ハイスクールD×D 『本物』を求めた赤龍帝   作:silver time

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大変お待たせ致しました。
当初考えていたお話は、未だに固まっていないので
同時並行で連載しようと思っていた小説を先に投稿させていただきます。
本当に申し訳ない。


第零章 動き始めた赤龍帝
そして運命は廻り始めた


中学二年の事。

 

俺は独り塞ぎこんでいた。

 

きっかけは実に些細で、重要な事だった。

 

所属していた部活「奉仕部」に舞い込んだ二つの依頼。

『告白の成功』と『告白の失敗』

全くの真逆である矛盾した二つの依頼。

 

実際には奉仕部が受けた依頼は告白するための場を取り持つこと、後者の依頼は今の関係を維持したいということで俺個人に依頼されたものだったからだ。

 

本来なら受けるべきでは無かった。

それは奉仕部の活動理念に反するものであったからだ

 

しかしそれを受けてしまった。

その活動理念を語っていた少女が。

 

一度受けてしまった依頼を取り下げることはできない。

 

だからこの二つを、どうにかして遂行しようとした。

 

俺らしい最低のやり方で。

 

「今は付き合うつもりは無い」と嘘の告白で俺が振られることで、引いて貰おうとした。

 

結果で言えば成功だった。

成功と呼べるものかも怪しいが依頼は完遂して見せた。

 

だがそれは否定された。

 

俺のやり方が嫌いだの人の気持ちを考えろだの、

 

確かに褒められたものでは無い。理解はしている。

だが俺の思考回路じゃこんなやり方しか思いつかない。

 

しかしそもそもこの理念に反した依頼を受けたのは

お前だ、雪ノ下。

 

このやり方を傍から見ていて

気持ちがいいものでは無いとわかっている。

 

それでも依頼に私情は関係ない。

例えこれが最悪だとしても、

お前には関係ないだろう?由比ヶ浜。

 

あの時の俺は、未だに弱かった。

本物を見つけようとして、手にした関係は偽物だった。

 

自分の居場所が無い事など、慣れているつもりだった。

だが実際、一度手にした居場所が無くなったのは、

とても苦しかった。

それほどまでにあの場所が心地よく、依存していたのだろう。

 

それから家に独り塞ぎこんでしまった。

…いやもう1匹俺の中にいるが。

 

 

『後悔してるのか?』

 

唐突に声が聞こえてきた。

昔から聞いてきた、相棒の声が。

 

「……どうだろうな。」

 

余裕がなく、返事する気力も無かった。

後悔していたんだ。

自分の取った行動に。

 

『全く、慣れない事をするからだ。』

 

呆れたような、それでいてどこか心配してくれているようなそんな声をかけてきた。

 

嫌われる、はぶかれる事など何度も味わってきた。

だけど、ただ慣れていると思っていただけだろう

 

「なぁ…俺はどうすれば良かったと思うか?ドライグ」

俺の中にいる、かつて二天龍と恐れられた

赤龍帝ウェルシュ・ドラゴン ドライグ

ふと俺の中に居る相棒に語りかける。

 

『さあな、今までいろんな宿主の人間を見てきたが…

人間の考える事なんざ俺にゃあ理解出来ねえなあ。』

それもそうだ。当事者である俺達以外にはどうしようもない。

 

今は深夜。落ち着かなくて眠れずにいる。

 

最近は妹の小町とも気まずい。

 

……もういっそのこと死んでしまおうかな。

 

そんな風に黄昏ていると、リビングのドアか開く音がした。

 

「何だ、まだ起きていたのか。」

 

これまた聞きなれた声が聞こえてくる。

 

「ただでさえ腐ってる目がさらに腐っていってるぞ」

 

そんなにひどい目をしてるのかよ。

 

「……学校のことか?」

 

唐突に、そう聞いてきた。

 

「親父には関係ないだろ。」

 

とっさにそう返した。

 

「そうだな。俺には関係ない事だな。」

 

ならなんで聞いたんだよ。

 

「だけどまあ、あまり気にしなくてもいいだろ。」

 

そうゆうわけにもいかんから悩んでるんだよ。

 

あぁクソ。何がしたいんだこのクソ親父!

