ちょっとリアル忙しくて雑かもです。
駄文ですが、どうぞ
「御用だよ!」
言葉と同時に勝手に玄関の扉が開く。安穏とした土曜日という2連休初日の朝は急に崩れ去った。この声は……、
「どした、小町?」
「最近お兄ちゃんの成長を見に来たよ! とりあえずお茶とお菓子が欲しいかな!」
「来て早々、そんなセリフを吐いて、お兄ちゃんの安穏を汚すとは……、まぁいいけど…。」
というか小町ちゃん? お兄ちゃんが着替えてたら大惨事ですよ。主に俺の精神が……。
「最近、お兄ちゃんに構ってもらえなくて寂しかったんだよ~。受験生とは言え……きついよぉ~」
そう言って部屋の中で駄々をこねる子供のように、じたばたを始める……小町ちゃん、スカートめくれそうですよ。そんなはしたない子に育てた覚えはお兄ちゃんありませんよ。
「はいはい、これでいいか?」
適当に家にあった甘いお菓子と飲み物を出す。よかった。まだ来客用のお茶菓子とか残ってて…。
「わーい! お兄ちゃん大好き! それで最近はどうなの?」
「最近?」
「ズバリ! あの4人と何か進展あった?」
「……ないな」
「文化祭、色々やらかしたらしいじゃん……お・に・い・ちゃ・ん」
「ゲホゲホ! お前なぜそれを……」
「そりゃね、もうあの4人カンカンに怒ってたから……まったくごみいちゃんはこれだから……謝ったの?」
戸塚と別れたとこまでは覚えてるんだが……実はその後家に帰ってからの記憶がどうも曖昧なのだ……具体的に言うとあまりの恐怖に記憶が飛んだと行った方が近い。ちなみに戸塚の告白ボイスは目覚ましのボイスで使っています。すばらしい……材木座には感謝しかない。
「実はあの時の記憶があいまいなんだ……でもあれは一応材木座のせいでもあるからな。よって謝る必要性はないと思うんだ……」
「うわぁ……さすがだ……その辺の責任を全部中二さんに押し付けるなんて」
「まぁ、事実だからな、それに……」
「それに?」
「いや、なんでもない」
まぁ、家に帰ってからの記憶が恐怖で飛ぶくらいの恐ろしい体験をしたんだ。とりあえずそれで勘弁してほしいところではある。
「まぁ、いいや。みなさん頑張ってるから……お兄ちゃんも戸塚さん好きなのは良いけどほどほどにね。さてと! 小町帰るね!」
「は? ずいぶん早めにかえるんだな…」
「うん、まだまだ忙しいからさ、それじゃね~」
そういうと、小町は帰ってしまった。嵐だったな……。お菓子全部食べてやがる…。
~次の日~
ピンポーン
朝からなんだろうか……俺の大事な二度寝タイムを邪魔するとは……しかし、我慢だ……居留守戦法で行こう。Amazonさんでの注文はしてない。つまりあれを開けたら面倒事へとダイブが確定するものだ……そんなもんお断りだ。強き意志を持ち布団をかぶる。うん、二度寝最高。
「開けなさい」
玄関から聞こえるどこか冷たい声……その声に体がなぜか震え始める。
「比企谷君開けなさい、もし居留守使ったのが私に知れたらどうなるかは自明の理よね。」
布団から出て立ち上がる。さて、開けますかな。自明の理とか分かんないけどとりあえず危険な香りしかしないのは確かだな。うん、本当にわからん。鍵を開き、玄関を開ける。
「あら、ようやくお目覚めかしら?」
「朝っぱらから脅しといてそのせりふ……というかお前その恰好……」
「……似合ってないかしら?」
雪ノ下はなぜかコスプレをしていた。
「まぁ、お茶どうぞ」
「あら、ありがとう」
「それで、何かようなのか?」
すると、雪ノ下はため息をついて、頭を抱えた。ちなみに雪ノ下の恰好は多分魔女かな……オーソドックな山の上で薬作ってそうなやつだな…胸元は強調するような恰好ではないが、足やくびれなどのラインが見えて目のやり場に困る。そんなことを考えてると雪ノ下は俺のほうを向いて
「と……トリックオア……トリー…ト」
顔が真っ赤である。恥ずかしいならやらなきゃいいのに……。というか今日ハロウィンか。
「お前、それやりに来たのか?」
「ええ、そうよ。お菓子もらえるかしら?」
「お、おう……ちょっと待ってなって……あれ?」
この前の小町の来襲でまさかの菓子類の全滅してるだと……待て、これはもしや……。
「あら、お菓子がないのかしら? シスコン谷君?」
仕組まれてたぁぁぁ!
