世界が終わりなんて間違っている 第一章   作:showt

17 / 17
第十六話  終わらない世界+後書き(2018年12月4日追加)

八 幡「はぁ……これからどうしたらいいんだろうなぁ……」

 

材木座「ん? なんか言ったか? 我が同士、八幡よ!」

 

 

 俺のつぶやきが聞こえたらしく材木座がウザいくらいテンション高めに聞いてくる。いや……正直かなりウザいのだが……。こいつに話してもどうせ無駄だろうしな……

 

 

八 幡「いや……なんでもねぇよ」

 

材木座「うむ……何でもないならそれでいいのだが……」

 

八 幡「それより早くここを終わらせて、戻ろうぜ」

 

 

 バリケード用の机を積み込みながら材木座をせかすように手を動かしていく。ここのバリケードさえ作れば校内で生活していく分には十分まともに暮らせるだろう。

 

 既にデパート組や陽乃さんが合流してから二日経っている。その間生活範囲を増やすためメイン校舎三階から下はひとまず置いておいて特別棟の安全地帯の確保を続けてきた。メイン校舎と違い特別教室・部室など多くの教室があり自分たちの安全を確保しながら行動範囲を広げていくには時間が必要となってしまったが、ようやく特別棟の二階に到達し階段のバリケードを作っている最中である。

 

 

材木座「それにしても八幡。これで大分暮らしやすくなるな! 特別棟は部室が多かったから部屋数も多い。これで個人のスペースも確保できる。正直人が大勢いるところだと落ち着けることできなかったからな。それに風呂だって入れるようになるし……」

 

八 幡「材木座……もう外側ができてあとは内側の強化だけだとしても気が緩みすぎだぞ」

 

 

 作業を止めて自分の世界に入っていた材木座に注意を促す。そう……確かに外側の部分はできているのだ。後は内側を分厚くして壊されたり侵入できないようにしていくだけなのだが注意を怠るわけにはいかない。まぁさっき俺も考え事をしていたから人のことは言えないのだが……。

 

 現にこの階まで降りてくる最中にも何度かゾンビに遭遇していたのだから。全部が全部、音楽に釣られ体育館にゾンビを閉じ込めているわけではなかったのだ。奴らが普段の生活通りに自宅に帰っていたり体育館におびき出されていていたならよかったのだけど……。

 

 ある教室では中に鍵をかけてあったにもかかわらずゾンビがいたのだ。幸い一体だけだったのでおくれを取ることはなかったが……。中に鍵をかけていたということは鍵をかけるまではゾンビになっていなかったのだろう。ゾンビに噛まれてそこに逃げ込み鍵をかけたはいいが噛まれたことによってゾンビになってしまったと俺たちは考えている。

 

 そういうこともあって一教室一教室注意しながらやっとここまで来た。たとえ慎重すぎるといわれても注意を怠ることはできない。そのことをわかってくれたのか材木座も気を引き締めて作業に戻る。

 

 しばらくして

 

 

かおり「比企谷ー。そろそろご飯にしよっか? って陽乃さんが言ってたんだけど……」

 

 

 踊り場から二階に上がる中腹まで敷き詰め終わるころに、玉縄ゾンビを従えたかおりが呼びに来たらしい。かおりはボディーガードとなる玉縄ゾンビを引き連れていることで前線となる場所に伝達として来ることが多くなっていた。電話でと……最初は考えていたのだが、音はゾンビを引き寄せる原因となるし、マナーモードだと作業しているときに気づかない場合もあるから大切な役割である。前線となる場所に来てもいつも通りな彼女は思っていたより肝が太いのかもしれない。玉縄ゾンビに関してかおりに付いていけるのか? と疑問を感じていたが、意外なことに玉縄ゾンビはかおりの言うことなら通常のゾンビと違い素早く行動することができたようで問題はなかった。

 

 

八 幡「もう……そんな時間なのか?」

 

 

 作業に夢中になりすぎて気づいてなかったが、スマホで確認すると既に夕方の六時を回っていた。できれば踊り場から二階に上がるまでの間全部敷き詰めて安全を確保したかったが、中腹まで敷き詰めているのだ。ゾンビの大群が来てもある程度は大丈夫だろう……また明日続きをすればいいか……と考え、お呼ばれすることにした。

