、お前を男と見込んで、頼みたい事がある……!」

 

八幡「な、何だよ!?」

 

?「一生のお願いだ……俺をお前の部屋に匿ってくれ!!」

 

八幡「……はぁ!?」

 

突然現れた謎の男の出会い、それが俺にとっての『いろんな意味で最悪な夜』の始まりになる事を、この時の俺は知るよしもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

――――おまけ・第7話――――

 

~夜・すすきの周辺~

 

璃夢「う~ん、やっと今日1日が終わったね、姉様。」

 

奈呼「お疲れ様、璃夢。初現場としては、凄く頑張っていたと思うわ。」

 

璃夢「え~。そんな事無いよ。八幡君達をホテルに送った後、事務所に帰って、反省会とかやったじゃない。」

 

奈呼「お客様が迷子の家族を探しに行かれるという事自体、イレギュラーどころか私の経験上、前代未聞の事例だから仕方ないわ。私と璃夢にも至らない所があったのも事実だけどね。私もまだまだ未熟だって思い知らされたわ。」

 

璃夢「そうなの?でも、姉様が未熟だったら、私なんてそんなレベルじゃないよ。姉様はうちの人気No.1ガイドどころか北海道人気No.1ガイドなのに。」

 

奈呼「やめて、璃夢。私、そんな風に全然思ってないから。」

 

八幡達のガイドをしていた奈呼と璃夢が、仕事を終えてすすきのに来ていた。

 

八幡達をホテルに送っていった後事務所に戻り、日報を書いたり反省会をしたり等の事務仕事をした後、晩御飯を食べる為にすすにのに足を運んでいた。

 

璃夢「それにしても、八幡君達って凄く良い人達だよね。私のバスガイドデビューが八幡君達で良かった。」

 

奈呼「そうね。璃夢は恵まれているわよ。私が今までガイドしてきたお客様の中でも、本当に良いお客様だと思う。」

 

璃夢「へぇー、姉様がそう言うんだから、きっとそうなんだろうね。だったら、八幡君達に『楽しい旅行だった』って思えるような旅行にしなくちゃいけないね。」

 

奈呼「その為には、八幡さん達にそう思って頂けるように、私達が努力しなくちゃいけないわよ。分かってるわね、璃夢?」

 

璃夢「勿論だよ、姉様!まず、明日は寝坊して遅刻しないようにするから!」

 

奈呼「……貴女はまず、そこから直しなさい。璃夢。」

 

奈呼と璃夢の八幡達の印象は、非常に好意的なものだった。彼女達は、八幡達に『楽しい旅行』を過ごして貰いたいと思い、明日からの仕事に臨もうとしていた。寝坊の事で、奈呼が呆れていた事もあったが。

 

璃夢「ところで姉様、八幡君って誰の事が好きなんだろうね?」

 

奈呼「えっ?何言ってるの?璃夢?」

 

璃夢「だって、気にならない?8人の可愛い美少女達の中に男の子1人で来ているんだよ?小町ちゃんは妹みたいだけどね。あの中に、恋人か好きな人がいるんじゃないかなって思って。」

 

奈呼「それは分からないわよ。あくまで八幡さんのプライベートな問題だから。私から見たら、女の子達全員が、八幡さんの事を好きなのかなとは思うけどね。」

 

璃夢「あっ!やっぱり!?姉様もそう思っていたんだ!みんな、八幡君の事大好きみたいだよね~!陽乃ちゃんと雪乃ちゃん、それに結衣ちゃんといろはちゃんと沙希ちゃんって、八幡君の事追い掛けて来たのかなって思っているもん。めぐりちゃんと留美ちゃんも凄く惚れてるっぽいし。あと、小町ちゃんもブラコンで、『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ない』とか。」

 

奈呼「コラ、璃夢。私達の間だけで話すのはいいけど、その事を八幡さん達の前では、言ったらダメよ。」

 

璃夢「分かってますって。仮にもお客様だからね。」

 

彼女達は、八幡達の関係についていろいろと推測していた、その時だった。

 

「おい、コラ!テメェ、何なんだよ!?その子の彼氏か!?」

 

「……そ、そうだよ!コイツは俺の彼女だよ!!何か文句あんのか!?」

 

奈呼・璃夢『えっ……?』

 

彼女達とそう遠くない距離から、男達が言い争いをしている声が聴こえてくる。しかも、後から聴こえてきた声は、聞き覚えのある声だった。その声が聴こえた方を彼女達が振り向いてみると

 

奈呼「えっ……八幡さん!?」

 

璃夢「あれ!?ホントだ!っていうより、八幡君の隣にいる男の人と女の子……!?」

 

そこにいたのは、数人の男達に囲まれている八幡の姿、そして、八幡の隣にいるのは、一緒に旅行に来た8人ではない、『知らない男』、そして、『知らない女の子』がいたのであった。




以上、第9話でした。

八幡と出会った男は何者なのか?

奈呼・璃夢姉妹が見掛けた、八幡と共にいる男と女の子の正体は?

そして、八幡にとっての『いろんな意味で最悪な夜』とは果たして?

では、また次回お会いしましょう!


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