私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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どうも、かもにゃんこですにゃ(^w^)

リア充爆発しろ展開があります(笑)自分もこんな高校生活送りたかったなあ…。

今回は圭目線です。どうぞ!


「そうと決まれば今日は帰さないよ!」

喫茶店での誓い(?)から一週間ほど経ったある日、圭は昼休みに優美と亜由美のクラスへと行き、今日の放課後に話があるということを伝えた。

 

「…というわけなんだけど今日大丈夫かな?」

 

要件を伝えた瞬間、時間が大丈夫なのか答える前に優美が勢いよく、

 

「なになに!?もしかしてなんかいい案でも思いついたの!?」

 

まあ、実際にはそんなんだが…。

 

「いや、一応そうなんだけど今だとあんまり時間ないし、じっくり話せる放課後のがいいかなって思ったんだけど…」

 

あぁ!なるほど!という感じで優美は手をポンっ!と叩く。

 

「私は大丈夫よっ!ってか大丈夫じゃなくても大丈夫にするし!そこまで聞いたら最後まで聞かないと今日寝れなそうじゃん!」

相変わらずこの子は…ごり押しってか強引ってか…まあそこが楽しいんだけど。

 

優美の了解はあっさりだったが、隣にいる亜由美は浮かない顔になる。

 

「ごめんなさい、今日は早く家に帰らなければいけないの…」

 

それを聞いた優美は思い出したかのように「あー!そう言えば今日はあの日だったねー」とか言ってる。あの日って何?あの日って言えばあの日か!?

 

とか圭がわけのわからん想像をしていたところで、

 

「じゃあ今日はやめた方がいいよね…。気になるけど…気になるけどっ!」

 

優美さん優美さん、大事なことだから2回言ったのはわかるけどそれは嫌味に聞こえるよ!

いつものように亜由美から鋭い返しが来ると思っていたが…。

 

「いえ、構わないわよ?私は後で優美から内容を聞けばいいだけだから」

 

亜由美はさも当たり前かのようにそう回答し「それに」と続け、

 

「もともと生徒会に相談しようって言い出してくれたのは優美だし、それに優美に任せておけば私の思ってることもちゃんと言ってくれそうだから」

優美のことを信頼してるから言えるようなセリフ…に聞こえたが圭はなんとなくだが「私の考えてることを察して話して来ないと容赦しないわよ」みたいな言い方にも聞こえた。

 

だが優美の方はというと亜由美に頼りにされたのが嬉しかったのか、顔をぱあっと明るくさせ、手を胸のところでドーンとしながら「任せなさい!」とか言ってた。その小さなお胸がさらに小さくなりそうとか思ったのは秘密です(笑)

 

× × ×

 

そんなこんなで昼休みは終わり、午後の授業を適当に受け放課後になった。さて、優美の教室へと行かねば、と思いカバンを持って立ち上がろうとしたら、友達に声をかけられた。

 

「林崎ー、なんかお前のこと呼んでる別クラの女子来てるけど」

 

「え?」

 

そう思って教室の入り口を見ると優美がこちらを見て手を振りながら微笑んでいた。

その光景を見ていたさっきの友達がひそひそ話をしてきた。

 

「なあなあ、あの子誰よ?まさかお前いつの間にか俺とは違う次元に・・・?」

 

盛大の勘違いされてしまった。まあ、ほかのクラスの女子が帰りに迎えに来てるとかそうにしか見えないか。勘違いしたままだと後々めんどくさいのでそうじゃないってことを教えておくか。

 

「違う違う、そういうんじゃなくて。生徒会でやってる仕事の依頼主だから。ちょっと前に知り合ったばかりだし」

 

そう本当のことを告げたが、それがむしろ逆効果だったみたいで、

 

「何その漫画的な展開!うらやまし過ぎる!!ってかけしからん!!」

 

なんかめんどくさくなってきたなあ・・・。とりあえず明日から少しめんどくさくなるのは確定だが、これ以上こいつに絡んでいると優美を待たせることになるしおさらばするか。

 

「何がけしからんのか・・・。まあそういうわけでじゃあな」

 

そんな感じで適当にその場を去り、優美の元へと行った。

 

「ごめん待たせて」

 

「ううん、大丈夫だよー。なんかお友達とお話してたみたいだけど大丈夫だった?」

 

「あー、うん。大丈夫」

 

優美と話してる最中、さっきの友達含めた俺のグループが何やらこっち見ながら話していた。よく聞こえないが「このリア充め」「爆発しろ」とか聞こえてた。

 

そりゃあこんな可愛い女の子と仮に付き合っていたとすれば俺は爆発しても仕方ないが・・・ただの知り合いレベル、仕事で取引先の人みたいな感じだ。

 

「生徒会室に来てもらってもいいかな?今日誰もいないはずだからゆっくり話が出来ると思うよ」

 

