ドラえもんのいないドラえもん  ~超劇場版大戦 地球は何回危機に遭う~   作:ルルイ

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世界を作ってしまうという事 後編(創世日記)

 

 

 

 

 

 先ほどのハジメさんの言葉が気になったが、僕等は神の悪戯を行うために【神様雲】と言う乗って自在に動かす事の出来る雲で五億年前の世界に降り立った。

 中の世界はモニターで見ていてわかっていたことだが、時代による植生が違っていてもすべてが本物で出来ている、とても自分たちが作ったとは思えない世界が広がっていた。

 一度タイムマシンで来た五億年前の環境とまるで同じで、違いを全く感じさせない。

 本当にこの世界が僕等の世界になるのかと思うと信じきれないが、この世界が作られた物であっても作り物ではないという事だけは信じられた。

 

 ハジメさんもこの世界に一緒に降りてきて周囲を観察しているが、だんだん投げ槍な様子になってきているのが解る。

 面倒臭くなっているのか、世界を自分達の思い通りに変えてしまう事に呆れているのかわからないが、僕等のせいでウンザリさせてしまっている事に少し申し訳なくなる。

 だが僕等も世界の事が掛かっている以上、妥協は出来ない。

 世界を作る事により、良い世界に変えてしまう事を望んだのは欲張り過ぎだと思ったが、望みが通った以上は理想の世界になる可能性を僕も試してみたい。

 

「ハジメさん、その進化退化放射線源の光を当てるのはどの虫でもいいんですか?」

 

「さあ、どうだろう?

 可能性の世界の話では光が当たったのが偶然飛んでた羽虫ってだけだから、正確な虫の種類は解らない。

 とりあえずは羽虫に限定して光を当てて様子を見るしかないんじゃないかな」

 

「そんないい加減なやり方でいいんですか?」

 

「まあ成る様になるんじゃないかな。

 君等という完成系が確かにあるんだから、もしかしたら歴史の修正力が働くことで、どのような経路でも君等の種に最終的に辿り着くんじゃないか」

 

「そういうものですか?」

 

「そういうものじゃない?」

 

 実に頼りない返答だがこれ以上ヒントが無いので、後はそのまま試してみるしかない。

 古代の森林の中を探すとそこら中に僕等の祖先に当たる虫がたくさんいるが、羽虫と呼べないものもたくさんいた。

 やはりこの時代は外敵のいない昆虫達の楽園なのだろう。

 

 古代の楽園の虫たちを見守っていると、近くには羽音を立てる虫が飛んできた。

 これがいいかもしれないとハジメさんに訊ねる。

 

「ハジメさん、ここに飛んでいる虫はどうでしょう」

 

「んー、まあいいんじゃないか?

 飛んで羽音を立てている虫が一応条件だから問題ないだろう」

 

 そう言ってハジメさんは持っていた進化退化放射線源という銃らしき物から飛んでいる羽虫に向けて光を放つ。

 羽虫は光に当たったが特に気にする様子もなく、周囲を飛んで離れていった。

 距離が広がると光も届かなくなってハジメさんは光を放つのをやめる。

 

「これでたぶん条件は整っただろう。

 後はまた外に出て時間を加速させて変化を見るだけだ」

 

「今のだけでいいのか?」

 

「神の悪戯と言われたくらいだから、星を作った時みたいにあのステッキで雷みたいなものを出すかと思った」

 

 カルロスとマンティはあっけない作業に拍子抜けと言った感じでぼやいている。

 僕ももうちょっとすごい光景が見れると思っていたのだが、あの銃みたいなものから出た懐中電灯みたいな光を当てて終わりというのは流石にあっけなく感じた。

 

「あくまで進化の切欠なんだから大したものじゃない。

 それよりここにいても仕方ないから、さっさと戻るよ」

 

「わかりました」

 

 僕等は神様雲に乗って外の世界に出た。

 中に入る時と外に出るときは宇宙空間なのだがなぜか息が出来ている事が不思議で、外から入ってきた存在なら大丈夫なのだろうと答えてくれたハジメさんもすべてを把握していない様子だった。

 便利と言えばそれまでだが、性能を把握していないことに不安はないのだろうか?

 

 いろいろ謎も多いハジメさんの出す道具だが、今は神様シートの中の地球の様子が気になる。

 僕等はさっそく時間を飛ばしながらモニターで中の様子を確認し始めた。

 

 まずはゆっくり様子を見ようと少しずつ時間を飛ばしていたので変化が少なかったが、一千万年時間を進めた所で最初の時の世界とは劇的な変化を見せ始めていた。

 虫達の進化が加速しており、まだずっと先の両生類が出てきたころと同じくらいの多様性の昆虫が地上に溢れていた。

 これだけで先ほどの光線の効果があったことは実感できたが、進化はまだまだ止まらなかった。

 

