リ・バース!再誕したけど目標ないよ!   作:閃駆

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第9話【ギルドにて】

金もないため朝もレーションですませ宿を引き払う。鍵渡してでるだけだけど。

 

時間がわからない、時計なんてものがないらしい。少なくとも今のところは目にしてない。アーシャに時計機能があれば便利なのに。

 

妖精アーシャと共に街を歩く。目的地は昨日見たデカイ酒場?らしきとこだ。

昨日は宿探しに夢中だったためそんな観察しちゃいないがあれは冒険者ギルド的な建物だと思う。

チラッと中見えたとき屈強な戦士が沢山いたしな。

 

「ここかぁ」

 

『おお~まさしくギルドっぽい雰囲気ですね!』

 

「1000年前もそういったものはあったのか?」

 

『ないです!戦力は国が管理してましたから。民間で戦力を溜め込むような組織は許されなかったですし』

 

「夢がないぞ…、でもそりゃそうか。ならここも実はでかい酒場だったり?でも裏手に訓練所らしきものだったりドでかい倉庫もあるぞ?しかも看板にも【ギルド】って…まぁ、とりあえず入るしかないか」

 

予想なんかしてても意味ない、緊張しつつ俺は建物内にはいった。そこは予想通り沢山の人、人、人。

依頼書の張られたボード、それを吟味しながら選んでいく男たち。どうやらそういったボードは複数あるらしい。

ランク別になっている。カウンターには依頼の受理を列をなして待っていたりもする。

 

「おおー、テンプレギルドだ」

 

『う~ん民間にもこういった組織ができたんですねぇ、考えもしませんでした』

 

「よし、登録だ!依頼が俺を待っている!」

 

どうやら新規登録カウンターは別個に別れているらしい。説明などもあるだろうし通常カウンターじゃ苦情もあるだろうしな。

案内に書かれてある通りのカウンターは今はだれもいないらしい。

 

「すみません、ギルド説明を受けたいんですが」

 

受付のお姉ちゃんはやはり驚いたようにこっちをみている。…その反応には飽きたよ。ごめんねこんなチビでさ!

 

「ぇと、依頼カウンターはまた別よ?ここは登録者のカウンター。依頼はあちらです」

 

「いえ、登録したいと思いまして。でも内容などが分からないので、とりあえず説明を聞きたいんです。お願いできませんか?」

 

「失礼ですが当ギルドの新規登録には年齢制限がございまして。14歳以上の方のみとなっております。身分証などはお持ちでしょうか?」

 

「通行証ではだめでしょうか。あと14歳なので大丈夫です」

 

―――危ない、門番に年齢聞かれたとき14歳と答えて正解だった。どこに落とし穴があるかわからねぇ。

 

「なるほど、はい結構です。ですが当ギルドではすべて依頼での事故や怪我は自己責任となっております。よろしかったですか?」

 

どうやら仕事モードに入ったらしい。少し砕けた口調から敬語になった。どうやら心配されてるみたいだ、やたら警告される。

 

「はい、それに説明聞いてからでも遅くはないですよね?お願いします」

 

「かしこまりました、では当ギルドの仕組みなどご説明させていただきます」

 

 

 

「当ギルドは、ランク制を採用しております。G~A・AA・AAA・Sランクの10ランク制となっており、ランクにあった依頼を受けることができます。

また所持ランクより1ランク上のものであれば受けられます。そこは自己判断にお任せしています。初期ランクはGからのスタートとなっております。」

 

ランクはどうやら1000年前と変わらないらしい。実力的には既に最高ランクでも問題はない。

 

「ギルドは国と提携しており、戦争時には戦力として協力する義務が発生します。無論ランクに見合った報酬はありますが。

基本はCランクから指名依頼という形で国より発注されます。よろしかったでしょうか?」

 

おっとー、雲行きが怪しくなってきた。完全に自由なわけじゃないか。民間戦力を獲得するための傭兵的な部分があるわけだ。

あとは魔物などを狩る戦力の有効活用ね。

 

「なるほど、続きお願いします」

 

「ギルドは戦力提供と緊急依頼では自由となっております。当ギルドでは、登録者のみ賞金首の受け渡しやモンスターの素材の売却なども行っております。

基本は皆さん其方を活用されますね」

 

登録者のみね…もしかして他のとこじゃ素材売却とかできないのか?それだとこのギルドってのは相当やばい。一手に引き受けた商会みたいな側面もあるんじゃ?

