私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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さあさあ、今回は修学旅行の回です!!

修学旅行と言えば恋バナとか告白とか・・・ってアニメや漫画の世界ですかね?(笑)

この物語でも恋愛恋愛した修学旅行をお届けします(*ノωノ)


「他の誰かに告白とかされたって断るもん!」

秋も深まり今は11月中旬、我が校の2年生は高校生活の中でも5本の指に入るであろう修学旅行というイベントがある。

 

修学旅行は毎年学年全員にアンケートを行い、北海道か沖縄へと行く。ちなみに今年は沖縄に決まった。

 

というわけで、俺たちも演劇からは少し離れ沖縄へと向かう。

 

修学旅行は3泊4日の日程。ただまあ初日と最終日は移動もするため、実質3日ほど。

 

初日は到着後、クラス単位での行動で平和祈念公園等行き、海の近くのホテルで食事やお風呂に入り、初日は終了した。今は部屋の中でクラスメイトと雑談、もっぱら修学旅行と言えばと感じで恋愛の話に。

 

「・・・という感じなんだよ~。だから修学旅行で告白しようと思ってんだ」

 

「マジか!いつすんの?3日目の自由行動んとき?」

 

「いや、まだ決めてないわ。ヤバいヤバい!」

 

「明日の夜とかでもよくね?」

 

「確かにそっちのがいいかな?」

 

・・・などと同部屋の3人はめちゃくちゃ盛り上がっている。俺はというととりあえず聞いてるだけ。いやね、別に仲が悪いとかじゃないんだよ。話にガチで加わると俺にも話が飛んで来そうだからね!

 

などと思っていたが、よくよく考えたらクラス公認で俺たちはカップルだったわ(笑)どう考えても話は飛んできそう。ちなみにこの部屋に唯一違うと知っている友人Aはいない。

 

案の定、さっきの話題が終わるやいなや、話を振ってきた。

 

「林崎はこんな話どうでもいいって思ってるんだよな~?リア充だもんなあ!」

 

今さら否定しても無駄なのは知っているので適当に流すか。

 

「いや、別にそんなこと思ってないって」

 

「ホントか~?いやマジ羨ま!ってか爆発しろ!」

 

「なあなあ、ちなみにキスとかまではもうしたんか?」

 

それ聞くか・・・。読者の皆さんよ、これはどう答えれば正解なんだ・・・。

 

俺が答えに迷い無言でいると、別のクラスメイトが話す。

 

「黙ってるしなんか目が泳いでるぞ?これはまだキスまでいってないな!」

 

「マジか!やっぱり林崎って恋にも真面目なんだなー!純愛ってやつか」

 

「ってかさすがに手くらいは繋いでるよな?もう2ヶ月くらいになるんだろ?」

 

手は・・・繋いだ。付き合ってはいないがな!まあこれくらいなら本当のこと言っても対して追及されないだろう。

 

「まあ手くらいは繋いだよ」

 

さらっとそう答えた俺だったが、みんなの反応は予想外だった!

 

「で!どんな感じだったん!?」

 

「最初はめっちゃ緊張とかしなかった!?」

 

「女の子の手ってどんなんなん!?」

 

と、めちゃくちゃ質問攻めに。お前ら乙女かっ!っていうくらい興味津々に俺の答えを待っている。

 

そういう俺も言われてみれば手を繋ぐってどんなかって聞かれると解答に困った。

 

「そういざ聞かれるとなんか答えにくい感じというか・・・」

 

緊張・・・っていうかよくよく考えたら向こうからだったからなあ。

 

「俺から繋いだわけじゃないからびっくりしたっていうか・・・」

 

優美の手の感触・・・思い出すとなんか恥ずかしくなる・・・。

 

「柔らかいっていうか小さくて儚いっていうか・・・」

 

はっ!よくよく考えたらなんか俺が乙女っぽくなってるやんけ!

 

そんなことを思っていたら同じような感じで返される。

 

「林崎ってなんかめちゃくちゃ乙女だな・・・」

 

「うんうん」

 

「確かに」

 

なんか俺の答えに対してみんな冷めてしまったところで俺の話については終了した。・・・なんかみんなごめんな!いや、俺としては終わって嬉しかったけども。

 

 

× × ×

 

 

昨日は移動が結構あったこともあり、割りと疲れてて早めに寝てしまったこともあり、朝も早く目が冷めてしまった。

 

泊まっているホテルの朝食まで時間が結構あり、せっかくなので朝の静かな海にでも行ってみるか。

 

ということでホテルから歩いて3分もかからない砂浜へと着いた。

 

とにかく海も砂浜も綺麗で、ここに座り海を眺めながら波や風の音を聞いてるだけでなんとなく癒された。

 

そんな感じで特に何もするわけでなく、5分くらい過ぎた。

 

 

落ち着くなあ・・・。

 

「わっ!」

 

「うぇ!?」

 

なんだ!?なんだ!?びっくりして後ろを振り向くとそこには優美がいた。

 

「あはは!ごめんごめん!そんなにびっくりするとは思わなかった!」

 

「ホントびっくりしたわ・・・あ、おはよう」

 

「おはよう!」

 

朝から笑顔満天の優美。場所や時間も相まっていつもよりも可愛く見えた。

 

「竹下さんもここに来たんだ」

 

「うん、朝早く起きちゃってせっかくだから静かなうちに見てみようかなって」

 

なんというシンクロ。俺もそんな感じと伝えると優美は更に笑顔になって喜んだ。

 

それから優美も俺の隣へ腰を落とし、海や空を眺め始めた。

 

俺はというと海ではなく優美を横目に見る。

 

