デート・ア・ライブ 王花ディバイナー   作:メカレン

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時間軸は十香封印当たりぐらいです



王花フリーダム
1章


私は他の人よりは恵まれた人生を送っていたはずだ……常人をはるかに超越する豪運と容姿を

持っているのだから間違いなく幸運だろう。

ただ、私の人生に不幸があるとすれば、それはおそらく生まれてきた性別を間違えたことだろう。

いや、正確には――

 

「この(外見は)超絶美少女であるこの私の性別を【男】にするなんて、

 神がおかした最大の過ちといっても過言ではないわね。」

 

「むしろお前が間違えてるんだよ。」

 

失礼な……というか、この周り一面が白色で覆われているこの空間に、

私以外の人間がいたなんて――

 

「正確には【人間】ではなくて【神】なんだがな。」

 

声に出してないはずなのに、私が思っていることに対しての回答が帰ってきた。

まるで心を読まれているような……そのまえに【神】?

いや、そもそも私は()()()()()()。とすれば、ここは天国なのかしら?

 

「まず、心を読んでいるかに対しての答えだが、Yesだ。

 あと、確かにお前は死んだ。そしてここに来た、しかしここは天国ではない。」

 

「乙女の心を覗いたことを今は不問にするわ。じゃあ、ここはいったいどこなの?」

 

「魂を次の世界へと送り出す場所だ。もっとも死んだ人間全員ではない、お前は特別に選ばれて

 ここへ運ばれたのだ。ちなみに選定方法は抽選な。」

 

さすが私の豪運。死してなお私を良き方へと導くなんて、さすがだわ!

 

「得意顔になっているところ申し訳ないが、次の世界へ送り出すためにやらなければならないこと

 が二つある。」

 

「どんなことかしら?試練とかでもやるの?」

 

「いや、そういうのではない。選ばれた人間には必ず神が力を授けなければならないのだ。

 そして、送りだす人間の願いを一つ叶えてから送り出さなければならない。これは必ずだ。」

 

「じゃあ、私の体を女にしなさい。」

 

「もう少し悩んでもいい気がするが……わかった、次の世界では君の体を女性のものにしよう。それで君に授ける力だが、君はとても幸運だ。故にその運に関係する力を君に与えるとしよう。使い方は頭の中に直接入ってくるから説明は不要だろう。」

 

「あらやだ便利。まぁ、何はともあれ、私の夢に一歩近づきそうだから感謝するわ。

 ありがとう。」

 

「どういたしまして。あぁ、そういえば君を送る世界なのだが君とは別の世界、

 つまりはパラレルワールドで小説になっている世界なんだ。もっとも、君にはあまり関係のない事だが。まぁ、これで準備は整った、それでは新たな世界へと旅立つものよ、

 君の旅路に【神】の祝福を。」

 

「あなたにも良き祝福を。」

 

そう言い合って私は新たなる世界へ旅立っていた。

そう、私はこの新しい世界で夢を叶えるのだ。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()】という夢を!

いざ、新世界!私の希望にレッツゴーよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして夢と希望にあふれた私の新世界の第一歩はまるで巨大隕石でも降ってきたかのような、

クレーターができていた町並みだった。というかもしかして世紀末だったりするのかしら?

確かにどんな世界かは言ってなかったけども、まさか私の人生始まる前に世界が終わってたりなんかしないわよね……というか、本当に人ひとりいないわね。

それに、このクレーター私を中心に広がってるみたいな……とりあえず移動しようかしら、情報がなきゃどうしようもないのだし。

 

そういって私は目視で確認できる一番高い建物であろうデパートに向かおうとした瞬間、武装をした者たちに囲まれてしまった。

 

「隊長!包囲完了しました!」

 

「油断するな!一気に奴を叩くわよ!」

 

どうやら、私は彼らにとってあまり歓迎されてないらしいわね。少しでもいいから話を聞きたいのだけど……どうやら話し合いの余地はないらしいので神様から貰った力を早速使ってみることにしましょうか。というか、この力強すぎる気が……まぁ、神様から貰った力だからある意味当然と言えば当然なのだろうが。

では、ここで一つお見舞いしてやりましょうか――

 

紫をベースとしたフード付きのドレスである〈神威霊装・小径(パス)〉を身に纏いながら、

私はただこう言った

          「――〈神秘創造〉(ラドゥエリエル)

 

そう言った私の周りにはまるでタロットカードの大アルカナをイメージさせるような26枚のカードが現れて、私を囲んでいた。私はその中の一枚を手に取って

 

「【死神(デス)】 〈停止〉」

 

そういって私がカードに秘められた意味を解放した瞬間、私を囲んでいた者たちはまるで時が止まったかのように動かなくなった。

どうやら私の力は、タロットカードの大アルカナをベースとしており、それぞれのカードの意味に対応する力を使うことができるようだ。もちろん正位置だけではなく逆位置の意味も使うことができるし、対象は自分だけではなく相手や無機物など様々なものに使える。ただし使うカードまた意味によって霊力の消費は異なる(強い力ほど多くの霊力を消費)らしい。

 

「どうやら、一応の危機は脱出したらしいけど……精霊?とやらに私はなったらしいわね。」

 

力を使ったことにより、おぼろげだった私の中の知識がハッキリとしてきたようだ。

私は精霊という超常的存在になり、おまけに「霊装」と呼ばれる霊力で編まれた鎧を身に纏い、それに対を成す最強の武装である「天使」私の場合は〈神秘創造(ラドゥエリエル)〉という矛を手に入れたようだ。

その他、現界や消失そして隣界など精霊に対しての知識は手に入れたが、いまだこの世界がどのような世界かはまだわからないけど……

 

「とりあえず停止させてる間に逃げましょうか。」

 

退屈しなさそうな世界であることは間違いない。




書いてるときは意識してなかったんですけど、ものすごくふてぶてしい主人公ですね。
果たして運命の相手は見つかるのか……(ちなみに男の娘じゃなくなったから魅力が下が【検閲不可】)
あと霊力なんですが本人の素質と能力の関係上かなりの霊力を持っているという設定があります。

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