そのガチャ運をどうして前世で発揮出来なかったのかと(泣) 作:ふれんちとーすと
一部、誤字訂正いたしました。
ぶつかり合った剣は火花を散らす。
しかし、彼女はその勢いに乗せてそのまま身体を軸に一回転して横に斬りつけて来る。
僕は、それを身を屈めて躱すと剣を振り抜くが、手応えはない。
彼女は既に後ろに後退していた。
だが、彼女は動きは見えている。
クー・フーリンと鍛錬し続けていた成果が顕著に現れていた。
動体視力も反応速度も上がっている。
だが、驚いたのはそこではない。
何処から攻撃が来るのかなんとなく分かる。
おそらく・・・これが直感。
自身の研ぎ澄まされた感覚により察知してるのだろう、なんとなくそう思ったのもまた直感なのだろう。
すると、彼女・・・ゼノヴィアさんが驚いた様に話しかけてくる。
「まさか・・・見えているのか・・・私の動きが・・・!」
僕の目線を追われたのか、それとも偶然気付いたのかはわからない。
だけど・・・僕から言う事はたった一つだ。
「さあ・・・勝ってから聞きなよ」
そう言うと、僕はロングソードを構える。
剣が風により、その姿を消していく。
「来たぜ・・・要一の本気・・・!」
「イッセー君!あれは・・・あの風は何!?要一君の本気って!?」
驚いた様子のイリナと興奮しているイッセーの声が聞こえる。
だが、今は眼前の彼女だけを見ていないと失礼だ。
「・・・・すごい・・・すごいな君は!」
とても嬉しそうだ・・・だが
「行くよ・・・この一撃!止めれるものなら止めてみなよ!」
所で、僕とクー・フーリンとの戦闘で真っ先に軍配が挙がるのはどちらか?
当然、クー・フーリンである。
何故か、速さ、経験、力が全てケタ違いなのである。
下手をすれば瞬殺だ。
じゃあ、僕は何故彼と戦うことが出来るのか?
これが、その答えだ。
「
足に瞬間的に風を集め・・・一気に踏み込んで斬る。
単純な技で、技とも言えないかもしれない。
だが、この技はアルトリアではなく僕が作り出した技だ。
クー・フーリンとの闘いで速さを補い、確実に相手に当たる様に風の刃を当たったと同時に放つ。
ある日僕は考えたんだ。
スペックやアルトリアの技が使えても僕は僕なんだ。
彼女にばかり捕らわれてたら、自分が自分でいられなくなる。それは嫌だから・・・
僕が僕である為に、その為に覚えた技である。
刃が
・・・・え?
「・・・・・バカな!?エクスカリバーに・・・エクスカリバーにヒビが!」
・・・・・・・え?まじで?
あ、ゼノヴィアさんとイリナさんが泣き崩れた。
しかも、木場君が「・・・要一君!頼む!教えてくれ・・・!その技を!」って言いながら立ち上がって来てる。
ヤバイ、どうしようこれ。
「・・・・・・高槻要一君・・・いや!要一!」
ふぁ!?ゼノヴィアさんが手を掴んできた。
「是非!こっちに・・・教会に来てもらえないだろうか!こんなに胸の躍る闘いは初めてなんだ!」
え、いや、その
「また勝負しても良いけど・・・教会には・・・」
「言質取ったぞ!?また勝負しよう!要一!」
なんかめちゃくちゃ嬉しそうだ。
「ちょっと!?ゼノヴィア!?ちょっと何処へ行くのよ!?待って!?」
その後、ゼノヴィアさんを追いかけてイリナさんは一礼するとそのまま行ってしまった。
去り際に、イリナさんが木場君に渡してあげて?と、紙を渡して去っていった。
僕らは、それを見ると聖剣計画という事件のことを知った。
聖剣を使えるものを作り出す為に行われた非道な実験。
生き残ったのは木場君だけ。
木場君の復讐の理由がとても僕とは比べていけないものだと知って、少し罪悪感が湧いた。
その首謀者、ヴァルパー・ガリレイがコカビエルの仲間として来ている、そう知った瞬間に木場君に「あの技を教えて欲しい!お願いだ!」と、悲痛な叫びで言われたが、
とりあえず、概要だけ説明すると「ありがとう要一君・・・」と、嬉しそうに言った後、その目に覚悟を決めてそのまま学校の外へ行ってしまった。
果たしてヴァルパー・ガリレイの運命や如何に!(フラグ)
おまけ
一人の騎士が怒りで声を荒げる。
ふざけるな、と。
あの人の誇りを穢すなど許さない。
あの人に・・・王に叛逆して良いのは俺だけだと。
騎士王は怒った。
そして、同時に願いを半身と化している少年に託した。
願わくば、終わらせて欲しい。
悲しみを断ち斬り、勝利して欲しい、と。
その時、少年の内側で静かに星が瞬いた・・・