私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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はい、みんな大好き美結ちゃん再登場回です!

麻由美も後で出てきますよ~('ω')ノ

タイトルはいったい・・・?本編読めばわかりますよ!(誘導)

あと、最近少しですが感想とか欲しかったりします・・・!無理強いはしませんが、感想下さったら嬉しいです!


「優美ちゃんの男の子バージョンみたいで面白いかな」

「あがってあがって」

 

私は美結ちゃんに手招きされ、お家の中へと入る。

 

「お邪魔します」

 

ここへ来るのは2回目だけど、なんとなく他人の家って緊張する!

 

と、ひょっこりと人影が現れる。

 

「あら、誰が来たかと思ったら優美ちゃんじゃない」

 

美結ちゃんにそっくりの美結ちゃんのお母様だ。

 

「こんにちは。お邪魔してます」

 

ぺこりと軽く会釈しながら挨拶。

 

「学校の帰りにわざわざにウチに来るなんてどうしたの?」

 

「あ、いえ、その、なんて言いますか・・。」

 

うまく説明出来ないなあ・・・と、美結ちゃんが会話に参戦。

 

「お母さん、優美ちゃん困ってるでしょ。私に用があってここに来ただけだから」

 

まあ、確かに間違ってはいないけどね。

 

「もう、美結ったら相変わらずね。優美ちゃんみたいな子が欲しかったわ~」

 

それを聞いた私は「いやいや、誰に似てそうなったんですか!」と心の中で突っ込んた。

 

「お母さんなんてほっといて私の部屋行こ。邪魔しないでね、お母さん」

 

美結ちゃんはそう言いながら私の手を取り歩き出す。後ろからお母様の笑い声が聞こえた。なんとなくだけど仲のいい親子なんだなあって思った。

 

 

「ごめんね、お母さんが」

 

部屋に入るなり謝られた。

 

「え!全然大丈夫だよ~!なんか2人仲良さそうでいいなあって」

 

「えー、仲いいとかないかなー」

 

と、答えつつも笑顔だった。やっぱり仲いいんだね。

 

「あ、ごめんね、適当に座っていいよ」

 

「あ、うん」

 

コートを脱ぎ荷物を置いて適当に座る。

 

「寒くない?」

 

暖房も効かせてくれていたので、全然大丈夫。

 

「うん、大丈夫」

 

「あ、ちょっと待ってて。飲み物とか持ってくるね」

 

「あ、ありがとうっ!」

 

美結ちゃんが部屋を出た後、私は座ったままぐるりと部屋の中を見渡す。

 

キレイに整理整頓されており性格通りだなって思った。

 

と、本棚に目が止まる。棚いっぱいに入った少女漫画や乙女系のライトノベル。ちょっと見てみたいなあって思ったけどさすがに勝手に触るのはだめだよね。

 

私が本の背表紙だけと見ていると美結ちゃんが戻ってきた。

 

「お待たせ。紅茶だけど良かった?」

 

「あ、うん、大丈夫!ありがとう!」

 

美結ちゃんはカップとお菓子が乗ったお盆を起きながら座る。

 

「なんか興味ありそうなのでもあった?」

 

「えと、ただ見てただけだから」

 

「そかそか。色々見てもいいよ?好きそうなのあったら貸してあげるね・・・ってまずはあゆちゃんからの宿題が先だったね」

 

「あははっ、なんかごめん!」

 

というわけで早速本題に入る。美結ちゃんはなにやらパソコンを開け、検索を始めた。

 

「最近はね、台本がいっぱい置いてある専用のサイトとかあるんだよ。オリジナルじゃないときは基本的にこういうところから探してやることが多いかな?」

 

説明をしながら私に画面を見せてくれる。

 

「へぇ~!そうなんだ!」

 

「もちろん本屋さんに作家さんが書いた紙媒体のものもあるし、一概にこれがいいとも言えないけど、今回は人数も限られてるってことだし、こういうところで探すのがいいと思う」

 

そう言いながら美結ちゃんは、台本の検索をしてくれる。

 

「えーと、人数は4人で・・・男女の人数もいれられるけど、入れると多分かなり限られるからいいかな?」

 

つまりそれは女の子が男役をやるってことだよね。まあ、私は問題ないかな。

 

「うん、大丈夫だよ!」

 

美結ちゃんが検索するとかなりの数が出てきた。へぇ~、凄い!