 また一千万年ずつ時間を飛ばすと五億年前では指ほどに小さかった虫達が少しずつ大型化し、小さい虫を大きい虫を食べる食物連鎖が出来ていた。

 昆虫人類の影はまるで見えないが、前の世界よりもはるかに昆虫達が進化を続けて繁栄しているのが解る。

 これならいずれ昆虫人類が誕生するだろうと思っていたが、この世界でもついに両生類が地上に姿を現した。

 

 上陸した両生類も小型の昆虫を捕食していたが、大型の昆虫は両生類とほぼ同じ大きさまで進化しており縄張り争いでお互いを威嚇し合う光景が見え始めた。

 両生類は爬虫類に進化するとさらに体を巨大化させて恐竜と呼ばれる種に進化したが、それに対抗するように昆虫達も大型化が進み、僕等の歴史でも見る事の無かった恐竜と同サイズの超大型昆虫が出現した。

 

「うわぁ、これはすごい…。

 恐竜と同サイズに進化するとは思ってもみなかった」

 

「そんなこと言ってる場合ですか!」

 

「なんだこれは! こんな昆虫俺らの歴史にも存在しなかったぞ」

 

「これでホントに我々の種が誕生するのですか…」

 

 恐竜と超大型昆虫はお互いを捕食対象にしながら食ったり食われたりして進化を続けていく。

 僕等の世界では存在しなかった昆虫達の予想以上の進化に、逆に昆虫人類が生まれるかどうか不安になる。

 

「昆虫が恐竜に対抗するために大型化したのか、あるいは恐竜達が昆虫を追いかけたのかわからないけど、これは別に問題ないんじゃないか?

 恐竜達の歴史は小惑星の衝突による環境の変化で終わりを迎える。

 このままいけば大型昆虫達も恐竜と一緒に絶滅する可能性が高い」

 

「確かに…」

 

「そういえば恐竜達の大量絶滅の件があったか」

 

「おそらくハジメさんの予想は当たるでしょうね」

 

 恐竜の絶滅は前の世界で見ており、その時がくると恐竜と同じくらい巨大化した大型昆虫達は体を維持するための食料を確保出来ずにどんどん絶滅していった。

 残ったのは進化せずに数少ない食べ物で生命を維持出来る食物連鎖の最底辺にいた数の圧倒的に多い小さな昆虫達だった。

 哺乳類の祖先もいくつか生き残ったが、時間を進めればお互いの進化速度に差が出始めて、昆虫の中で二足歩行をする昆虫人類に近い種が生まれ始めた。

 哺乳類も種族を増やして地上に散らばっていたが、人型に近い種はいまだ生まれていなかった。

 

 恐竜時代のような大型昆虫は生まれなかったが、哺乳動物くらいの昆虫であればいくつか存在し、僕等の世界にも住んでいるようは非知性の昆虫に似た種も見かけたが、際立ったのが道具を使う昆虫人類の誕生だった。

 最初に見つけたのが僕ら蜂の進化したホモ・ハチビリスではなかったが、道具を使って食物となる哺乳類か昆虫を狩って生活する、まるで哺乳人類の原始人のような姿に僕等は不思議に思った。

 これが地上で進化した場合に昆虫人類の姿なのだろうかと。

 

「まるで僕等哺乳人類の原始人の姿とよく似てるね。

 火を起こし道具を使い知恵を使い始める」

 

「ええ、僕等の祖先はもっと草食的で小型ゆえに非力で狩りを行うという事はありませんでした」

 

「だけどここに映る昆虫人類は数を揃える事で大型の哺乳類も狩って肉を得ている。

 昆虫人類が地上で生活を始めたが故の進化だな」

 

「そうでしょうね」

 

 世界各地を覗いてみたが他の昆虫人類も誕生し、僕はもちろんカルロスやマンティの祖先らしき種族もバラバラの地域で独自の文化をもって繁栄し始めていた。

 そんな僕等昆虫人類が繁栄している間にも哺乳類もそれぞれ進化を重ねていたが、哺乳人類の祖先のサルは存在するのに哺乳人類に進化する兆しがまるで見えなかった。

 昆虫人類が頭角を現したからだろうと察するが、その結果に後ろめたい気持ちでハジメさんの様子を見るが、特に気にした様子もなく好奇心を感じさせる目でモニターを一緒に眺めていた。

 

「ハジメさんはこれでよかったんですか?」

 

「ん、なんで?」

 

「いえ、哺乳人類が生まれないのは間違いなく昆虫人類が地上に現れたからですし」

 

「さっきも言ったけどこの世界の事じゃないから気にしないよ。

 むしろこの後地上に繁栄する昆虫人類の歴史がどうなるのか今は気になる」

 

「どう言う意味ですか?」

 

 自分の種族ではないのに興味を惹かれている理由が気になった。

 

「そうだね………今の所の彼らの生き方が哺乳人類の古代人とまるで同じことから、この先も哺乳人類と似たような歴史を辿るのか気になるな」

 

「似たような歴史ですか?」

 

