私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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久々に演劇に戻ってきました(^^♪

今回は優美×美結回です!あ、「×」って書いてますが、別にゆりゆりする展開なんてありませんけどね(笑)




「でも2人を見てね、なんかいいなあって思って」

色々あった修学旅行も終わり、私たちにいつもの日常が戻った。

 

約1ヶ月半後に迫った大会の練習はというと、演出の亜由美曰くかなり順調とのこと。

 

私自身?う~ん、正直毎日覚えることが多すぎて自分では順調なのかどうかいまいちわからない(笑)

 

でも経験豊富な亜由美と美結ちゃんに色々教えてもらっているおかけで少しずつだけど確実に良くなっているのは間違いないと思う。

 

今日は美結ちゃんに言われた衣装案の提出日で、正直今日は稽古よりこっちが気になっていた。

 

そういう日ということもあり、今日は早めに稽古は切り上げ、おのおのの裏方の仕事をやることに。

 

「ど、どうかな・・・?」

 

私の衣装案の絵を美結ちゃんと、手が空いてしまう林崎くんとで見ている。2人ともかなり真剣に見ているから凄く緊張する・・・。

 

「うん、私はこのまま進めてくれてもいいと思うよ。このお話の雰囲気に合っているシンプルさというか、色合いだと思う」

 

「俺も偉そうなことは言えないけど、いいと思ったよ」

 

美結ちゃんと林崎が揃ってそう言ってくれた。

 

「良かった~!」

 

・・・まあ、そもそも学生4人は制服メインだし、大したことないんだけどね。現代劇で良かった~!

 

「あとは演出さんの了解を得られれば・・・」

 

美結ちゃんがそう話しているとあっちで村崎くんと話していた亜由美がこっちを振り向き、話に割り込む。

 

「衣装担当がいいと言うなら構わないわ。美結がオーケー出すものなら絶対変なものではないと言うことだもの」

 

ということらしい。つまり衣装は仮ではあるけど決まった。亜由美は美結ちゃんのことをかなり信頼してるんだね。

 

と亜由美がまた悪い笑みを浮かべ私の方を見る。

 

「もちろん優美だけだと何をするかわからないから、私のチェックなしにオーケーなんて出せないわよ?ふふふ・・・」

 

「なにそれっ!」

 

ちょっと油断するとまたこういうこと言うんだからっ!もうっ!

 

「くっ・・・」

 

「あははっ・・・」

 

亜由美の言葉に2人も笑い出す。も~!

 

「なんで2人も笑うのよ~!」

 

「ごめんごめん!」

 

「ごめん、なんか面白かったからね。でも優美ちゃんの案がそのまま採用されて良かったね」

 

「まあ、そうだけど~!」

 

何はともあれ衣装案は私ので決まっちゃったらしい。あれ、つまりこれは・・・。

 

「ねぇねぇ美結ちゃん」

 

「うん?どうしたの?」

 

「衣装ってやっぱり私が揃えなきゃ駄目なんだよね?」

 

自分で決めたことだし、聞くまでもないとも思ったけど、まあ一応確認のため。

 

「うーん、まあそうだけど、私もせっかくだし協力するよ」

 

 

× × ×

 

 

と、いうわけで次の日曜日、私は美結ちゃんと一緒に衣装で足りないものを揃えるため、一緒にお買い物をしに来た。

 

私が待ち合わせ場所に行くとすでに美結ちゃんがいた。

 

「あ、優美ちゃん」

 

「美結ちゃんこんにちはっ!」

 

「こんにちは」

 

そんな感じで挨拶を交わし、私たちは歩き出した。

「今日って足りないものを揃える感じなんだよね?」

 

「うん」

 

今回やる劇は何回も言ったけど現代劇のため、ある程度は各自持っているもので揃えられる感じ。

 

今日買うものはというと、サトコとリサコの制服用のお揃いのスカート、それと案内人の服。

 

それ以外は自分たちでも揃えられそうだったのでとりあえずこんな感じ。

 

「制服っぽいスカートってどういうところで買えるの?」

 

私はそんなことを美結ちゃんに聞いた。この間聞いた感じだと前にも劇でそういうのを使った時に買ったとのこと。

 

「ええとね、なんちゃって制服ってわかる?」

 

「えーと、私服の学校の人たちが制服っぽい感じで着る、みたいな感じ?」

 

「うん、そう。そういうのをね、売ってるお店に行くの」

 

なるほど・・・そういうところがあるんだね。

 

というわけでそのお店に着いた。お店の中に入ると本当に制服みたいな感じの服がいっぱい置いてある!しかもどれも可愛い!

 

「ねえねえ!これ凄く可愛い~!あ~、私もこういう可愛いのがよかったなあ!」

 

「優美ちゃん優美ちゃん、まずは衣装買わなきゃ、ね?」

 

と、はしゃいでる私とは大違いに、冷静にそう言われちゃった!