規模がどれだけか知らんが、どこでも通用するならこれほどヤバイ組織はない。下手すれば国より影響力ある。だが国の戦力でもあるってことはギルドはこの国のみになっているのか?

 

「ギルドは大抵の国にあります、例外はサンレート教国とリンブルク帝国になりますね。あの2国とは提携していないためギルド証による身分提示が効きません。ご注意ください」

 

いきなり疑問が解けた。いや結構な国に食い込んでるのかよ!どうゆう仕組みだっての、戦力があっちこっちいってもいいんかねぇ。

うーん、みんな早々生まれた国からは出ないのかもしれん。敵は人だけじゃないってのもあるのかも。

 

「なにか質問はございますか?」

 

「高ランクになるとなにか意味があるんですか?」

 

「はい、勿論です。Aランクからは貴族爵位を国から得ることができます。Sランクは名誉伯爵の地位を獲得することができます」

 

やべぇ…これは想像以上に酷い。成り上がりを目指すならいいんだろう。高ランクは人型決戦兵器だ。国の逃したくないって思いがあるんだろう。

それに多分そこまでランク上げる前に国が召し上げるなんてこともあるだろうし。でもなにより厳しいのは、ギルドは国と相助しあってるってことだ。

自慢じゃないが俺は目立つ、やりたいようにやれば間違いなく注目される。下手に逆らって賞金首なんかになってみろ、俺の文化的な生活がめちゃくちゃだ。

国に単独で押し勝てるならやりたいようにやりゃいいけど。物量戦なんて持っていかれた厳しいかもしれない。ゲリラ戦でチマチマやるならわからんけど。

 

 

さて…どうしたものか?入るべきか入らないべきか?

 

 

「大丈夫ですか?」

 

「ぁあ、いえ少し考え事を。ありがとうございます。そうですね、やはり登録お願いできますか?」

 

結局登録することにする。金を稼ぐ手段は俺にとっては戦力提供が手っ取り早い。最低限、飯だけでも食材購入するだけの金を得れるだけでもいい。

犯罪的な手段は最初だけで勘弁だ。

 

「かしこまりました。初登録にはお金は発生いたしません。ギルドカードの再発行には銀貨5枚かかりますので気をつけてください」

 

「はい」

 

「ではこの用紙にご記入をお願いします。代筆などが必要ですか?」

 

「大丈夫です」

 

用紙に記入していく。氏名はシオン。年齢は14歳、性別は男、身長も?150cmっと。武器か、見た感じ銃なんて扱ってるやつはいない。剣か槍か弓か、そんな風だ。

どう記入するか…銃剣があるし、刃渡り的にダガーかなぁ。うん、ダガーっと。

特技ぃ?面接か!魔法かな。魔法が使える方のみ得意属性の記入か、どうやら無記入でもいいらしい。でも【アルケミー】は便利だ隠して使いづらくはしたくない。

仕方ない、土・水・命と。水はまぁなんとなくだ。命は治療師として潰しが利きそうだから。記入はこんなもんか。

 

「お願いします」

 

「はい、かしこまりました。ギルドカードを発行いたしますので少々お待ちください」

 

 

 

 

 

『所属してよかったんですか?これはいつか面倒ごとになりますよ?』

 

俺の肩にのって静かにしてたアーシャが耳元でささやいた。

 

「まぁ仕方ない、このままでもどうしようもなかったんだ。コネもない知り合いも友人も親もいない。俺には歴史がないも一緒だよ。

なら自分の実力で勝ち取るしかないだろ?」

 

『資金なら魔具でも売却すればいいじゃないですか、幸い金属素材ならまだありますよ?マスターのエンチャントなら高品質ですし。一財産にはなるんじゃないですか?』

 

「それはまぁ…確かに」

 

