そのガチャ運をどうして前世で発揮出来なかったのかと(泣) 作:ふれんちとーすと
VS嫉妬の魔王
「はっ!」
「逃がさないよ!☆」
彼女が結界を重ねて張り巡らす。
「・・・・・しつこい人は嫌われますよ?」
「私、人じゃないもんね☆」
結界の中で、僕は彼女と対峙する。
「勧誘はお断りなんですけど」
「美少女からの誘いを断るのは失礼じゃない?☆」
「生憎、好みのタイプではないので」
「あら?失礼しちゃうわ☆」
「逃がしてくれないですかね?」
「逃すと思ってるのかしら?☆」
対峙する形で見つめ合う。
「なら、あなたを倒してでも逃げてみせます!」
「ふふふ☆負けないよー!」
僕は反射的に風の鞘を纏った
「はぁ!」
「あはは☆」
魔法少女が撃ち放つ氷の弾丸を斬り飛ばしながら前進する。
目指すは標的元。目的は平穏。ならば、
「来る気が無くなるように吹き飛ばしてみせます!」
「出来るかな〜?☆」
氷の弾丸が嵐のように降り注ぐ。
要一は直感と身体に任せて剣を振るう。
そんな要一に魔法少女は・・・否、魔王は全範囲からの氷の砲弾をぶちかます。
当たれば一たまりもない。
だが・・・当たればの話である。
「爆ぜろ!
風は氷の砲弾を吹き飛ばしながら斬撃となって魔王に飛んでいく。
「・・・・やっぱり私の見込み通りだね☆」
魔王は防御結界を張りそれの斬撃を受け止める。
風の斬撃は防御結界に当たるとヒビを残して大気へ散っていく。
「・・・・・・今まで戦った相手の誰よりも強い・・・」
要一はそれを実感した。
恐らく、経験も力も足りない。
だとしても負ける気などなかった。
僕は勝つ。
僕の今の平穏を守る為に。
「その諦めない不屈の意志・・・本当にすごいね☆本当に・・・嫉妬しちゃう☆・・・でもね?」
魔王は荒れ狂う魔力を解放する。
辺り一帯が凍りつくような錯覚に襲われる。
ひどく冷たい魔力が空間を満たす。
足が震える、熱が急激に失われる、そんな気がした。
「負けてあげるわけには行かないわ☆」
魔王は勝利を確信したように降りてこちらに向かって歩き始める。
このままでは・・・負けてしまう。
「残念だったね☆」
負けたくない・・・
「私の勝ち・・・だよ☆」
負けたくない・・・!
負けたく・・・ない!!
僕は・・・負けない!
『竜の因子が完全に目を覚ましました。ステータスが上昇します。魔力が解放されます。
石が合計43個なりました』
溢れ出す魔力は嵐のように広がり、魔王の魔力を跳ね除ける。
「!?」
とっさに後ろにさがった魔王の判断は正しいものであった。
魔王がいたには削り取られ様に地面が抉れていた。
更に前を向き直った魔王は目を見開いた。
そこには、身長が伸び高身長になり、黒い鎧を纏った彼がいた。
その右手にはとんでもない威圧を放つ槍を持ち、放つ魔力は竜種となんら変わらない。
本当に先程の少年なのか、疑うレベルである。
「・・・・拘束解放」
瞬間、槍を介して魔力が嵐のように吹き荒れる。
咄嗟に氷の砲弾を幾つか放つが彼に辿り着くことはなく、嵐の前に削り取られて消えていく。
『見るがいい、最果てにて輝く呪いの槍を。
敵であれ味方であれ、我が一撃は反逆者を殲滅する』
一瞬、そんな声が魔王の頭の中に響く。
「突き立て、喰らえ・・・・十三の牙!」
嵐が槍に纏わりつくように、激しさを増していく。
槍の切っ先は、こちらに向いている。
その時、セラフォルーは思った。
私はこの攻撃を避けることはできない、と。
「
セラフォルーは覚悟した。
その身を嵐に削り取られることを。
しかし、嵐は横を通り過ぎ結界を粉々に砕かれた。
それだけだった。
「・・・・・なんで」
彼女の声は自然と漏れる。
そんな彼女に近づき
「・・・次はないと思え、魔王」
彼はそう言うと、砕けた所から出て行った。
「・・・・・・・・はひゅう」
セラフォルーは顔を真っ赤にしてその場に座り込んだ。
「あう・・・あぅうぁ・・・・」
彼女は顔を赤くしながら悶え続けた。
最愛の妹がその様子を見つけ溜息と共に回収されるまで。
家に帰ると、そのまま僕はベッドに倒れこんだ。
「・・・・・無理・・・つかれ・・・た・・・」
身長が伸びたのは一時的で、僕の身長は戻ってしまった。
しかも、全身がだるくなるほど疲労困憊してしまった。
そして、僕は意識を手放した。
・・・・・・心象風景と思われる草原にて僕は岐路に立たされている。
「・・・・・・10連を回す時が来た!」
僕は43個の石を見ながらそう言った。
そして、そっと10連ボタンを押した。
そこには、ランサーオルタの馬【ラムレイ】と
「ルーラー 真名、ジャンヌ・ダルクお呼びに応じ馳せ参じました。問います・・・貴女が私のマスターですか?」
「・・・・・・あ、はい」
ルーラー『ジャンヌ・ダルク』
「よう! サーヴァントランサー、召喚に応じ参上した。まっ気楽にやろうや、マスター」
「・・・はい」
「なんだよ・・・元気ねぇじゃねぇか?大丈夫か?マスター」
ランサー『クー・フーリン』
そして、右手の手の甲から腕にかけて出ている7つの令呪。
その日、僕は絶句した。
彼のこれからの生活はどうなってしまうのか!?(フラグ擬)