あれ?タイトル的に主役は麻由美×柳さんペアのはずなのに・・・?
今回は優美目線、もちろん圭×優美のイチャイチャもあります(*'▽')
話が盛り上がったこともあり、目的地の駅へはあっという間に到着した。
集合した時間もそんなに早いわけじゃなかったのでまずはお昼をとることに。
「どうしよっか~?私的にはせっかく中華街に来たんだし食べ歩きがいいかなって思うんだけど~」
たぶんだけど、麻由美ちゃんはもともとそういうつもりだったのだろう。
私もここへ最初に来ると知ってからはそれが楽しいかなって思ってたので賛成する。
「私はいいよっ!」
私がそう言うと男の子2人もオーケーということで決まった。
ちなみにだけど、結構混んでいることもあり、4人で固まっていうよりは、前に麻由美ちゃんと柳さん、後ろに私と林崎くんという感じで歩いている。
隣にいる林崎くんからこそこそっと話しかけられた。
「心配してたよりも2人が仲良さそうで良かったね」
それは私もちょっと思っていた。
「なんかこれなら2人でも大丈夫そうだよねっ!」
「うんうん。静かに温かく見守ろう」
「りょうかいっ!」
今回は脇役とは言え、私も林崎くんと一緒にいられて嬉しいし、自然にテンションは高くなる。
2人でこそこそ話をしてたら麻由美ちゃんから声をかけられる。
「あそこの豚まん美味しいって有名らしいけど2人どう~?」
麻由美が指差す先には私もちょっと調べていたので、知っているお店だった。
「私も気になってたところだ!」
「ホント~!じゃあ決まりでいいかな~!」
男の子2人の意見を聞くことなく決まりそうになったところで柳さんが口を開く。
「なあなあ、俺も別に問題ないんだけどさ、ちょっとデカ過ぎないか?」
言われて見れば値段もそこそこ張るし、 かなりボリュームもありそう。
「俺もちょっと思いましたよ。2人はあれだけでお腹いっぱいになるんじゃない?それに俺だってあれ食べたら他に色々食べれなくなっちゃったらアレだし」
と林崎くんも。うーん、どうしよう!と思っていると麻由美ちゃんがある提案をする。
「2個買って、2人で半分ずつにしよっか!」
というわけでみんなで2個買うことにした。
「ここは男性陣が持つよ」との意見に従い、2人がお金を払い、私と麻由美ちゃんが豚まんを受けとる。おおっ!思ったよりかなり重い!これで良かったね。
ここで私はいいことを思い付いた。麻由美ちゃんと柳さんの2人で分けっこすればもっと仲良くなりそう!
一緒に食べようとあくまで自然に、林崎くんを手招きしようとしたら・・・。
「はい、林崎くん!」
と麻由美ちゃんが豚まんを林崎くんに渡そうとしちゃったので思わず声が出る。
「あっ!」
いきなりそんな声をあげたものなので、3人に見られた。
「優美どうしたの~?」
麻由美ちゃんは不思議そうに話す。
どうしようどうしようと思い、林崎くんに目線で訴えると・・・。
「あ、俺は竹下さんからもらうよ」
そう言いながら私の隣に来てくれた。
ありがとうっ!察してくれて!まあ、私もね、そっちのがちょっと嬉しいし(笑)
が、麻由美ちゃんたちはというと私たちのそんな気遣いを・・・。
「優美たちイチャイチャしたいんでしょう~?」
「優美ちゃんたちは仲いいね。邪魔しないようにしないとな」
といった感じでからかってきた。もうっ!2人のこと考えた結果なのにー!
そうは言われたけど、2人でイチャイチャしながら仲良く分けて食べてるのを見て、私たちは「きっとそう言うのが恥ずかしかったんだよ」「ブーメランだね」みたいなことをこっそり言い合った。後、林崎くんに「ファインプレー」って誉められて嬉しかったですっ!
それから良さそうなところを2件くらい回り、みんなお腹いっぱいになったので、中華街を後にし近くの公園を経由して、海沿いを歩きながら次の目的地へと行く。
あの後も何かと助けようと色々頑張ってみたんだけど、結局のところ麻由美ちゃんと柳さんは2人でも仲良さげだったのであんまり意味ありませんでした・・・。ただ、歩きながら林崎くんが言うには・・・。
「なんとなくだけど、なんかちょっと無理していつもよりも明るく振る舞おうと頑張っている感じに見えるなあ。いや、柳さんはいつもどんな感じかわからないけど、彼女の方はなんかいつもとは違うし」
そうなのかなあ、と思いもしたけど彼の不安は的中してしまう。
さっきと同じような感じで2人のお邪魔にならないようにちょっと後ろから歩いているんだけども、明らかに口数が少なくなったのは私でもわかる。
これはあくまで私の想像でしかないけども、2人とも必要以上に自分を良く見せよう見せようとして、逆に気を遣ってしまいちょっと疲れてしまっている。自然体でも十分にお互いの良さはわかり合えるはずだし、きっとそのままいい雰囲気になると思う。
ただ、そうは思うもどうすればいいのかすぐにはわからない。きっと林崎くんもそう。
そんなわけでかどうかはわからないけど、林崎くんは提案をしている。
「ちょっとあっちの大桟橋の方も行ってみます?せっかく来たんですし」
「そうだな。せっかくだし、行ってみるか・・・麻由美はどう?」
「うん!たかくんがいいなら私もいいよ~!」
「じゃあ行きましょう。ネットで調べたんですけど天気が良ければ・・・」
うまいこと話が盛り上がるように頑張っている。麻由美ちゃんにも柳さんにもまた最初の笑顔が戻りいい感じ。
私たちは大桟橋の一番先の方まで移動する。少し高くなっていることもあり、眺めはなかなかいい。
景色を見ながらボーッとしていると中学生の頃のことを思い出す。
そう言えばあの頃来たときは友達と「今度来るときは好きな人と来たいなあ」って言い合ったなあと。
あのときは恋愛とか正直よくわからなかったし、その場のノリで言った部分もあってただただ漠然としてたけども、まさかこんな早くそれが実現しちゃうなんて夢みたい。
今日は・・・じゃあ、『次来るときはちゃんと恋人になってて、2人きりで来れたらね』なんてっ!