 

 

八 幡「そういえば……調理室に食材の移動は終わったのか? 今は夏じゃないとしても長い間クーラーボックス→冷蔵室→冷凍室のローテーションはまずいかもしれないしな。早めに調理室の大型冷蔵庫・冷凍庫の中に入れておくほうがいいだろうし……」

 

かおり「うん! みんなで運んだからそこまで時間かからなかったよ。少し悪くなったお肉もあるみたいだけど……これは会長が処理してくれるしね」

 

 

 そうなのだ……ゾンビとなった玉縄に何を食べるか実験を行ったところ、かおりが『食べてもいいよ』と言って渡すと何でも食べたのだ。初日は永山を噛んだことがあったせいか、少しだがパンを食べていたし、賞味期限の切れたものを食べても異常は見当たらない。まぁもともと異常な存在であるし、賞味期限というのは目安であって食べられないわけではないしな……。そういうこともあり玉縄は、カマクラ・サブレとともに残飯処理役となっていた。

 

 

八 幡「それじゃあ調理室に行くか……反対側の葉山たちには伝えてあるのか?」

 

 

 葉山と戸部は特別棟の東階段二階から下のバリケードを作っている。数時間前に一階から上がってくるところにある踊り場で顔を合わせた後それぞれ東西に分かれて作業をしていたためあちらの進行具合はわからない。

 

 

かおり「そっちも大丈夫みたいだよ。ここに来る前に知らせに行ったらこっちと同じくらいまでできていたみたいだし……片づけてからくるみたい」

 

八 幡「材木座。俺たちもここを片付けて今日は終わりにしようぜ」

 

 

 材木座のほうを振り返るもそこにやつの姿はない。見渡すと既に二階まで上がっており親指を立ててこちらを見た後、調理室のほうに向かっていった。奴の行動は不明だ……何がしたかったんだ?

 

 

かおり「なにしてんの? 比企谷。早くしないと比企谷の分までみんな食べちゃうよ。こんだけ働いたのにご飯なしとかウケるっ!」

 

八 幡「ちょ……飯抜きはマジでウケないから! ちょっと待てぇええええ!」

 

 

 俺の叫びもむなしくかおりは玉縄を引き連れ去っていくのだった。そして俺の周りはまだ片付いてない……。今になって気づく。材木座は片づけから逃げたのだ。材木座ぁあああ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     ~     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 片付けも終わり調理室に向かうと、すでに中では俺以外のみんなで夕食が行われていた。俺が最初からいなかったかの如く……

 

 

戸 部「あれっ! ヒキタニ君じゃん。まだ来てなかったの? きづかんかったわー」

 

三 浦「ヒキオいなかったん?」

 

 

 ハチマンツヨイコ……キニシナイ……グスン

 

 

 

材木座「八幡。遅かったではないか? あまりに遅いのでおまえの分も食べてしまうところだったぞ。はっはっはっは……ごめんなさい。そんな目で睨まないで」

 

 

 お前のせいで遅くなったんだろっと感情込めて睨みつける。

 

 

雪 乃「……いいからもう食べなさい」

 

 

 いつの間にか俺の分の夕食を定位置に用意しながら声をかけてくれた雪乃に感謝しつつ、いつもの席に座る。この定位置に決まるまでのことを考えると冒頭でつぶやいた言葉が再度出てきそうになる。

 陽乃さんとデパート組が合流した日の夜、雪乃と見張りをしているといきなり告白されたのだ。そしていろはの計画の話も広まっており、そのことが原因となったかはわからないが女性陣から接近されることが多くなった。食事の時の隣の席で揉めたり。休憩していると迫ってくることも……結局食事の際は定位置を決め両隣が固定されることになった。席順でいうと、戸塚・小町・俺・けーちゃん・沙希となっている。両隣には俺に害がない人物で納得してもらうことで解決したが、休憩の時に一人になるといつの間にか誰かいてゆっくりできない状況だ。いろはの計画に乗るのはこんな状況でも人としてまずい気がするんだけどな……はぁ……これからほんとにどうしたらいいんだろうなぁ……。

 

 

京 華「はーちゃん。くるの遅いよぉ」

 

 

 数少ない癒しを受けてほっこりしながら食事をすることになった。

 ……オレ……タブン……ロリコン……ジャナイハズ……

 

