私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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今回は前半演劇回、後半は優美と圭のイチャイチャ回です(=゚ω゚)ノ

そして最後には「あの人」がついに圭と優美の前に現れます!!


「そ・れ・に!2人きりのがいいでしょ~?」

翌日の火曜日、予定通りキャラクター設定会議を行い、1時間ほどで終了した。その後は場所を多目的室に移動し、まずは基礎錬(発声練習)から始める。

 

そういえば、麻由美ちゃんは初めての練習なんだよね。

 

「優美、仕切りは私がやるから麻由美を見てあげて」

 

「うん、わかった!」

 

ちなみに仕切りというのは基礎錬の時のリーダーみたいなもの。次は何をやりますとか指示したり、終わりを支持する係である。誰がやるというのは特に決まっておらず、毎回交代でやる感じ。

 

一応、始まる前に腹式呼吸のやリ方だけは教えたけどどうかな?

 

私は隣で見ながら、教えながら麻由美ちゃんは発声をした。最初のただの声出しとかはまあまあこなしていたけど、あいうえおの発声は少し苦戦していた。それでも初めてにしてはかなりいいと思う。

 

「次は外郎売り行くわ」

 

外郎売り・・・私も林崎くんも慣れるには時間かかってたけど・・・。

 

「麻由美ちゃん、最初は聞いてるだけでいいよ?」

 

私はそう言うが麻由美ちゃんはやる気満々!

 

「私はただでさえみんなにかなり遅れているんだから、出来るだけ頑張るよ~!」

 

「じゃあせっかくだし今日は慣れるために、何回かやってみましょうか」

 

亜由美はニヤリ、と少し笑いながらそう言う。なんとなく、麻由美ちゃんを挑発してる感じで言ってるのがこっちにも伝わってきたかな(笑)

 

と、いうわけで3回やりました。さすがに3回もやるとなると私も亜由美も相当疲れている。

 

「はあはあ・・・麻由美ちゃん、大丈夫・・・?」

 

まだ初心者なので、ところどころしか言えてなかったけど、2回目が終わったときにかなり息を切らしていて、どうする?って聞いたんだけど「あと1回」って言って結局やって・・・。

 

私が彼女に元に駆け寄ると溜まらず座り込み、息をぜーぜーさせてしまってました・・・。亜由美の挑発に乗らなくてもよかったのに、って感じ・・・。

 

「だいじょ・・・って大丈夫じゃないよね・・・」

 

私がそう声をかけると麻由美ちゃんは反応する。

 

「あ~、もう、私はダメよ・・・あとは、頼んだ・・・ガクっ!」

 

っと同時に倒れ込む。

 

「麻由美ちゃん~!」

 

ついつい私も彼女に乗ってそんな演技をしちゃいました!とそれを見てた亜由美。

 

「そんな演技出来るのなら大丈夫そうね。続けましょう」

 

容赦のない亜由美。私は部員だし、こんなところで音を上げるわけにもいかないし・・・!

 

「・・・私も、頑張る!」

 

麻由美ちゃんも体制を立て直し、再び練習に向かおうとする!よし、私も頑張らなきゃ!!

 

「よし!続けようっ!」

 

と、私が気合を入れたとき、唯一の男声が聞こえた。

 

「すまん・・・俺はさすがにキツイ・・・休憩欲しい・・・」

 

それを見た亜由美は一瞬にして表情を変える。

 

「・・・お手伝いの林崎くんがきつそうなのは可哀そうだし、休憩にしましょう」

 

というわけで休憩になったけど、私たちは全然可哀そうじゃないんだ・・・って思いました。ってか麻由美ちゃんもお手伝いなのにね(笑)

 

 

× × ×

 

 

「じゃあ今日はここまでにしましょう」

 

基礎錬の後、簡単に最初の場面の立ち稽古をやり時間になった。色々あったので初回から疲れた・・・。

 

と、終わったと同時に亜由美に声をかけられた。

 

