今回もどう見ても美結ちゃんのセリフがタイトルだったり( *´艸`)
まあ、本文をどうぞ!
「・・・っていう感じなの」
「なるほど、ね。いいんじゃないかしら?多少稽古は変えなくてはいけないけれども、もっといい舞台になりそうね」
「だって、林崎くん!」
「マジか。大丈夫なんか」
俺はあの後多少、ちょっとデカいこと言いすぎたかな、と思っていたので了承が出たことに正直驚きに戸惑いもあった。
あ、説明もなしに話だけ進んでいたわ。今さっき、亜由美へと美結と一緒に舞台装置の話をして、それのオーケーをもらったところだ。
「ええ、大丈夫よ。時間はまだあるし、最悪ダメでも元に戻るだけだもの」
あー、そういう意味での大丈夫ってこともあるんですね!
「私もなんとかするから。ダメにはならないように頑張ろう」
悪魔な亜由美とは違い、そう微笑みながら言う美結が天使見えました。
それからは、具体的にどんな感じにするかとかの話合いを1時間ほど続けた。
形や製作に必要なもの等もあらかた決まり、その方向で進めることが決定した。
「じゃあこれでお願いね。時間的にはあまりないけどよろしく頼むわ」
時間を見たらもう6時を過ぎていた。亜由美はそろそろ帰らないといけない時間、と言い、足早に部室から出ていった。ちなみに、優美と健太は先に帰っている。優美はちょっと寂しそうだった。ごめんね。
残された2人はというと、時間もあるしもう少し細かいスケジュールを決めなければ、ということで部室へ残る。
まず、決めたことは材料を買いに行く日。今度の日曜日に決定。
「じゃあ翌日にお店に人に頼んで学校に持って来てもらうんで大丈夫なのか?」
「うん、大丈夫。校舎の裏に物置みたいな場所があるからみんなでそこに運ぶ感じで」
かなり手慣れてる。どうやらホントにこういうことをB高校ではやってたらしい。
作業時間的には、冬休みの学校へ入れなくなる期間までの稽古終了から下校時間まであるため、わりと時間はある感じか。
「なあ」
「うん?」
「ふと思ったんだが、俺はまあ、男だからいいが、木切ったり釘打ったりで結構な力作業だろ?キミは大丈夫なの?ってか俺1人でやる感じだったり?」
そう美結へ尋ねると、腕をグッと構えてふふ~ん!としながら答える。
「私、こう見えても力あるから。私も手伝うよ。こういうの結構好きだしね」
顔はやる気満々だが、腕を見るとちょっと不安になる圭。まあ、冬服来てるんで実は細マッチョな可能性あるか。ってオイオイ!
俺が苦笑いを浮かべていると、ジト目でこちらを見てくる。
「何々?私じゃ頼りなさそうって?」
「いや、まあ、頼りなさそうって言うか悪いなあって思って」
「そかそか。まあ実際はやっぱり私に出来ることは限界あるし、力仕事とかは結構頼りきりになっちゃうかな。ごめんね」
まあそもそも提案したのは俺だし、彼女に無理をさせるわけにもいかない。
「そういう仕事は男がやるもんだしな。女の子にやってもらったらなんかね」
美結はふーんと頷き、少しの笑みを浮かべる。
「ふふふ、相変わらずカッコいいこと言うよね、林崎くんは」
「いやいや、普通だろ。これでカッコいいとか全員カッコいいことになるぞ」
圭はそう言ってはいるが、内心自分の言ったことに対してちょっと恥ずかしい気持ちにもなった。
「うんうん、確かにみんなそういうことは言ってくるかも。漫画とかゲームの世界の人達は」
・・・そうきたか!そう言えばこの子、そういう趣味を持ってたんでしたね!
それから時間までに大まかな設計図を2人で考え、解散した。
× × ×
次の日曜日、予定通りホームセンターへと行った。
最寄りの駅で、美結を待っていたら5分くらいで来た。
「おはよう」
「おはよう」
美結は茶色っぽいコートに長めのマフラーを巻いて下は膝まである赤いスカート、その下にはタイツにブーツも履いており、寒さ対策はバッチリという感じ。
「待った?」
「まあ、多少」
「もう、そこは待ってないだよ?2次元のイケメンはそう言うこと言わないから」
「いや、俺は3次元だしイケメンでもないから。まあ、とりあえず行こうか」
俺がそう言いながら歩き出そうとすると、美結に腕を軽く掴まれた。
「待って、もう1人来るから」
美結は相変わらず俺の腕を掴みながら後ろに振り向く。そういうの、若干ドキッとするから!