『まさか忘れていたとか?』

 

「・・・・・・・」

 

『だせぇ』

 

「うるさい!」

 

「おい、なに騒いでるんだ!」

 

騒いでた俺たちの後ろから怒鳴り声がした、180cm以上はある皮鎧に身を包んだガタイのいい男だ。

 

「なんでこんな所にガキがいやがる、そこは登録カウンターだぞ。依頼だったらあっちだ!」

 

「その登録の最中なんだが」

 

「は?オイオイ馬鹿いっちゃいけねぇ。お前みたいなガキができる仕事じゃねぇ、ここはギルドだ!戦えるやつの場所だ。お前みたいなヒョロヒョロな女にできるわけがねぇ!」

 

「すまん、俺は男だ」

 

「?」

 

「いや、だから俺は男性だ、雄だ。残念ながらオッパイはついてない」

 

「おぉ、お前男か…見えんな」

 

馬鹿にしてた様子から困惑顔になっている。

 

やめてほしい、そんな冷静にマジレスしないでほしい。傷つく。

 

「てめぇ、俺のどこが女に見えるんだ!この野郎!」

 

「具体的に言えば、その三つ編みにした長い金髪と身長。あと顔」

 

「おい!マジレスしないで、そこらへん繊細だから!」

 

「ん、おう。済まなかったな」

 

「ほっとけよ」

 

なんてムカつくやつだ。いい年したおっさんがこんな子供につっかかってくるなんて。しかも罵倒が的確だ俺は深く傷ついた。どうしてくれようか!

 

「じゃねぇ、問題は性別じゃねぇから!てめぇみたいなガキが登録することだ!ギルド内の評判がおちんだろうが!失せな!」

 

「年齢的に問題ない、それに俺は魔法使いだ。そも強化できる段階で性別や身長、年齢は関係ないだろ。第一生活かかってんだ。お前は俺に死ねと?」

 

「む、魔法使いだと?ならなんでこんなとこ居やがる。魔剣騎士団とか国に所属すりゃぁいいじゃねぇか。生活ならそっちのほうが上等だろうよ」

 

「詳しく」

 

「詳しく?なんだそりゃ。…はぁーまぁいいなんも知らないんだなお前、どんな未開地からきやがったんだ。常識だろう、いいか魔法使いってのはなぁ」

 

なんだこいつ親切だ。初印象は最悪だったが実はいいやつ?テンプレ楽しみだったのに、まぁ初めてのギルドで派手なことするよかいいか。

 

「あいつらは大体国に所属してんだよ。魔法は貴族どもが独占してやがるからな。

あんな術式?なんてわけわかんねぇもん俺たちみたいな無頼漢が使えるわけねぇのさ。それなのに魔法使いだ?てめぇ貴族なんかよ?」

 

「いや、貴族じゃない。それなら金に困ってねぇよ、魔法が使えるのは…才能かなぁ」

 

「喧嘩うってんのか?才能で使えるわけねぇだろ…っふん!言いたくないわけだ。だが魔法使える程度じゃぁここじゃすぐ死ぬぜ」

 

「シオン様、ギルドカードができましたよ。カウンターまでお願いします」

 

お、どうやらできたようだ。ペラペラ喋ってるこの馬鹿を無視しカウンターへ向かった。

 

「強力なモンスターどもに魔法なんて出してる暇はねぇ、5秒もありゃ近づかれてぐちゃぐちゃだ…っておい!聞けよ!」

 

こいつ暇なのか?俺にそんな解説してる暇あるなら金稼ぎにいきゃぁいいのに。無視無視、さっさとカード貰って退散するとしよう。

 

 

 

 

 

 

「ではシオン様、こちらがGランクカードになります」

 

「ありがとうございます」

 

受付嬢から金属でできたカードをもらう。大きさは普通のトランプ程度だ、表面にはランクや氏名、技能などが刻まれている。

裏面はギルドの刻印なのか西洋流が吼えてポージングしたようなのが描かれている。いやかっこいいけどね。

どうやらこれも魔具らしい。エンチャントは硬化に復元と俺の銃と同じエンチャントだ。こんなものをタダで渡すレベルにはギルドは儲かってるらしい。

 

