今日も貪食   作:4256巻き

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会話が多め、そして更新してなくて申し訳ない


4話 話しは長く

貪食ドラゴンの背に乗せられ学院まで楽々と移動した

ルイズは少し気分が良いものだった

 

やっと自分も魔法を使うメイジらしい事ができるのだと

 

とん

 

そうルイズが思っていると肩を叩かれそちらを見ると

文字の書かれた貪食ドラゴンの前足でもある手があった

 

『部屋はどこにある』

 

そう聞かれたルイズは高い位置にある

自室の窓へ指を向ける

 

すると貪食ドラゴンは前回と同じく

ルイズをネコと同じように持ち上げる

 

「なっ、なんでまた持ち上げるの!?」

 

困惑するルイズを気にせず貪食ドラゴンは

裂けた体を仰け反らせて更に高さを上げる

 

そしてルイズの自室の窓を空いた手で器用に開け

持ち上げていたルイズをそっと部屋の中に放る

 

「ひゃあ!?」

 

とさ

 

部屋に放り入れられたルイズは怪我もなく

普段歩いてでの距離よりも最短距離で到着した

 

落ちれば人が死ぬ高さから放られた恐怖に身を震わせつつも

ルイズはそれを実行した竜に当然文句を言い放つ

 

「いっ、いいいきなりなんてことするのよ!!」

 

『早く到着しただろう』

 

「危ないじゃない!私が落ちたらどうするのよ!?」

 

『空いた手で受け止める』

 

そう言ってルイズを放り込んだ手とは別の手を見せて言う

 

「とにかくやめなさい!それでも危ないから!

本当に落ちたら危ないから!!」

 

ルイズはいつか空を飛び回りたいと思ってはいたが

落ちれば死する高さで放り投げられる浮遊感を味わうと

安心安全な母なる地面から離れたくないと切に思っていた

 

『そうか、もったいない』

 

貪食ドラゴンは手早く移動できていいのにと思い

ルイズはただ純粋に怖くてもう嫌だった

 

『部屋に着いたがどうする』

 

「え?そうね・・・・」

 

ルイズは貪食ドラゴンとの契約完了に伴い今後どうするかと

考えていたがそれ以外はあまり考えていなかった

 

色々と予想外な事態に気を取られたと言うのが正しいが・・・・

 

少し考えこれから主従としてやっていくのだから

使い魔についての話しをしようと決める

 

「じゃあ使い魔がどう言うものか説明するわ」

 

『うむ』

 

貪食ドラゴンは体の上半分を外壁に張り付かせ

窓から顔の部分を出して話しを聞く

 

「まず契約した使い魔は主人の目となり耳となる

能力があってみれる筈だけど・・・・見えないわね」

 

『そのほうがいいだろう』

 

「え?、見えたほうがいいでしょ」

 

『己の食事を見たいのか?』

 

そう言われルイズは貪食ドラゴンの裂けた胴体が

動物を喰らう様を思い浮かべ納得した

 

「み、見たくはないわね」

 

『そうだろう』

 

ルイズは自分が召喚した竜から滲み出る物騒さに

目を逸らしたくなるが続きを話す事で気を紛らわす

 

「次に使い魔は主人の望む物を見つけて来るのよ

例えば秘薬の材料になる薬草や苔とか」

 

『道と物が分かればやれそうだ』

 

「なら大丈夫そうね、それで最後に使い魔は

主を危険から守る役割があるのだけど・・・・」

 

『戦いには少し自信がある』

 

「まぁ・・・・そうよね、うん」

 

むしろそれしか取得がなさそうとルイズは思うが

さすがに怒りそうなので言わないようにした

 

「使い魔の説明はだいたいこんなところね」

 

『うむ、記憶した』

 

ルイズは使い魔の基本説明が終わり

体を伸ばして一息着くとふと気になる事が浮かび

窓に顔だけ出している貪食ドラゴンに話し掛ける

 

「そう言えばあんたってどんなところに住んでたの?」

 

『別世界だ』

 

「べつ?」

 

予想外の返答にルイズ呆けた顔になる

 

「別世界って・・・・・・嘘でしょ?」

 

『この様な姿の竜が居た記録があるだろうか』

 

「いないわね・・・・」

 

むしろこんな竜が何匹も居てたまるかとルイズは思った

 

『この世界は違い過ぎる』

 

「どこが違うのよ」

 

『太陽の輝き、そして月はひとつだった』

 

貪食ドラゴンが空を見上げると日が隠れ

暗い夜に二つの月がそれぞれ違う色の光りを発している

 

『そしてこの世界は平和過ぎる』

 

「平和過ぎるって・・・・盗賊達が出たりもするのよ?」

 

『まだまともな人間が居る証拠と言える』

 

「じゃああんたが居たところの人間はどうなってたの?」

 

少し間を置いてルイズの問いに答える

 

『呪いを受けた不死の人間達が毎日殺し合っていた』

 

「・・・・え?」

 

『しかしずいぶんと会話し続けたものだ』

 

「ねぇ不死って」

 

『では、また明日に』

 

そう伝え、貪食ドラゴンは張り付いていた外壁から離れ

そのまま地面に寝そべるとそこから身動き一つしなくなった

 

「・・・・・・私も寝ようかな」

 

ルイズは気になる事を聞く前に眠った貪食ドラゴンを見て

自分も眠ろうかなと思い、寝巻きに着替えベッドに入り眠りに着いた




次回はもっと貪食ドラゴンが動くと思う
そしてダークソウルは本当にダークだ

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