太刀川隊作戦室。いつもの四人は、いつも通りゲームをしている。
「よっ……と、出水さん、強くなりましたね」
「まぁな。ネスって割と俺に向いてると思うんだ」
「そうですね。かなり向いてると思います」
「賢介くん、私のメタナイトは?」
「ダメダメですね。ノーダメで倒せます」
「酷い!練習したのに!」
「あのですね、いい加減ネットの評判気にするのやめましょうよ。自分の使いやすいキャラか使いたいキャラを使うのが一番いいですって」
「ぶー、だって賢介くんには普通にやったって勝てないもん」
「うちのハルちゃんなんて俺のファルコと仲間のキャラを使えるようになりたいという理由だけでフォックスを極めたんですからね」
「なっ、なんで知ってるのケンくん⁉︎ていうかバラさなくていいから‼︎」
「「べた惚れだね〜」」
「二人とも五月蝿い!」
「夜中、必死に練習してて可愛かったな〜」
「お前はもっと五月蝿い‼︎」
そんな事を話しながらゲーム。顔を赤くしながら綾辻は咳払いして話を逸らした。
「そ、それはともかくっ、ケンくんは次の試合大丈夫なの?」
「次?何が?」
「いや、次どこと当たるか知ってる?」
「知らね。後で三雲くんから聞くし」
「ふーん……ならいいけど、ちゃんと特訓しときなよ?」
「はいはい。じゃあゲーセン行こうか!」
「話聞いてたかお前」
出水が口を挟んだ。
「へ?はい。だって、俺の射撃はゲーセンで鍛えたものですからね」
「ああ、なるほど」
「あ、私もゲーセン行きたい〜」
「いいですよ。出水さんも来ます?」
「いく」
「いや行くの出水くん⁉︎そこは止めなよ!」
尤もだった。
*
ゲーセンなう。
「さて、何しようか」
「何しようかじゃないよ、出水くん。銃ゲーやりに来たんでしょう?」
「国近さん!マキブやろマキブ!」
「お、いいね〜!負けないからね!」
「………だってよ?」
「私達もやろっか」
四人で対戦。出水→フルコーン、国近→Gセルフ、伊佐→νガンダム、綾辻→リガズィ。
「ホントに綾辻は伊佐が大好きだな」
「ベタ惚れだね〜」
「ち、違うから!ホントに!」
「じゃあ、やろうか」
*
結果は言うまでもない。続いて、音ゲーの前へ。グルコスの前に立った。
「さて、やろうか」
「あー、私はいいや。代わりに、ケンくんと協力って事で」
「へっ?お前それはないわ。いくらなんでも」
「そうだよー。ケンくんにやらせた人が勝つに決まってるじゃん」
「それがそうとも限らないんだよ……。ケンくん、この手のゲームクッソ下手くそだから」
「「えっ」」
「へ、下手くそとか言わないでよ。………ちょっと、苦手なだけなんだから」
「はいはい……」
「ま、マジで?」
「賢介くんが?」
「うん。タイミング合わせるとか意味わかんない」
「だからほら、一緒にやろう?」
「ぶー」
意外な弱点を知った。
*
そのあともマリカーだのUFOキャッチャーだのポッ拳だのをやった。
「さて、そろそろ帰っか」
「そうですね。もう時間も時間ですし」
「久々にゲーセン来た〜」
「また来たいですね〜」
そう言いながら四人は本部へ向かった。銃ゲーをやらずに。
その途中、ラーメン屋を見つけた。その美味そうな臭いに吊られ、じぃーっとそのラーメン屋を伊佐は見つめていた。それを見て、絢辻は微笑みながら聞いた。
「食べたいの?」
「食べたい」
「あら、意外と直球」
「でも、いいよ。お金ないし」
「まぁ、そういうなよ」
出水が口を挟んだ。
「俺もラーメン食いたいし、寄ってこうぜ」
「……国近さんは?」
「私もいいよー」
「じゃあ、すみません。よりましょうか」
みんなで晩御飯を食べた。