「・・・美!」
「え!?」
「優美ったら大丈夫~?ボーッとしちゃって」
あ、ついつい1人で考え込んでしまっていて話しかけられたのに気が付かなかったっ!
「ごごごごめん!無視したわけじゃなくて!」
「うんうん、大丈夫大丈夫~!優美がそんな子じゃないってみんな知ってるから大丈夫だよ~!」
麻由美ちゃんはそう言い、2人の顔をみると笑顔でうん、と頷いている。それを見て私もまた笑顔になる・・・って!そうじゃなくて!
「えっと、その、何か用があったから呼んだんじゃ・・・?」
「あ、うん!せっかくだから海をバックに写真とろうってことになってね~!」
「うんうん!私も賛成だよっ!」
というわけで写真をとることに。
「ささ、柳さん、梅田さんと2人並んで」
林崎くんは速攻で攻める!おお!さすがっ!
「え?みんなで撮るんじゃないの?」
と柳さん。
「あ、後でみんなでも撮りますけどもいいじゃないですか。って、まあ、俺が竹下さんと2人でってことの言い訳なんすけどね」
林崎くんはそう返す。そう言われて私は恥ずかし嬉しくなったけども、麻由美ちゃんと柳さんを自然にくっつけたい言い訳かもとも思い、心を正す。
「林崎くんだいた~ん!」
「俺たちのことをうまく使おうとしたなー?」
2人とも口ではそう言ってるけど、明らかに嬉しそうではあった。そんな感じに素直になれないのも実は原因だったりするかもね。
林崎くんは柳さんのスマホを受け取る。麻由美ちゃんのは後で柳さんから受け取るからいいらしい。
「じゃあ・・・2人とももうちょいくっかないと入らないですよーって嘘ですけど」
笑いながらそんなことを言う。麻由美ちゃんは「入らないなら仕方ないね~!」とか言って肩が柳さんに当たるくらいまでくっついた。柳さんはというとくっつかれたとき、ちょっとだけ緊張した表情になって面白かった。
「1、2、3、はい、チーズ」
とお決まりの言葉を言い、林崎くんはシャッターを切る。
次は私たちの番・・・!
場所を交代に、私たちは2人で並ぶ。
そう言えば、2人きりの写真って初めてだなあ。何事も最初が肝心だよね!笑顔で、ちゃんと写らなきゃね!
「はいは~い!ほらほら~もっと近づいて~!」
さっきの反撃とばかりに麻由美ちゃんは煽ってくる。隣に林崎くんの表情を少し伺いながら軽く近付く。自然と緊張感がこみ上げ、笑顔が忘れそうになったところで・・・。
「笑顔笑顔」
と小声で言ってくれた。
と、パシャっという突然のシャッター音!えええ!?不意討ち~!?
私も彼もまさかのことに驚いていると、麻由美ちゃんがその理由を答えてくれた。
「今の2人、すっごく良かっただもん!2人とも驚いているけど撮ったときは凄くいい表情してたよ~!」
というわけらしい。なるほど、と私は思った。
撮り終えた写真を見た私は、また笑顔になった。
これから、この写真はいつ見返しても彼との思い出の最初の写真になれたらいいと思う。
それから私達は大桟橋を後にし、みなとみらいの方へと向かうと、観覧車が近くに見える。
そう言えば夏休みのときも乗ったなあ、また乗りたいなあ、と思っているとそんな私の気持ちを察したように林崎くんは麻由美ちゃんと柳さんに告げる。
「・・・観覧車、乗りません?」
圭×優美の初デートと同じような感じで〆てみましたぜ!!
ちなみにどうでもいいことですが、こっちの観覧車は時計付きのものでは日本最大らしいです(^^♪
あと、大桟橋から見る景色も本当になかなか素晴らしいのでおすすめです!特に晴れた日の夕方は、夕日とともにすごく美しいですよ~!
では、気になる続きとともに次話でまた会いましょう(^◇^)