 

「人間関係のことか?」

 

……ホンットなんでこんな事には鋭いんだよ。

結局話してしまった。俺1人の問題を

この時俺は相当に参っていたんだろう。

そうでなきゃこのクソ親父にこんな事を話したりしなかった。

 

「そうか…」

 

少し思案するように顎に手を当て無言になる。

親父が何を言うかを待っていた。

そして静かにこちらに向き直ると。

 

 

「いっその事新しく始めたらどうだ?」

 

 

 

 

 

 

why?

 

 

 

新しく始める?何を?誰と?あいつらと?

 

 

「話聞いてたのか?」

 

「ああ至って真面目だが?」

 

俺はキメ顔でそういった。

とでも言いたげな顔をしていた。

殴りたい。このキメ顔。

 

「やり直せる分けないだろ。」

 

この壊れてしまった関係はもうどうにも出来ない。

切っ掛けはあの依頼だがいつかはこうなると思っていた

 

「あ?何言ってんだお前?」

 

は?そういう話だっただろうが。もう年だからか。

 

「俺が言ってんのは違う誰かとやり直せばいいって言ってんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

What?

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや無理だろ。」

 

ぼっちの俺がそんな高度な事できるわけが無い。

 

「いや無理じゃねえさ。」

 

俺にどうしろというんだ。

 

「お前にはそれを出来る力がある。そうだろう?――

――今代の赤龍帝。」

 

 

 

 

 

 

今、なんて言った?

 

 

 

 

「俺が気づいてないとでも思ったか?確かに気付かねえだろうが、割と自分の腕に向かって話しかけてる時点でいろいろ怪しいだろ?そういう病気かとも思ったが。」

 

 

いやそもそも

 

 

「なんで赤龍帝について知ってんだ?」

 

こんな事普通は知らないはずだ。

 

「なんでかって?それはつまりそういう事(・・・・・)だからだ。」

 

……それはつまり

 

「家はそういう事に何か関係があるのか?」

 

一般人ではない…

 

「その通りだ。家は結構古くからある魔術師の家系だ」

 

「魔術師?じゃあ親父も「いや俺は違うぞ。」

 

え?そういう事じゃあないのか?

 

「あくまでうちの家系がそうなだけで俺は家督を引き継いだとはいえ、魔術師じゃないぞ。」

 

「親父も魔術師じゃないのかよ……」

 

びっくりして損したわ。いや家が魔術師の家系であることには充分びっくりしたが。

 

「と言っても魔術師では無いが、魔術は使えるぞ。」

 

「は?じゃあなんで魔術師じゃないんだよ。」

 

「それはな……説明がめんどくせーからナシで。」

 

「おい!」

 

そこは説明しろよ!

 

「あーもうデケェ声を出すな。」

 

「……とりあえず1つずつ聞きたいことがある。」

 

さっきから驚きの連続で肝心なことが聞き出せて無い。

 

「まぁいいか。」

 

とりあえず聞きたいことは…………

 

「まず一つ目なんで赤龍帝の事について知っている?

家がそういう家だからか?」

 

「それは裏の奴らなら大抵知ってるからだ。」

 

そうか、確かにこんな事普通の奴らなら知らないな。

 

「あとはうちのジジイが先代の赤龍帝だからだよ。」

 

「は!?じいちゃんも!?」

 

「お前からしたらひいじいちゃんだがな。」

 

家の祖先が先代赤龍帝って…

 

「まさか俺のバカ息子が今代赤龍帝とはねぇ。それでいい加減出てこいよ、ドライグ。」

 

『全く…相変わらずやさぐれてるな。七夜。』

 

ドライグ!?