「あ、来たみたい」
誰だろう?亜由美かな?演出だし。そう思いながらと俺も後ろを確認するとそこには俺の思い人がいた。
「ごめ~ん!一番どうでもいい人が遅れちゃって~!」
胸の前で手を合わせて「ごめん」のポーズを作りながらトテトテを優美がこちらへと向かってきた。
優美は少し短めなグレーのコートに紺色のミニのプリーツスカート、足はニーハイとショートブーツという感じで、美結よりもいくぶん寒そうな格好。
でも正直言ってめちゃくちゃ可愛い。それにもし、圭と一緒に出かけるからこういう格好で来てくれたとしたら、凄く嬉しいなあと思っていた。
ついついそんなこのを思いながら優美のことを見ていたため、隣にいた美結からクスっと笑われた。何を考えているか、ある程度はバレちゃってますね(笑)
というか、だ。なんでそもそも優美が来たのか。
気になったので確認してみることに。
「なあ、なんで竹下さんが?」
「あれ?林崎くん、優美ちゃんがいたら嬉しくないの?」
俺はそう言うことを聞いたわけじゃないし、多分美結もそれはわかっているとは思うが、そんなことをわざわざ聞いてきた。
「いや!そりゃまあ、嬉しくないわけないけど!・・・ってそれを聞いたわけじゃないから!」
ついつい乗せられた、というか自分から乗ってそんなことを言うと、優美は顔を少し俯かせて恥ずかしそうにしている。
ごめんね、ちょっとからかってみたくなっちゃったのさ。
「うん、優美ちゃんが来た理由でしょ?話しても大丈夫だよね?優美ちゃん」
美結にいきなり振られた優美は「え!?」とちょっと驚いた後、「うん、大丈夫だよ」と言う。
話は金曜日の夜に遡る。
× × ×
『もしもし?』
「あ、美結ちゃん?ごめん、今大丈夫かな?」
『うん、大丈夫だけど?どうしたの?こんな時間に』
こんな時間に、というも実は電話した時間は夜の10時を回っちゃってて。でもどうしても美結ちゃんに言わないといけないことが・・・!
「あ、あのね!」
『うん』
「この前借りた本、今日返すってことだったのに忘れちゃって・・・どうしようって思って・・・」
『え?それだけ?』
深刻な雰囲気の私とは打って変わって相変わらず冷静な美結ちゃん。あれ・・・?
「う、うん」
『別に大丈夫だよ?私も忘れてたくらいだし』
あ・・・やっぱりそんな感じだったんだ・・・!なんか損した気分~!
「えーと、うん、なんかごめん」
『あはは。でも言ってくれなかったらホントに忘れてたよ。あ、ちなみにどうだった?』
ちなみに借りた本というのは、いわゆる乙女系のライトノベルなんだけどね。
「うん!スッゴく面白くてなんかハマっちゃって、凄く続き読みたくなった!」
『そうなんだ。あ、優美ちゃんさ、日曜日って時間ある?』
「え?うん、大丈夫だよ!」
『じゃあ日曜日に続き貸すね。今持ってるのはそのとき返してくれればいいよ。あ、それでね・・・』
美結ちゃんはそこから日曜日に林崎くんと買い出しに行く話をしてくれた。私が知らない間にそんな話が進んでいたなんてびっくり!!・・・でもちょっと林崎くんも林崎くんだなあって思ったけどね。
『・・・という感じなんだけど、優美ちゃんもどうかなって思って。2人よりも3人の方が色々良さそうかなって今思って。それにせっかくお友達になったしね』
さっきはちょっと嫉妬の気持ちもあったけど、林崎くんも一緒なら嬉しいし、美結ちゃんともお出かけするの楽しかったし、また誘ってくれて素直に嬉しい!・・・まあ、遊びじゃないけどね。
『じゃあ決まりだね。〇〇駅前に13時によろしく』
「うん、わかった!じゃあね、ありがとうっ!」
そんなこんなで突如決まった。ぶっちゃけ、林崎くんとお休みの日に一緒にいられるだけでめっちゃ嬉しい!服・・・どうしよう?冬服なんて始めてだし・・・。よし!ちょっと寒いけど思い切って・・・!
× × ×
「・・・という感じなの」
「・・・なるほど」
なんかそこまで聞いてないよ!って感じのところまで美結と優美は説明をしてくれた。優美の嬉しいとかそういうの、俺はちょっと恥ずかしかったけど、彼女は説明だから恥ずかしくないんでしょうかね?
「じゃあ改めて、レッツゴー!!」
優美が手を上に少し上げてそう言うながら、歩き始めた。あ・・・。
「「そっちじゃない」よ」
いきなりそんなんだったが(笑)、3人での買い出しが始まった。
なんか色々予定よりも追加が入ってどんどん長くなってる気がします('Д')
いいのか悪いのかわかりませんが、「この子との回にしよう!」って考えて手も「やっぱりこの子も出したい!」みたいな感じに(笑)
今回も優美は出す予定じゃなかったんですよね('ω')ノ