私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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どうもかもにゃんこです(*'▽')

前回の続き、なのですが前半は圭と麻由美の回になってます('◇')ゞ

場面が変わるところが見にくいかもですが、ご了承ください('ω')ノ


「ライバル出現!!とかになったらどうする~?」

優美たちのオーディションが行われる日、俺は部活へは行けなかった。何故なら生徒会の課外活動があるからである。

 

内容はというと学校の回りのゴミ拾い。月に一度、1時間ほど実施する。

2人1組で(または3人)取り組むのだが、くじ引きの結果俺は麻由美と組むことになった。

 

俺たち2人は近くにある川の河川敷へと行った。

今日は制服ではなくジャージ。わが校のジャージは学年ごとに違い、俺たちの学年は赤色。一番ダサいと評判である。麻由美もいつもはおろしている髪を後ろで結んでいる。

 

普段おろしている人が髪結ぶとなんとなく印象変わるよね!

そんなことを思っていたら、麻由美が話しかけてきた。

 

「いつもってどんな感じでやってるの~?」

 

麻由美は生徒会長とは言え、活動は何でも初めて。

 

「とりあえずこっちと向う岸に分かれて時間まで各自でやるって感じだな」

 

「ふ~ん、漫画みたいに一緒に話しながら楽しくやるわけじゃないんだね~!」

 

「まあ、そうだな。前から割とちゃんとやってるしな」

 

うちの高校の生徒会は基本的に課外活動をしっかりやる。なので学校の近所からの評判は割りとよい。

 

というわけで俺が向う岸に行き、ゴミ拾いは始まった。

 

そこまでゴミがあるわけじゃないため、結構歩きながら、って感じ。麻由美の方を見ると普通に真面目にやっている。

 

そんなこんなでゴミを拾いつつ、麻由美を気にしつつ、40分ほど経った頃、対岸を見たら麻由美がその場に座り込んでいた。

 

え?何かあったんかな?と不安が頭をよぎった。俺は対岸からではあるが麻由美に声をかけた。

 

「どうしたのー!?大丈夫!?」

 

声をかけると顔を上げて右足を指しながら麻由美も返事した。

 

「さっき転んじゃって~。ちょっと右足をね~!」

 

どうもケガをしたらしい。立てない、ということは結構痛いのだろう。

 

「そのまま待ってて!今行くから!」

 

そう声をかけ、ちょっと離れた橋を使い俺は麻由美のいる対岸へと移動した。

 

「大丈夫?」

 

改めて声をかける。と同時に右足を見ると膝から血が出てた。

 

「ごめんね。見ての通り膝をやっちゃって・・・あ、痛・・・!」

 

立ち上がろうとしたが、痛がりまた座ってしまう。

 

とりあえずここにいたんじゃマズイと思い、圭は麻由美に肩を貸しながら体を起こす。

 

「どう?左足だけで歩けそう?」

 

「うん、大丈夫。ありがとう」

 

俺たちはそのまま学校の保健室へと向かった。

 

保健室には保健の先生もいて、傷も幸い軽傷で簡単に治療しただけで大事には至らなかった。ただ今日は大事を取って親に迎えに来てもらい、車で帰ることに。

 

そんな中、保健の先生は用事があるといい保健室を出て行ったので、麻由美と2人になっていた。

 

日が落ちた保健室で麻由美が圭に声をかける。

 

「帰っちゃってもいいよ~?親なかなか来ないっぽいし」

 

俺はそう声をかけられたが、帰る理由は特にない。まあ、残る理由もないけどなんとなく、ね。男子ならわかるよね?(笑)

 

「大丈夫だよ。ケガ人を1人にするわけにはいかないし」

 

とまあ、わけのわからん言い訳をした。麻由美はクスクスと笑い始めた。

 

「何それ~!熱があるわけじゃないし~!でもまあ嬉しいかな。話していれば時間もつぶれるしね~!」

 

あはは~って感じで笑いながら話す。麻由美は話を続ける。

 

「ねえねえ!ぶっちゃけさ、ここにいるのがさ、私じゃなくて優美だったら嬉しかった~?」

 

なんか聞いてきそうな気がしたらホントに聞いてきた。

 

「いやー、嬉しくないよー?ケガしちゃってたら心配じゃん」

 

と答えた。でもまあ、このシチュエーションで優美だったら優美には悪いけど嬉しいね。

 

「お~!紳士だねえ!あ、じゃあ私のことも心配~?」

 

「そりゃ心配だよ。ケガ人を心配しないわけないじゃん。ってか心配してなかったらあの時助けにいかんって」

 

と俺は真面目に答えた。さっきは笑いながら言い合ってたので、いきなり圭が真面目になって麻由美はびっくりしてた。

 

「あり、がとう・・・いや!ね?当たり前っちゃ当たり前のことだけど、やっぱ嬉しいかな」

 

麻由美はいつも違う優しい笑みを浮かべながらそう答えた。

 

そんないつもとは違う表情を見せた麻由美に圭は固まってしまう。そんな圭に麻由美はいつものニヤニヤっとした表情に戻って声をかける。

 

「あ~でも~、私なら勘違いしないけど、他の女子にそういうこと言っちゃだめだよ~!勘違いしちゃうよ~!」

 

そんな漫画みたいな話ないよ!別に顔だってそんなによくないしな。でもまあ否定すると余計面倒なことになりそうだからなあ・・・。

 

「まあ、うん、わかったわかった」

 

「うん、おーけーおーけー!あ~、私にもいい人現れないかな~!優美がうらやましい~!」

 

そう言われた圭は前に亜由美から「優美は幸せものね」と言われたときと同じような嬉しい気持ちになったのついつい、

 

「ありがとう」

 

と言ってしまった。なんでありがとうなんて言われたのかわからない麻由美は「??」って感じの顔をした。

 

