やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

16 / 43
というわけで後編スタートです
駄文ですが、どうぞ


16 今日の雪ノ下雪乃は何か違う 後編

見間違いという言葉がある

錯覚という言葉がある

幻覚という言葉がある

 

そうだ……

きっと疲れてたんだ……雪ノ下がこんな本買うはずが……

きっと小説であるに違いない……だっていつもの猫のブックカバーに入ってるし……

ブックカバーを取って、表紙を確認する……

 

『恋愛初心者必見! 恋愛マニュアル』

 

ダメだ……

俺の見間違いでも錯覚でも幻覚でもない……

 

……まさかと思いたいが、今日の雪ノ下が違う理由はこれか?

いや、これに違いない……

とりあえず雪ノ下がまだ帰ってこないことを確認し

本のページをめくる

 

『まず、胃袋をつかみましょう! おいしいご飯を食べさせれば、たとえ相手が自分のことをどう思っていようとも好印象が必ず取れます! そこを狙ってデートに誘いましょう、もしそこで相手が答えを渋るなら、せっかく作ったのに~、と駄々をこねましょう、大半の男性は女性に何かをしてもらったら返さなきゃいけない義理感情に支配されているので、ここまで言ったらほとんどOKがもらえるでしょう』

 

まぁ、まだ序の口……

 

『相手をデートに誘えたら、必ず相手のイメージにない服をチョイスしましょう、相手はこちらの意外な一面に心動かすこと間違いなしです。相手が服をほめてくれないなら、その場で1回転しましょう。この本を買うあなたのような素晴らしい女性の想い人ならきっと気づくでしょう』

 

すいません、1回転は意味不明です

 

『絶叫系、もしくはお化け屋敷などは積極的にボディタッチを狙っていきましょう! 女の子の身体に触れられて嫌がる男などいるか、いや、いません!』

 

偏差値もっと低いな、これ……

 

とりあえず本を閉じる……

幸いにもまだ雪ノ下は戻っていない……

本を戻し、思考する……

つまり、雪ノ下はこれを頼りに今日の行動をおこしたということか……

これで今日の雪ノ下の行動の意味不明には理由がついた……

遊園地に着いてからが本番という意味が分かった……

 

正直な結論を言えば

どうすることも出来ないだろう……

俺がここで何かを言おうものなら鞄を見たのがバレる……

 

その場合……

あ、ダメだ……次の日俺の身体は東京湾かもしれない……いや、樹海か?

 

「何を考えているの?」

「うぉ!」

ひんやりしたボトルを首につけられ、変な声が出てしまった

自分の死体処理状況を考えていたら雪ノ下が帰ってきていたらしい

 

「はい、これ」

「おう、サンキューな」

雪ノ下からペットボトルをもらって飲む

「ふぅ、次何処に行くんだ?」

「そうね、少し小腹すかないかしら?」

「確かに……」

時間を見ると、15時である……意外と時間が経っていた……

 

「そこに休憩所があったし何か食べるのはどう?」

「そうだな」

対策は練れるわけではないし、従っておこう

 

 

「何を食べたらいいのかしら?」

「いや、食べたいの食べればいいだろ……」

「そういうわけにもいかないのよ」

休憩所の方は昼時を過ぎたからか、かなり空いていた

 

「あれは……」

「うん?」

雪ノ下は一つの屋台に釘づけになっている

「クレープだな……」

「あれがクレープ……」

「食べないのか?」

「いや、あまりそういうの食べたことがないというか……どうしたらいいのか……」

「普通に頼めばいいんじゃねーの?」

「そ、そうね……何がおいしいのかしら……」

「無難なのにしとけば?」

「どれもおいしそうね」

雪ノ下はクレープのメニューを見ながら楽しそうにしている……

こいつの楽しそうにする姿は新鮮だな……

「比企谷君」

「どうした?」

「私、イチゴ生クリームにするから、あなたはチョコ生クリーム頼まないかしら……」

「俺も?」

「こういうのは違うのを食べて感想を言い合うのがいいでしょ」

「まぁ、そうだが……なら俺はそこのMAXコーヒー生……「却下よ」なんでだよ……」

おい、すごく気になってたんだぞ!

仕方ない、従いますか……

 

「すみません、チョコとイチゴもらえますか?」

「はーい、少々お待ちください」

店員が手馴れた手つきで作っている

雪ノ下はうずうずしている……

「そんな楽しみか?」

「な! そんなわけないわ、何を言ってるのかしら……大体あなたの好みは毎度毎度おかしいと思わないのかしら……………ぺラペラ……」

やぶへびだった……

 

「お待たせしました、イチゴ生クリームとチョコ生クリームです」

届いたクレープを手に空いてるベンチに座る

 

「いただきます」

雪ノ下はイチゴのクレープをほおばる

「~~////~~」

あんな顔の雪ノ下初めて見た……すごくおいしそうに食べるな……

 

「比企谷君、食べないの?」

「あぁ、食べる食べる」

見とれてたから、食べてないとか言えるはずがない……

 

「ねぇ、比企谷君、その……」

「なんだ?」

「その……チョコも食べたいのだけれど……あくまでその興味があるというか……」

あぁ、こいつ食べたかったからチョコにさせたのか……

 

「ほら、食え……よ」

雪ノ下は差し出したクレープを取るわけではなく、俺のクレープに

かぶりついたのだ

 

「これもおいしいわね」

 

やって赤面していた……おい、それならやるなよ……

 

「食べたら、観覧車でもどうかしら?」

「観覧車?」

「ちょっと乗ってみたかったのよ」

「まぁ、いいんだが……」

その後、クレープを食べながら、最近の話で盛り上がった

 

 

 