「優美、ちょっとお願いがあるのだけどいいかしら?」

 

私にお願いなんて珍しい。

 

「うん、いいけど?何かな?」

 

「実はね、次の休みに買って来てほしいものがあって。私が行きたいところだったのだけれど、家の用事があってね」

 

今週は土曜日も学校があるので休みは日曜日だけなんだよね。私は特に用事はいれていない。

 

「うん、大丈夫だよ!それで何を?」

 

「ええ。この舞台、剣を使うシーンが何度かあるじゃない。いわゆる殺陣(たて)の場面なんだけども、早めに取り組んだ方がいいと思って」

 

なるほど。確かにかなり難易度は高いものが要求されそうだし、早めに取り組むのはいいかも。それで模造刀も早めに用意してほしいってことかな。

 

「うん、じゃあ私買ってくるよ」

 

「ええ、お願い。どこに売ってるとかは私も調べたりして後でまた教えわ」

 

と、2人で話してたら林崎くんと麻由美が来る。

 

「何々~?何の話してたの~?」

 

私は2人でざっと話をする。

 

「なるほど。確かに早めに練習するべきかもな。せっかくだし俺も付いていくよ。1人で行くよりも2人の方が何かといいかもだし」

 

林崎くんはサラッとそう言ったけど、休みの日に一緒にお出かけなんてすごく嬉しい!ってまあ、遊びじゃないけども。

 

「ありがとう!1人だとちょっと不安だったから嬉しいよっ!」

 

満面の笑みを浮かべると林崎くんも笑顔で返してくれる。

 

「私はごめん!日曜日予定が入ってて!」

 

と、そこまで言うと私の耳元に来てこそこそって話す。

 

「そ・れ・に!2人きりのがいいでしょ~?」

 

「ちょっ・・・!」

 

そうだけど~!そうだけど~!!でも実際言われると恥ずかしくてどうしていいのかわからなくなっちゃうよ~!!

 

そんなわけで日曜日、林崎くんと買い出しに行くことが決まりました!!

 

 

× × ×

 

 

「あ~、どうしようどうしようっ!」

 

時は流れ日曜日、買い出しに行く日となりました!何を悩んでいるのって?そりゃあですね、お洋服です・・・!

「やっぱり昨日のうちに準備しておくべきだったかなあ・・・」

 

というのも、昨日は眠気に耐えられずに寝てしまい、一応朝起きたはいいものの、お部屋で本を読んでいたらいつの間にかまた寝ちゃって気が付いたら・・・って感じ。待ち合わせは午後だったし、時間は十分あると思ったのが失敗だった。

 

何度も何度も鏡の前で色々合わせてるんだけどなんかなあ・・・。正直言っていわゆるデート服みたいなのはあまり持ってなくて。買っておくべきだった・・・!

 

「これでいいやっ!」

 

結局、前に3人でホームセンター行ったときと同じので。昨日は寒いからタイツだけどね。

バタバタっとマフラーと手袋をし、バックを持って玄関へと行く。

と、途中でお母さんに遭遇。

 

「随分バタバタしてたけど大丈夫~?」

 

「う、うん」

 

と、お母さんは私をじっと見る。

 

「何?急いでるの!」

 

「むふふ、後でお母さんに詳しく話してねー!」

 

あ、やっぱりそう見えるってことだよね・・・!と思うと途端に恥ずかしくなる。

 

「ちょっと!・・・もぅ~!行ってきますっ!

 

お母さんってば~!・・・ってそう言えば美結ちゃんもこんなこと言ってたよね。周りからみたら仲良く見えるってことなのかなあ。

 

 

電車を乗っていつもの大型複合施設へと行く。知らなかったんだけど、こんなところにいわゆる模造刀が売ってるお店があると亜由美から教えられた。

 

待ち合わせ時間ギリギリだったので、待ち合わせ場所に行くとやっぱり林崎くんはいた。

 

「ごめ~ん!」

 

そう声をかけると笑いながら答えられる。

 

「あはは。まあギリギリだから大丈夫。それにそこまで時間にうるさいわけじゃないし遅れても、まあ」

 

って口では言ってるけど、ちょっと怖い・・・!