「仕方ないわね、お菓子がないなら悪戯するしかないわね。」
いや、もうウキウキじゃないですか。やだー。というか仕組んでるよね。俺の家のお菓子を全滅させるために小町に頼んだんだよね。まさかのハロウィンでお菓子目当てじゃないとかなんですか?なんなんですか! そういうのはもうちょい間隔あけてやってください。そういうの無理です。
「じゃあ体で支払ってもらおうかしら。」
そういうと、俺のほうに近寄ってくる。お前その恰好で近づかれると、色々問題なんですけど!
「ほ……抱擁を求めるわ……あと、頭をなでてもらえると……その」
あ、なんか予想以上に普通のお願いだったな……いや、これ俺の頭おかしいだろ。
「おう、お菓子ないし、仕方ないからな。」
そう、これは決して仕方ないことであって、俺のせいじゃない。雪ノ下を抱きしめ、空いてる手で頭をなでる。あれ、俺手馴れてない? 気のせい?
「……はふ……」
一回、頭をなでてかというもの……ずいぶんとお気に入りだな……そのまま髪を手櫛をするようになでていく。本当にこいつの髪は綺麗だな。10分ほどたつと、俺を突き放すように手を俺の胸に当てて押しのけてきた。というか30分も経過してた。時間間隔忘れるくらい手櫛してたのか。なんだろう、麻薬的な効果が雪ノ下の髪の成分にあるのだろうか?
「もう……いいわ……私はもう帰るわね。それと……これ」
もう恥ずかしさがMAXなのかはわからないがもう真っ赤っかである。そして、俺に一つの包みを渡してきた。これはクッキーか?
「今日はハロウィンだから、これおいておくわね。」
そういうと、雪ノ下は立ち去った。これで終わり?随分とお早い退散だな…。
とりあえず次の人が来る前にお菓子を買いにいかないと大変なこと…ピンポーン……だから間隔が狭いな!くそ、買いに行くスパンを俺に与えない気だな。
「ハッピーハロウィン!」
そう言って俺の前に飛び込んできたのは雪ノ下さんである。恰好は小悪魔という言葉がよく似合う恰好だ。後ろに小さい翼も生えてるし、三又の槍も持っている。案外……普通……じゃないな……マントの下がもうビキニだ。ビキニアーマーだ。
「寒いから入れて入れて…」
そりゃ、そんな格好ならそうなるだろ…。よくその格好する気になったな……。こも季節に……。
「早速だけど、トリック,オア,トリートだよ。お菓子もらえるかな?」
お菓子がない……これはもう罰ゲームが確定……じゃない! そういえば、さっきもらったぞ……クッキー。
「さっき、雪ノ下からもらったクッキーなんですけど……食べます?」
「食べる食べる、けどね……自分で用意しなかった比企谷君には~~」
そういうと、俺の膝の上に座ってきた。しかも横に座りながら両手を首の後ろに回してくるという俺の愚息を尻の下に引くという……理性を削りにきている。だから、マント閉めましょう。本当にいろいろ見えそうです。
「あーん、早く早く!!」
俺の膝の上でその尻を動かされるといろいろ問題が発生しかねないのでやめましょう。というかやめさせないとまずいな。クッキーの包装紙を開けて、クッキーを口に運ぶ。すると、
「あむ」
指も食われた。
「ちょ、何してるんですか!」
「ふっふっふ、あーんくらいで止まると思ったか、まだまだ甘いぞ、さぁさぁ、クッキーがなくなるまで! あーん!! じゃないと……ほらほら」
おしりをぐりぐりと動かし始める。この人完全にわざとだ……。
「クッキーなくならないと、これ終わらないからね。」
おぞましい一言を言われ、そこからまたも30分ほどあーんの強要された。俺の理性はもうタングステン並みではないだろうか……。
「そろそろ時間だから帰るね、じゃあまたね。」
