私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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さて、今回は結構あわただしい感じになっております(^^♪

場面が結構変わりますので読みにくかったらすいません!




「何々~、私からすると思ったの~?」

観覧車を先に降り、出口を出たところで2人を待つこと少々。

 

割引券が貰えるという嘘は、言われても適当に流してさっさと話題を変えようということに。

 

「あ、きたよ」

 

優美の声に俺も2人の姿に気がつく。

 

「楽しかったね~!思ったよりもって感じ~!」

 

「圭くんと優美ちゃんの案に乗っかって良かったよな」

 

「うんうん!じゃあ次行こ~!」

 

と、言いながら階段を先に降りていく2人。

 

・・・あれ?割引券のことは・・・?

 

「ねえねえ!」

 

「うん?」

 

「なんかさ、2人ともちょっと変わってないかな?」

 

耳元でこそこそっと優美が話す。

 

言われてみればそうだ。乗る前はあんなに明るくなかった気がする。これはもしかしたら観覧車の中で・・・。

 

「何か、あったのかもな」

 

「うん、私もそう思う。なんか全然仲良くなった感じっ!だから嘘なんて気にしてない感じなんじゃない?」

 

「だとしたら・・・」

 

顔を見合わせ、2人で笑顔になった。

 

「よし!」「やったね!」

 

軽くハイタッチをし合う。と、ついてこないので麻由美から呼ばれる。

 

「2人ともどしたの~?」

 

「あっ、ごめん!今行くっ!」

 

小走りで階段を降りながらも、俺と優美の2人は笑顔だった。

 

その後は近くあった複合ショッピングセンターに行き、麻由美と優美のファッションショー(という名の試着)を見たり。

 

麻由美が優美に選んでもらって試着した洋服はめちゃくちゃ似合ってて可愛かった。今じゃあちょっと難しいけども、いつかは服とかも買ってあげたらいいな、とは思った。

 

そのあと女子2人はお花を摘みにいくということで、柳さんと2人になった。俺は思い切って聞いてみることに。

 

「観覧車で何かあったんですか?」

 

我ながらズバり言ってしまったなあ、と。優美のが少し移ったかな?

 

柳さんは少し考えた後、ニヤリと笑う。

 

「何かって俺が麻由美に何かしたっていうのかー?」

 

何やら意味深・・・いや、そうじゃないわ!

 

「いや、目に見えて明るくなったなあ、と思いまして」

 

さっきの意味深な冗談も含めて、ね。

 

「そっか、キミらから見えてもそう見えたか。なんかそれは嬉しいな」

 

答えにはなっていないが、やっぱり何かあった感じか。

 

「まあ、キミらのおかげ、とだけ言っておくよ。ははは」

 

「なんか適当っすね」

 

観覧車で2人きりにしたことを言ってるのか、それとも・・・。

 

「とにかく、麻由美のことはうまくいきそうだな、って光が見えてきたのは間違いないって感じだよ」

 

「おぉ、マジですか」

 

そこまで思えるようになっているなんてホントに何があったか余計気になるが・・・。

 

「お待たせ~!」

 

麻由美と優美が戻って来たのでこの話はこれで終わりに。最後に柳さんから口パクで何か言われた。頑張って何を言ったか考えたが、結局最後までわからなかった。

 

 

× × ×

 

 

翌日の月曜日、下駄箱に靴を入れようとしたら肩を叩かれ振り向くと麻由美がいた。

 

「おはよ~!昨日はありがとね~!」

 

昨日のこともあったのだろう。麻由美は月曜日の朝と言うのにめちゃくちゃ明るい。

 

「こっちこそ。楽しかったよ」

 

麻由美の下駄箱は一番下にあるらしく屈んで履き物を入れ換える。ついついまた彼女のスカートに目がいくが・・・。

 

「なーに?」

 

「いや、短パン履いてるからそんな格好しても恥ずかしくないかなって思って」

 

特に何も考えず思ったことを言ったら。

 

「うわ~!それセクハラだ~!優美に言っちゃおうかな~!」

 

な!それはダメだ!絶対変な顔されてしまう!

 

「ごめん、今のなかったことにしてくれんかな!」

 

「どうしようかな~?あ~、うん、昨日の観覧車のヤツがあったから許したげる~!」

 

どうやら見逃してくれるみたい!と、観覧車と言う単語が出てきたので、昨日あのとき柳さんと何があったのか聞いてみたくなる。もちろん、柳さんも教えてくれなかったし、教えてくれない可能性もあるが・・・。

 

「なあなあ、昨日観覧車の中で何があったん?」

 

麻由美は表情を少しも変えず答える。

 

「ん~?それか~!ちなみにたかくんには聞いてないの~?」

 

ふむ・・・。これは答え方によっては教えてくれなそうな感じか。

 

「いや、さすがに同性とはいえ年上だしそんなことは聞きにくくて・・・」

 

「少し聞いた」と言ったら絶対に「そんな感じだよ~!」とか言ってはぐらかされそうだからここは嘘をつく。正義の嘘だから許してね!