 

京 華「はーちゃん。はーちゃん。今日ね。種うえてきたよ!」

 

 

 けーちゃんが今日の出来事を楽しそうに報告してくる。やっぱり癒されるなぁ……。死んで異世界に女神と共に魔王を倒すことになったカ○マさんも癒しを求めていたみたいだけど、人生には癒しが必要だよな。

 

 

八 幡「けーちゃん。何の種植えたの?」

 

京 華「うんとね~人参とサニーレタス? と、なんとか大根? こまったな?」

 

八 幡「なんとか大根? こまったな?」

 

結衣母「あ~二十日大根と小松菜のことですね~他にもホウレン草や紫蘇なんかも植えましたよ。少し時期が早いものもあるんでビニールとかで小さなハウス作るのもいいかもしれないですね」

 

 

 ゾンビ発生前は自宅のマンションのベランダで野菜などをプランターで育てていた経験があったらしく頼もしく感じる。作物関連はこの人に任せておいて大丈夫だろう……

 

 

結衣母「もう少し暖かくなって来たら別の野菜も育てられるけど~この時期と育ちが早い野菜だとこのあたりね~。野菜を育てるには肥料とかもほしいのだけど……たぶん今の生ごみを利用した肥料作成だけじゃ足らなくなるわ」

 

八 幡「それじゃあ次に調達に出かけるとき探しておかないといけませんね」

 

 

 こうやっていつも食事の時間に集まってはこれからの話し合いを行ってきていた。各担当に分かれて昼間作業し足りないもの・必要なものがあれば報告、次の調達リストを作っていく。しばらく話し合いが続き

 

 

葉 山「じゃあ、必要なものはこれくらいかな? とりあえず明日はバリケードの続きをして調達は明後日になると思うけど……」

 

雪 乃「いいんじゃないかしら……とりあえずは」

 

平 塚「ではこれくらいで終わりかな? 今日の話し合いは……何か報告とかある者はいるか?」

 

 

 いつものように平塚先生がまとめに入ろうとするが……

 

 

小 町「はいはーい! 小町からですけど今日特別棟の二階部分が確保できたのでやっとお風呂に入れるようになりました!」

 

 

 特別棟二階の安全を確認した後、生活利便性を考え拠点をメイン校舎から移すため部屋の準備をしていた小町からの報告に女性陣は歓声をあげる。今まで汗を拭いたりしかできなかったことを考えれば仕方のないことだが……

 

 

八 幡「んじゃ……今まで使っていた子供用プールは菜園用の貯水に使うか……底のほうに何か重しになるものを入れておけば風で飛んでいくこともないだろうな」

 

葉 山「次の調達でポリタンクでも持ってくるか? たまった水を保存していれば夏場になったとき使えるだろ? その分とは別に今ペットボトルに入れているものもタンクに入れておけばいいと思うんだが……」

 

結衣母「夏場は人も畑も水分補給は大切だからね~いいと思うわ~」

 

 

 これから先、水道がどうなるかわからない以上必要なことだ。あって損はしないだろう。まぁ回収時にかさばるのが問題ではあるが……

 

 食事も話し合いも終わり、風呂に入るもの、屋上に外の空気を吸いに行くものなどそれぞれ自由行動に入る。俺は男子風呂の最初をもらったので今は宿泊用の部屋に戻ってきている。今は戸塚が入浴中だ……一緒に入りたかった……。材木座はこの時間いつも三階のIT教室で情報を集めている。葉山はあーしさんに呼び出されて屋上に、戸部は今日見張りの日になっている為ここにはいない。……つまり今この部屋には俺しかいない。

 

 

トントン

 

 

 入浴後にくつろいでうたた寝をしかけたその時、ドアをノックされて起こされる。今日は見張りもないしこのまま寝てしまおうかと思っていたところだったのに。起き上がってドアを開けるのが面倒になった俺は無視をして居留守を使うことにしたが……

 

 

トントン

 

 

 しばらくして再度ドアをノック。ドアをノックするということは男性陣ではない。更に言えば葉山を呼び出したあーしさんでもない。ということは残りの女性陣の面々を考えるとここは居留守を使うのが妥当な判断だと思うが……どうしたもんだろうか? ノック音を聞こえてないように偽装するため布団を顔まで深くかぶり寝たふりを始めたのだが

