私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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サービスってなんのサービスなんですかねえ・・・?おっと、誰か来たようだ・・・(=゚ω゚)ノ

今回は圭×麻由美のギャグ回です!え?優美が怒るって?安心して下さい、彼らの関係は変わりませんから!




「サービスしたげる!」

週末の金曜日の放課後、俺は当番の仕事しに生徒会室へと向かった。カギはもうなくなっていたので、誰かもう持って行ったのだろう。

 

ちなみにだが、今日は優美が亜由美に台本を確認する日でもある。宿題を言われた日はかなりおろおろしてたため、正直どうなるのか不安であったが、自分が手助け出来る範囲ではなかったので何もしていない。まあ、優美の性格上何もしていないと言うことはないと思うし、何かしらやっていれば亜由美もうるさく言うことはないだろう。

 

・・・あれ?これ心配しなくても大丈夫じゃんか。

 

そんなことを思っていたら生徒会室に到着。

 

「お疲れ様ー」

 

と定番の挨拶をしながら扉を開けて中に入る。

 

「あ、おつ~!」

 

先にカギを借りたのは我らが生徒会長様でした。

 

俺は適当に荷物を置く。と、あることに気がつく。

 

「あれ?ストーブついてないじゃんか」

 

俺の問いにコートを膝の上に置いてる麻由美は答える。

 

「いやー、なんかお昼休みから動かなくて。一応先生には言ったんだけどね~!」

 

なるほど。そういうことか。

 

「寒くない?」

 

「ちょっと?」

 

「ほら」

 

自分の来ていたコートを彼女の背中に羽織らせた。

・・・寒くないことはないが、まあ、いいでしょう!

 

「え!いいよ!寒いでしょ~?」

 

予想通りの反応。

 

「6時間目体育で掃除も大変だったから暑いんだよ」

 

うん、言い訳です。

 

「それならここに来るまでも着てこないよね~!」

 

「あ・・・」

 

面倒くさいからもう無視して席に座り、残っていた仕事に手をつける。

 

と、体が後ろから揺さぶられる。

 

「ちょっと~!無視とか酷くな~い?」

 

「あんまり聞かないでくれ!結構恥ずかしいんだよ!」

 

そういうと揺れが収まった。

 

「ふ~ん、なるほどね~!とりあえずありがとう!」

 

「どういたしまして」

 

とりあえずこの件はそこで終了。おのおの自分の仕事に取りかかる。

 

と、5分ほど経つと麻由美が椅子ごとズズっとこちらへ来て話を始める。

 

「ねぇ、聞いてもいい?」

 

だいたいこういうときはろくなことじゃないが・・・。

 

「なんすか」

 

「一緒にお出かけとかってどう誘えばオーケー貰えるのかな~って」

 

「はっ?」

 

・・・思わず。

 

「あ、ごめんごめん!前にちょっと話した好きな人のことね」

 

「あ、なるほど」

 

そう言われて思い出す。そう言えばそんなこと聞かされたなあと。

 

「でね、私結構頑張ってね、前よりも色々話すようになったんだよ~!」

 

「というと?」

 

「朝会ったときは挨拶だけじゃなくて、色々話したり、電話とかメールとか回数増えた感じ?」

 

「うん」

 

「そりゃあね、昔みたいに学校終わったら毎日家に上がって一緒にゲームしたりとかそういうのはなくなったけど、私としてはちょっと前よりも仲良くなった感じかな~!」

 

つまり前ほどではないけど、ある程度の仲になった。だからもう少し進展が欲しいという感じで、少し気があると思わせつつも自然を装うような感じで誘うにはどうすればいいのかというのを男である俺に聞いた感じか。

 

「で、どうすればいいのかな~?って」

 

それだけの意見で俺に解れと言うことか。まあ自分で考えたことで意見をすればいいかな。

 

「うーん・・・」

 

「どう?」

 

どうと言われてもなかなか難しい問いを投げてきたなあ・・・あ。

 

「例えばだが『スーパーにお買いものに行くんだけどいっぱい買うから一緒に着いてきて欲しいなあ!』ってどう?」

 

うん、全く怪しくない!それでいてお店に行ったとき『なんか新婚さんみたいだね!』と言えば気があると思える!