「君等は地底世界で閉ざされた環境で文化を発展させたからなかっただろうけど、地上の広さがあれば地域ごとの文化が生まれる筈だ。

 哺乳人類の場合、他の文化同士が出会えばお互いに発展することはあるが、気が合わずに衝突することもある。

 つまり昆虫人類同士の争いが生まれる可能性があるってことだよ」

 

「「なっ!」」

 

 確かに地底世界という狭い環境に暮らす僕等は、地上の哺乳人類以外に別文化と接触するようなことはなかった。

 同胞の昆虫人類は全て地底世界で暮らし、各コミュニティを持っていてもお互いに連絡を取り合い地上世界を仮想敵として一つに纏まっていた。

 だけど全ての昆虫人類が初めから地上で暮らしていた場合、文化の違う同胞が巡り合えばハジメさんの言っていることも想定しうる事態だ。

 

「そんな馬鹿な! 俺達を地上人類と一緒にするな!」

 

「我々は幾度も同族で戦争を繰り返してきた哺乳人類とは違う。

 理性的な友好と対話をもって同胞との繋がりを広げていくはずだ」

 

 僕等の世界では、地上の哺乳人類たちは同胞同士で戦争を繰り返す愚かな種族だと言われている。

 全てがそうだというわけではないのだろうが、哺乳人類の地上での歴史がそれを証明していると地底世界では常識となっている。

 そんな哺乳人類と一緒にされるのは遺憾だと二人は反論しているが、ここまで幾度もの口論に結果で証明してきたハジメさんの予想に、僕は嫌な予感しか感じられなかった。

 そしてその嫌な予感は現実のものとなる。

 

「これは…」

 

「なんてことだ」

 

 モニターに映された多文化同士の昆虫人類の接触は、その殆どが殺戮と奪い合いの結果となり僕等は愕然となる。

 勝ったものが負けた物の全てを奪い、そしてまた戦いが起こり奪い合いの結果に勝った者の勢力は拡大していく。

 そうして国が生まれて民族が平定されても同じ昆虫人類でも種族の違いから差別が生まれ格差社会が出来上がる。

 そこから生まれる不満が国を割って内乱が起こり、再び争いの歴史が繰り返される。

 それでも技術の発展で昆虫人類の活動領域は拡大していき、ついには地上全体の昆虫人類を巻き込んだ大戦となる。

 僕等の世界でも起こった哺乳人類たちが言う世界大戦だ。

 

 言ってみれば地上を支配した昆虫人類の歴史は、僕等の世界の哺乳人類と大差が無かった。

 文化や宗教の違いから奪い争い、憧れた地上を発展の為に汚す。

 時間が流れて僕等のいた頃の時代になれば各国の交流は盛んになるが、地上からは諍いが消えない。

 僕等は自分達の種族の悪意を目撃してしまった気分だった。

 

「こんなのちがう。 俺達はこんな愚かな種族なんかじゃない」

 

「これでは我々の世界の哺乳人類と一緒ではないか」

 

「歴史が違えば文化も違うし価値観も違う。

 だけど本質は君達とこの世界の昆虫人類は大差無いと思うよ」

 

「なんだと! 俺達とこいつらの何処が同じだっていうんだ!」

 

 僕等とこの世界の昆虫人類が同じと言われて、マンティがまだ激昂する。

 

「可能性の世界の知識でも君達の世界の情勢を詳しく理解しているわけじゃないが、その世界では地上世界を取り戻そうという世論が地底世界に広まっていた。

 火山を噴火させて地上文明を破壊し一気に攻め込むとか言ってたけど、君達の世界ではどうなのさ。

 それが暴力的な手段じゃないと言えるのか?」

 

 ハジメさんの知る可能性の世界の知識が、僕等の世界の情勢と合致したことに僕等は再び驚く。

 火山を噴火させるなどの話は大統領の息子でも一般人の僕は知らないが、あり得ない話ではないと思う。

 地上侵攻の話は僕等の世界ではもうすぐ決定しようとしていた事実なのだから。

 

「そ、それは……地上はもともと俺達昆虫の世界だったんだ。

 それを取り戻そうとして何が悪いんだよ!」

 

「それは君達の自論であって、第三者から見ればこのシートの中の世界で昆虫人類のやってること………いや、哺乳類昆虫類関係なく、人類の歴史がやってきたことと何も変わりない。

 奪われたから奪い返す、さっきまでさんざん見てきたこの世界の歴史と何も変わりない歴史の一ページだ。

 仮に君達の世界で哺乳人類から地上を取り戻したとしても、敵のいなくなった昆虫人類は遠くない未来に内部分裂が起こるんじゃないかな」

 

「そんなわけがっ!……」

 

 マンティも否定しようと声を荒立てるが、否定出来る要素を説明出来ない事からそれ以上口にすることが出来ない。

 僕もカルロスも何も言うことなくあり得るかもしれない未来を恐れる。

 未来で思い出したが、この場には未来から来たエモドランがいた事に気づいた。

 未来のことを知っている彼ならいい結果が聞けるかもしれないと尋ねかける。

 