 

作品のコメントとかを見ると実際高校生が使ったものもちらほら。

 

「ジャンルとかもいっぱいあるね~!」

 

「優美ちゃんが好きなジャンルだけの検索とかも出来るよ。あと時間とかも」

 

「なるほどなるほど」

 

それから数十分ほど、美結ちゃんに聞きながら色々なサイトから色々な作品を教えてもらった。

 

「色々ありがとう!後は自分の家で自分の好きなの探してみるよ」

 

「うん、頑張ってね」

 

とりあえず後は自分でやりたいのを探してオーケーだね!

 

「あのさ、美結ちゃん」

 

私はちょっと美結ちゃんに聞いて置きたいことがあった。

 

「どうしたの?いきなり」

 

私の雰囲気がいきなり真剣になったことに少し驚く。

 

「美結ちゃんのところもさ、部員って2人きりでこれから大変だよねって思って・・・」

 

私たちと同じ境遇なら、私は少しでも彼女を助けられたらって思った。

 

すると彼女は意外な表情をし、予想してなかったことを言われた。

 

「あ、それなんだけどね。優美ちゃんには言ってなかったけど、この間の大会を見てくれたうちの学校の子が1人入ってくれてね」

 

「え!そうなんだ!」

 

「うん。まあまだ3人だから少ないと言えば少ないけどね」

 

それでも美結ちゃんは笑顔で。だって私もわかるもの。2人きりだったときに林崎くんが助けてくれて凄く嬉しかったことを。

 

「良かったね!」

 

だから私も笑顔で答えた。

 

「うん、まさかこの時期に入る人がいてくれるなんてびっくりだったけどね」

 

「どんな子が入ったの?」

 

「1年生の男の子だよ。まだそんなに経ってないからなんとも言えないけど、なんていうか優美ちゃんの男の子バージョンみたいで面白いかな」

 

「なにそれ~!」

 

そう言われるとちょっと見てみたいね(笑)

 

「それとね」

 

「うん」

 

「彼、オタクくんなの。話が合って嬉しいときあるかなー」

 

私は美結ちゃんが凄く嬉しそうな笑顔を浮かべていて、これはもしかしたら・・・って思ったけど、心のなかで口にするのは押し殺した。

 

「とにかくそんな感じかな。だから心配してくれなくても私たちは大丈夫」

 

「そっかー!なんか先を越された気分だなあ~!私たちも頑張らなきゃ!」

 

負けないように、いい演技しなきゃね!

 

 

× × ×

 

 

「じゃあまた」

 

玄関のところまで美結ちゃん、それと美結ちゃんのお母様が見送ってくれた。

 

「うん、ありがとう!お邪魔しました」

 

お母様にぺこりとお辞儀をする。

 

「寒いから気を付けて。また来てね」

 

「はい、ありがとうございました!」

 

最後に手を振り美結ちゃんとお別れした。まさかこんな早くまた美結ちゃんと会えてお話出来るななんて思ってもみなかった。というかまあ、今回は私から無理言ってお願いしたような感じだったね。

 

台本のことを教えてもらったのはもちろん、私としては面白そうな漫画やライトノベルを借りられたのも嬉しかった。これでまた美結ちゃんには会える、会ってもいいんだって。大会が終わってもお友達としていてくれるのがすごく嬉しかったなあ。

 

そんなこともあり私は人目を忍んで、というか周りはもう真っ暗だったから誰も見えてなかったから、笑顔で駅まで歩いていたら・・・。

 

