牙狼 〈GARO〉 -戦国ノ希望-   作:鳳凰白蓮

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牙狼と戦国恋姫Xのクロスオーバーです。
シリーズで一番好きな主人公、道外流牙を戦国恋姫の世界に飛ばしてみましたwww
この作品には新田剣丞は登場しません。
戦国恋姫では鬼と呼ばれる化け物が出てきて人の生き血を吸うのでそこに牙狼が出たらどうかなと思いつきました。
牙狼の敵である人を喰らい、擬態する化け物であるホラーと少し似ているなと思ったのでクロスしても違和感無いと思いました。
一応前提条件で、流牙はかなりの鈍感ですがGOLDSTORM翔の事から莉杏一筋で多くのヒロインから攻められてもなんとか踏ん張ってます(笑)。



『始 〜Encounter〜』

魔戒騎士……それは暗黒の世で輝く希望の光。

 

その暗黒の世に蔓延り、人を食らう魔獣・ホラー。

 

暗黒の世に闇を照らす一筋の光があった。

 

その名は『ガロ』……大きな戦いで人々を守るために黄金の輝きを解き放ち、主を失い、鎧は漆黒となってしまった。

 

それから長き時が流れ……漆黒の鎧の前で魔戒騎士を志す少年と母の間に一つの約束が交わされた。

 

少年は青年となり、大きな試練を乗り越えて鎧を継承した。

 

そして、青年と母の思いが募り、遂にガロの鎧に黄金の輝きを取り戻した。

 

青年は母の思いを胸に、その瞳に映る多くの人の未来を守るために数々のホラーを討滅し、黄金騎士の名に相応しい男として成長した。

 

その青年の名は道外流牙……闇を照らす希望の光である。

 

流牙は番犬所の依頼を受け、山奥に潜むホラーの群れを狩っていた。

 

既に多くのホラーや伝説のホラーを討滅した流牙にとっては簡単な依頼で赤い鞘に納められた細身の直剣……ホラーを切り裂き、封印する魔戒剣を構える。

 

流牙の魔戒剣・牙狼剣で次々とホラーを切り裂いていき、僅か一分足らずでこの場にいた全てのホラーを討滅した。

 

「これで依頼は終わりか。簡単だったな」

 

流牙は左手の中指に嵌められた指輪のカバーを上げると独特な形をしたスカルリングに話しかけた。

 

『ああ。この間のラダンとジンガに比べればお前さんにとって楽なものだろう』

 

口を開いて話すそのスカルリングは『魔導輪』と呼ばれ、人間と友好関係を結んでいるホラーの魂が宿っている。

 

名はザルバ、黄金騎士ガロに代々受け継がれ、共に戦ってきた大切な友であり相棒である。

 

「さぁて、朝日が来るのを待って山を降りたらなんか食べなくちゃな」

 

『そうだな……ん?流牙、妙な気配を感じる』

 

「ホラーの群れの生き残りか?」

 

『違う。邪悪な気配ではないが、感じた事のないものだ』

 

「行ってみるか……」

 

流牙はザルバの案内で山の中を歩き、進んだ先には古びた小さな祠があった。

 

「祠……?」

 

『相当古そうだな。気配はこの中から感じる』

 

祠は長年の雨風によってボロボロで扉は半分開いていた。

 

慎重に扉を開いて中を見るとそこには一太刀の刀が納められていた。

 

流牙は刀を手に取り、月の光に照らしながら見るとそれは柄に龍の文様が刻まれた刀だった。

 

「ザルバ、これか?」

 

『ああ。邪悪な力を感じないが、何かの魔導具の可能性があるな』

 

「特にここで封印もされてないみたいだからな……リュメ様に見てもらってから指示を仰ごう」

 

リュメとは強力な法力を持つ高名な魔戒法師で流牙とは何度も協力して強大な敵に立ち向かった。

 

流牙はひとまず一休みできる場所を探し、朝が来るのを待とうとしたその時だった。

 

刀から淡い白い光が放たれ、光が少しずつ大きくなっていく。

 