「既にご登録は完了いたしましたので依頼や素材の売却も大丈夫です。その場合は専用のカウンターのほうにお越しください」

 

「了解、ありがとう」

 

そういってカウンターから離れた。

 

 

 

『(マスター、さっきのマッチョの方がこちらを見てますよー)』

 

「(知ってるわ!無視するぞ!俺にはやることあるんだからな)」

 

そうだあんなのに付き合ってる暇はない。ぶっ殺したワイバーンの素材を売りたいがこんな目立つ場所でアーシャから出すわけにもいかん。

魔石は手のひらに収まる程度の大きさのため、コートに手を突っ込みアーシャから取り出した。これなら分かるまい。

売却カウンターまでいきなんとか現金収入ゲットするぞ。

 

「ここ売却カウンターでよかったですか?」

 

「はい、いかがされましたか?」

 

「コイツを売りたいんですが大丈夫ですか?」

 

そのまま手にしていたワイバーンの魔石をカウンターに置いた。

 

「これは、Cランクほどの魔石ですね。凄いですね、すみませんがギルドカードお預かりしてよろしかったですか?…ありがとうございます。

査定いたしますので少々お待ちください」

 

魔石単体でも問題ないようだ、意外と皮や肉など持ってくるやついないのかとも思うが。あの裏手のデカイ倉庫がなんなんだって話になる。

 

もしかしたら俺みたいな空間拡張系のアイテムもったやつが普通にいるかもしれない。森のなかで感じた魔物の気配はどれもデカイ感じだった。

2~3、下手すりゃ5m級の魔物なんて台車程度じゃ持ち運びできないだろうしその可能性はある。知らないことばかりで嫌になる。

数ヶ月はできれば情報収集に力を入れたいものだ。

 

「お待たせいたしました。Cランク魔石、破損もないですし金貨3枚となります。金貨3枚のままでよろしかったですか?」

 

「?それはどういった意味で?」

 

「金貨のままでは使用が不便な場合もありますので、一部を銀貨でお渡しすることも可能ですよ」

 

!?これはチャンスだ貨幣制度がある程度把握できるはず、是非そうしてもらおう。

 

「すみません、お願いできますか?ついでに銀貨1枚を銅貨にもお願いします」

 

「かしこまりました。全部で金貨2枚に銀貨9枚、銅貨10枚になります」

 

「確かに受け取りました」

 

「それでは、またのお越しお待ちしております」

 

 

 

 

金貨3枚分だ。これでやっと大体の貨幣制度も分かる。とりあえず10進法を採用してるのは間違いない。10枚ごとに違う硬貨に変更されるようだ。

 

宿で一泊銀貨2枚だった。価値的にどうなんだろう。まだ食料価値もわからない、判断には早いか…

 

「おい、ガキ待ってたぜ!よくも無視してくれたな!」

 

さっきのオッサンまだ待ってたようだ。しつこ過ぎる。ボコって逃げるか?

 

「きいてんのかよチビスケが」

 

「はい、半殺し決定!てめぇ喧嘩売ってんのか?この野郎、表でやがれ!」

 

つい乗ってしまった。身体的特徴を弄るなんて許せない。時間は勿体無いが戦力を測るいい機会だ。ぶちのめしてやる。

 

「っへ、威勢のいいガキだな。いいだろうこのCランクのランドルフ様が相手になってやろう!」

 

まわりが注目している、こんなとこで騒いでたら当たり前だ。

 

「おいおい、ランドルフお前大人げないんじゃないか?いくらなんでもこんな子供にムキになるなよ!」

 

「そーだ、そーだ。流石にお前あぶねぇぞ!殺すなよー!」

 

野次馬どもがわめいている、正直こいつらもぶちのめしてやりたいが今はコイツだ。だがCランクか意外と高い。

 

魔力値は7万ほど、ワイバーンと同格のランクの割りに魔力値は対したことはない。ワイバーンは強化のみで所詮知能が低そうだったし。

 

人間は武技がある、油断はできない。

 

 

 