Tシャツに薄手のカーディガンを羽織り、ショートパンツ姿。彼女が前をじっと見ていることもあり、圭は優美を少しじっと見つめてしまった。と、視線に優美が気が付く。

 

「どうしたの?」

 

「・・・え!?」

 

「いや、その、・・・私の方見てたからなんかあったのかなって」

 

そういう優美は少し目線を落とし、よく見ると少し顔も赤くなっている。

 

なんでもない、って言おうと思ったけど、場所や周りに人がいないということ、優美の雰囲気によりそうは言えず、思ったままのことを言ってしまう。

 

「いや、なんか可愛いっていうか綺麗だなっていうか・・・」

 

それを聞いた優美は更に下を向いて言葉を返す。

 

「う、うん。ありがとう」

 

「あ、いや・・・その、なんかごめん」

 

ちょっと変な空気になってしまったので圭は自然とそう言ってしまう。

 

でも優美はそう言われると、違うの!と切り出す。

 

「その、恥ずかしいっていう気持ちももちろんあるんだけど・・・」

 

「林崎くんがこっちを見てたときにね、もし私のこと誉めてくれたら嬉しいな~って思って・・・」

 

「だから、だからね!?ホントに誉めてくれてすっごく嬉しいんだよ!?」

 

思わぬ優美の告白に圭はどんな反応をすればいいかわからず彼女を見たまま固まってしまう。

 

「あ、その、自分で自分のこと綺麗とか思ってるって思われても不思議じゃないよねっ!なんか私変だねっ!」

 

そう言いながらわたわたといつもの感じに戻った優美を見て、圭は少し笑ってしまう。

 

「あ!今ちょっと笑ったでしょっ!・・・もうっ!やっぱり言わなきゃ良かった~!」

 

あ~あって後悔してたみたいだけと、俺はというと彼女が本当に思ってること、感じてることが聞けて凄く嬉しい。

 

だから自分も、そう思ってると優美へ伝えた。

 

「あり、がとう・・・!私も嬉しいよ」

 

優美はいつもの笑顔でそう答えてくれた。とまた真面目な表情に戻る。

 

「あのさ・・・」

 

「うん?」

 

「たまになんだけどね、こういう話すると付き合ってたらもっと楽しい気持ちになるのかなって思うんだ」

 

・・・やっぱり優美もか。そんなの俺だってずっと思っている。でもここでそんなこと言ってしまったら気まずい雰囲気になりそうだ。だけどさっき本音を言い合える関係で嬉しいってお互い言い合ったばかりだし・・・。

 

どうしようかと考えていたが、考えをまとめ意を決して話すことを決めた。

 

「・・・俺もキミと同じことはずっと考えているよ。でも、確かに本音を言い合えることも大事だけど、言っちゃいけないことだってあるかなって」

 

圭はなるべく優しい口調でそう優美へと話す。

 

優美は少し考えたあと笑顔で答える。

 

「そう、だよね。そんなこと言ったってどうにかなることじゃないもんね。私のわがままだった!」

 

そんな優美に俺も顔が緩む。

 

「わかってくれてありがとう。・・・まあ、そもそも俺がフラれたりして、付き合えなかったらアレだけどね」

 

冗談っぽく聞こえるよう言ったけど、ぶっちゃけ不安がないと言えば嘘。

 

「ええ!?ないないって!もしも他の誰かに告白とかされたって断るもん!」

 

早口で優美はそう言う。必死な表情と合わせても嘘ではないだろう。

 

「あ、でも、そもそも告白なんてされないかっ!あははっ!」

 

そう冗談で最後は言っていたが、普通にあり得る話だなあと圭は思った。

 

 

× × ×

 

 

「ふぅ・・・」

 

修学旅行2日目ももう夜を迎えた。圭は消灯時間の少し前に飲み物を買って近くにある椅子に座って1人でゆっくりしてる。旅行中はどこにいても周りにクラスメイトはいるし、まあたまにはこういう時間もいいだろう。

 

1人でゆっくりしてたら後ろから声をかけられた。

 

「林崎くん」

 

振り替えると亜由美と麻由美がいた。

 

「2人ともこんばんは」

 

「こんばんは~!」「こんばんは」

 

「2人も飲み物を?」

 

まあここに来るってことはそれ以外考えられないが一応。

 

「うん」

 

そう答えた麻由美であったが、なんとなくいつもの明るさがない感じなのが気になった。

 

なんとなく「どうしたの?」とも聞けるような雰囲気でもなかったが、心の中ではそう思っていたので、顔には出てしまった。

 

「何か言いたそうな顔してるわね?」

 

鋭い亜由美に見抜かれた。参ったなあと思い、思い切って聞くことに。

 

「あ、いや、何かあったのかなって」

 

そう俺が聞くと2人はなにやら俺には聞こえない声で話し、相談が終わり麻由美が話す。

 

「あのね、実はここに優美も一緒に来ようと思ったんだけど・・・」

 

・・・嫌は予感が圭を襲う。のち、予感は的中となった。

 

「途中でクラスの男の子に呼び出されて・・・」

 

それを言われた瞬間、圭の頭の中にあるセリフが流れた。

 

 

『あ、でも、そもそも告白なんてされないかっ!』

 

今朝、彼女と話したときにそう言っていたのが完全なフラグとなっていた、そう思う圭であった。




続きが気になるような終わり方になっちゃいました(笑)

修学旅行回、2回の予定でしたが4回くらいになりそうな感じです(*´з`)

ちなみに自分の高校の頃の修学旅行が沖縄でして、イメージしやすいのでこの話でも沖縄にしました!!

それでは、また次話で('◇')ゞ

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