「ひ、光った!?」

 

『なんだこの光は!?流牙、刀を離せ!』

 

「は、離れない!?うわぁあああああっ!?」

 

刀を手放そうとしたが流牙の手から離れず、やがて光はさらに強くなり流牙とザルバを包み込んだ。

 

そして……光が消えると同時に流牙とザルバはこの場から……否、この世界から消えてしまった。

 

 

「ん、んんっ……あれ……?」

 

「おお。起きた起きた」

 

流牙が目を覚ますとそこには綺麗な長い黒髪に琥珀のような瞳を持つ少女が布団越しに跨っていた。

 

「えっ!?誰っ!!?」

 

人生で初めて遭遇した謎の状況に流牙は頭に大量の疑問符を浮かべた。

 

「貴様、一日中眠りっぱなしだったぞ?壮健なのか?まぁそれだけ騒げれば壮健でだろうが。いや、そんなことより貴様に聞きたいことがある、一体どうやって天からおちてきた?いやそもそもどうやって天に昇った?あれか、貴様は死人でいわゆる幽霊という奴か、いや幽霊ならば触れないと聞くが貴様はちゃんと触れているな。では違うか、他にも聞きたいことがあるぞ、あの光の玉は何なんだ?どうゆう手妻を使ったのだ?あれほど強い光を我は初めて見たのだが。燃料は何だ??荏胡麻か?それとも昨今流行りだしたという、新しい菜種油というやつか?」

 

「ま、待って待って!君は何を言っているんだ?」

 

「何って……それかあれか?お前は仏教徒共がいう、大日如来とやらの化身とでも言うのか?」

 

「俺は神じゃないって……ところで、君は誰?」

 

「お前こそ誰だ?」

 

「ああ、ごめん。まずは俺からだよね。俺は道外流牙」

 

「道外?道外氏というのは聞いたことはないが、どこの出だ?」

 

「どこって……言われても、元々人里離れた所に住んでいたし……」

 

チリーン……!

 

「ん?ザルバ?」

 

カバーを被ったザルバから呼び出しの鈴の音が響き渡るが、人前で話すことができないのでどうしょうかと悩んでいたその時に少女は衝撃的な発言をした。

 

「ああ、ザルバの事か?先に話したらどうだ?」

 

「えっ!?ザルバと話したの!?」

 

「お前が気絶していた時に少しな。驚いたぞ、まさか指輪が話すとは思わなかったぞ。まあ、あまり話してくれなかったが……」

 

まさか少女にザルバの事がばれてしまったのは痛いが過ぎてしまったことは仕方ないと腹をくくり、カバーを開いてザルバと話す。

 

『ようやく目覚めたか、流牙。早速で悪いが少々面倒な事になった』

 

「面倒な事?」

 

そして、ザルバは少女の言葉以上にとんでもない衝撃的な発言をする。

 

『俺たちは元いた人界から別の世界に来てしまったらしい』

 

「……はぁ!?」

 

『外に出て町を見てみろ』

 

「お、おい!」

 

少女の制止を振り切り、流牙は障子を開けて外に出て、そこからジャンプして屋敷の上に登る。

 

そして、そこから見た周りの景色は今まで色々な地を旅をしてきた流牙ですら見たことないものだった。

 

それは大昔の国を思い出すような広い草木が生い茂る山に囲まれた町にその奥には大きい城がが建っていた。

 

「何だこれ……?」

 

『少なくとも今の人界にこんな場所は何処にもない。どういう因果かあの刀によってこの世界に飛ばされてしまった。そして、驚くことにこの世界にはホラーも増してやゲートの気配が感じられない』

 

「ホラーとゲートの気配が感じられない!?」

 

『こんな感覚は初めてだ。だが事実だ。お前さんはこの世界の戦場に召喚され、倒れていた所にさっきの嬢ちゃんに助けられてここまで運ばれた。だが、その道中から今この時までホラーもゲートの気配が感じられなかった。ありえないと思うがこの世界はホラーが存在しない世界かもしれない』

 

