この話はそうでもありませんが、次話から2、3話、少し駆け足になります。
別に手抜きとか言うわけではありませんが、大事な部分意外は飛ばしてもいいかなと思った次第。
まあ、とりあえず本編をどうぞ(^o^)/
卒業式や入学試験等も終わり、今日は学年末試験の初日。そして、もう1つ今日はイベントがあるはず・・・。
「テストどうだった?」
また登場、友人Aが帰りのホームルームが終わった後に話しかけてきた。この人、実はかなり頭いい。定期テストや実力テストはクラスでも毎回5位にはランクインしているほど。
俺?俺はだな、得意不得意がはっきりしてる。クラスで1位を取った教科もあったり、ワースト5位を取った教科もあったり。
ちなみに今日の教科は割りと得意な国語(現代文と古文)と英語だったこともあり、
「そこそこかな?まあどれも80点は固い感じ」
と結構自信ありげに答えた。
「そうか!じゃあどの教科も俺の勝ちかもな!90点はどれもいけた気がするわ!」
友人Aは誇らしげにそう答えた。この人は前からこんな感じで、控えめに「えー、全然出来なかった(ホントは出来たけどな)」みたいなタイプではなく、なんでも本音でガンガンいくタイプ。ある意味優美に近いと言えばそうかも。
今さら驚くようなことでもないため、さらりと返す。
「相変わらずスゲーなあ。得意な教科でもほとんど勝てないしなあ・・・」
それを聞いた彼はニヤリ、と表情を変える。
「1つ、絶対に林崎が勝てるのあるじゃん!ってか学校でもナンバー1じゃないか?」
「え?なんだよ?」
「ホワイトデーになんか貰える男子なんて他にいないだろ!」
それかよ!誉められてるというよりはからかわれてる気がする・・・ってかそんな情報どこから!
「なんでお前知ってるんだ?」
「いや、なんかクラスの女子が話してるのを聞いたって感じかな」
なんでうちのクラスに広まっているんだよ・・・。さては麻由美か・・・。
「あー、なるほどなあ・・・」
その件だが、実はちょっと心配してる。
今日はそのホワイトデーで、優美からバレンタインのお返しを貰えることに一応なっており、朝から今か今かとそわそわしている。もちろん、今も。
まあテスト期間というもあるし、もしかしたらというのもあるが、やっぱり気になる。
と、そんなことを考えていたら電話が鳴る。
「あ、悪い」
友人Aに一言断りを入れ、電話に出ようとしたが、『梅田麻由美』という表示を見てためらう。
またなんかあるのか・・・?
一瞬無視も考えたが、ずっと鳴りっぱなしなのでとりあえず出てみる。
「・・・はい?」
『あ~やっと出た~!無視しようとか考えてたでしょ~?』
なんで毎回毎回この子は俺の心が読めるんだ!まさか好きなのか!いや、なんでもない!
「いや、ちょっと携帯探しただけだから」
『ホント~?まあなんでもいいけど~!で!本題だけど~・・・今日これからウチに来て欲しいんだけど~!』
「え!?」
何をまたこの子は!
『あ!ごめん!ちょっと呼ばれちゃった~!詳しくはまた後で話すから昇降口で待っててね~!』
「あ!おい!ちょ・・・!」
ツー、ツー、という音だけが受話器に鳴る。
いったい今度はなんだ・・・?まったくわからんが、別に嫌というわけでもないし、今さら無視は出来ないし。
と、クラスが騒がしい。
「なあ、今の修羅場か・・・?」
「だよな、いきなり電話切られてたよな」
「え~!林崎くん優美ちゃんに捨てられたの~!」
とかなんとか勝手な想像をしている。
とりあえずいつもの通り面倒ごとは回避したいので話している人たちのところへざっくり説明しに行く。
「盛り上がってところ悪いんだが、今の別の人だから!生徒会長と話してただけだから!」
それと聞いたおのおのは、一瞬静まり返ったあと・・・。
「なーんだ、残念だなー」
「結局そうなのかよー」
「もう早く爆発しろ!!」
とかなんとか・・・あれ?こんなこと前にもあったような・・・?