「エモドラン、僕等の未来ではハジメさんの言うように内乱が起こってしまうのか?」

 

「ごめんビタノ君。 未来の詳しい歴史は教えちゃいけないことになってるんだ。

 下手な事を言ったら未来が簡単に変わってしまう可能性があるから禁止事項になってる」

 

「そう、か…」

 

 言われてみればそうかと納得するが、僕が今聞きたかったのは良い話だ。

 知りたくなかった事実に参っている僕達は、少しでも前向きになれるいい話が聞きたかったのだがそういうわけにはいかないようだ。

 ハジメさんが最初に言っていた忠告を聞かなかったことに少しだけ後悔する。

 

 僕等がぼんやりと落ち込んでいる間に、ハジメさんはモニターとは別のコンピューターらしきものを出して何かを調べていた。

 

「ハジメさん、今度は何をしているんです?」

 

「ちょっとした確認だよ。

 今のこの世界の時間は君達の世界とほぼ同じ時間なんだろう?」

 

「ええ、そうですが」

 

「それならもしかしたら君達自身がいるかもしれないから確認しようと思って」

 

「僕達自身ですか!?」

 

 また予想だにしないことに驚かされる。

 

「何度も言うけど、この世界は君達の世界になる予定なんだ。

 歴史が違っても同じ存在が生まれていることは十分あり得る。

 今は君等がDNAの追跡で僕にたどり着いたように、ビタノ君と同じDNAを持つ存在をこの世界から探し出しているところ

 (ドラえもんが子孫のセワシと共に祖先ののび太の未来を変えに来ても、未来でセワシが消える事が無いのがその証明だ。

 原作では確か出発点と終着点が同じならどのような乗り物に乗っても同じという例えを、歴史の修正力として説明していたな)」

 

「なるほど…」

 

 この世界の昆虫人類の争いに目を逸らしたくなったが、僕等の当初の目的は自分たちの世界を救う事。

 その為に世界の誕生の切欠になるのは予想だにしていなかったし、より良い世界を求めた事で地上世界で争い合う歴史の昆虫人類を見る事になったのも、望んだ僕達の自業自得だ。

 一番重要なのはこの世界が僕達の世界となっているのかという事だが、この世界の僕が生まれているのならその証明の一つになる。

 

「………発見したみたいだ。

 どうやら僕の世界のアメリカに当たる大陸にいるみたいだ。

 この場所にUFOカメラを飛ばしてみて」

 

「わかりました」

 

 ハジメさんの示した場所にモニターでUFOカメラに指示を出して移動させる。

 カルロス達も落ち込んではいても様子を見ようとモニターを一緒に見始める。

 示された場所にたどり着くとどうやらそこは大学の様で、僕と同じくらいの年の昆虫人が集まっていた。

 その中に友人らしき人達をお喋りをしている僕の姿があった。

 

「本当に僕がいた」

 

「ビタノさんがいたという事は我々もいるのでしょうか?」

 

「おそらくは存在していると思うよ。

 完全に歴史が違うからどんな生活を送っているかわからないけど、ビタノ君が同じ大学生なくらいだから同じような仕事をしているかもね」

 

 この世界の僕を見つけた事で再び好奇心に駆られて、元の世界で僕に関わりのある人達をこの世界で探してみた。

 運命なのかどうか知らないがこの世界でも父さんは大統領をやっていて、カルロスもマンティも父さんの近くで部下をやっているのが見えたので安心した。

 ひどい歴史ばかり目にしていたので意気消沈していたが、この世界の人々も僕達の世界と変わりなく自分たちの生活を大切にして日々の暮らしを満喫しているのに安堵した。

 この世界の昆虫人類が僕等と全く変わらないと証明されたが、悪い部分だけではなく善良な部分も確かに存在してお互いに協力し合っていることも証明された。

 

 昆虫人類が地上で繁栄すれば哺乳人類と変わらない争いの歴史を辿るのは残念だが、これが確かに僕等昆虫人類が望んでいた地上での生活なのだと納得出来た。

 文明が僕等の世界より少し遅れている様だが、まるで違う歴史を送るのだから些細な事だろう。

 私生活が地底世界での暮らしとあまり変わりないことに少し自分の可能性に失望するが、それは僕等の地底世界が哺乳類に追いやられた結果なのだとしても、地上と変わらない生活を送れていたという幸福の証明にも思えた。

 

「ハジメさんの言う通り、この世界は僕等が地上で繁栄した場合の世界なんですね」

 

「ええ、我々も失敗を犯すしその果てが哺乳人類の戦争と変わりないのが残念ですが事実みたいです」

 

「地底世界で暮らしていた場合とあまり変わらないのが地上への憧れを無くすがな」

 

 僕ら三人は、この世界は確かに僕等昆虫人類が地上で繁栄した世界なのだと納得できた。

 