クッキーを食べ終わると、そそくさと雪ノ下さんは去っていった。雪ノ下と雪ノ下さんの強襲に1時間程度しかたっていない。マジで台風なんだけど……。いやもうハリケーンとかサイクロンとかそんなところ…。
ピンポーン
強襲3回目……すでに体力的にいろいろ来てるんだが……居留守は使えないしなぁ。
「ヒッキー、やっはろー!」
3回目の強襲は由比ヶ浜か、恰好はオオカミ女ってところか……尻尾がついていて耳と手袋それにちょっと露出が激しい。まぁ、あのビキニに比べれば……いや、これも大分露出してる。
「ワンワンじゃないや、えーと……なんだっけ?」
どうやら、こいつはハロウィンで使われる用語を忘れたらしい。一体何しに来たのだろうか?
「そうそう、トリック,オア,トリートメントだっけ?」
「残念だが、俺の家はリンス入りシャンプーなのでリンスはない。」
「え? なんの話してるの。ヒッキー ハロウィンはお菓子をもらえる日だよ。リンスなんて欲しがってないよ。」
こいつの女子力は多分53くらいの虫レベルではないのだろうか? 女子力ってどこかで測定できませんかね? 俺の方が高い自信あるわ。
「トリック,オア,トリートな。お前は本当にアホの子だな。」
「な、もういいもん! そんなことより、お菓子くれなきゃ悪戯しちゃうぞ!」
「あいにく、菓子切れだ。悪戯はどうすんだ?」
どうせお菓子はない。下手な抵抗は無駄だろう。
「ふっふっふ、ではヒッキーこちらへどうぞ」
そう言って、由比ヶ浜は正座をして、自分の膝を手でポンポンたたいている。膝枕されろってことか。うーん気恥ずかしいような気もするんだが……今までのと比べると普通に見えてしまう。この感覚なくしたい(2度目)。
「では、失礼するね。」
そう言って胸の間から耳かきを取り出した。おい、ちょっと待て。今、どっからだした。耳かきされるよりそっちの方が気になるぞ。お前は不二子ちゃんか!
「うーん、胸が邪魔で見えづらい、ちょっとヒッキー動かすね。」
なんだ、その夢のある発言は……その発言だけで誰もが夢の国に行けるぞ。すると、耳かきが耳の中に入ってきた。いや、ちょ、くすぐったい……
「おかゆいところはありませんか?」
「いや、そういう……のじゃ……クフ」
「ヒッキー、掃除しなきゃダメだよ。もうしょうがないなぁ~」
そっから、ちまちまと片耳30分計1時間耳掃除をされた。
「じゃあ、ヒッキーまたね。」
耳掃除を終えると満足そうに、由比ヶ浜は帰って行った。強襲はあと1回あるだろう。多分、一色が来ると考えると、ここで待ってるのがいいか。どうせすぐ来るだろ。
~~夜~~
おかしい、いつもなら真っ先に来るようなやつなのに……今日はもうないということでいいのか? 一応明日1限だから早めに寝とくか。お菓子も用意したんだけどな。悪戯されないために……。
ピンポーン
遅い到着だったな、まぁここまで来たのなら最後までお付き合いしてやるのが、大事だろうな。
「先輩~こんばんは~」
「遅かったな、ほかのやつら朝方に来たぞ」
「ちょっと仮装に手間取りまして~」
そういう一色の恰好は吸血鬼の類だろうとは思う。足やくびれなどが見えるがそこまでの露出ではない。ただすごいミニスカではある。
「まぁ、あがれよ」
「良いんですか?」
「どうせ、追い返そうとしても入ってくるくせに、今更その発言かよ。」
「あはは、ばれてましたか」
そう言って、部屋に入ってくる。なんかこいつにしてはおとなしいような……
「先輩」
「なんだ?」
「ハロウィンでよく言われる言葉を言ってみてください。」
「トリック,オア,トリートか?」
「はい、正解です。先輩ごめんなさい~」
「何が?」
「私お菓子ないんです。だから~」
そう言ってスカートを少したくし上げ始めた。え?