「わあ!」

 

「うわ!あっ!」

 

「あっ!」

 

いきなり後ろから話しかけれた私は驚いて、足が躓いてそのままおしりから地面に座るような形になってしまった。

 

「あ・・・いったー・・・!」

 

「ごめん!まさかそんなになるなんて思ってなかったんだよ~!」

 

聞いたことのある声、振り向くと麻由美ちゃんでした!・・・ってまあ、こんなことしそうな知り合いって麻由美ちゃんくらいしか、ね。

 

「もう、いきなりひどいよお!」

 

「ごめん!声かけた後にそういえば優美ってこうなっちゃいやすいの思い出したんだよ~!・・・って優美!」

 

麻由美ちゃんはいきなり私の体を持って私を立たせた。あれ?いきなりどうしたんだろう?

 

「あ、ありがとうだけど・・・どうしたの、いきなり」

 

そう聞くと麻由美ちゃんは苦笑いになって答える。

 

「あはは・・・いやね~、さっきの体制のとき、優美のスカートの中のアレ、見えてて・・・」

 

「え・・・!?」

 

あ、確かによく考えたら・・・それに気が付くどころじゃなかった・・・。

 

誰かに見られてたとか正直わからなかったけど、恥ずかしくなって来て顔はどんどん赤くなっていく。

 

 

「もう、お嫁にいけない・・・」

 

数分後、とりあえず正気を取り戻した優美。

 

「え~!そこまで!?ってか今日はどうしてこんなところにいるの~?」

 

確かに麻由美ちゃんからしてみればそうだね。学校も近いわけじゃないし。

 

「あ、今日は美結ちゃんのお家に行ってそれで・・・」

 

そこまで言うと麻由美ちゃんに遮られる。

 

「え!?そうなん!?それってもしか・・・あ、いや~・・・なんで行ったの?」

 

「え、あ、うん、この間さ、亜由美に言われたじゃない?台本見つけなさいって。それのお手伝いみたいなのしてくれてね」

 

麻由美ちゃんの変な反応に少し疑問を感じたけど、どうせ聞いても教えてくれないと思って普通に答えました。

 

「へえ、そうなんだ!結局美結とはお友達を続けているんだね~!」

 

「うん!」

 

「そかそか~!うんうん、なるほどね」

 

「麻由美ちゃんは?学校帰り・・・じゃないよね、自転車だもんね」

 

制服は着ていたが、徒歩だったので一回家に帰っているんだろう。

 

「あ、私~?えーと、なんて言えばいいのかな~?友達・・・ってわけじゃないし・・・うーん・・・」

 

「あ、なんかごめん!別に気にならないから!」

 

とは言ったものの、何があったのかちょ~っと気になるといえば気にはなる。まあ、無理に聞き出そうとは思わないし、麻由美ちゃんの方から言ってくれたら、って感じかな。

 

「そう?じゃあ時間も時間だしまた学校でね~!」

 

「うん、また!」

 

私は笑顔の麻由美ちゃんと別れ駅へと再び向かった。ちょっと色々気になることもあったけど・・・。

 

 

『確かに本音を言い合えることも大事だけど、言っちゃいけないことだってあるかなって』

 

 

修学旅行の時に林崎くんから言われたこの言葉。麻由美ちゃんだって言いたくないことあると思うよね。

 

そんなことを考えながら歩いていたら、ちょっと迷っちゃったのは秘密です(笑)

 

 




麻由美のセリフに2か所、意味深なセリフがありましたね。

麻由美は圭に美結が告白したことを知ってるので、優美と美結の関係に驚いていた感じ。でも個人的にはですが、優美はそのことを知ってもお友達でいそうな感じですけどね!

もう1つはまだ優美には言ってない、「お友達のような存在」のことですね( *´艸`)麻由美の好きな人のことですが、いつかちゃんと出したいと思ってます!

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