 

 

ガラガラ

 

 

 いきなりドアが開いた。しかし足音はなく近づいてくる様子もない。これは諦めて帰ってくれるかな? と高をくくりもうそのまま寝てしまおうと瞼を閉じようとしたのだが何かが布団の中に侵入してきた。俺は慌てて布団から出て距離をとると武器を探す。すぐに見つけたのだが布団の横に置いたままだった。可能性は低いと思うがゾンビだとしたら……

 

 

いろは「せんぱーい。逃げなくてもいいじゃないですかぁ」

 

 

 モゾモゾと布団から顔を出してきたのは膨れ面をしたいろはだ。ゾンビでなかったのはありがたいがそれでも生存メンバーの中では危険な人物には違いない。

 

 

八 幡「だ、誰だっていきなり布団の中に何か入ってきたら驚くだろ。それに見張りがいるとはいえゾンビだったら……」

 

いろは「ぶぅー。せんぱいにゾンビだと言われたくないんですけど……」

 

八 幡「……おい。それどういう意味で言ってる?」

 

いろは「ご想像にお任せします。それより先輩最初から起きてたでしょ? いくらなんでも私が布団に入ってから逃げるのが速すぎたんですけど…………寝ていれば既成事実まで持ち込むつもりだったのに」

 

 

 最後のほう小さな声でやばいこと言っている気がするが、起きていたことがばれるとこいつのことだ。めんどくさいことになりそうだな……

 

 

八 幡「……さっきも言ったと思うがいきなり布団の中に何か入ってきたからビックリして起きたんだよ」

 

 

 俺がそういうといろはは、フムフムと相槌を打っている。上手く誤魔化せたかと胸を撫で下ろすが

 

 

いろは「嘘ですね。その頭のアホ毛が反応してましたよ」

 

八 幡「アホ毛が反応ってなんだよ……ってこれ……」

 

いろは「そうですよ。何日かしかたってないのに随分前のことに感じますね」

 

 

 そうだ……このやり取り……あのゾンビが発生したあの日、いろはと交わした内容に似ているのだ。いろはの言う通りあまり時が経ってないのにいろいろな事があり過ぎて懐かしくも感じる。あの時はまだこんなことになるとは思いもしなかった……。

 

 

いろは「それで何で嘘ついたんです?」

 

八 幡「……別に嘘とは断定できんだろ?」

 

いろは「いいえ、あの時は誤魔化しましたけどせんぱいの事はいつも見てるんですよ。だから嘘吐こうとしているときぐらいわかりますよ。好きな人の事ですもん」

 

 

 あの時とは違いあの断り芸で返ってくることはなく、正直に思いを伝えてくる。

 

 

八 幡「……お前何気に恥ずかしいこと平気で言うよな……それで何で俺の布団に入ってきた?」

 

いろは「そんなの決まってるじゃないですかぁ。……夜這いですよ。ヨ・バ・イ」

 

 

 いろはは俺の質問に恥じらう様子も見せず、返事をしながら近づいてくる。だんだん近づいてくる彼女に対して俺は後ずさりしながら回避しようとするが壁のところまで追い込まれていく。

 

 

八 幡「…………えっと……あのぉいろはさん……ここは男子の部屋だからすぐに他のみんな帰ってくるぞ」

 

 

 身の危険を感じた俺はほかのメンバーを理由に逃げようと試みるが

 

 

いろは「大丈夫ですよ。せ・ん・ぱ・い。葉山先輩は三浦先輩に連れられ屋上に行ってますし、戸部先輩は見張り、戸塚先輩はお風呂、木材屋さんはこの時間パソコンで情報集めているからここには当分帰ってきませんよ」

 

 

 いろはの言う通り男子ですぐにここに来る奴はいなそうだ。とうとう逃げる場所もなく壁に当たる衝撃が体に伝わってくる。それを見た彼女は舌なめずりしながら近づいてくる。逃げ場を封じ獲物をしとめる肉食獣のごとく。

 

 

いろは「せーんぱい。私言いましたよね。もう世界は変わってしまったんです。おとなしくハーレム作りましょ。今まで雪乃先輩が告白してなかったから我慢してましたけど……もういいですよね?」

 

 