「それはこの世界を自分達の世界として受け入れる訳か?」

 

「ええ、受け入れがたい歴史もありましたが、この世界は僕等が確かに夢見ていた世界です。

 この世界が僕等の世界になるというのなら文句はありません」

 

「じゃあ、これで世界は完成したと判断するぞ」

 

「はい」

 

 するとハジメさんはUFOカメラを回収して神様シートの穴を閉じると直に丸めてしまった。

 

「もう片付けるんですか?」

 

「最後に確認することがもう一つあるから、その為に終わったことを示さないといけない」

 

「なにを確認するんです?」

 

「ビタノさん!!」

 

 最後の確認について聞こうとしたところで、カルロスが突然叫び声を上げた。

 

 

 

 

 

 最後に確認したい事とは、歴史を変えたことによる彼らの変化だ。

 さっきはのび太とセワシの例で歴史の変化を語ったが、ビタノ君達の昆虫世界の歴史の変化は人類史レベルで変わる大きな変化だ。

 その影響が現在の彼らとその世界にどのように出るか、いくつかの可能性を僕は予想していた。

 

 一つは鉄人兵団のラストの様に誕生の歴史が変化したことで、突如ドラえもん達と戦っている最中に敵のロボットが消滅するような現象が起こる可能性。

 一つは彼らがタイムマシンで元の世界に戻ると、そこが昆虫人類が地上で繁栄している世界になっていて彼らだけは元の世界の記憶だけがある可能性。

 一つは前の可能性の亜種で時間の経過によって記憶が前の世界の物から新しい世界の物に変化し、ゆっくりとその世界になじむ可能性。

 その他いくつも考えたが、大穴として初めから僕の推測が的外れで僕が作る創世セットの世界と彼ら昆虫人類が暮らす世界が全く関係しておらず。実は何も解決していない可能性。

 

 最後の一つは散々面倒を掛けられたのに肩透かしというひどい結果だが、僕の予想は鉄人兵団のラストが近い正解だったと彼らの変化で証明された。

 カルロスが最初に気づいて叫び、昆虫人類の関係者全員の体がうっすらと透け始めているのに気が付いた。

 これ予想通り、創世セットの世界の完成を宣言したことで彼らの歴史の変化が現れ始めたのだろう。

 世界の歴史が変化しても彼ら自身に影響が出ずに記憶を保持したまま変化後の世界に戻ってしまうのなら確認のしようのない事象だった。

 だけどこの現象が世界の完成を宣言した直後に起こったという事は、やはり創世セットの世界が彼らの世界だということになる。

 僕は冷静にこの事象を分析していたが、彼らは自分の体が消え始める現象にそれどころではなく大いに慌てていた。

 

「一体どうなってるんだ!」

 

「世界は救われたんじゃなかったのか!?」

 

「わわわわわ、ボク消えちゃう!」

 

「ハジメさんどうなってるんです!」

 

 全員が大慌てで自分の体を確認している中でビタノ君だけが僕に問い掛けてきた。

 

「落ち着け、そんな状態になるのも僕の予想の範囲内だ。

 体が消えかかっているのは消滅するわけじゃなくて上書きされているからだ。

 その様子ならすぐに消える訳じゃないから、説明する時間くらいあるだろう」

 

「そんなに落ち着いていられるか! こっちは体が消えかかっているんだぞ!」

 

「マンティ、とりあえず話を聞こう!

 事態が解らなければどうすることも出来ん」

 

「上書きとはどういう意味ですか!?」

 

 暴れるマンティをカルロスが抑えてビタノ君が説明を求める。

 

「上書きとは、文字通り歴史の上書きだよ。

 君等の状態がどのような状態に上書きされているのかは想像以上の事は言えないが、この神様シートが完成したと判断したのが上書きの切欠だ。

 これを完成とした事で君等に歴史の修正が起こって、この神様シートの中の世界が君等の世界だと証明されたことにもなる」

 

「意味が分からねえ! とにかくこれを何とかしろ!」

 

「ハジメさんもう少し詳しくお願いします。

 カルロスはマンティが暴走しないように抑えてて」

 

「わかってます」

 

 カルロスはマンティを羽交い絞めにしながらビタノ君に答えた。

 

「その状態がどのような結果をもたらすのかは分からないが、原因は歴史を変える事が確定したのが消え始めた切欠だ。

 この神様シートは、コントロールステッキで時間を撒き戻していくらでもやり直すことが出来る。

 それ故に、完成したと言い切ってこれ以上干渉しないと宣言しなければ君達の世界として確立しないと思って、完成の確認とその後の片付けのポーズをとることで君達の歴史の変化の確認をした。

 君達は地底世界で生きてきた昆虫人だが、その世界を昆虫人が初めから地上世界で暮らす理想の世界に変えた事で歴史の変化が起こり、地底世界の君達から地上世界の君達に存在が書き換えられようとしているんだ」

 

「存在を書き換えるって…。

 そうなると僕等はどうなってしまうんですか?」

 

