孤高の牡牛と星の灰被り姫 【完結】   作:シエロティエラ

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お久しぶり?です。
大学が一年目なのに本当に忙しい。なんでレポートが一気に4つも出るんでしょうかね。しかもお題がものすごく複雑なんですよ。憲法九条て、理想主義現実主義て、知るか!!って言いたいです。
では更新します。





この思いは何処へ続くの/素直になれたなら

 桜の花も散り、時期が梅雨に差し掛かろうとしたころ。

 桜井侑斗と野上良太郎は大学の中間試験を終えただった。二人は日ごろから勉強を怠らなかったため、追い込みをせずとも余裕でノルマをクリアできた。しかし彼ら二人を346のライブに誘った友人は追い込みをする側の人間だったため、二人はその友人の試験勉強に付き合うことになったが。

 まぁその甲斐あってか、三人は無事に試験をパスした。そして現在、学生三人と侑斗の妹であるハナ、そして何故かデネブを交え、三日ほど温泉旅行に出ている。

 

 

「いやー、やっぱ人が多いなぁ」

 

「うん、そうだね」

 

「……酔いそうだ」

 

「侑斗、大丈夫か? デネブキャンディー舐めるといい。今回は飴玉だ」

 

「いらねぇよ」

 

 

 酔い止めにキャンディーってなんだよ。というかハナ、お前はさっきから何個食ってるんだ?

 

 

「んー? わかんないし、おいしいからいいじゃん」

 

「美味しいって言ってくれたから、俺も嬉しい」

 

「デネブ……」

 

 

 だが酔いが酷く、デネブにプロレス技をかける気力もない。そのまま初日は五人で主な観光地を回り、旅館へと向かった。というかどれだけ人がいるんだよ。俺の大学は休みだが、世間では一応平日だぞ?

 

 

「まぁまぁ侑斗、楽しかったからよかったでしょ?」

 

「そうだよ侑斗、そんなんだと彼女できずにお母さんを悲しませるよ?」

 

 

 俺が悪いのか? 野上やハナにこう言われるってことは俺が悪いのか?

 

 

「とりあえず寝よう。明日は早いからな」

 

 

 そうだな。今はデネブの言うように寝よう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日、俺はデネブと共に宿周辺に繰り出した。今日は各自自由行動にしている。ハナは近くの町に出てるが…まぁ良太郎がいるから安心だろう。

 で、だ。

 俺は落ち着いた場所を見つけたら読書する予定だった。この世界に生まれてからというもの、読書は比較的好きな部類に入る。そのため俺は旅行には最低一冊は持参している。

 で、丁度いいベンチを見つけたからそこに座っていたんだが、気が付けば隣に少女がいた。

 ショートカットの黒髪であり、その前髪は目にかかっている。群青のスカーフを体にかけており、静かに読書するさまは一つの絵画のようだ。正直俺は見とれてしまっていた。

 

 

「侑斗ー、そろそろお昼ごはんだ。ライナーで作ってきた」

 

「デネブ……椎茸入れてないよな?」

 

「大丈夫だ侑斗。好き嫌いは駄目だからしっかり入れておいた!!」

 

「デネブー!!」

 

「アイタタタッ!! 侑斗タイム、タイム!!」

 

 

 椎茸を入れるとは、椎茸をいれるとは!! デネブ許すまじ。

 

 

「あの…」

 

「ん? ああ、悪い。五月蠅かったか」

 

 

 デネブにかけるプロレス技を解き、隣に座っていた少女に謝罪する。前髪の隙間から見える少女の目は、アーニャとはまた違った澄んだ眼をしていた。

 

 

「いえ、大丈夫です」

 

「そうか。じゃあ俺たちはこのへ『文香さん、ここでしたか』んで…え?」

 

「え? おや、あなた方はこの間の……」

 

「? プロデューサーさんの知り合いですか?」

 

 

 後ろから聞き覚えのある声が聞こえたので、デネブと二人して思わず振り返った。その先には、いつかのライブで会ったアーニャたちのプロデューサーだった。この人、いったい何人担当してるんだ?

 

 

「いえ。あの問題のライブの時、新田さんとアーニャさんの避難を手伝ってもらいまして」

 

「そうだったんですか。鷺沢(さぎさわ)文香です、よろしくお願いします」

 

「あ、ああ。よろしく」

 

 

 このプロデューサー、確か武内さんだったか、うまい具合にイマジンやゼロノスのことを誤魔化しているな。まぁ普通なら到底信じられない話だし、仕方がないか。

 

 

「デネブです。そして侑斗をよろしく!! これはお近づきの印のデネブキャンディー『クォラ、デネブゥ!!』アイタタタ、侑斗痛いぞ」

 

「あはは、お二人は仲がいいですね。ああそうだ、この後時間はありますか?」

 

「え? ありますが、理由をお聞きしても?」

 

「ええ。あの時のライブの件で、うちの専務がお礼を言いたいと」

 

 

 せ、専務が直接? いくらなんでもぶっ飛びすぎだろ?

 

 

「なら行こうか侑斗。なに心配するな、俺がついてる!!」

 

 

 お前が一番の不安要素なんだ…

 

 

「キャァァァァァアアアア!! 怪物ゥゥゥウウウ!!」

 

 

 ッ!?

 突如聞こえた悲鳴と感じた振動。方角は繁華街、確かハナと良太郎がいたはずだ!!

 

 

「!! あっちは確か専務が…!!」

 

「そんな!!」

 

 

 なるほど、武内さんのボスもあっちにいるのか。

 

 

「武内さん、あなたはそこの子と非難を。デネブ、行くぞ!!」

 

「おう!!」

 

「あ、君!!」

 

 

 武内さんが呼び止める声が聞こえたが、俺たちは無視をして走り出した。頼むから無事でいてくれよ!!

 

 

 

 

 

 




はい、短いですがここまでです。
次回はバトルパートと専務との対話です。そして今回は鷺沢文香が出てきました。
では今回はこの辺で。




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