それからも雑談を続け、麻由美の親が来て一緒に帰っていったので俺も帰ることにした。

 

 

× × ×

 

 

「リサコ役は・・・美結、あなたにお願いするわ」

 

負けちゃったかあ・・・まあ、そうだよね、私とは色々な面で差があり過ぎるよね。

 

「おめでとう!」

 

私はそう言いながら拍手をした。美結ちゃんは私がそんなこと言うとは思わなかったのか驚きながらも笑顔で答える。

 

「ありがとう」

 

ちょっと控えめに、そう答える。

 

「じゃあオーディションはこれにて終了するわ。2人ともお疲れさま、どちらも良くてホントに悩んだわ」

 

「え!?」

 

それを聞いた私はちょっと驚いてしまった。ぶっちゃけさっきの話聞いて、美結ちゃんの圧勝かなって思ったから。

 

「驚いてるわね、優美。私もね、少し言いにくいけど、この台本作ったときは美結が演じるのを想像しながらリサコは書いたから」

 

「そもそも優美がまさかリサコを希望してきたのも驚きだったし、あんなにリサコを演じられてたのも驚きだったわ」

 

少し興奮気味に、早口に話しているところから見ると、本当に驚いているのがわかる。

 

「よく台本読み込んで、頑張ったのね優美」

 

まさか亜由美から褒められるとは・・・!嬉しいっ!

 

「あ、ありがとう・・・!なんか嬉しいっ!」

 

ふふふっと笑顔の亜由美の横で村崎くんも口を開ける。

 

「僕もぶっちゃけ美結センパイには絶対勝てないと思って見てたんですが、正直2人見終わった後はどっちのリサコも見てみたいなあって思いました!・・・なんか偉そうに言ってすいません!」

 

村崎くんからもそう言ってくれた。褒められるのがなんだかんだで嬉しいよね

 

「ただ最終的にはやっぱり美結の演技力のが上だったわ。高校生になって、見ないうちに凄く上達している。でも美結をひいきにしてるとかそういうのは絶対ない。それは嘘ではないわ」

 

さっきとは打って変わって亜由美は真剣な表情でそう言う。

 

「うん、ありがとうあゆちゃん。私、精一杯頑張るよ」

 

亜由美の言葉に美結も応える。2人も前に競い合ったことはあるんだろうね。

 

「優美」

 

「え!?はい!」

 

突然名前を呼ばれて驚いたよ~!

 

「オーディションに落ちたからと言って、サトコは主人公、一番大事な役よ。しっかり演じてもらわないと困るからね。頼むわよ」

 

「うん!頑張る!」

 

こうしてオーディションは終了、役がすべて決まった。

 

 

× × ×

 

 

家に帰り、夕飯を食べて自室でゆっくりしてたら携帯が鳴った。麻由美ちゃんからだった。

 

「もしもし?どうしたの?」

 

『部活お疲れ~!いやね、オーディションどうだったかなって~!』

 

「え?あ、うん。頑張ったけど負けちゃった」

 

『あ、そうだったんだ』

 

「でもね、すごくやり切ったから全然後悔してないよ!」

 

『うんうん~!優美のやり切った感、めっちゃ伝わってきた~!』

 

「あはは!やり切った感って何それ!あ、そう言えばさ、今日生徒会で初めての課外活動だったんでしょ?」

 

『あ、うん、えっとね~、実は・・・』

 

それから麻由美ちゃんから今日あった出来事に聞かされた。ちょっとびっくりした後、ケガをした麻由美ちゃんには悪いと思ったけども、2人にそんなことがあった事実にもやもやした気持ちにもなった。でもやっぱり最後は嬉しい気持ちにもなった。

 

「そっか~!なんか林崎くんらしいね!」

 

『だね~!・・・あ!ああ見えてさ~!実は結構いろんな女の子に、ああいうこと言ってるんじゃない~?』

 

「え!?」

 

そ、それは困るよっ!で、でも!待ってくれるって言ってくれたんだし!

 

『びっくりし過ぎ!ごめんごめん~!』

 

「もう~!変なこと言わないでよ~!」

 

『ライバル出現!!とかになったらどうする~?』

 

え~!どうするって・・・。

 

「どうするんだろ・・・?」

 

『あははっ!んまあ彼なら大丈夫でしょ~!優美一筋っぽいし』

 

「もう~!恥ずかしくなるようなこと言わないでよ~!」

 

『あはは~!あ、ごめん!親に呼ばれちゃったからまたね~!』

 

「あ、うん、また!」

 

電話が切れたあと、麻由美ちゃんに言われたことを私は考えた。

 

今まではライバルが出現することは考えてもなかった。よくよく考えたらあんないい人だし、そういうことがあっても不思議じゃないよね。もしホントに出現したら・・・彼は待ってくれるって言ったけど・・・。

 

「って!何考えてるんだ私!そんな裏切るような人じゃないからっ!」

 

こんなことを考えるのは彼にも悪いと思った。私は冷静を取り戻し、彼を信じよう、信じようと。

 

そう言えば・・・麻由美ちゃんって林崎くんと仲いい、よね。あれ・・・?もしかして・・・?

 

「・・・ってそれはないかっ!」

 

心を落ち着かせるためにそう自分に言い聞かせたけど、その後はそれがずっとそのことが頭をぐるぐるとまわってしまった優美であった。

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?個人的は好きな回に仕上がったかなあと思います。

ぶっちゃけ、優美・亜由美・麻由美で圭ハーレムを作ることも出来ましたが、個人的にやっぱり純愛モノが好きなので(笑)

麻由美が圭を好きにならない理由みたいなのも後々書かなきゃいかん気がしてきました(確信)。一応、まあ、考えてあります。・・・たぶん。

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