 

麻由美はへぇ~!って呟いた後、普通に教えてくれた。実際、嘘か本当かはわからなかったけども、とりあえず信じることに。

 

まず最初に思った感想は正直驚いた。2人が、2人ともが、俺と優美のことをそんな風に思ってるなんて、と。

 

でも確かに言われてみれば麻由美と柳さんの言うことは正しい。お互いの気持ちがわかってしまった最初の頃は、多少緊張するようなこともあった。でも今となって自然体以上の自然体で彼女とは接している気がするから。

 

一緒にいて変な違和感を覚えることや、嫌なことなんて全然ない。・・・熟年夫婦かって感じではあるが(笑)

 

「なんかそう見てくれるなんて普通に嬉しいな。でもなんか変なプレッシャーかかりそうなんだが」

 

「あはは~!まぁ今まで通りの2人でいてくれたら私たちは助かっちゃう、ってことだから深く考えなくていいよ~!」

 

まあ、その通りなんだが・・・。

 

「竹下さんには絶対言うなよ」

 

うん、俺は大丈夫だけど絶対優美は変なことになりそうだから。

 

「うんうん、わかってるわかってる~!」

 

若干アレな感じはしたが、こういうときの麻由美は割りと信用出来る。

 

「後1つ、聞いてもいいか?」

 

観覧車のことがわかった俺は、もう1つ気になることを麻由美に聞く。

 

麻由美は無言で頷く、

 

「・・・告白は、まだしない、よな?」

 

早くすべきなのではと言うことで俺は聞いたわけではなく、まだするべきではないと俺は思い、彼女に聞いた。

 

仲が急速に良くなっておそらく気持ちが高ぶり、勢いでっていうのも麻由美ならあり得る話。でも今はまだ早い。柳さんはおそらくじっくりと考えているはず。だから勢いに任せてしまったら・・・。

 

「しないよ?私からは」

 

「・・・え?」

 

「え?って何~?何々~、私からすると思ったの~?」

 

しないと言う答えで俺がホッとしたのもつかぬ間。

 

ぶっちゃけ言うと麻由美の性格からして麻由美自ら告白するものだとずっと思っていたが、よくよく考えたら彼女から「告白する」なんて言葉は確かに聞いていなかった気がする。

 

「あ、まあ、柳さんのことずっと好きって言ってたし、キミの性格的に自分からするものかとてっきり思っていたから・・・」

 

それを聞いた麻由美はなるほど、という顔をした後、笑顔で答える。

 

「ふっふっふ!私はね~、自分から告白するなんてことはしないよ~!好きな人には相手からもとことん好きになってもらって告白されるまで待つから~!」

 

麻由美はすごく明るい笑顔でそう言う。でも言っている内容はなかなかとんでもないことだと圭は思った。

 

と、ここで始業のチャイムが鳴る。

 

「あ!もうこんな時間なんだ~!じゃあそういうわけなんでこれからもよろしくね~!バイバイ~!また放課後~!」

 

「お、おう!」

 

これからもよろしく、か。彼女が言うよろしくは、自分をよろしくなのか、それとも柳さんなのか、どちらの意味でのよろしくなのか圭は考えた。いずれにせよ、思ったよりも長期戦になりそうな気がした。

 

 

× × ×

 

 

時間は少し流れ、次の日曜日になる。先週、先々週と出かけたこともあり、久々になにも予定が入っていないので今日は思いっきり休める。・・・が、そう思ったのもつかぬまで、アラームを設定などしていない携帯が鳴る。

 

そのまま無視して寝続けてもよかったが、もし急な用事であったらさすがにまずいと思い、体を無理やり起こし携帯を見る。と、麻由美からの着信。嫌な予感がしつつも電話に出る。

 

「・・・はい?」

 

『あ、林崎くん~?寝てならごめん~!』

 

「・・・まあ寝てたけど・・・何か?」

 

『無理なお願いってわかってるんだけどさ~!』

 

わかってるのか!じゃあなぜ電話したし!

 

とは思ったが、なんか悪いので普通に相槌を打つだけ。

 

『あのさ、今からうちに来て欲しいなあ~って!』

 

「・・・・・・はっ?」

 

今週もまた、休めなくなった日曜日となりそうだ。




麻由美の家にお呼ばれ・・・いったい何が起こるのか!?

ヒントは次話はバレンタイン回に突入する感じ、というのでどうでしょうか?え?わからないって?すいません、次話までお待ちくださいね(^^)/

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