ホラーは魔界から『陰我』と呼ばれる負の心を宿った物体を『ゲート』にして心に闇を持つ人間に憑依し、姿形をコピーして、近づく人間を次々と襲い、その血肉を喰らう。

 

しかし、この世界にはそれが存在しない……もはやホラーとゲートの概念がないのかもしれない。

 

流牙たちの住む人界は古より魔界から現れるホラーと戦い続けてきた。

 

人間が存在する限りホラーとの戦いが永遠に終わる事がないと言われてきたのである意味夢のような世界を目の当たりにし、流牙は不思議な感覚をして呆然としていた。

 

「ホラーのいない世界か……」

 

「おい!何をしているのだ流牙よ!早く降りてこい!まだ話は終わってないぞ!」

 

「あ、ごめんごめん。今降りるから」

 

流牙は屋根から降りて自分が寝ていた部屋に戻り、少女と改めて話し合う。

 

流牙のいるこの場所は織田が納める尾張清洲の城下町で、この屋敷はその少女のものだ。

 

先日、この尾張清洲に向けて駿府屋形の今川治部大輔が攻めてきて田楽狭間という場所で奇襲し、勝利を得た。

 

その時に流牙が天から光を纏いながら落ちてきた。

 

「まさか戦場のど真ん中に落ちるとはね……」

 

「私もまさか戦で勝利を挙げて喜んだところにお前が落ちてくるとは思わなかったぞ」

 

「そうだよね。ところで、君の名前は?俺は名乗ったんだから教えてよ」

 

「よかろう、聞いて驚け!我の名は織田三郎久遠信長!織田家当主にして夢は日の本の統一なり!」

 

「えっと……長いね、久遠と信長、どっちが名前?」

 

「信長は諱で真名は久遠だ」

 

「真名?じゃあ久遠ちゃん」

 

「ちゃん付けするな、無礼者!」

 

「ご、ごめん!」

 

「そう言えば貴様は道外流牙と言ったな。どこが諱で、真名はどれになるのだ?」

 

「諱?道外が苗字で、俺の名前は流牙。母さんが付けた大切な名前でみんなから流牙って呼ばれてる」

 

「ほお、真名がないとは面妖な」

 

諱は己が己が使える主君のみが呼んでもいい名前で敵対勢力が呪いを込めて呼び捨てにすることもあり、その人物の霊的な人格と強く結びついたものらしい。

 

もっとも久遠はそれは不合理だと思っているので、親しいもの達とで真名を呼び合ってる。

 

「ところで、ザルバが昨日呟いていたがお前は別の世界から来たというのは本当か?」

 

「……ああ、そうだよ。信じられないかもしれないけど、俺はこことは異なる別の世界から来たんだ。信じられないと思うけど……」

 

「確かにお前の話はにわかに信じられない。そのザルバみたいな面妖なものは私は今まで見たことないものだが、それだけではまた不十分だな」

 

「そうだよね……」

 

「……おい、流牙。私の目を見ろ」

 

「えっ?」

 

「我の目を見ろと言っている」

 

久遠に言われ、流牙は久遠の琥珀色の目を見つめた。

 

「……うむ。嘘のない瞳をしている。良かろう。貴様の言うことを信じてやる」

 

「ええっ!?」

 

久遠は流牙の目を見て信じることにした。

 

乱世であるこの世界で立場が上の人間は瞳を見ればそれがどんな人物かわかるらしく、それがわからなければ下剋上となってしまうらしい。

 

久遠は流牙が何故この世界に来たのか尋ねるが、流牙もそれは分からずお手上げ状態だが。

 

「俺は立ち止まるわけにはいかない。歩き続ければ道は開けるはずだから」

 

どんな時でも諦めずに前に進み続けてきた。

 

だからこそ流牙は数々の試練を乗り越えてきたのだ。

 

「なるほど。良い心がけだ。ますます気に入った。流牙よ、我の家臣となれ」

 

「……断る」

 

流牙は久遠の提案を即答で断った。

 

「何故だ?我の家臣となれば衣食住が保障されるのだぞ?」

 