 彼女はまるで年下に見えない色気を見せてくる。俺はのどを鳴らすことしかできず……

 

 

いろは「じゃあ……せんぱいの初めてもらいますよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラガラ

 

 

京 華「はーちゃん! あそぼー! ……ってはーちゃんといーちゃん何してるの?」

 

 

 突然の乱入者によって二人は固まってしまう。

 

 

沙 希「どうしたの? けーちゃん? 遊んでもらうんじゃなかったの?」

 

 

 けーちゃんの後ろのほうから沙希の声も聞こえてきた。

 

 

京 華「あのね。はーちゃんといーちゃんが何かしてるみたいだけど……」

 

 

ガラガラッ!!

 

 その言葉を聞くと沙希は半開きになっていたドアを勢いよく開けて中を覗き込んでくる。

 

 

沙 希「一色! あんたまた抜け駆けしようとしたね!」

 

 

 俺といろはの様子を見た沙希は、いろはを睨みつけながら怒鳴り込んでくる。

 

 

いろは「ひっ……」

 

 

 いろはは俺を盾にするように後ろに隠れながら小声で

 

 

いろは「ちぇっ……また失敗かな……」

 

 

 悪びれた様子も見せずにつぶやいている。そして

 

 

いろは「いいじゃないですか~。沙希先輩だってけーちゃんを理由にせんぱいに会いに来たんでしょ?」

 

沙 希「なっ!!」

 

 

 確かに夕食後、けーちゃんが遊びに来るときにいつも沙希の姿があるが……。

 そのやり取りが外まで聞こえたのだろう。複数の足音が近づいてくる。

 

 

雪 乃「……また抜け駆けしようとしたのね? 一色さん」

 

結 衣「いろはちゃんずるい! 私も……」

 

陽 乃「へぇ……比企谷君ったらいろはちゃんを最初に選ぶの? おねぇさんじゃなく……」

 

かおり「比企谷……それ全然ウケないから!」

 

玉 縄「うがーっ」

 

めぐり「駄目だよ比企谷君。いろはちゃんだけじゃなくみんなを見てくれなきゃ」

 

留 美「八幡……サイッテー」

 

 南 「比企谷……」

 

姫 菜「ヒキタニ君! 隼人君たちはどうするの!?」

 

彩 加「八幡。遊ぶんならみんなで遊ぼうよ」

 

平 塚「リア充爆発しろおおおおぉぉぉ」

 

 

 いろはの行動が原因なのにほとんどが俺を責めてくる。理不尽だ。先生は言葉を残して走り去ってしまったが、他のみんなは次々と俺やいろはを問いただしてくる。ただ……こんな状況でも楽しいと感じている俺がいるのも事実だ。こいつらとだったら終わった世界でも楽しく生きていけるかもしれない。

 

 

みんな「聞いてるの!?」

 

 

 考え込んでいた俺の目の前にいる仲間やここにはいないが葉山たちを思い浮かべながら一人ごちる。

 

 「世界が終わりなんて間違ってる」と……

 

 

八 幡「あ……ノック二回はトイレの時にする回数だからしないほうがいいぞ」

 

いろは「やっぱり起きてたんじゃないですかぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダダダダダダー

 

平 塚「リア充爆発しろおおおおぉぉぉ!」

 

 

 そう叫びながら走り去っていく先生。

 

 

仲 町「ん? どうしたんだろ?」

 

戸 部「あぁ~またなんかヒキタニ君がしたんでしょ~」

 

仲 町「そうね……かおりが何かしでかしてないといいけど……って……先生……屋上のほうに行ったけど……やばくない?」

 

戸 部「……あ」

 

 

 

 

 

 

 

葉 山「なんか聞こえないか?」

 

三 浦「え……別にいいんじゃない。それより隼人。あーし…………隼人の事……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダダダダダダー バタン!