 

「あ!ごめん!そうだよね、うんうん」

 

というわけで私が提案したのと似たようなものを探す。ちなみにどんなのかというと、黒のチェックをベースに、赤のチェックが少し入った感じ。

 

「うーん、結構どれも明るい感じだねえ・・・」

 

「確かにそうだね」

 

種類は結構あるんだけど・・・なかなか私が書いたデザインと似たものがない。でも何も買わないわけにもいかないし。私が悩んでいると美結ちゃんはある提案をする。

 

「とりあえず買わないってわけにもいかないし、一番暗めなこれでいいと思うよ?あゆちゃんにはさ、私が選んだって言っておけば大丈夫だと思うから」

 

うふふっと付け加え、そう言う。確かに私が言ったらまたなんか言われそうだよね(笑)

 

と、いうわけでスカートは決まり。次は案内人の服。私のイメージでは神父さんみたいな感じだけど・・・。

 

「こういう服、ホントに売ってるところあるの?」

 

「うん、大丈夫。なんか見たことあるから」

 

またしても美結ちゃんは大丈夫とのこと。私は美結ちゃんに着いて行く。

 

と、ついた場所は・・・。

 

「ここって・・・いわゆるコスプレの、お店・・・?」

 

「うん、そうだよ」

 

ちょっと焦る私に対して、あくまで冷静。なんでこういうの知ってるんだろう?と思った私を察したかのように彼女は答える。

 

「私ね、実は世間でいうオタクってやつなの」

 

「そうなんだ」

 

「あれ?驚かないんだ?」

 

「うん、そういうの全然気にしないし。あ、でも、ちょっと聞きたいことあるなあ!」

 

私がそういうと、キョトンという感じで首を傾げた。可愛い。

 

「こういうところ知ってるってことは、その、コスプレとかもするの?」

 

するなら見てみたいなあってちょっと思った私。

 

「あ、私はしないしない!友達でする子がいるから知ってるだけだよ」

 

「そっか~」

 

「なんか残念そうだね?私なんかしてもスタイルよくないし。あ、よかったら優美ちゃんしてみる?」

 

「え!私はいいよっ!」

 

「そう?もしかしたら林崎くん、そういうの好きかもよ?」

 

「え!?」

 

「その恰好したらもっと優美ちゃんのこと好きにんるかもよ?」

 

「え!?いや、無理!コスプレなんて恥ずかしいしっ!」

 

って!よく考えたらそうじゃなくて!

 

「いや、そうじゃなくて!そういうんじゃ・・・」

 

なくて・・・って言おうとしたんだけど、美結ちゃんに遮られる。

 

「今更隠さなくても知ってるよ」

 

「え~!!」

 

どうやら私たちの態度を見て、ある程度はわかってたとのこと。お互い思ってるっぽいのに、なんか恋人同士っぽくはないな、とのこと。・・・ってだいたいそれで合ってるじゃん!!

 

「バレバレだったんだ・・・」

 

「うん。誰でもわかっちゃうくらいだったよ」

 

「そっか・・・」

 

あんまり気が付かれないように、気が付かれないようにしてたつもりだったけど・・・。

 

「どうしてそういう感じになっちゃったのか、とかは無理には聞かないけどね」

 

「あ、うん、ありがとう」

 

そういう感じでその話は終わり、衣装を探す。

 

 

× × ×

 

 

美結ちゃんの言ってた通り、それっぽい服はすぐに見つかりなんなくお買い物は終了。

 

帰りの電車の中で、美結ちゃんがふとつぶやく。

 

「・・・やっぱり羨ましいなあ」

 

「え?」

 

「あ、ごめんごめん。優美ちゃんと林崎くんの関係、その、恋人になってなくても羨ましいなあって思って」

 

「えっと、うん、ありがとう」

 

私は正直なんて返せばいいかわからなかったけど、とりあえずそう言う。

 

「私もね、2次元・・・って言ってもわからないよね、漫画とかアニメとかには好きなキャラクターとかはいるけどね、現実世界では好きな人とか出来たことなくて」

 

「それに周りを見ているとなんか面倒だなあって思ったりもしたから、今までは特に羨ましいなんて思ったことなかったけどね」

 

美結ちゃんは珍しく、長く自分の意見を私に話してくれる。

 

「でも2人を見てね、なんかいいなあって思って。そういうのもアリかなって思って。羨ましいなあって」

 

そう話す美結ちゃんは、私が知らない何かを考えながら言ってるようにも聞こえた。

 

「あ、でも大丈夫だよ?」

 

「え?何が?」

 

「優美ちゃんが好きな林崎くんは取ったりはしないからね」

 

そう言われると私の顔が赤くなっていく。

 

「もうっ!美結ちゃんまでそう言うこと言わないでよっ!」

 

「あはは、ごめんごめん。詳しいことわからないからなんとも言えないけど・・・頑張ってね、私も応援してるから」

 

「うん、ありがとう!」

 

彼女に言うのは最初恥ずかしかったし、理由とか聞かれた困るから言わなかったけど、こんなに応援してくれるなら言って良かったなあと思う優美であった。

 

「あ、でもね」

 

「え?」

 

「もし何かあって2人がくっつかなかったら私が林崎くんのこともらおうかな」

 

唐突に、彼女はそう言った。

 

「ええ~!!だめっ!というかそれは絶対ないからだめっ!!」

 

私はつい興奮して電車内と言うことも忘れて叫んでしまった!

 

「優美ちゃん、電車だよ?」

 

「あ・・・」

 

今さら口を手で抑えながら周りを見るけど、白い目で見られちゃってました・・・。




美結のオタク設定ですが、完全に後付けでした、すいません(笑)

設定的にはBLが大好物ないわゆる腐女子というわけではなく、少女漫画とか乙女ゲームとか、恋愛アニメとかそういうのが好きなオタクですね( *´艸`)

せっかくなので彼女のこともこれから色々拾って行けたらなあ、と思います!

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