 

「え~、なんかそういうの違うっていうか~」

 

人に意見を求めておいてそれは酷いんじゃないのでは!まあ、俺の意見もちょっとアレかと思ったが。

 

「俺はこれが限界だ!」

 

「ちょっと~!優美だったらもっと真剣に考えてくれるでしょ~!差別~!」

 

麻由美の言うことはもっとも、なんだが、いや、待てよ・・・?

 

「竹下さんなら今の意見でオーケーしてくれる気がする」

 

そういうと麻由美も、

 

「確かに!『なるほどっ!すごい!うん、私頑張るっ!』とか言いそう~!」

 

と。

 

「・・・って私は優美じゃないから!」

 

チッ!うまく丸められると思ったのになあ・・・。

 

 

× × ×

 

 

「くちゅん!」

 

「あら?風邪かしら?」

 

「ううん!全然元気だけど・・・」

 

「誰か優美の噂でもしてたのかしら?」

 

「かも・・・」

 

「・・・とりあえず進めましょう」

 

「うん!」

 

私と亜由美はお互いに台本を持ち寄ってそれぞれのを今読み終わり、選定へと入っている。

 

ちなみにだけど、亜由美は私が持ってこないまで想定していたらしく、内容うんぬんの前にまず誉められた。

 

「優美が持って来たのも悪くはないのだけれど、この間決めた、有名な台本で演技力での勝負だと私が持って来たこちらがいいと思うけれども・・・」

 

確かに亜由美の言う通りと言えばそうかなあ・・・。一生懸命自分がやりたいのを私は選んだけども、よくよく考えたら有名な台本じゃなかったよね。残念だけど仕方ないね。

 

「私は別に亜由美のでいいよ?私が持って来たのよりも普通に有名だし、確かに男性役がかなり多いけど、そこは全く問題ないと思うかな。麻由美ちゃんならむしろ喜んでやりそうだしね!」

 

私はなるべく亜由美に自分の気持ちがわからないように明るく答えた。

 

「確かにそうね」

 

ふふっと笑う亜由美。

 

「じゃあ後はこの台本でやった場合、問題がないか確認する積めの作業をしましょう」

 

「うん、了解!」

 

私たちは再度台本へと目を移した。

 

 

× × ×

 

 

「ねぇねぇ~!他に何かないの~?」

 

あれからめんどくさいと思いつつも何個か意見を言ったのだが、会長様が納得した意見は出てこなく・・・というか俺的には普通に頑張ったのだが、何かと文句を言われてしまう。

 

「と言われてもだなあ・・・」

 

さすがにそろそろネタは尽きたという感じなのだが・・・。

 

「・・・わかった!とりあえず色々ありがとう!」

 

あ、どうやら納得してくれたみたいで。

 

「実際使えそうかはね~!どうかな~!」

 

その一言がなければなあ(笑)

 

「そう言えばさあ!」

 

「うん?」

 

今度は何だ・・・?

 

「キミと優美が水族館に行ったじゃん?ほら、夏休みに」

 

「うん」

 

あれは今思えば一生忘れなれない思い出になるだろう。麻由美が知ってるのは優美に聞いた感じか。

 

「あれね~、今さらだけどね、最初私も誘われてたんだよ~?」

 

「え!そうなんか」

 

「それでさ、私は断ってキミを誘うように優美に言ったわけ」

 

そんなことがあったのか。つまりそのまま優美に行くと答えていた場合、もしかしたら優美とはあそこまでの進展はなかったかも知れない。

 

「私ね、あの頃から優美が色々頑張ってるのは知ってて。少しでも手伝ってあげたらって思ってね~!あ、でも半分くらいはちょっとからかってみたら面白そうって思ったけど~!」