「悪戯してくれていいんですよ。せんぱい…」
そう言ってスカートを持ちあげながら近づいてくる一色……待ってください。パンツは見えてないから大丈夫ってそこは問題じゃない! いや、そのお菓子とかいらないんでほしいのは休みとかなんで……顔が赤い…なんかもう周りにものすごいピンク色の空気が見える。やべぇ……。
「先輩、触ってもいいんですよ……」
そんなことを考えてる間に一色の体がゼロ距離まで近づいていた。
「いいんですよ。先輩……」
俺の手を取って、胸のところまでもっていこうとする、その瞬間、刹那
「「「ちょっと待ったー!」」」
「ちっ」
玄関のドアが思い切り開かれる。待ってくれ。助けてくれるのはありがたいが、俺の玄関がもう玄関として機能してない。というか舌打ち聞こえたんだけど。
「一色さん、裁縫遅れてるとか言って時間を変えたのは邪魔が入らないようにするためとはね。しかも全員が退散した後にこっそり来るなんて、ちょっとずるいんじゃないかしら?」
「うーん帰ったと思ったから行動に移したんですけどね。」
「解散したけどなんとなくもう一回集まったんだよ。虫の知らせってやつかな。」
「まぁ、私もそっちの立場なら、そういう感じになりましたから分かりますけど~。でもせっかく出し抜けそうなとこまで行ったんだし、ちょっと悪戯しようかな。」
そういうと、一色は何かを企んだ笑みをして、俺の首に手を回し、首筋に吸い付いた。あ、やめ、ちょ……
「ぷは、マーキング完了です!」
「い……いろはちゃん何してんの!」
俺の首筋にうっすらとだが赤い腫れが出来ている。お前……これ……
「私は今日は吸血鬼ですよ~だから先輩の血もらっただけです~」
そういって、今日一番のあざとスマイルである。しかもウィンク付き。俺とそして周りに優越感を見せるがのごとく、素晴らしいスマイルである。マックのスマイルは0円だけどこいつのは10000円とか取られそう。どこのキャバクラだよ。
「あんなのを見せられたら引き下がれないわね。」
「うん、私もまだまだやることあるかも!」
「とりあえず、今日はみんなで泊まろうか。」
「賛成で~す!」
家主の意見は一切聞かないで泊まることが決定したらしい。俺明日1限なんだけど……。
OVAを見たせいでなんとなく一色が書きたくなったんですけど、ハロウィンだし、全員出したくてこんなことになってしまった。早足で書きすぎた。
2回に分けるほどのボリュームにはなりそうになかったからこれはこれで仕方ないのかな?
まぁ、ハロウィン終わったのにハロウィン回してもしようがないし、これでよかったのかもしれない。
しかし、甘いシチュの使いすぎて八幡君が慣れてしまった可能性が……w
というわけで恒例の謝辞を
今回も読んでいただいてありがとうございました
これからも応援よろしくお願いします