「君の家臣になるということは戦場で人を殺さないといけないことでしょ?悪いけど俺には生涯を通して貫く大切な使命があるんだ。その使命で俺は人を殺すことを許されてはいない。もちろん、君達の生き方を否定しているわけじゃないからね。俺は多くの人の思いを背負って生きている。だから、この使命を果たさなきゃならないんだ」

 

流牙は優しい声音で、しかしその声には強い意志が込められていた。

 

それを感じ取った久遠は目を少し閉じてから新たな考えを導き出した。

 

「……分かった。家臣というのは撤回しよう。我が新たに提案してやる」

 

「新たに提案って……」

 

「衣食住を満たしてやる。その代わりーーー我の夫となれ」

 

おそらく流牙の人生で衝撃的過ぎる言葉に流牙は耳を疑った。

 

「……ええっ!?お、俺が君の夫ぉっ!?」

 

まさかの求婚に流牙はあたふたと大慌てをするが、本当に祝言を挙げるつもりはないらしい。

 

実際はただの他国との婚約を避ける男避けの魔よけみたいな意味で久遠は提案した。

 

しかしそれだけではなく、小国である織田家が大国である今川家に勝ったその時に流牙が現れた。

 

日の本の全てが注目していた戦いであるが故に織田家が勝ったのは流牙の存在があってことだと思う者もいる。

 

もちろん久遠はそんなことを信じないが流牙を手に入れれば戦に勝てるという考えを持つ者が現れるかもしれない。

 

他人に盗られるくらいなら自分の手元に置きたい、そういう意図があったのだ。

 

「でも織田さん……」

 

「まあ、いきなりこんな話をされてすぐに受けるとは思わん。我は公務が残っておる。夜にでももう一度話を聞かせよ。絶対だぞ!約束だからな!」

 

「あっ……」

 

流牙は最初断ろうとしたが、久遠は公務があるので話の続きは夜になってしまった。

 

流牙は幼い頃に修行で十年間無人島で修業し、放浪の旅をしながらホラー狩りをしていたので衣食住が無くてもサバイバルで何とかなる。

 

しかし、久遠は助けてくれた恩人なので勝手に出て行くわけにはいかないのできちんと話し合ってからこれからのことを決めていくことにした。

 

「お客様、よろしいですか?」

 

「ん?あ、はい。どうぞ」

 

すると久遠とは違うお淑やかな声が聞こえ、襖が開くとそこには声のイメージとよく合う蝶の髪飾りをした美少女がいた。

 

「ただいま、お食事をお持ちいたしました」

 

「あ、どうも」

 

丁寧に頭下げている少女に流牙もつられて思わず頭を下げてしまう。

 

頭を上げて足つきのお盆を持ってくる少女の美しさに流牙は息を呑んだ

 

「給仕を承ります。私、織田三郎が妻、帰蝶と申します。不束者ですが、よしなに」

 

「君が織田さんの奥さん?俺は道外流牙です。よろしくお願いします」

 

「いえ、久遠より言い付かっております。ではただいまお給仕を」

 

「あ、飯なら一人で大丈夫ですよ」

 

「ですが……」

 

「気にしなくても大丈夫だよ。それよりご飯を……あはは、ごめんね。ここ数日何も食べてなかったから」

 

「あ、はい...」

 

流牙の腹から大きな虫の音が鳴り、苦笑を浮かべながら帰蝶からお盆を受け取り、早速料理を頂く。

 

「では、いただきます」

 

両手を合わせ、ご飯やおかずに箸を伸ばしていく

 

「……どうしたの?」

 

流牙が料理を食べていると、帰蝶にあからさまな警戒と共にジーッと見つめられている。

 

「あなた、久遠の夫になるのですか?」

 

「え?あ、うん。と言っても魔よけ代わりだけどね。織田さんは夜までに考えて返答をしてって言ってくれたけど」

 

「貴方に久遠の夫が務まるとは思いませんが。貴方にあの子の何が分かるんです?気楽な気持ちで受けたのなら、すぐに撤回してこの国から出て行ってください」

 