 

平 塚「リア充爆発しろおおおおぉぉぉ! はぁ……はぁ……何で生徒ばかり……って……ん?」

 

 

 屋上まで全速力で駆け上がり叫び疲れて周りを見渡すと生徒二人がここでもいい雰囲気に……

 

 

三 浦「な、何でいいところで来るのよぉおお」

 

 

 三浦は顔を真っ赤にして立ち去ってしまった。残った葉山の顔を見ると苦笑いしている。

 

 

平 塚「……やってしまった……」

 

 

 膝をつき心の中で三浦に謝るがやってしまったことは戻らない。三浦すまん……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小 町「平和だね~」

 

結衣母「そうね~」

 

カマクラ「にゃ~」

 

サブレ「わん!」

 

結衣母「で、小町ちゃん的にはだれにおねえさんになってもらいたいの?」

 

小 町「ん~全員でもいいですね~。ただしおにいちゃんの事を理解してくれる人限定ですけど……」

 

結衣母「それって……わたしでもいいの?」ニコニコ

 

小 町「おおぉ! まさかの参戦ですか! 小町的にはOKですよ。こうなったら小町も参戦するかなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の知らないところで更に広がってることとは思いもしなかった。八幡の未来はどうなることやら? それは別の話で……

 

 

 

 

 

 

 

第一章 完

 

 

 

 

 




 まずは転職など環境の変化・パソコンの故障などいろいろな個人的な理由で第二章以降を中止してしまい、今まで読んでいただいた方に迷惑をかけて申し訳ありません。

 停止していた間、メール・感想などを頂いたのに返せなくてすみませんでした。

 お知らせを変更した後で、第二章以降どんな話を考えていたのか教えてほしいと聞いてこられた読者がいたので覚えている簡単な構想だけでもこちらのあとがきに載せておきます。第二章からは分岐ルートを考えていました。正規ルート・?ルートの二種類で、正規ルートは基本パンデミックが起こった原因を探っていくルート。?ルートはループ+ゾンビが異世界から来襲という話です。最初に正規ルート→?ルートの順番で載せようと思っていました。

 

 

☆まずは第二章正規ルートですが、ほかに生き残っていたグループと接触することから始まります。

 校内の防備を強化していたある日、生き残っていた数人が安全な場所を求めて学校に侵入しようとしたところゾンビたちを引き連れて敷地内に入ってしまいます。

 しかし、ゾンビたちから逃げきれず侵入者たちは全滅するのですが、この時校門が開いたままになっており尚且つ侵入者たちが引き連れてきたゾンビのせいで校舎内二階より上以外は安全ではなくなってしまいます。

 何とか時間をかけて校門を再度閉じて、ゾンビたちを各個撃破し安全を確保するのですが、その際防備の為に資材を大量に使ってしまい補給が必要になってしまいます。

 そこで資材を調達しようと再び学校の外に出るのですが、立ち寄ったデパートで大量のゾンビに襲撃されて葉山たちとはぐれてしまった八幡がゾンビたちを煙に巻いて資材調達メンバーと合流しようとした時、ほかの生存者に襲撃されて捕まってしまいます。

 捕まった理由は周りに大量のゾンビがいるのに八幡がゾンビに襲われていないのを目撃し何か利用できるのではないかと考えたからでしたが、その生存者グループのアジトで再会したのは、行方が分からず死んだと思われていた大志や副会長・書記ちゃんであった。

 大志たちの弁明により解放されようとした時、ゾンビたちの群れを無双する二人がこちらに接近中と知らせが舞い込んでくる。

 その二人とは陽乃と沙希で、葉山たちからの報告で大量のゾンビに遭遇し八幡とはぐれたことを知った二人が八幡捜索に出るも、八幡は見つからずイライラしているときに大量のゾンビに遭遇してしまい、憂さ晴らしのためゾンビたちを虐殺していたのだ。

 八幡はその知らせを持ってきた人物に無双している二人の背格好や特徴を聞き二人のことを断定し、大志たちを引き連れてその現場に向かう。

 八幡たちが現場に着いた時には既にゾンビたちの姿は地に落ち、立っていたのは二人だけというある意味悲惨な状況だったが八幡が来ていることに気づいた沙希が生きていたことに感極まって八幡に抱き着いてしまう。

 八幡だけしか目に入っていなかったみたいである程度落ち着いてみると、熱い視線を感じた沙希がその視線のもとには死んだと思っていた弟の姿があり、大志との再会に涙するのであった。

 大志たちが間に入り八幡たちのグループ・デパートにいた生存者グループが合流することになりますが、後者のグループのリーダー格であった藤沢が勤めていた製薬会社が八幡・小町の両親と同じことが判明します。