「最初に言ったように、これは消滅ではなく書き換えだから死ぬわけじゃない。

 だけどどうなるかは幾つかの結果が予想してるだけだから、断言は出来ない。

 思い付く原因と結果の一つは、君達がここに来る理由が無くなったから初めからここに来なかったという事になろうとしている可能性だ」

 

「初めから来なかった?」

 

「君達がここにいる理由は世界が生まれない事で消滅するのを阻止するためで、世界が生まれるのであれば君達がここに来る理由が無くなるから、初めから来なかったことになり、この場から消えようとしている。

 それならば君達が上書きされれば先ほど見た神様シートの中の自分に成ると思うけど、ここでの記憶は残るかもしれないし残らないかもしれない」

 

「記憶が? 確かにここに来なかったことになるなら、記憶も無かったことになる筈。

 なぜ残るかもしれないと言えるんです?」

 

「君達はタイムマシンに乗ってきたことで時間の特異点になってた可能性がある。

 特異点になれば歴史の修正などの影響が少なくなり、他の存在が歴史の修正で消える状況でも影響を受けない可能性がある。

 君達の元の世界が消えようとしている時に、自分達だけ消えなかったのはそれが原因の可能性が高い」

 

「なるほど」

 

 おそらく僕も時間の特異点になっている可能性は十分にある。

 四次元ポケットを持ってタイムマシンで時間移動出来る存在が、通常の時間の中で普通に存在しえるとは考えられない。

 おそらく平行世界には僕は存在しないだろうし、創世セットで歴史通りの地球を新しく作っても僕はおそらく生まれないだろう。

 

「二つ目は単純に、地底世界で昆虫人類が育つ世界が地上世界で繁栄する世界になった事で、地底世界で育った君達の過去が消える事で消滅しようとしている」

 

「それじゃあ死ぬのと変わらねえじゃねえか!」

 

 答えたのはいまだに興奮が冷め止まないマンティ。

 

「そうとは言い切れない。

 一つ目の可能性でも言ったけど、君達は特異点になり他の人より歴史の修正の影響を受けにくい可能性がある。

 たとえ今の君達が消滅しても地上育ちの君達になり替わるだけで、この場での記憶や地底世界の記憶が残る可能性もないわけじゃない」

 

「ですが、確証はないんですよね」

 

 歴史改竄による存在の消滅の事象に興味が無いこともないが、簡単にやっていい事ではないので試したことはない。

 出来るのは時間移動を題材にしたフィクションの知識を参考にした予測だけだ。

 

「こんな時間干渉の実験なんて碌にしたことないし、特異点化についても今の僕じゃ解析出来る事じゃないからね。

 三つ目は僕のこれまでの予想が根本的に間違っていて、この神様シートを作るだけじゃ君等の世界の問題が解決しなかったから、君達の世界の消滅の影響が君達に出始めた可能性。

 神様シートの完成で君達に影響が出たのだから、君達の世界にこれが関係している事は間違いないけど、この可能性はほぼ無いと思う。

 思い付く可能性はこんなところだけど、可能性の一つ目か二つ目のどちらにしろ記憶が残るかどうかが君達にとって重要な事だろうね」

 

「僕等の元々の世界の人達は記憶が残らないんですか?」

 

「それは確実に残らないだろうね。

 歴史が変化すれば、元々の歴史の痕跡はその世界に存在しなくなるのは当然のことだ。

 過程と結果の積み重ねが歴史となるから、余計な矛盾となる前の世界の歴史など本来は残る筈がない。

 特異点の可能性がある君達が、例外的に記憶が残る可能性があるとしか言えない。

 まあ元の世界の人達全てを特異点化するなんて現実的じゃないだろう」

 

 時間は本来不変の物で、それを改竄出来るタイムマシンがあるのが特異な事象と言えるのだ。

 都合の良い歴史に変えたのに、元の歴史から都合のいい部分だけ残そうなどあまりに都合のいい話過ぎる。

 過去現在未来の世界を全体的にも部分的にも自由に書き換えられるなら、それは正に全知全能の神と呼べる存在だ。

 前世で読んできたフィクションの世界では稀にいる存在だが、僕にはひみつ道具の全てを使いこなしたとしても出来ないだろう。

 

 ………出来ないよな?

 玩具みたいなひみつ道具も多いが、たまに願望器に近い効果を発揮するひみつ道具もあるから可能性がある気もする。

 【ウソ800】みたいなのもあるから、何が出来ないと言い切れないのが恐ろしい。

 融通の利かない事が多いから全能とは言い切れないが、不可能はないとも言えるのでその手の道具は扱いが慎重になる。

 

 ともあれ彼らの問題ではそのような道具を使う気にはならないので、現状示せる結果で彼ら自身の未来を選ばせるつもりだ。

 これが彼らにとって最後の選択だ。

 

「さて、君等の世界は理想とは言えないが望みの世界になった訳だが、世界を都合の良い様に書き換えた以上、元となる世界が無くなるのは当然のことだ。

 改めて最後にもう一度尋ねよう。

 この世界を君達の世界として完成したと言っていいか?