「では、優雅な時間を~」

観覧車の従業員が観覧車の扉を閉める

ちょうど、夕日が見えるような時間帯、ロマンチックとはまさにこういうのを言うのだろう……

 

「あの……」

「何かしら?」

「なぜに隣に?」

「いいじゃない、別に……」

 

雪ノ下は観覧車に入ると向かいの席ではなく隣に座ってきた……

観覧車に乗りたい理由ってこれかよ……

さて、今日の雪ノ下は本のせいとはいえ、ちょっとおかしい……

というか……もしかして……

 

「なぁ、お前さ……」

「何かしら?」

「今日、無理してない?」

「え、急にどうしたの?」

「まぁ、何……お前らしくないというか……」

「そ……そうかしら?」

「気のせいならいいんだが、俺はその……」

「その?」

「いつものお前の方がいいというか……」

「……どっち?」

「え?」

「だから、どっちかしら?」

「いや、何がどっちなの?」

「今の私と、いつもの私どっちがいいの?」

「えーと、それは……」

「はっきり言って欲しい、じゃないと……」

「い……いつもがいいよ、お前らしい方がこっちもやりやすいしな……」

「そう……なら……」

 

そう言って、腕を絡めて、肩に頭を預けてきた

 

「あなたの言う通り、少し無理してたわ……だから……」

一呼吸おいて、雪ノ下が口を開く

 

「休ませて、観覧車が終わるまででいいから……」

 

 

その後、特に会話はなかったが

雪ノ下は夕日に照らされてとても綺麗だった

 

 

観覧車が終わると、雪ノ下が何かを思い出したように鞄からチケットを取り出した

「そういえば……」

「うん?」

「入るときここのゲームセンターのチケットもらったのよ」

「せっかくだし、行くか?」

「そうね、捨てるのはもったいないし行きましょう」

 

ゲーセンに入ると、UFOキャッチャー、レース系、クイズ系

結構いろいろあるな……

 

すると、雪ノ下はとある機械を眺めている

「やるか、これ?」

「え、でも……」

「お前らしい方がいいけど、それは遠慮しろって意味じゃない、だから……なんだ、今日は一日付き合う約束はしたからな、お前のしたいことをしろよ」

「ありがとう、それじゃ、やってみたいわ」

 

「すいません、これやりたいんですけど……」

「はい、チケットお預かりしますね、それではどうぞ」

そう言って、店員さんはプリクラを起動させて戻っていった

 

『どっちか選んでね』

画面には二人用と大人数用の二つのパネルが出てきた

「とりあえず二人を選ぶわね」

『フレームを選んでね』

「比企谷君、どれがいいかしら……」

「お前の好きなのでいいと思うが」

「じゃあ、全部猫にするわね」

全部かよ

『それじゃあ写真撮るよ、前の画面に映るように入ってね、それじゃ3、2、1』

パシャ

え、もう撮ったの?

 

『次、行くよ、はい3、2、1』

パシャ

「ちょっと待て、どうする……」

「どうするも何も、私もどうしたらいいのか……」

雪ノ下もこの状況に焦っている……

パシャ

おい、もう3枚だぞ……

 

『それじゃ、下の赤い線まで近づいてね』

「行きましょう、じゃないと写真に入れないわ」

言われた通りに近くに行く……

「これ、近くないか……」

「さっきよりは写真に集中はできそうだけど」

パシャ

「あぁ、おい撮られたぞ」

「比企谷君、カメラに集中よ」

「分かってるが、そこは笑顔じゃないのか?」

「その、私もどういう顔していいか分かんないというか……」

パシャ

「ラスト1枚になったぞ」

「……比企谷君、そこを動かないで」

「おう、分かったけ……ど……」

すると、頬にかすかな感触があった

「おまっ!」

パシャ

 

『撮影は終了だよ~、横の落書きコーナーに移動してね』

「お前……」

 

「私がやりたかったことだから……無理はしてないわ、行きましょ」

 

横の落書きコーナーに行くと……

これはひどい……なんというかはほとんどお互いカメラを見れていない

「まぁ、いいか、初めてだし、こんなもんだろ」

「そうね、適当に終わらすから、比企谷君は外で待っててもいいわ」

「分かった、じゃあ待ってるわ」

 

数分後

「終わったわ、これはい」

「おう、ありがとう」

プリクラを渡されたが、あれ何かおかしいような……

あんまし落書きもしてないし……?

「どうかした?」

「いや、なんでもない……」

「せっかくだから、帰るついでに、夕ご飯一緒にどうかしら……」

「いいぞ、何処で食べるか……」

 

こうして雪ノ下の暴走?

が起こった遊園地は終わった……

 

 

【another view 雪ノ下雪乃】

 

家に帰って遊園地で撮ったプリクラを見る

「やってしまったわ……」

唯一落書きをした6枚目を見る

そこには小さく、スキ、の2文字

書いた後に終了時間が来てしまい、消せないまま印刷されてしまった

仕方ないので、比企谷君の部分から切り取りごまかした

しかも大胆に頬にキスをしたやつだ

というか、こっちの方がやってしまったのでは?

 

しかしそんな悩みも

プリクラを見ると忘れてしまう……

 

「はぁ、恋って大変……でも……こんなにも嬉しいものなのね」

プリクラを見ながら笑みがこぼれる……今日は寝れるかな……

そんな気持ちを抱きながら眠りについた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




雪乃編、終了です
ちなみに恋愛マニュアルの文章ですが
あれは作者は雪ノ下を動かすために書いたものであって
決して真似はしないでください……
偏差値10もないです、やめましょうw

次回ははや誰だが分かってると思いますが
お楽しみに~

というわけで謝辞を
今回も読んでいただいてありがとうございました
これからも応援よろしくお願いします

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。