 

「おい、最後の一言余計だ!」

 

「ごめ~ん!」

 

もしかしたら俺たちを繋ぎ会わせたのが彼女なのだとしたら、俺は少なくとも彼女には恩返しをしなきゃいけないよな。

 

「まあ、あんまり力にはなれないけど、また何かあったら聞いてくれ。うまくアドバイス出来るかはわからないけどね」

 

「うん、ありがとう!」

 

 

× × ×

 

 

「じゃあこれで行きましょう」

 

「うん、了解!」

 

私たちが演技をする上での問題もあらかた排除され、台本は決まった。

 

「林崎くんと麻由美には私から連絡して次回の日時は決めるわ」

 

「うん、ありがとう!」

 

私がそう言ったあと、亜由美は私を見たまま少しの時間止まる。

 

どうしたの?と言おうと思ったとき。

 

「ありがとう」

 

「え!?どうしたの!?いきなり」

 

まさかこのタイミングでありがとうなんて言われるとは思わず、かなり驚く。というかホントにどうしたんだろう・・・?

 

「いやね、今日もそうだけど、今までも、結構強引な私について来てくれてありがとうってことよ」

 

・・・なるほど!そういうことなら私が言うことは1つだね!

 

「私からも、ありがとうだよ!」

 

「え?」

 

「まずは亜由美のそういうところに何か不満あるかと言えば全然ないって感じかな!強引とは思ってないしね!それにこんなおっちょこちょいな私と一緒にいてくれてありがとうってことだよ!」

 

私は心の底からそう思ったし、亜由美にも嘘じゃないって伝わるようにとびっきりの笑顔で答えたと同時についつい気持ちが高ぶって亜由美の手を取る。

 

手を取られた亜由美は少し驚いてたけど、笑顔で「嬉しいわ」って答えてくれた。

 

 

× × ×

 

 

「あ、もうこんな時間か

 

「ホントだ~!」

 

あれからも色々な話に夢中だったこともあり、当番の時間は過ぎていた。ずっと話してただけだけど(笑)

 

俺は帰るけど、と言おうと思ったけど、麻由美に貸してるコートに気がつく。帰りますと言って麻由美は帰らないって言われたからどうしよう・・・。

 

「寒いし帰ろっか!」

 

考えていたら麻由美からそう言ってくれた。

 

麻由美は立ち上がるとコートを俺の方へ持ってきてくれる。

 

「はい、ありがとう~!あ、サービスしたげる!」

 

「え?」

 

何のサービス?と思ったら・・・。

 

「はい、腕通して~!」

 

着させてくれるサービスでした!

 

特に悪い気はしなかったし、断る理由もないので素直に彼女に従う。

 

「なあなあ、俺じゃなくて好きな人にやれば?」

 

「予行練習、ってことで~!」

 

「練習台かよ俺は!まあ、ありがとうな」

 

「うん!どういたしまして!」

 

麻由美も自分のコートを着て、2人で廊下に出る。

 

職員室の方へ行く途中に演劇部の部室があるのだが、まだ電気が点いてることに気がつく。

 

「あれ、まだいるのか」

 

「ホントだ~!ねね、せっかくだし寄ってみよ?」

 

「そうだな」

 

俺たちは他人というわけじゃないし、特にノック等をするわけでなくドアを開けた。

 

「やっほー!おつか・・・」

 

ドアを開けた麻由美が止まった。ん?

 

「どうした?」

 

俺も中を覗くと・・・。

 

優美と亜由美が両手を取り合りあい、顔もお互いの距離はかなりに近いところに・・・。

 

数秒間の静寂が訪れた後、麻由美はまた余計なことを口にする。微妙に亜由美に似た感じで。

 

「何?2人、デキてるの?」




やっぱり女の子同士はいいですね~!キマシタワーが立ちますね( *´艸`)

麻由美がした「サービス」ですが、作者はされたことがありません!店員さんは例外として(笑)

次回は演劇回となります!

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