まあ、とりあえず誤解(?)も解けたので、「おっそーい!」とか麻由美に言われる前に早く行くか・・・。
遅れたらまずいなあ、と思い少し駆け足で昇降口まで行ったが、まだ麻由美の姿はいなかった。と、変わりに亜由美が。
「あら、林崎くん」
「あ、ども」
普通に挨拶を交わしたつもりだったが、何やら亜由美の様子がおかしい。明らかに口元が笑っている。
「・・・なんで笑ってるの」
気になったので素直に聞いてみるが、当然教えてくれるはずもなく。
「ふふふ、そうかしら?じゃあ私がこれで」
そう笑いながら亜由美は自転車置き場の方へ消えて行く。・・・まあ、おそらくだが、麻由美のたくらみを聞いていて、俺を見てついそれを思い出してしまった、という感じだろうが・・・。そう思うとだんだん逃げ出したくなって来たぞ!
待つこと数分、麻由美・・・と優美も一緒に登場。
「ごっめーん!」
口ではそう言ってるが、悪びれる様子もない。
「待たせてごめんねっ!」
対する優美は態度も「ごめん」という感じ。俺は麻由美は無視して、優美の方向を見て言う。
「いや、大丈夫だよ」
「ちょっと~!なんで優美にだけそういうこと言うの~!ってまあ、いいけど~!」
やっぱり突っ込んできたか・・・まあ、突っ込みたく気持ちはわかる。
「・・・で、竹下さんもなんでいるの?」
麻由美に聞いたつもりだったが、返事は優美から来る。
「あ、ごめんねっ!理由、話さなきゃね!」
何やら少し悪気がありそうな雰囲気の優美。もしかして、麻由美に呼び出された理由って・・・。
「あのね、その、えっと、教えて欲しいんだ・・・」
「・・・!?」
上目使い+恥ずかしそうな話し方・・・これは・・・いや、なんでもない・・・。
優美の話をざっと説明するとこうだ。
明日のテスト2日目は、数学と地理がある。どうやら優美は両方とも課題や小テストなりなんなりで結構ヤバいらしく、この学年末テストである程度の点を取らないと春休みに補修が組まれてしまうらしい。
本人ももちろん嫌だろうが、主役が練習をする時間が少なくなってしまっては、舞台の練習にもかなり支障が出てしまう。というわけで、今日一日だけではあるが、優美に教えようというもの。
が、ここで気になることが。
「なあ、確かに地理に関しては俺は得意だけど、数学は大したことないぞ?キミもそんなこと言ってなかったっけ?」
「むっふっふ!そこは大丈夫だよ~!もう一人、ゲストを読んであるから~!」
それを聞いた俺と優美は顔を見わたす。そして2人で息の合った、回答をする。
「「柳さん?」」
「せーかい~!」
聞けば柳さんは高校の頃数学がめちゃくちゃ得意だったらしい。確かになんか数学得意そうな顔してるかも?つまり地理は俺、柳さんは数学を教える・・・あれ、麻由美は必要ないんじゃないですかね?
「ちょっと優美~?今私は必要ないんじゃない?・・・とか思ったでしょ~?」
「え!!いや、全然!?というか私にはそんなこと考えてる余裕ないからっ!」
いつもの鋭い感は当たってるようで当たっていなかった。もしかしたら柳さんと会うから少し気持ちもいつもと違ってるのかも知れないから、と思う圭であった。
麻由美の家に付き、そのまま麻由美の部屋まで通される。前回来た時の同じく、麻由美の両親はいないので少し気が楽。部屋に入るともうすでに柳さんがいた。
「どうも。久しぶりだね」
爽やかな挨拶を見せる柳さん。俺たちも軽く挨拶を交わし、適当に座ってと麻由美に言われたので適当に座る。
麻由美の部屋は、女の子らしい可愛い部屋。ちょっと無理やり片付けた感があったけど(笑)
と、ここで優美が俺の耳元でなにやらこそこそっと話しかけてくる。
「ねね、あんな自然に麻由美ちゃんの家にいるってことはさ、2人って付き合い初めたのかな?」
「えェ!?」
何かと思えば予想してなかったことを言われ、思わず変な声が出る。不思議に思った2人に見られる。
「あ、いや、なんでもないッス・・・」
そう言うが、やっぱりかと言わんばかりの返しをされる。
「圭くんと優美ちゃん、2人で一緒に居られてうれしいのはわかるけど、今日は真面目に勉強だからね?」
「イチャイチャなら外でやってくれませんか~!?ふっふっふ!」
そんなことを言った後に向かい合って微笑み合う2人も、俺からみたらイチャイチャしてるように見えますけどね!!
そんな甘い雰囲気の中で、優美の勉強会はスタート・・・出来るのかどうか不安に思う圭であった。
地理が数学っぽいと圭が言ってたところですが、自分が高校の頃受けた授業がそんな感じだったので、再現したくなった感じです(笑)