そのガチャ運をどうして前世で発揮出来なかったのかと(泣)   作:ふれんちとーすと

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要一より主人公してるなぁ(´・ω・`)

※誤字修正しますた(´・ω・`)


13裏2.深紅の輝くは希望の星

 

 

 

兵藤一誠は歩いていく。

 

そこに、守りたいものがあるから。

 

夜道、その背に月光を受け淡く紅い光を煌めかせながら彼は歩く。

 

 

 

 

貴き願いを胸に携えて

 

 

 

 

 

 

 

 

レイナーレは狂喜していた。

己に力が手に入り、ある者からの寵愛が得られる。

全てはその為、周りを全て犠牲にした。

 

故に彼女は気付かない。

 

その行いが寵愛を得るどころか、その命を散らすにふさわしい末路を辿るなどとは気付かない。

 

 

 

アーシア・アルジェントは教会の地下にて磔にされていた。

レイナーレが力を得る為に、愛を得る為に、神器を抜くのである。

 

アーシア・アルジェントは色々思い出していた。

 

教会で聖女と祭り上げられ、対等に接してくれる相手が欲しかった事。

 

悪魔を助けた事で異端とされ、迫害され追いやられた事。

 

辛く悲しい事ばかり思い出していた。

 

 

その中で、輝いている思い出がそこに灯っていた。

 

兵藤一誠、彼との出会いである。

友達になってくれた彼、優しく接してくれた彼、ただ一人自分を自分として見てくれた彼。

 

 

最後に彼に笑顔を向けた時、彼は辛そうな顔で自分を見ていた。

 

 

願わくば、彼が精一杯笑えますように。

 

祈る

己の命が抜き取られ様とそれを祈る

 

ふと、気付いてしまった。

 

 

私・・・こんなにも・・・彼を・・・・

 

 

「このまま悪魔に干渉される前に、抜き取らせてもらうわアーシア・・・・今までご苦労様ね」

 

目の前に自らの命を散らそうとする者がいる。

 

それにすら気を留めてはいられないくらい

 

 

私は彼の事が好きになってしまったのだ。

優しく、暖かく、思い遣りのある彼に、私は一目惚れしてしまっていたのだ。

 

 

「一誠さん・・・」

 

ふと、彼の名前を呼ぶ。

 

「いっせー?誰それ、まあ良いわ、おやすみなさいアーシア・・・我が糧となりなさい」

 

触れてくる相手の手すら気にする事はない。

溢れ出る涙が、想いが、彼女の心からの願いを紡ぐ。

 

「一誠さんに・・・会いたい・・・!」

 

生まれて初めて、彼女は願いを口にした。

 

「無理ね、じゃあねアーシア」

 

レイナーレが彼女に触れようとした瞬間である。

 

 

 

 

 

上の天井が抜けてドーナシーク、カラワーナ、ミッテルトの3人がその翼を散らしながら落ちてきたのは。

 

神父達が、巻き込まれて潰れていったのは。

 

 

深紅のオーラを纏い、覚悟を決めた瞳を向けた青年がそこに舞い降りたのは。

 

 

「アーシア・・・今・・・助ける・・・!」

 

 

彼が呼吸する度に、純粋な龍の魔力が溢れ出す。

 

 

『Boost』

 

音が鳴る。

 

「あなた・・・何よそれ・・!何よその力は・・・!」

 

『Boost!』

 

一誠はレイナーレに目も向けずにアーシアへ歩き出す。

 

『Boost!!』

 

「一誠さん・・・!」

 

「アーシア・・・今助けるからな」

 

『Boost!!!』

 

彼は優しく微笑む。

アーシアはこの時、心の底から喜んだ。

嬉しくて嬉しくて、ただただ笑顔を浮かべた。

 

「おまえええええ!何度私の邪魔をすればァァァァ!」

 

『complete・・・release to Longinus!!』

 

左手の籠手が赤き龍の力を解放する。

 

 

「・・・・神様ってのが・・・たった一人の泣いてる女の子すら見捨てるなら・・・そんな神なら・・・!!」

 

レイナーレが迫る。

その手に槍を携えて。

 

しかし、少年は止まらない。

 

「死ねええええええ!」

 

槍を直に刺しにくるレイナーレに彼は左手の拳を突き出す。

 

 

「俺が救ってみせる・・・この子だけでも・・・守ってみせる!」

 

深紅の魔力を纏った一撃がレイナーレを槍ごと吹き飛ばす。

 

辺りに黒い羽が散る。

 

アーシア・アルジェントを磔にしていた魔法陣が解け、彼女は落ちていく。

 

それを、そっと抱きとめる。

 

 

「・・・一誠さん!一誠さん!」

 

泣きながらでもとても嬉しそうな笑顔で彼女は彼に抱きしめられる。

 

「良かった・・・助けられて」

 

少年はそれが嬉しくて笑う。

 

「イッセーさん」

 

「ん?なんだ?アーシア?」

 

「ありがとうございます!イッセーさん!」

 

二人はそのまま暫く抱き合い嬉しそうに笑い続けた。

 

 

 

 

その後、アーシアがあられもない姿だという事に気付き二人して赤面してしまったのは言わずもがなである。

 

 

 

 

 

 

 

本編主人公より主人公してる件(フラグ)

 

 

おまけ

 

 

「父さん母さん・・・彼女をうちに住まわせてあげれませんか!?」

 

「・・・・・お願いします!お父様!お母様!」

 

「・・・・・うちの息子が嫁つれて帰ってきたぞ!?」

 

「今夜は赤飯ね!?」

 

「ふぁ!?」

 

「イッセーさんの・・・およめさん・・・えへへ」

 

兵藤一家は今日も元気である。

 

 

 




兵藤一誠
クラス:未定

筋力:C 耐久:C 俊敏:C 魔力:B 幸運:C+
対魔力:C

宝具:赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)
神をも殺すと言われる神器の一つ。Boost3回に付き全ステータスを一段階上昇させる力を持つ。
使い方次第では本当に神すら殺せる力である。

宝具:神滅の一撃(Longinus smasher)
神滅の一撃を放つ。
イッセーが打つにはステータスが足りないはずだが今回その力の一部を使用した。
何故使用できたのか、現段階では不明(笑)である。

赤き龍の因子
赤龍帝ドライグの因子。
息をする様に魔力を生み出し、身体を龍へと近づける。
なお、龍化はコントロールするには・・・

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