 

「あはは、ありがとう。次からは気をつけるよー!」

 

・・・って私何言ってるの!「次から」って!次はあるのっていうかなかったらアレだけど!って違うっ!

 

そんなことを考えていたら林崎くんはとんでもないことを苦笑いで言う。

 

「あー、じゃあ、次は迎えに行けばいいのかな。あはは」

 

「え・・・」

 

いや、それ、嬉しいけどっ!嬉しいけど・・・。

 

「あ、いや、やっぱなんでもないわ。とりあえず行こっか」

 

私が反応に困ってると、その話題は終わってしまった。・・・もしかして、林崎くんもちょっと恥ずかしかったり・・・?そう思うと自然に笑ってしまう。

 

「ふふふっ!」

 

「何か今ので可笑しいところあったん・・・?」

 

「いや、別に~!行こう行こうっ!」

 

これは幸先いいね!お洋服も一緒だとか突っ込まれなかったし、何かいいこと起きるかもっ!

 

 

施設内を歩くこと5分、目的のお店に到着した。

 

欲しいものはすぐに見つかる。安いものから高いものまであったけど、もちろん安いものを買うことに。

 

林崎くんが買う前に試しに持っている。

 

「思ったよりも見た目はなかなかいいね。材質はプラスチックだけど、音をつければオーケーだね」

 

軽く振ってるを見て、私もついつい真似したくなり、見本を取る。

 

あ、かなり軽い。軽いのに結構しっかりしてるのもいいね。試しに軽く振ってみよう!

 

「えいっ!」

 

っと振ってみたら何かにあたった。アレ?っとみたらたまたま移動してた林崎くんの頭に当たっちゃった!

 

「ごごごごめん!」

 

「いや、全然痛くないから大丈夫!まあ、本物だったら死んでたわな」

 

苦笑いで答える林崎くん。と、何やら話に続きがあるみたい。

 

「でもまあ好きな人に殺されるなら本望かなー!・・・なんてね!」

 

「好きな人」って言われるのは嬉しいんだけどそれは・・・。

 

「竹下さんはヤンデレにならないと信じてるけどね。あははっ」

 

・・・って!どさくさに紛れてなんか変なこと言ってるし!

 

「もうっ!私はヤンデレなんかにならないからっ!もう~!」

 

口ではそう言ってるけど、顔は笑っていた。こういうなんでもない時間を私は大切にしなきゃって思った。

 

 

× × ×

 

 

模造刀を買い、それから他にも小道具関係で必要なものを買った。だいぶ暗いと思ったらもう5時をとうに過ぎていた。

 

「どうする?どこかで少しゆっくりする?」

 

林崎くんからそんな提案もあり、私としてもせっかく2人でお出かけ出来たので、その案に乗った。

 

適当に近くの喫茶店に入るとある知り合いがいた。

 

「あれって麻由美ちゃんじゃない?」

 

「あ、ホントだ」

 

林崎くんも気がつく。と、私は彼女と仲良く話す、もう1人に気づく。

 

「あれ?あの男の人って誰だろう?」

 

見たことない人。クラスメイトじゃあない。というか、私たちよりも少し大人で大学生っぽい感じだった。

 

麻由美ちゃんを見てもいつもとは違う雰囲気やお洋服。私は思考回路を繋げると1つのことにたどり着いた。

 

麻由美ちゃんの彼氏・・・?

 

そのときとなりにいた林崎くんは何か言ってたような気がしたけど、そんなことを考えていた私には何も聞こえてなかった。

 




さて、麻由美の「あの人」が登場したわけですが、一応名前ありの役になる予定です。

優美はヤンデレにはならなそうですが、ちょっと独占欲は強そうな感はありますね!つまりそういう人が作者の好みだったり・・・?

では、気になる続きはまたノシ

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