 

「そんな事言うなよ悲しいなぁ。」

 

「知り合いかよ。」

 

「まあ、俺が赤龍帝の事を知ってたのはこれが理由だ」

 

以前から知っていたのか。

……気を取り直して。

 

「二つ目。魔術師ってのは何だ?」

 

魔術が使えるなら、なぜ魔術師ではないのか。

 

「魔術師ってのは魔術を研究する者。その果てに世界の何処かにある根源にたどり着くのが目的だ。」

 

「根源ってのは?」

 

「言っちまえばこの世すべての起源、発生源でそこに到れれば世界の全てを理解出来るーとかなんとか。」

 

「テキトーだな…」

 

「そうとしか言えねーんだよ。んで俺は魔術使えるが、根源に至るつもりはないし、悪魔で魔術を手段として扱うから、言うならば魔術使いの方が正しい。」

 

「魔術ってのはなんだ。魔法じゃないのか?」

 

「魔術はその文明で出来ちまうことをを再現できる奇跡かどうか、人為的に起こせる神秘のようなものだな。

魔法は、どれだけ金や時間をつぎ込もうが絶対に再現出来ない神秘のことを言う。こいつは『根源の渦』にあるらしいから魔術師達はそれを目指す。」

 

そうか、魔術ってのはそういう…なら

 

「一番最初の疑問、新しく始めるってのはどう関係があるんだ。適当に言ったんじゃねえよな。」

 

「そうだなぁ……まず違う話から何だが。八幡、お前はソレがお前に対して否応なしに厄介ごとを持ち込むってわかってるのか?」

 

「ああ、ドライグから聞いた。」

 

だから小さいころから。力の使い方についてドライグから教わりながらやってきた。

 

「そうか、ならわかると思うが。今のままじゃお前はすぐに死ぬ。」

 

……

「やっぱ、そうなのか」

 

確かに弱いだろう。おそらく史上最弱の赤龍帝であろう。

 

「それでさっきの話に戻るんだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡。旅にでて見ねえか?」

 

 

…………旅?

 

 

「そう!旅だ!いわゆる武者修行だよ!この世界のいたる所に修行に持ってこいなヤツや環境がある。お前は強くなれる。旅で新たな仲間が出来る。一石二鳥じゃねぇか!まあ下手こいた死しぬけどな。」

 

なにそのジャンプシステム。というか死ぬって!

 

「まぁ大丈夫だ。お前は最初から0じゃないからな。それに……」

 

いつになく真剣な、顔つきで、

 

「お前の力を必要としてるやつがいるかもしれない。この先生き残るためには。そうする他ない。」

 

「親父……」

 

親父……それはつまり

 

「俺が居なくなりゃ清々するってことか?」

 

「あ、バレた?」

 

コンチクショウッ!

 

「だが、決めるのはお前だ。」

 

「このまま変わらずに腐っていくか。

偽物の関係に満足してつまらなく生きるか。

それとも、旅にでてお前の思うままに生きるか。」

 

お前はどれを選ぶか?八幡。

 

「……」

 

 

選択……か。

 

俺はきっと間違った答えしか出せない。

 

このまま答えを出さずに逃げるのも一興。

 

偽物で満足して、つまらなく生きる。

それが一番妥当なのだろう。

 

だが、『比企谷八幡』という存在は

どこまでも歪んでいる

例えそれが「一般人」の選ぶ答えだとしても。

 

「俺は……」

 

まちがっていたとしても。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺はこの世界(異界)を見たい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は俺にとっての正解をえらぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




駄文ですみません。
予告していた方はまだ全然出来ていないという。
せめて皆さんの暇つぶしとなれば幸いです。
これはひどいと思われた皆さん批評などどんどん書き込んでください。大丈夫です。作者の硝子の心が砕け散るだけですので。
それではまた。

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