 完成の代償は地底世界で暮らしてきた昆虫人類が存在したという事実だ」

 

「そんな…」

 

 歴史を都合の良い様に書き換えるという事の意味を考えていなかったビタノ君達は、その事に絶句した。

 書き換わる以上世界が消えるわけではないが、彼らのこれまでの地底世界の歴史が無くなるのは思っていなかったようだ。

 望みの世界の代償が自分達の世界の歴史なのは、世界の歴史が一つである以上替えの利かない正当な対価となる。

 

「ふざけるな! そんなの認められるわけねえだろ!」

 

「理想の世界を望んで都合のいい歴史に書き換えるのを提案したのはお前だ。

 それを実行したのも君達だし、最初に全ての責任を持つと言ったのも君達だ。

 結果を受け入れない事だけは絶対に認めない!」

 

 こういうややこしい事になるのも予想していたから、事前に言質だけは取っていたのだ。

 その正論にマンティは唸って勢いを落とす。

 

「グッ………そうだ!

 この世界に俺達の世界から移住すればいいんだ。

 争いもあるがこの世界は俺達が望む地上を昆虫人類が支配した世界なんだから、移り住むのも簡単なはず」

 

「それでは何の解決にもなっていないぞ、マンティ

 それにこの世界には、この世界の我々がいるんだ。

 同じ存在と接触した時どんな事態になるか予想も出来ない」

 

「そもそもこの世界は僕等の世界が変化した世界となるのだから、歴史の変化によって実質移り住む事と変わらない。

 ただ地底世界で暮らしていた記憶がまるまる無くなるだけで、運が良ければ僕達は記憶が残るかもしれないだけ」

 

「地上世界を昆虫人が支配するのはいいですが、地底世界で暮らしていたことが無くなるなんて受け入れられませんよ。

 何とか全員記憶を残したまま移り住むことは出来ないのか!」

 

「そんな都合の良い話があってたまるか。

 何かを得るためには何かを犠牲にしないといけないし、得るものが大きければ犠牲が大きいものになるのは当然のことだ。

 それを無視出来るのは全知全能の本物の神様くらいだ」

 

「…確かにその通りです」

 

 タイムマシンを持っている事で簡単に歴史を変えられると考えるのは、バカのすることだ。

 歴史改変にも原因と結果があり、歴史を変えれば結果が変わることによって原因が無くなるなどの時間矛盾が発生する。

 それを無視出来るのが特異点と呼べる存在となるのだが、影響を受けないのは自分達だけで他には確実に影響が出るのだ。

 それがいい結果を生むとは限らないから、歴史改竄は本来やってはいけない事なのだ。

 

 タイムマシンの使用はあくまで過去や未来の観測に留めて、どうしても改竄をするのであれば歴史に矛盾が発生しないようにしないといけない。

 例えば過去に死んだ人間を助けたいのであれば、過去を改竄して死ななかった事にするのではなく、死んだ事になっていたが実際は死んでいなかったという事にして、真実を偽りの事実で覆い隠し歴史の変化を最小限に抑える事で、矛盾を無くすのが影響の少ない歴史改竄だ。

 

 真実を偽りの事実で覆い隠す必要がある以上、大事件の被害などを無かった事にするには相当の労力がかかる。

 影響を抑えて歴史改竄をするには上記のような些細な事象が精いっぱいなのだ。

 昆虫人類の地底世界の歴史と地上の繁栄を両立させるなど、どう頑張っても人の力では不可能なのだ。

 

「それで最後の選択だ。

 この世界を肯定して地底世界の歴史を無かった事にするか、もう一度歴史を書き換え直して君達の元々の世界に戻すかだ。

 もっと都合の良い歴史を探すのもいいが、僕はこれ以上付き合わないからね。

 この手の願望は求め続けたらきりがない」

 

「元々の世界に戻すって、そうしたらこの世界は…」

 

「世界に歴史は一つだけだ。

 どちらかを選べばもう片方は存在出来なくなる。

 存在出来るのはどちらか一つの歴史だけだ」

 

「この世界の人達は?」

 

「当然いなかったことになる」

 

「せっかく作った世界なのに…」

 

 既にこの新しい世界に感情移入している彼らは、消してしまう事にも戸惑いを覚えている。

 

「ハジメさんはこうなることを予想していたのですか?」

 

「どちらかを選ばなければいけない事か?

 もし消失という形で歴史の変化の影響を受けなければ、君達はそのままこの世界の自分として移り住んだんじゃないか?