「.........もぐもぐ」

 

「ちょっと、あなた、私の話聞いているの?」

 

「……美味い」

 

「え?」

 

「美味いよこれ!この料理、全部君が作ったの!?」

 

流牙は太陽のような輝く笑顔で帰蝶を見つめ、純真無垢な流牙の笑顔に帰蝶は心臓が弾み、顔が熱くなった。

 

「え!?あ、そうだけど……」

 

「こんなに美味い和食は初めてだよ!帰蝶さん、ありがとう!!」

 

「えっ、あの、ど、どういたしまして……」

 

予想外な喜びように帰蝶は呆然としてしまい、うまく受け応えが出来なかった。

 

その後おかわりをしたりして美味しそうに食べる流牙に終始困惑される帰蝶だった。

 

「ふぅ、ご馳走様でした!」

 

「はい……」

 

「あ、そうそう。話が途切れちゃったけど、あなたの言う通り、俺はまだ織田さんの事を何も知らない。でもそれを理由にして今勝手に俺がこの国を出て行けば織田さんとの約束を破ることになる。それにまだちゃんとお礼の言葉も言ってないから、この事は織田さんが帰ってきてからじゃダメかな?」

 

流牙は今の気持ちを帰蝶に伝えると筋が通っているので反論出来ず素直に頷く。

 

「それは、そうですね」

 

「分かってくれた?」

 

「わかりました。ではこの事は久遠が公務から帰ってきてから話しましょう」

 

「ああ、ありがとう」

 

「あなたの頭は、よほどにお安いのですね」

 

「え?」

 

「先ほどから頻繁に頭を下げたり感謝の言葉を何度も。男ならもっと凛とされてはどうです?」

 

「そう言われても他人から受けた感謝は言葉や形にして表さないと。それに、帰蝶さんの料理は本当に美味しかったから!!」

 

「そ、そうですか……ありがとう、ございます……」

 

流牙の表裏のない純粋な言葉に悔しさと恥ずかしさが入り混じった感情で白い肌が赤く染まっていた。

 

「そ、それでは私はこれにて失礼いたします。久遠が戻り次第、お声おかけいたしますので、しばしの間、おくつろぎください」

 

そう言った帰蝶は食器をもって部屋を出て行った。

 

流牙は障子を開けて綺麗に整備された庭を見ながらザルバとこれからどうするか話し合う。

 

『流牙、お前はどうするつもりだ?あの嬢ちゃんと本当に結婚しちまうか?』

 

「馬鹿言ってるんじゃないよ。俺は織田さんとは結婚出来ない。俺はこの世界の住人じゃないし、何より……」

 

『何より何だ?もしや莉杏の事か?』

 

莉杏は流牙のパートナーを組んでいる女の魔戒法師。

 

流牙の母の遺言と己の意思で流牙……黄金騎士を支える魔戒法師になるべく共に戦ってきた。

 

「ばっ!?お前いきなり何言うんだよ!?」

 

『あの織田や帰蝶のお嬢ちゃん達はなかなかの器量を持っているが、やはりお前に一番近い女は莉杏だからな』

 

「それは否定しない……莉杏は俺の大切な人だし……早く元の世界に帰らないと」

 

『そうだな。なら、いつでも出る準備をしないとな』

 

「ああ。一先ずは織田さんにありがとうを伝えてから行くよ。よーし、それじゃあまずは寝るかなー!せっかく布団があるんだから寝れる時に寝ないとね!」

 

『それじゃあ俺様も寝るとするかな。流牙、カバーを掛けてくれ』

 

「ああ、おやすみ」

 

流牙はザルバのカバーを掛けて眠らせ、流牙も再び布団に横になって体を伸ばしながらゆっくりと眠りについた。

 

 

 




それは醜き邪悪なるモノ。

人の命と未来を奪い、喰らう。

彼は剣を振るう、人を守る為に。

己の進む使命の心の赴くままに。

次回『光 〜Shining〜』

今、暗き戦国の世に一筋の希望の光が灯された。



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