 八幡たちの両親・藤沢は冬虫夏草を原料にした栄養ドリンクの開発を行っており、それに成功。栄養価が高く疲れに効くということで世界中で大人気商品となっていたが副作用が後々判明することになる。とある病気のウイルスと冬虫夏草の菌が混ざることで新種のウイルスができ、人間を操って人を襲うというもの(ウイルスによるものなんでゾンビの概念と違いますけど)。

 藤沢はその事実を公開することを恐れて会社から逃亡したが、その直後に世界中でウイルスが広まり世界がゾンビだらけとなってしまったと語る。

 藤沢の証言で製薬会社に行けば抗体を作ることができるかもしれないことが判明し、八幡たちはそこへ向かうことになる。

 製薬会社の地下ではウイルス対策の薬品を研究していた八幡たちの両親と再会。

 新薬完成間際にゾンビの大群が会社に乱入することに。

 両親と新薬を研究していた職員たちは八幡たちを逃がすために犠牲になる。

 新薬を研究していた職員たちに託された藤沢によって薬が完成し、今までの罪滅ぼしとして藤沢はその薬を作り続けることでゾンビの増殖を減少、薬を入手した各国の残存兵がゾンビを駆逐していくことでゾンビ騒動に終止符を打つことになる。

 というのが正規ルートで考えていたことです。簡略化しているのですがもっと話を膨らませるつもりでした。例えば世界中で人口特に男性が減ったことで(主にゾンビと戦ったり物資を探したりするのが男性が多かったため)一夫多妻制が世界中で認められて八幡ハーレムが完成(いろはの計画通りwww)。オリジナルキャラで小町の同級生で大志とともにデパートで男と偽装して生存していた綾瀬が八幡に惚れ(実はお嬢キャラで叱られる経験があまりなかったため、八幡をさらった際に強引な手を使ったことで後々八幡も怒られ→泣き→お兄ちゃんスキル発動で思わず撫でながらなだめていたことでおちた)ヤンデレ化とか……

 正規ルートで八幡が襲われない理由に関しては、以前から両親によって人体実験として密かにいろんな栄養剤を飲んでいたことで知らず知らずに抗体を持っていたためウイルスが嫌がって近づかなかった。終盤で両親と再会したときにこの話をされる。八幡の細胞を使い薬が完成に近づくことになる。八幡の体液を摂取することで完全ではないにしろ一時的な抑止薬になることが両親から聞き、藤沢が薬を完成させるまでに一悶着の原因となる。八幡が一部の女子以外と関係を持つことになる(あーしさんや仲町さんなど)。関係を持つことでハーレムが作られていくのです(笑)

 あとこの正規ルートのウイルス発生に関して知り合いに教えてもらった参考作品と被ってしまうので少し変えようと考えてました。(冬虫夏草が原因とか)


★次に?ルートですがループ+ゾンビ異世界からの来襲ですが……正直、話のプロットが完成していませんでした。
 こっちは仲間が次々と死んでいきます。しかし、ループ……というより八幡が死に戻りでなるべき仲間たちが死なないように回避することを考えていくというもの。

 こっちの話では八幡が襲われない理由は、元々父親がゾンビが来た異世界の住人でアンデットだったためで八幡はアンデットと人間のハーフということを考えていました。

 ちなみに小町は実は養子という設定(実際は従妹と勝手に設定)でメインヒロイン枠の一つを予定してました。

 死に戻りで回避して→両親と再会→異世界(父親がいたアンデットが蔓延る世界)との扉が世界中で開いたためゾンビが来たこと知る→死に戻りを続けながら異世界とつながる扉を封印していくことに……とまでは考えていたのですが最後をどう終わらせるか考えてなかったと思います。

 こっちはウイルスものではなく異世界からのゾンビなので扉の封印したのちゾンビを駆逐すれば終わりなんですがなんかしっくりこなくて……


とりあえず考えていたのはここまでです。
機会があれば書くかもしれませんが(書いた場合ネタバレを書いているので、このあとがきは消しますが)今している仕事が忙しいため難しいと思います。
今日一日休みなんですが、休みをゆっくりとるため前日十八時間仕事してました(泣)
なのであらすじだけでもと思い書きました。
またどこかで見かけたらよろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:50文字~500文字)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。