 歴史の選択の影響に気づかなければ、それで問題は解決していただろう。

 僕だって気づいていない影響があるかもしれないし、実際に直面しなければ理解できない事もある」

 

 フィクション知識のお陰で歴史の影響を大よそ予測出来ていたが、タイムマシンを使う以上は気をつけておかないといけない時間知識だ。

 知らずにタイムマシンを使っていた彼らにはいい経験だろう。

 

「それにこの件に関しては君達自身の責任と言っておいた。

 世界を作ることの責任や歴史を望んだように組み換えた影響の処理なんて、途轍もなく面倒臭い物だと解っていたから初めから気が進まなかったんだ。

 世界を作る行為は命を作る行為に等しく、歴史を作ればその流れに生きる人たちの人生を作ることに等しい。

 そんな一人の人間でも余りそうな行為をポンポン行いたくないし、責任なんて持てないから初めから放棄すると言っていたんだ。

 とは言っても無責任ではいられないから、最後まで付き合ったんだけどね」

 

 どこまでいってもひみつ道具の持ち主が僕である以上、放棄出来ない責任だ。

 面倒臭いけど最後まで付き合うのが筋だろう。

 

「それで君達はどっちを選択するんだ?

 今の神様シートの中の世界は昆虫人類が地上で繁栄した世界になってるから、地底世界の君達が消えかかっているけどその様子ならすぐには消えない。

 けど選ばなければ時間切れでこの世界で固定されるだろう。

 それでも僕は構わないけどどうする?」

 

「「………」」

 

 彼らは彼らだけでどうにか解決策はないかと長々と話し合ったが見つからず、消失が限界に近付いたところで恐怖に駆られたのか、この歴史を無かった事にして元の世界に戻すことを決断した。

 明確な世界があると言っても、神様シートの中の世界である以上コントロールステッキで自在に操作出来る。

 時間を撒き戻す事で昆虫人類による地上文明が消えれば彼らの消失も止まり元通りになったが、あっけなく消された地上昆虫文明に彼らはこれまで以上に呆然自失となっていた。

 

 五億年前に戻したら、本来の映画の世界のようにユーステノプテロンに進化退化放射線源を当て虫以外の進化も加速させて、最終的に虫たちが地底世界に住む事になるようにした。

 その際に、彼らに攫われた五歳の僕のコピーの髪の毛を、進化退化放射線源を使った現場に落としておいた。

 彼らの歴史が予定通りに流れれば、ビタノ君達がこの髪を拾いにタイムマシンでやってくるので、現状の僕等の状況が発生するよう矛盾を無くすために仕掛けておいた。

 結果的に言えば彼らが僕のコピーを攫ったのは、僕が仕向けた事という事になるのでまた頭が痛い思いをした。

 

 今度の世界の歴史は予想通りに昆虫人類が地底世界で暮らす世界になった。

 ビタノ君達の時代でUFOカメラで様子を見れば、未来からやってきたエモドランとビタノ君が一緒にいるのを目撃したから、間違いなくここにいるビタノ君達の過去だろうと証明できた。

 これでこの世界は完成となり、ビタノ君達も消失する様子はなくタイムマシンで元の世界に戻ることになった。

 

 その際に完成した世界の創世セット一式を彼らに渡しておいた。

 完成した創世セットも手元にあっても困るし、彼らの世界そのものを誰かが持っているというのも不安となる事態だろう。

 もしも神様シートが壊れればビタノ君達の世界も壊れるかもしれないと言えば、自分達の世界を保護するために彼らは鬼気迫る思いで持って帰ることを受け入れた。

 

 これで使用済み創世セットの処分は終わったが、彼らも創世セットの扱いにきっと困る事だろう。

 何せ自分達の世界の歴史を書き換えられるとなれば、歴史改竄の意味を理解出来ないバカがよからぬことを考えるのはよくある話だ。

 もしかしたら自分達の歴史を改竄して、そのまま世界の消滅に繋がってしまうかもしれないが、僕の世界の事ではないので特に関心は沸かない。

 まあ未来から来たエモドランがいるから彼がいる限り未来が存在することは約束されているのだろう。

 神様シートの中の歴史改竄でビタノ君達と一緒に消えかかっていたので、どこまで頼りになるかわからない未来の証明だが…

 

 

 

 面倒臭い事件を挟むことになったが、鉄人兵団が地球にやってくる時期が迫ってきている。

 準備は着実に整ってきているが、不測の事態に備えて情報を集め続けている。

 偵察の為のスパイロボットもメカトピアに送り出しており、向こうの情報を少しずつ集めている。

 戦力的に負ける気はしないが、戦術や戦略という面では僕等は決して有能というわけじゃないから油断出来ない。

 泥沼に入ってしまったら結局歴史改竄による解決を行わないといけないが、そんな事態にならないように戦略を練り穴を探しては埋めるように僕等の会議は続いた。

 

 

 

 

 




 長々とすみませんでした。
 駄文続きでようやく終わりましたが、次回の鉄人兵団は超大編予定で挙げるのは予告編の予定になります。
 超大編を完成させる時期は未定ですが、設定を詰めたりしないといけないのでだいぶ先の予定です
 むしろ完成は期待しないでほしいかも

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