「うん、いいよ!この間みたいにどっかでってなるとお金もかかるしね」

 

教室を離れる直前までヤジが聞こえてたのは言うまでもない。

 

 

俺たちは職員室で生徒会室のカギを借り、生徒会室へと入った。

 

「適当に座って」

 

「うん。なんか初めて会った時のこと思い出さない?」

 

「確かに。時間はもうちょっと遅かったけどね」

 

あれからまで一週間ほどしか経過してないが、もう結構前の出来事に思えた。それだけ一週間が長く感じたのだろう。彼女に対して俺は何が出来るのか。そればかり考えていたからかもしれない。

 

「じゃあさっそくだけど、自分なりに考えたことを言うよ」

 

正直緊張していた。革新的な案ではないし、優美の反応次第ではまた振り出しに戻ってしまうからなかなか言い出しにくかった。

 

十数秒の静寂が続き、意を決し俺は話を進めた。

 

「結論から言わせてもらう。新しい演劇部を作る、それがいいと思う」

 

 

 

 

再び静寂が訪れた。当たり前といえば当たり前である。まさかそんなことを言われるだろうとは優美も思うまい。

 

なかなか俺の告げたことに対しての返事がないため、こちらからもう一度話す。

 

「いきなり突拍子もないこと言ってびっくりしてしまったよね。ごめん」

 

今度は少し反応があり、

 

「あ、うん、林崎くんが言った通りびっくりしちゃった。落ち着け私、落ち着け私」

 

なにやら自己暗示をかけながらスーハースーハー深呼吸をしている。相当驚かせてしまったようだが、すぐに落ち着きを取り戻した。

 

「一応だけど説明出来る範囲で大丈夫だからその結論になった過程みたいなの教えてくれるかな?」

 

「わかった。ホントに簡単にだけど」

 

「大丈夫、あとからわからないことは聞くから」

 

そう言う優美はまたいつもの笑顔を取り戻してくれた。

 

「君たちは今のままだと新入部員は入らないと思っている。だけど部活の先輩方は君たちの言うことには聞く耳を持ってくれない。ならば先輩が引退する文化祭後まで待ってから勧誘活動を始める、だがそれでは遅い。そしたら答えは一つしか答えはないかと。平行して演劇部を作り、文化祭後はそっちを本当の演劇部へと変える。こんな感じだよ」

 

優美はふんふんと頷きながら聞いてはいたがいっきに圭が話したためかなかなか整理がつかないみたいでうーんとうなり始めた。

 

「長々と説明ごめん。よくわからないよね」

 

優美はまたうーんとうなるとボソッと話す。

 

「確かにそういう考えだと答えは一つだ…。ふむふむ…。」

 

どうやら優美なりに理解はしてくれたみたい。回路を繋げてる感じだろう。

 

少しブツブツと独り言を言っていたが、呼吸を整えるといつものはっきりとした表情に戻った。

 

「わかった!その意見、乗らせてもらうよ!うんうん!新しい演劇部か~!そういうのは全然思いつかなかった!やっぱり凄いね、林崎くんは!」

 

「いやいや、一週間考えてこれしか出なかったんだよ?」

 

「それが凄いの!私と亜由美がいっぱい考えてもそれは思いつかなかったんだから!」

 

優美は飛びっきりの笑顔で褒めてくれた。依頼、受けて良かった、また改めてそう思う。

 

「じゃあ進むべき方向も決まったことだしさっそくこれからどうするか決めよう!」

 

さすが、どんどん行動に移す積極性、恐れ入る。しかし…。

 

「小松さんには一旦言わなくていいの?」

 

あっ!と言ったがすぐに笑顔になり、

 

 

「私に任せるって言ってくれてたから大丈夫だよ!」

 

そういえばそんなこと言ってたなあ…。でも…。

 

「でも…「大丈夫!私が決めたことならなんでも理解してくれるから!」

 

「ああ、わかった…。」

 

勢い凄っ!さすがにここまで言われたら進めざるを得ないですね!後で何か言われたらあの子のせいだよね?…なんかうまく言いくるめられて俺のせいにされそう…。

なんてことを思っていると何か変なことを考えてると察したのか優美がジト目になってた。

 

「な~んか変なこと考えてるでしょ~?林崎くんって考えてること顔に出るタイプ?」

 

いや!それキミもだよね!?って言ってやろうかとも思ったがなんか面倒なことになりそうだと感じたのでやめた。うん、無駄な争いはいかんいかん!

 

「よし、そうと決まれば今日は帰さないよ!とことん話そう!」

 

女子高生がそういうこと言っちゃダメでしょ!ってか下校時間決まってるから帰らされるけど(笑)

 

そんなこんなで生徒会室では話し合い第二幕が始まった。

 


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