 

ギルド裏手に移動し互いに模擬戦用武器を構える。ギルド内ではこういった揉め事はよくあるらしい。大体の刃引きした武器が置いてあった。

 

俺は全長50cmほどのダガー2本、ランドルフはどうやら長剣一本だ。特に盾らしきものはなし。

 

「おっさん、覚悟はいいか?…いくら刃引きした武器でも勢いあれば大怪我だ!」

 

「おい、そりゃこっちの台詞だ。てか俺はまだ26歳だオッサンじゃあねぇ!」

 

その言葉には答えず俺は3万ほどの強化を施し一瞬で相手の懐に入り右のダガーで横一線に斬りつけた。

 

相手の全力強化以上の強化値の一撃だったが、ランドルフは反射的に長剣で受け止めていた。

 

「「!?」」

 

今ので終わんねぇか、意外とやる。向こうもこっちには驚いてるようだ。合わせた刃に力を込め弾かれる。

 

弾かれて距離をあけるが。着地後【疾駆】で更に速度をあげ念のため硬化のエンチャントでダガー強度を高め連撃をたたみこむ。

 

が、向こうも素早く反応し同じく【疾駆】と2万ほどの強化で迎撃してくる。本当に想像よりも全然強い。

 

力はこちらのほうがあるはずだがこっちは片手で向こうは両手、手数はこっちがあるはずだがギリギリで避けてくる。

 

やはり人間だけある、ゴーレムより生きた攻撃をしてくる。

 

「ッシ!」

 

首元に一閃、当然相手は長剣で受けた。なら!【衝破】、震脚から衝撃波を放ち一時距離をあけた。

 

「オッサン意外とつえーなぁ。びっくりしたわ」

 

「【列空】!」

 

「【断空】」

 

飛んでくる剣閃にあわせてこちらも武技を放ち対滅させる。油断せず攻撃してくるとは思わなかった。

 

「今のを簡単に受けるか。本当になにもんだ?魔法使いって言ってた割りに近接ばかりじゃねーか」

 

「昨今の魔法使いは接近戦は必須科目らしいよ」

 

「なるほど、今後は気にとどめておくぞ!」

 

「「おおおおお!!!!」」

 

もう模擬戦とかどうでも良くなってきた。気合を入れ真正面から連閃を叩き込む、向こうも常時【断空】状態だ。刃引きとか関係ない当たったら斬れる。

 

相手の一閃を捌き、弾き、受け止める。強化を増せばゴリ押せるが今のままで継続する。このままで勝つ!

 

横一閃の一撃を両手のダガーで弾き飛ばす、刀身同士接触した瞬間そのまま【列空】で更に弾き続ける。

 

そして俺のダガーをそのまま首に押し当てた。

 

 

「参った」

 

「俺の勝ち!」

 

なんとか勝った。まぁ蓋を開ければ一撃も貰わない勝利だが。刃物通しなんだ当たったらそのまま負けだ。

 

「お前めちゃ強いじゃねーか、やり合って損したぜ」

 

「だろ?だろ?魔法使いが近接戦すると絶対相手初手隙できるって思ったよ。ほらパンチくると思ったら蹴りがくるみたいな」

 

「それは俺もクソ驚いた。しかもめちゃくちゃ速いし、反射的に受けなきゃあれだけで負けてたっての!」

 

「ふふんー、大変気分がいい。もっと褒めたたえよ」

 

「うぜぇ、こいつ調子に乗りやがって。まぁ負けは負けだ。よししかたねぇ。昼でも奢ってやるよ!」

 

「そんだけー?」

 

「うっせ、今金欠なんだよしかたねぇだろ」

 

『私も忘れないでくださいね!勿論1人分ですよ!』

 

戦闘中は後ろで見ていたアーシャがこちらにきて頭の上でアピールしだした。

 

「うおっ、なんだこいつ!ちっせい、妖精か?また珍しいのが一緒だな」

 

「おいおい、戦闘中以外はずっと横にいたろ…」

 

そのまま俺たちはギルド内に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういやお前の名前は?」

 

「シオンだよ!」『アーシャです!」


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